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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

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〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和7年2月25日 大綱質疑

大阪・関西万博における世界遺産百舌鳥古墳群の発信と誘客について
令和7年度教育予算について

◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、おはようございます。日本保守党の水ノ上成彰です。通告に従い大綱質疑を行います。本日は2問です。よろしくお願いいたします。

 まず、大阪・関西万博における世界遺産百舌鳥古墳群の発信と誘客についてです。

 いよいよ4月13日から大阪・関西万博が開催いたします。開催まであと47日となりました。

 大阪唯一の世界文化遺産百舌鳥古市古墳群が5周年を迎えました。

 日本には20の世界文化遺産がありますが、百舌鳥古市古墳群の知名度は必ずしも高いとは言えません。百舌鳥古墳群は万博から一番近い世界遺産であり、多くの方にその価値と魅力を知っていただき、堺に来ていただく絶好のチャンスと当局は位置づけて力を入れています。

 そこでお伺いいたします。世界遺産百舌鳥古墳群の発信について大阪・関西万博会場での取組と万博に関連した百舌鳥古墳群ビジターセンター及び堺市博物館における新たな取組をお伺いいたします。

 これで一旦降壇いたします。

○議長(田渕和夫君) これより答弁を求めます。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 大阪・関西万博の会場では、万博会場から一番近い世界遺産をPRするため、5月9日から11日の3日間、地域の魅力発見ツアー大阪43市町村の見どころのやりなはれゾーンに出展し、若年層や外国人に人気の高い体験型バーチャルコンテンツであるマインクラフトを活用した古墳を造る体験型事業を実施します。

 市内での新たな取組として、百舌鳥古墳群ビジターセンターでは、先ほどの事業を大阪・関西万博のレガシーとして継承し、市内への誘客や大仙公園エリアの周遊を促進するため、万博会場での事業終了後、ビジターセンター内に同様の体験コーナーを設置します。

 堺市博物館では、歴史ファンや考古学ファンはもとより多くの方の興味を引きつけられるよう、万博期間中に色をテーマにした企画展を2回に分けて開催します。

 前期には、大阪・関西万博のイメージカラーである赤色と青色に注目した企画展を、後期には、日本らしい華やかさと深みを鑑賞できる金色と黒色を主題とした企画展を開催します。

 多くの来館者に来ていただける企画展を開催し、常設展示も見ていただくことで百舌鳥古墳群の魅力発信や保存・継承への理解を深めるほか、後期の企画展では、その価値や魅力を感じていただける展示を行う予定です。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 万博会場における百舌鳥古墳群発信のブースはたったの3日間ということでした。

 その主力の事業はマインクラフト。マインクラフトとは、スクリーン1お願いいたします。

 私はこれ最初聞いたときに思い浮かばなかったんですけれども、著作権の関係で具体的な映像をスクリーンでお見せすることはできませんが、文章で書くとこういうことになります。

 マインクラフトとはものづくりゲームの一種で、マインクラフトの世界は全てブロックでできていて、建物や家具などを造ったり、ブロックの組合せでオリジナルの世界を構築したり、その世界の中を冒険したりしながら遊ぶことができる、多くのユーザーと一緒に遊んだりすることも可能と。全世界で1億人以上が利用、世界で最も多く利用されている仮想空間を提供するゲーム、小・中学生ではゲームとして、高校生から大人には表現方法として利用されることが多いということであります。

 ユーチューブなどを見てマインクラフト古墳で検索していただければイメージが湧くと思うんですけれども、要するにパソコンの画面上で古墳を造るゲーム、レゴブロックみたいなブロックを組み合わせてバーチャルゲームで古墳を造るということらしい。あくまでもゲームです。仁徳天皇陵や百舌鳥・古市古墳群の古墳の名前が出てくるわけでもなく、歴史が示されるわけでもありません。

