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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和2年12月11日 文教委員会②

 市長質問
 ※第3期未来をつくる堺教育プラン(案)
 ※堺市教育大綱(案)  について

◆水ノ上 委員  お疲れさまです。午前中に引き続きよろしくお願いいたします。

 私からは市長質問として1問、第3期未来をつくる堺教育プラン(案)と堺市教育大綱(案)についてお聞かせいただきたいというふうに思います。

 今般、第3期未来をつくる堺教育プランが教育委員会でつくられ、また堺市教育大綱は市長の下でつくられているということです。来年には策定されるということで、令和3年から令和7年の5年間、堺市の教育の背骨となるというものをこれからつくっていこう、またこれからパブコメもしていこうということです。このプランと教育大綱については整合性を持って策定をするということになっています。

 私は大綱もプランも読ませていただきました。そこで、双方に大切なものが記載されていないのではないかという疑問から、今日は質問したいというふうに思っています。

 教育基本法の第1条にこうあります。

 「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」となっています。非常に格調の高い文章でして、私もこの文章は非常に評価しておりますし、これを肝に教育行政また議論していかなきゃならないというふうに思っています。

 さて、そこでお伺いをいたしますけれども、今般策定されております第3期未来をつくる堺教育プランの策定の趣旨、策定の中に、教育基本法第1条の心身ともに健康な国民を育成するという趣旨はどのように反映されているのか、お答えいただきたいと思います。

◎永木 教育政策課長  本プランでは、教育基本法がめざす教育の目的や目標や学校教育法に基づき子どもたちの現状や課題を踏まえつつ、2030年とその先の社会の在り方を見据えながら、子どもたちが未来社会を切り開くための資質・能力を一層確実に育成するため、学習指導要領の確実な実施や子どもたちに求められる資質・能力とは何かを学校と社会とが共有・連携する社会に開かれた教育課程を実現し、知・徳・体にわたる生きる力を育んでいくこととしてございます。

 また、めざす子ども像としまして、堺を愛し、堺を誇りとするを掲げ、グローバル化がより一層進展する中で、郷土堺の歴史・文化のよさを知り、堺を愛し、誇りを持つとともに、国際的な視野に立ち多様な価値観を認め、多様な文化を理解し尊重する心を育んでまいります。

 さらに、基本施策2 グローバルに活躍できる力の育成の中で、我が国や郷土堺の伝統や文化を深く理解することや、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことをめざし、国際理解教育を進めていくこと、子ども堺学などを通じて、問題を発見し解決する能力の育成や地域への誇り・愛着、貢献意識を高めていくこと等を記載してございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  今、るるお答えいただきましたけれども、堺を愛し、堺を誇りとする、結構かと思います。ただ、この中には日本国民としての自覚を記載しているところが特にない。また、日本国を愛し、日本国を誇りとするというような文言も見受けられません。

 心身ともに健康な国民というものはどういうものを想定されているのか、お答えいただきたいと思います。

◎永木 教育政策課長  教育基本法に記載されております第1条に掲げる目的を実現するために、教育基本法第2条に知・徳・体の調和の取れた発達を基本としつつ、個人の自立、他者や社会との関係、自然や環境との関係、我が国の伝統や文化を基盤として国際社会に生きる日本人という観点から具体的な教育目標を定めてございます。これらの教育基本法第2条を踏まえて、全体として本プランのほうは策定してございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  教育基本法の第1条、心身ともに健康な国民を育成すると、ここが一番大事だと思うんですね。そして先ほど私少し申し上げましたけれども、そのためには日本の国、日本国民としての自覚、そしてこの国に生まれたことを誇りと思い、そしてこの国を愛す、そういう思いを心身ともに健康な国民だというふうに私は思っています。

 そういう観点から、教育プランにおきましても、日本国民としての国を愛する心、誇りを持つということを記載すべきだというふうに思いますが、教育監、御所見をお伺いしたいと思います。

◎松下 教育監  本プラン案は今後の5年間の教育の充実に向けた基本的な方向性を定める指針として定めるものとして、国の第3期教育振興基本計画や学習指導要領等も踏まえつつ、堺市の現状を分析した上で、これまで懇話会や教育委員会、庁内委員会で議論を重ねてまいりました。

 委員お示しの日本国民としての国を愛する心、誇りを持つ教育に取り組むこと等の明記の点でございますが、今月12月15日からはパブリックコメントも始まります。また、このたびの議会での議論など、様々な御意見を広く整理しまして、本プランがさらによいものになるよう、懇話会や教育委員会の意見も聞きながら、今後作成してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  直接なお答えいただいてないんですけれども、僕は日本中どこで教育を受けても、この土台という教育基本法の目的、心身ともに健康な国民の育成というのを外してはならないと思います。堺を愛し、堺を誇りとすると書いている以上、その土台としては日本を愛し、日本を誇りとするという思いが伝わるようなプランにしなきゃならないと思うんですね。

 堺で学ぶ子どもたちが全てが堺生まれ、堺育ちではありません。堺にたまたま来る子もいます。また堺から出ていく子もいます。堺を誇りにするのはいいんだけれども、もともと日本の国に生まれたことを誇りとする。そこを抜けては、このプランも格調高いものにならないのではないかというふうに思っています。

 同じ趣旨の内容を堺市教育大綱についてもお聞かせいただきたいというふうに思っておりまして、堺市教育大綱におきましても、心身ともに健康な国民の育成という意味、日本の国を愛し、日本の国を誇りとする、そのような趣旨をどのように反映しておりますか、お答えいただきたいと思います。

◎西尾 政策企画部参事  教育基本法は我が国における教育の目的、理念、実施に関する基本を定める根本法でございます。教育大綱の規定を定める地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、その基本理念として地方公共団体における教育行政は教育基本法の趣旨にのっとり行わなければならないと定めております。また、同法において教育大綱は地方公共団体の長が国の教育振興基本計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策を定めるものと規定されております。

 堺市教育大綱(案)の作成に当たっては、教育基本法の理念や教育の目的を十分踏まえた上で、市の実情に応じた教育の目標や施策の方針についての市長の姿勢を示すものとして教育委員会とも十分議論を行い、作成しております。以上です。

◆水ノ上 委員  御答弁いただきましたけれども、目的は十分踏まえているけれども、具体的な記載は見当たらない。そういう踏まえているけれども、書かなければ、記載しなければ分からない。堺の教育はどこをめざしているのか、教育基本法の第1条に基づいて、心身ともに健康な国民を育てるとともに、堺を愛し、堺を誇りとするような子どもたちを育てていこうという格調の高さが僕は必要だと思うんですね。

 そこで、教育監、そして先ほどの政策企画部からも答弁ははっきりはありませんでしたけれど、私はちょっと御覧いただきたいと思いますが、これ私の私案です。どこかに教育大綱及びそのプランに、教育基本法の目的にのっとり、日本国民としての自覚を持ち、日本国を愛し、日本国を誇りとする子どもを育成する、このような文章を前文でもどこでも結構ですから入れれば、格調が高いし、そして教育基本法に基づくし、そして先ほどプランにありました堺を愛し、堺を誇りとするということにも合致するというふうに思います。

 そういう点から、このような趣旨のものを入れるべきだと思いますが、まず教育長の御所見をお伺いしたいと思います。

◎中谷 教育長  このたび策定をしております第3期未来をつくる堺教育プランについての前段のほうで、今、水ノ上委員のほうからお示しの文案を入れるべきではないのかというふうなところを御指摘いただいておりますけども、私どもとしましては、先ほど来答弁ございましたように、堺を愛し、堺の郷土をしっかりと認識する子どもたちをつくっていきたいという中には、やはりそういった意味で基本にはそういった日本国民としての自覚を持つ、日本を愛する、誇りに思うというのは当然入っているものというふうに認識しているところでございます。

 なお、案の策定については、先ほど教育監のほうから申し上げましたように、今後パブリックコメント、そしてこのたびの議会での様々な議論、そして市民の皆さんからの御意見を踏まえた中で教育委員会として策定をしていきたいと考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  堺を愛す、堺を誇りと思う、それはもちろん大事、その前にやっぱり日本国を愛し、日本を誇りとするということもさらに大事だというふうに思います。

 堺市教育大綱を策定するに当たって、今の議論を踏まえて堺市長の御所見をお伺いしたいと思います。

◎永藤 市長  教育基本法は日本の教育全般の基礎となる法律ですので、それを踏まえているということは大前提でございます。

 基本理念として教育大綱の中には、未来を切り拓き、個々の幸せを実現する堺の教育としておりますが、まさに未来を切り開くということにつきまして、教育基本法の前文とも一致をしています。