 3日間、世界遺産百舌鳥古墳群を発信するブースで4台のパソコンとモニターを置いて取り組む事業らしいですけれども、改めてお伺いいたしますが、マインクラフトの狙いはどこにあるんでしょうか、お願いします。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 幅広い先ほども少し申し上げたかもしれませんが、若年層や外国人に人気の高いということですので、幅広く興味を持っていただいて、その上で例えばほかの仁徳天皇陵古墳や百舌鳥古墳群の内容理解、価値というものも広く来てもらった上で、ほかのことも見てもらった上で知らしめるというか、周知するというそういうふうな狙いもございます。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) そういう狙いはあったとしてもね、万博会場だけでなく、これ万博での出展後も百舌鳥古墳群ビジターセンターでもマインクラフトの体験コーナーを設置すると、同じことをするらしい。マインクラフトは先ほどから申し上げているとおり、あくまでもバーチャルゲームなんですよね。

 堺に来れば、現実の1,600年の壮大な歴史が眼前にあるにもかかわらず、それの説明とかそういうことには触れずにバーチャルゲームにこだわる。私には全く理解できない。万博はまたとない絶好のチャンスと言いながら、バーチャルゲームのマインクラフトはチャンスを生かす取組とは私は感じない。

 また、堺市博物館で色をテーマにした企画展が行われるということですけれども、先ほどの説明では、その企画展が百舌鳥古墳群の価値とどう結びつくのか分かりませんし、百舌鳥古墳群の知名度がどのように上がるのかも分からないと、そういうことを申し上げておきます。

 世界遺産登録後5年間、私が議会で何度も申し上げてきたことは、天皇陵を世界遺産にする以上、1,600年の壮大な歴史を生かせということでした。

 世界三大墳墓といえば仁徳天皇陵、秦の始皇帝陵、クフ王のピラミッドということですが、大きさで言えば、仁徳天皇陵は3重の堀まで入れると他の2つとは桁違いにナンバーワンです。しかし仁徳天皇陵の知名度は圧倒的に低い。なぜか。

 陵墓の被葬者である仁徳天皇が人物として知名度が低いからであり、世界の人々は仁徳天皇を知りませんし、日本人にもメジャーではありません。日本の教科書には仁徳天皇陵の記載はありますが、仁徳天皇についての事績などの記載はほとんどありません。

 仁徳天皇の古事記や日本書紀に記載されている事績を積極的に発信することが知名度向上に有効であると思います。天皇の事績に触れることができる展示や情報発信が必要と考えますが、取り組む考えはあるのか、お伺いします。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 天皇の事績については、百舌鳥古墳群を代表する仁徳天皇陵古墳について興味を抱き、古墳群の周遊にもつながるものと考えており、百舌鳥古墳群ビジターセンターで古事記や日本書紀に記される民のかまどや自らの墓を築いた逸話などの掲示を行っていますが、今後より多くの来場者に見ていただけるような掲出方法を検討します。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、まだこの期に及んで検討するということですけれども、今までずっとそういうことでした。

 ビジターセンターにも博物館にも仁徳天皇の事績については現在僅かしかありません。今まで何度も要望してきましたが、全く改善されず、あえて避けているような印象も受けます。堺市の発行する様々な観光パンフレットにも仁徳天皇の事績を取り上げたものはありません。検討すると言っても、これまでの経験ではお茶を濁す程度で終わるのだろうと、ほとんどやる気を感じられない。

 皆さん、仁徳天皇陵、秦の始皇帝陵、クフ王のピラミッドを比較して、大きさ以外に最大の違いは何か、お分かりになりますか。今でもその子孫がその地位を継承しており、今でも祭祀を執り行っているということです。秦の始皇帝の子孫もクフ王の子孫も今はいません。

 毎年2月8日に仁徳天皇の正辰祭というものが仁徳天皇陵で催行されます。

 スクリーン2の1をお願いします。

 2月8日は仁徳天皇の御命日なんですけれども、それの正辰祭と、こういう字を書きます。通常2月8日ですが、今年は土曜日だったので前日の2月7日に執り行われました。

 スクリーン2の2をお願いします。

 これは2月7日の正辰祭の行われている写真です。これはどなたも拝見することができます。正辰祭は皇室が祖先を慰霊する祭祀のことをいいます。2月8日は先ほども申し上げたとおり仁徳天皇の御命日、今年は1,626回目の正辰祭、宮内庁の職員が執り行っています。1,626回忌です。すごくないですか。