 そして教育大綱におきましては、市長の学校教育に臨む姿勢をシンプルに分かりやすくまとめておりますので、教育基本法のように事細かな内容を記載はしてはおりません。

 しかし、先ほどの基本理念であったり重要方針にも、郷土や国を愛する気持ちを育むと明記をしております。委員の今、お示しいただいた内容は御意見として承ります。

◆水ノ上 委員  このプランと教育大綱につきましては、これからパブコメ等を経て策定されるということです。ぜひとも今日は市長からも御意見をいただきました。書かなければ伝わらないというのがあると思いますので、ぜひともプランと教育大綱について、こういう意味での格調の高いものにするためにも、整合性を取って、よりいいものをつくっていただきたいということを申し上げまして、この点についての質問を終わりたいと思います。

 続きまして、第3期プランの中に第2期のプランと大きく変更があったことがあります。いろいろ変更はあるのですけれども、その中で私が気になりましたのは、第2期のプランにつきましては、人権教育の中に男女平等教育という言葉がありました。しかし、第3期のこのプランにおきましては、男女平等教育という文言がなくなって、ジェンダー平等教育という文言が加わりました。そして男女平等教育という言葉がなくなりました。

 そこでお伺いします。まず、男女平等教育とはどういうものなのか、お答えください。今までされてきた男女平等教育とはどんなものか、お答えください。

◎森内 人権教育課長  第2期未来をつくる教育プランの基本施策7の豊かな人権感覚と道徳性の育成の中でも、子ども一人一人が性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮し、男女共同参画の視点を持って自分らしく生きることができる能力や態度を育成するというところで男女平等教育を推進するということで記載をさせていただいております。以上です。

◆水ノ上 委員  男女平等につきましては、憲法にもあります。それは法の下の平等と、差別はあってはならないというふうに書かれています。また、男女共同参画につきましては、私の理解では機会の平等をまず図るというところにあろうかというふうに思います。ただ、今のお答えいただきました男女平等観につきましては許容しております。

 続きまして、今回第3期のプランに書かれておりますジェンダー平等教育とはどんなものなのか、お答えいただきたいと思います。

◎森内 人権教育課長  今回第3期未来をつくる教育プラン(案)におきまして、男女平等教育という概念をジェンダー平等教育に変更を予定してございます。

 ジェンダー平等教育につきましては、社会的、文化的につくられた性別による固定的な役割分担意識や偏見を解消し、全ての人が個人としてその尊厳が重んじられ、個性と能力を十分に発揮することができるように行われるものであるというふうに考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  そうしましたら、ジェンダーというのは何でしょうか、定義を教えてください。

◎森内 人権教育課長  ジェンダーにつきましては、生まれついての生物学的性別とは別に、社会通念や習慣の中で社会によってつくり上げられた社会的、文化的に形成された性別のことと、それ自体にはよい悪いという価値は含めるものではなく、国際的にも使われている言葉というふうに認識してございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  ジェンダーの定義は社会的、文化的につくられた性なんですよ。つまり性別というのは社会的、文化的に人工的につくられるんだという発想なんですね。そういうのは科学的に証明されてるんですか。

◎森内 人権教育課長  科学的に証明されているかどうかというところは、いろんな議論がございます。なかなかそれ証明されているかどうかというのは、ちょっと私のほうから御答弁といいますか、今の段階では御答弁ちょっと難しいというふうに考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  まだこれ答え出てないんです、おっしゃるとおりね。脳科学におきましては、生まれてから脳の性差というのがあると言われています。ですから、ジェンダーというのがあるというのは、これはイデオロギーなんですね。そういう観念なんですね。

 そこで、さっき言われました固定的な役割分担意識等を解消するとありますけど、固定的な役割分担意識や偏見というのは問題だ、悪だというふうに思ってるんですか。

◎森内 人権教育課長  先ほども御答弁させていただきましたとおり、それ自体がよい悪いというものではないというふうに認識してございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでも解消しようとするんでしょう、それを。まあいいです。後で議論しますから。あと5分しかありません。