 毎年、堺市長にも招待状が届いているとのことですが、参列されたことはないということを聞いています。なぜ永藤市長は参列しないのか。平日で公務が忙しいのであれば、副市長が代理として参列してもいいのではないか。皇室財産である天皇陵を世界文化遺産にしたのであれば、礼を尽くして参拝すべきではないかということを申し上げたいと思います。

 スクリーンありがとうございます。

 さて、実は一昨日の2月23日はある法要がありました。1868年、堺事件が起こって、堺事件で土佐十一烈士が妙國寺で切腹した日です。毎年2月23日に妙國寺で仏式の法要が行われます。

 永藤市長は熱心に毎年参列されています。私も毎年参列しておりまして、一昨日も市長とは御一緒でした。永藤市長の土佐十一烈士に手を合わせる姿を見てふと疑問に思ったのは、土佐十一烈士というのは全て尊王の志士ですが、なぜ土佐十一烈士の命日には参拝するのに仁徳天皇の命日の正辰祭には参拝しないのかということです。通告をしておりませんので答弁は求めませんが、疑問に思ったということを申し上げておきたいと思います。

 天皇陵には天皇皇后両陛下自ら行幸され、参拝されることもあります。平成11年、1999年11月16日、仁徳天皇1600年祭、今から25年前ですけれども、天皇皇后両陛下、現在の上皇上皇后陛下が仁徳天皇陵を参拝されました。また、平成17年、2005年の8月23日、履中天皇の1600年式年祭があり、これはちょうど20年前ですが、天皇皇后両陛下、現在の上皇上皇后陛下が行幸され、参拝されました。

 私はこの20年前の履中天皇の前で天皇皇后両陛下をお待ちしたのを覚えております。天皇皇后両陛下が履中天皇陵を参拝される姿を直に拝見をしてきました。私のホームページでも今もそのときの様子が残っています。世界遺産登録した天皇陵とは、天皇陛下が参拝する場所でもあるということを胸に刻んでいく必要があると思います。

 そこで1つ提案です。

 参拝時の写真が残っているのではないか。その写真をビジターセンターや万博のブースに掲示してはどうか。世界最大の天皇陵に参拝する天皇陛下、上皇陛下の写真は1,600年前と現在をつなぐものであり、仁徳天皇陵、履中天皇陵が秦の始皇帝陵やクフ王のピラミッドにない唯一無二の価値を世界中の誰もが瞬時に理解できるものと思います。仁徳天皇陵の価値は世界一の大きさだけではなく、現在も天皇陛下が祭祀を続ける場所であるというところにあります。当時の写真があるのなら、ぜひ掲示することを提案しておきます。

 さて、新しい取組としての話ですけれども、2月23日、堺事件の法要と同じ日でしたが、フェニーチェ堺の5周年の記念事業のコンサートがありました。

 スクリーン3をお願いします。

 メインは大阪交響楽団によるベートーヴェン第9番の演奏でしたが、第9番の演奏の前に糀場富美子さん作曲の古えの堺へ百舌鳥耳原に寄せる3つの墓碑銘と称される曲が演奏されました。14年ぶりの演奏だそうで、とてもよい企画だと思いました。フェニーチェでは市長と本屋副市長の姿もお見かけいたしました。

 この曲は作曲家の糀場さんが仁徳天皇陵、履中天皇陵、反正天皇陵の3陵を訪れ、仁徳天皇、履中天皇、反正天皇の3人の天皇をイメージして作曲されたものです。私も当日聞かせていただきましたが、墓碑銘とするだけあり、重厚でとてもすばらしい曲だと思いました。