 それでは、今回男女平等教育という言葉をジェンダー平等教育という言葉というか概念に変更した理由についてお答えください。

◎森内 人権教育課長  社会的・文化的背景から生きづらさ等を感じている子どもたちも存在していることから、誰一人取り残さないという理念の下、社会的、文化的につくられた性別による固定的な役割分担意識や偏見、これを解消する必要があるということで、より広範な概念でありますジェンダー平等教育に今回変更させていただきました。以上でございます。

◆水ノ上 委員  社会的、文化的につくられた性別による固定的な役割分担意識や偏見を解消する必要があるため、より広範な概念であるジェンダー平等教育に変更した。

 教育監、これで認識で間違いないですか。

◎松下 教育監  課長が答弁したとおりと思っております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この文章、僕非常に問題だと思うんですね。社会的、文化的につくられた性による固定的な役割分担というのを意識、偏見という意識ですよね、それを解消する必要がある、リセットするんですよ、取り消すんです。そのために教育をすると言うてるんです。これ、思想教育じゃないですか。人間改造じゃないですか、意識を改造する、子どもたちの、そういうふうに思われますけれども、いかがですか。

◎太田 学校教育部部理事  今、御指摘いただきました思想について改造するというような御指摘をいただきましたけれども、この場合、社会的なあるいは文化的につくられた性別による固定的な役割分担あるいは偏見というものは、押しつけられたあるいはそれを受け止める人にとって非常に生きづらさを感じたり自分の人権を侵害されているというふうに考えられるものであるというふうに考えております。そういったものに結びついた場合には大きな人権侵害を起こす可能性がありますので、これは解消していく、なくしていくというジェンダー平等を実現しようという思いでつくっていることでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  どちらにしても人の意識を解消する、教育をするんだと、先ほどの答弁はそう言ってるんですよ。それは非常に問題だというふうに思います。

 かつてフェミニストはジェンダーを後天的につくられたものだと考えて、人間の意識を教育や啓発や宣伝によって変えることができるものと考えて、そこからジェンダーフリー運動というのがありました。これは今されてませんけど、ジェンダー平等という名前に変えて、答弁ではそういう意識でもって教育をしようというふうにしか私は取れないと思っております。

 時間がないので次行きます。文部科学省は、このジェンダー平等についてどのような見解を持っているんですか。

◎森内 人権教育課長  文部科学省としましては、男女共同参画社会の形成に向け、学校教育においては、児童・生徒の発達段階に応じて、男女平等や相互の理解協力について適切に指導することなどには触れてございます。

 ただ、現時点ではジェンダー平等教育という表記は特にございません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでは他の都市では、このジェンダー平等教育を掲げているところはほかにあるんですか。

◎森内 人権教育課長  私ども人権教育課として知っている限りではございません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  こういうのはどこにもないんですね。

 私思うのは、このまま修正されることなくジェンダー平等教育という概念が採用されれば、全国に先駆けて堺市は教育の基本計画の中でジェンダー平等が採用されたと大々的に宣伝する人間が出てくるんじゃないかと思います。その人間がこれを主導しているのではないかと思います。

 最後、時間が来ましたので、教育長にお尋ねいたします。

 教育基本法には男女平等とあります。文部科学省も先ほど言ったとおり、ジェンダー平等など影も形もないです。もちろん定義すら示していません。学習指導要領にも特に記載はありません。男女平等教育をジェンダー平等教育に変更した自治体はありません。そして多くの人は、このジェンダーというのを理解しておりませんし、ジェンダー平等という概念も理解していません。

 そういう中で、私は男女平等教育をジェンダー平等教育に変更すべきではないというふうに思いますが、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。

◎中谷 教育長  このたびの男女平等教育からジェンダー平等教育への変更、改定につきましては、いわゆる社会的、そして現状の文化的な背景から、様々な子どもたちがいるという実情を踏まえ、必要に応じて変更したものでございます。

 今後、先ほども御答弁させていただきましたが、パブリックコメントが実施されます。その中での市民の方々の様々な御意見、そして議会での議論等を踏まえまして、今後最終確定をさせていただきたいと考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  ジェンダー平等教育というのは非常に危険性をはらんでいるということを申し上げまして、これからもこれについては度々議論したいというふうに思いますので、以上申し上げまして私の質疑といたします。少々超過して失礼をいたしました。

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