 私は多くの方にこの曲、古えの堺へ百舌鳥耳原に寄せる3つの墓碑銘を仁徳天皇、履中天皇陵、反正天皇陵の親子兄弟のエピソードに触れながら弾いてほしいと思います。著作権などの課題はあると思いますが、堺市でCD化して多くの方に広めるなどの考えはないのかをお聞きしたいと思います。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 議員お示しの楽曲につきましては、本市が作曲を依頼したものではなく、本市でのCD化は考えておりません。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) CD化は考えないと木で鼻をくくったような御答弁でした。

曲も大事ですけれども、曲の背景の物語が大事なんですね。そこを重要視する必要があるという意味でこういう御質問したんですけれどもね。

 さらに、新しい取組としてガス気球があります。仁徳天皇陵をガス気球を上げて空から見下ろすという取組ですが、令和7年度予算案にはガス気球の子ども気球体験事業が含まれていますが、気球の運行開始のめどはどうなっているでしょうか、お答えください。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) ガス気球事業の進捗としましては、万博開催中の運行に向けて関係者と調整をしています。調整がつけば速やかに発表したいと考えております。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 万博開催中の運行に向けて調整中で、調整がつけば運行開始とする御答弁でした。

 私はこれまでガス気球については応援してきましたが、最近応援するのをやめました。

 私は、皇室の財産である天皇の御陵を世界遺産にさせていただいている以上、皇室に感謝し、御霊に眠る天皇に敬意を払う意味から5年以上様々な提案を皆さんにしてまいりました。各御陵の掲示板におのおのの天皇の事績を掲示するとか、百舌鳥古墳群ビジターセンターや堺市博物館、観光パンフレットに天皇の御事績や逸話を掲示するようにも求めました。ビジターセンターに2本目の歴史的な映像を作成するなども提案しました。

 しかし全く取り入れられませんでした。先ほどのCDの件も同じです。仁徳天皇陵を単なる観光資源扱いで見せ物にしているようにしか思えないんです。

 文化観光局長に聞きますが、令和5年5月にガス気球からガスが抜けてしぼみましたが、原因は特定されましたか。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 原因の特定まではされておりません。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 原因は今もって特定されていない。私には原因は想像できます。これは仁徳天皇のたたりです。これ以外に考えられない。神がかり的なものであると私は思います。私は、笑ってるけど本当にそう思うんです。天皇陵を世界遺産にしたにもかかわらず、皇室や天皇に対する感謝も尊敬の念もなく、単なる見せ物にしようとする態度に腹を立てているんだと思います。

 このままの態度でガス気球事業を推し進めれば、いずれ大事故が起きるのではないかと危惧しています。天皇の怨霊が日本の歴史上様々な災いを起こしてきた事例は幾つもあります。世界最大の天皇陵に眠る霊は確かにあります。現に子孫である天皇陛下が参拝されています。御陵は仰ぎ見るものであって、見下ろすものではないと私に忠告していただいた方もいらっしゃいます。令和5年5月にガス気球がしぼんだのは警告だと謙虚に受け止めて、ガス気球は今のうちに断念したほうがいいと申し上げておきます。

 ガス気球はやめて、それより次の提案を私はお勧めしたいと思います。

 大阪・関西万博の大屋根リングは、日本国際博覧会協会において万博閉会後、再利用が検討されています。旧大阪女子大跡地には堺ミュージアム構想があり、大屋根リングを再利用した木造展望台を設置することで、世界最大の陵墓を前にしてゆったりと1,600年前のいにしえの時代を深く考える施設として堺への誘客、これは高さは12メートルから15メートル程度ですから、たくさんの方を誘客するにはとってもいいと思うんですけれども、大屋根リングの再活用について堺市のお考えをお聞きしたいと思います。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 大阪・関西万博の大屋根リングの活用は万博のレガシーを後世に伝えられるものであり、サーキュラーエコノミー、循環経済というらしいですが、の実現に向けた取組の一環として、リングの建材などのリユースに万博協会も取り組んでいます。

 本市では、大屋根リングの活用について各局に活用の意向確認を行い、本年1月末に大阪府・大阪市万博推進局に詳細の確認を行いました。旧大阪女子大学跡地で大屋根リングを再利用した木造展望台の設置は考えておりませんが、その他活用に向けた可能性として、運搬費や必要経費を確認した上で、市の施設などへの建材の利活用方法を今後検討します。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 大屋根リングを提案いたしましたけれども、それも設置も考えないということでした。

 堺ミュージアム構想があって私も存じております。仁徳天皇陵は、日本人が造った世界最大の前方後円墳という日本独自の芸術作品です。そういった観点からも私はよいアイデアだと思ったんですけども、残念です。

 今日の議論を通して申し上げることは、仁徳天皇陵をはじめとする百舌鳥古墳群の発信については私は皆さんに何も期待をしていないということです。ただガス気球を強行して大事故を起こさないことを祈るだけです。以上でこの項の質問を終わります。

 続きまして、令和7年度教育予算についてお伺いいたします。

 まず、小学校給食の無償化について多くの会派から質疑がありました。

 小学校給食費の無償化実施について、なぜ無償化が必要なのか、その理由と概要を、また給食費を無償化した場合の費用をお聞かせください。

◎教育次長(櫻田浩樹君) 本市では、学校給食がこどもたちの健全な成長と発達を支えるための重要な役割を担っているということに鑑みまして、子育て世帯の経済的負担を軽減し、安全で安心な学校給食を提供することを目的に、小学校及び特別支援学校小学部の学校給食費の無償化を段階的に進めます。

 そのための関連予算としまして、約5.8億円を今議会に提案させていただいております。

 具体的には、令和7年度は1年生及び2年生、令和8年度は1年生から4年生、令和9年度以降は全学年に対象を拡大して実施する予定でございます。

 小学校と特別支援学校小学部の全学年で給食費を無償化した場合にかかる費用としましては、約20億円を見込んでおります。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 給食無償化の理由はたった1つで、御答弁にもありました子育て世帯の経済的負担を軽減するというものです。

 子育て世帯の経済的負担の軽減を理由としてますが、子育て世帯は現在そんなに貧困でしょうか。

 国の児童手当は昨年、令和6年10月に改定され、拡充されました。基本毎月1万円の支給はそのままですが、所得制限はなくなり、対象は18歳までとなり、3子目からは月額3万円に増額をされました。4か月ごとの支給が2か月ごとの支給になりました。18歳までの子どもが3人いれば毎月5万円、4人いれば毎月8万円、児童手当が支給されます。国により子育て世帯の経済的負担は軽減されました。

 さて一方、子どもに人気の外食産業は現在どんな状況にあるか御存じでしょうか。

 例えばサイゼリア、ガスト、マクドナルド、びっくりドンキー、ココス、各種回転ずし、焼肉きんぐなど子どもたちに人気ですけれども、どこも増収増益、店舗拡大、中には最高益を上げている外食産業もあります。土・日になれば子ども連れの家族で大にぎわい、列をなしている。皆さんも御存じだと思います。その光景を見て子育て世帯の貧困さは特に感じない。

 堺市は財政的に厳しい状況であると市長は答弁をされていました。児童手当が拡充され、また子育て家庭向けの外食産業は絶好調、この時期に給食費無償化は必要だろうか。市長の公約であると言いますが、今やるべきものか疑問だということを申し上げて、この質問は一旦終えます。

 続いて、小・中学校の学力向上についてお伺いします。

 堺市の小・中学生の学力は近年大幅に下落しています。しかし、令和7年度当初予算案の重点施策に学力向上に関するものはありませんでした。

 私は学力向上こそ堺の最大の課題だと思っています。そこで、本市の令和6年度全国学力・学習状況調査の結果についてお答えいただきたいと思います。

◎教育監(富岡重幸君) 令和6年度全国学力・学習状況調査の結果におきまして、全国の平均正答率を100とした場合、本市の小学校6年は国語が96.0ポイント、算数が96.2ポイントであります。

 中学校3年は全国の平均正答率を100とした場合、国語が98.1ポイント、数学が95.2ポイントであります。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 本市の小学校・中学校の平均正答率を数字で答えていただきましたけれども、数字では分かりにくいので、スクリーン4をお願いいたします。

 これは令和6年度全国学力・学習状況調査各教科の平均正答率を単純化したものです。堺市のところが赤字、下に大阪府・全国平均とありますけれども、堺市は小学校・中学校とも国語・算数とも大阪府平均・全国平均を下回っています。国語は大阪府と同率ですけれども、あとは全て下回っているという状況です。

 続けてスクリーン5をお願いいたします。

 これは国立教育政策研究所が出している政令市20市の比較を分かりやすく単純化したものです。堺市の小学校・中学校の国語は令和5年、令和6年とも政令20市中最下位、令和6年度の国語に至っては単独最下位でした。算数は令和5年、令和6年とも政令市20市中最下位から2番目、他の市と同率はありますけれどもこういう状況です。国語・算数とも政令市20市中最下位クラスになっているということです。

 スクリーン結構です。

 今お示ししたとおり、本市の全国学力・学習状況調査の結果、平均正答率は全国平均以下、大阪府平均以下、政令市の中で最下位クラスという厳しい状況を教育委員会は認識しておられますか。

◎教育監(富岡重幸君) 今議員スクリーンにお示しいただいたとおり、本市の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、全国平均を下回っており、厳しい状況にあるということは認識してございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 令和5年度・6年度を見ましたけれども、以前は堺市の特に小学生は政令指定都市の中でも上位クラスでした。それが今や最下位レベルになった。なぜここまで堺市の子どもたちの学力が下がったのか、どのように分析されていますか。

◎教育監(富岡重幸君) 今こどもたちの学力の分析をさせていただいたときに、複数の情報を結びつけて回答することであるとか、または持続して問題に取り組むという部分において課題があるというふうに認識してございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) いろいろ理由があると思いますけどね、結果はもう明らかだと。20年前、堺市が政令市になる目的の1つとして、独自の権限と財源を持つことができることから、教育環境の向上、学力の向上ができるとおっしゃってた。

 私は20年前も議員をさせていただいておりましたので、そのことをよく覚えています。市独自の教育施策に予算を投じることができる、特色ある学校づくりができる、教育環境が充実する、市独自の教員の採用で質の高い教育を確保できる、その結果、学力の向上が見込まれる、政令指定都市になったらこういう状況を皆さん想定してた。

 しかし現在は20年たって学力は大阪府の平均以下、政令市になった意味はあるのかと私は問いかけたい。

 堺市の小・中学生の学力は現在政令市最下位クラスですけれども、堺市の生徒が悪いわけじゃないと思います。生まれながら全国で堺市の子どもたちが悪いわけじゃない。堺の教育行政に携わる堺市教育委員会のレベルが政令市最下位レベルだから、子どもたちが結果としてそういう成績になるんだとそういう自覚を持たなければ僕はならないというふうに思います。

 このような学力向上が堺市において第一の教育課題の中、また財政が依然厳しい中、給食を無償化して5億8,000万や3年後には20億の巨費を投じて子どもたちの腹を満たすより、しっかり予算をかけて子どもたちの頭に知識で満たすことが教育者の考えるべきことではないのかと私は思います。

 貧困で多くの子どもたちが腹をすかして勉強できないような発展途上国ならいざ知らず、世界第3位の経済大国で先進国の日本の中の政令市の堺市が、学力向上の課題があるにもかかわらず、給食費の無償化、今取るべき政策なのかと疑問に思うということを申し上げておきたいと思います。

 さて、令和7年度の学力向上について特に予算的には目立ったものはありませんけれども、どのような取組を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

◎教育監(富岡重幸君) こどもの学力向上には、こどもの実態に応じた授業の充実が必要であると考えております。そのためにこどもの実態把握と授業改善に取り組んでおります。

 こどもの実態把握につきましては、令和6年度より全校実施しておりますIRTを活用した本市独自の学力・学習状況調査を継続して実施いたします。

 令和7年度は小学校5年生から中学校2年生までの学力の変容を経年で把握することができます。学力の経年変化を把握することで、個々のこどもの伸びやつまずきについて詳細に分析を行い、こどもの状況に応じた効果的な取組を行います。

 授業改善につきましては、本市の課題に対応した取組を進める必要がございます。近年の各種学力調査の結果から、本市のこどもは複数の資料を関連づけて考えることや自分事として意欲的に学ぶことに課題があるということが分かりました。

 令和5年度末に本市の課題克服に向けて開発した授業モデル、学びのコンパスを令和7年度より全校で実施し、授業改善を進めます。

 さらに個々の教員の指導力、学校の研究力を高めるために、教育先進地域の調査研究や全国大会規模の研究会参加に係る旅費等の支援の充実や、指導主事及び子どもの学び研究員の学校への派遣等により学校の伴走支援を引き続き行います。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 取組を御答弁いただきましたけど、要は実態把握と授業改善に尽きると今までのやってきたことの延長線上にしかすぎない。また、特に予算化されているわけではありません。

 個々の教員の指導力や工夫をして頑張れというもので、新たな予算を伴う挑戦ではないので、効果は限定的にならざるを得ないのではないかなとそういうふうに思います。

 先ほど政令指定都市の中でも国語力が小学校、中学校ともに最下位という大きな課題がある中、私は国語力の向上をめざすことが堺の学力の向上に、もうこれは近道か遠回りかは分かりませんけど、これしか僕はないと思うんですね。

 だからいかに国語力の向上を図るか、それに尽きると思いますけれども、そのためには読書推進が必要だと思いますが、その取組についてお伺いしたいと思います。

◎教育監(富岡重幸君) 読書推進に関する取組としましては、平成18年度から堺・スタンダードの1つといたしまして、全小中学校において朝の読書活動を週1回以上実施するとしております。

 また、児童・生徒の読書習慣の定着や言語能力、情報活用能力等の育成を図るため、学校図書館教育を推進しており、全小中学校に学校司書を配置し、児童・生徒の読書活動・学習活動の支援や学校図書館の環境整備を行い、開館日数が増加するなど児童・生徒が本に触れる機会は増加しております。

 学校図書館教育の推進は総合的な学力の育成に向けた取組に位置づけておりまして、現在改定中の堺市こども読書活動推進計画案におきましても、こどもの自主的な読書活動を啓発・支援すると定めていることから、児童・生徒の読書活動の充実に取り組んでまいります。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 時間がありませんので、もう詳しい内容は述べませんけれども、読書が最も大事だという点では共通してると思う。

 それで1つ提案があるんですね。読書には漢字の習得が不可欠です。常用漢字は2,136字ありますけれども、小学校で習得するのは1,026字、中学校で習得するのは1,110字、その常用漢字2,136字全部読めるようになれば小学校でもいろんな本を読める。 1つの取組としてね、小学校6年間で書かなくてもいいけれども、常用漢字2,136字全部読めるようにそういうチャレンジをするというのも堺独自のチャレンジとして僕はいいのかなというふうに思っています。ぜひ検討していただきたいと思います。

 最後に申し上げたいことがあります。

 それは先ほど給食無償化のこともありましたけれども、米百俵の話です。

 幕末の長岡藩には戊辰戦争で焼け野原になって、支藩の三根山藩から米百俵が届けられた。これで一息つけると藩の皆さんが配給を皆待ち望んだ。

 しかし、そのときの藩の大参事の小林虎三郎は、百俵の米を食べてしまえばそれで終わりだが、教育に投資すれば将来何倍にもなって戻ってくる。米を売却して学校の設立資金をした。その学校からは東京大学の総長も出たし、連合艦隊司令長官の山本五十六も長岡藩のその学校の出身です。

 腹が減って食うものがなくても教育が最重要と教育の立て直しを実行した先人の思いを学ぶべきだと思います。堺の教育者は私が見るに自分にも甘いし、子どもたちにも甘い。私は教育に関しては教えるほうも、そして教わるほうも厳しさを持って取り組むことが必要、それなくして教育の向上はないということを申し上げて私の大綱質疑を終わります。

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