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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和7年6月3日 大綱質疑

大阪・関西万博、大屋根リングの利活用について
堺市女性団体協議会が大阪高裁に控訴したという事での今後の堺市の対応について

◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さんおはようございます。日本保守党の水ノ上成彰です。私は今日の大綱質疑では通告に従い2問質問いたしますので、よろしくお願いいたします。

 まず最初に、大阪・関西万博、大屋根リングの利活用についてお伺いをいたします。

 4月13日開幕いたしました大阪・関西万博は50日がたちました。この5月31日の一般入場者数は初めて15万人を超えたということで注目を集め、活況を呈しています。

 私はテストランを含めて3度万博に行きました。通期パスも購入し、期間中さらに見聞を広めて楽しみたいと思っています。大綱質疑1日目、2日目、万博開催中の堺への誘客など議論されましたが、堺への誘客は肌感覚でも進んでいるようには思いません。パークアンドライド堺駐車場の低迷などを見てもそう思います。

 一方、万博に合わせて万博開催記念として、奈良、京都、大阪で国宝展が開催されています。奈良国立博物館では超国宝展、京都国立博物館では日本、美のるつぼ、大阪市立美術館では大阪で初めて国宝展が開催されるということで、日本国宝展が開催され、様々な国宝が展示されています。

 いずれも6月15日まで開催されているということですが、私は奈良国立博物館の超国宝展に行ってきました。朝からすごい人で長蛇の列でした。中に入ったら人が多かったんですが、見応えがあった。よくぞここまでこれだけの国宝を集めたなと感心しました。京都も大阪の国宝展もすごい人気だということです。率直に企画力がすごいなと思いました。

 一方、堺はどうか。堺では国宝展はできませんが、堺には世界文化遺産があります。私は仁徳天皇陵は国宝に匹敵し、人類の至宝であるというふうにも思っています。しかし、堺の企画力はまるで駄目、話題にも上っていません。国宝は歴史文化、高い精神性が集約されたものだからこそ、人を感動させます。

 堺の世界文化遺産の発信は、唯物論的な解釈では何の面白みもなく、人を感動させるものではありません。百舌鳥・古市古墳群は天皇陵を中心とする世界文化遺産であり、歴史、物語、文化、高い精神性などを融合した上で発信しない限り、宝の持ち腐れであり、一般に興味を持たれることはないだろうと思います。

 再三言い続けてきましたが、奈良、京都、大阪市の企画力と比べて、その差に愕然といたします。頼みのガス気球も万博の開会中には間に合いそうもないということです。

 さて、万博には見どころは多くありますが、開幕前は批判も多かった大屋根リングは、今では国内外で非常に高い評価を受けています。大屋根リングのスクリーンをお願いします。

 私もテストランで一周この大屋根リングをゆっくり歩いてまいりました。圧巻で、これはすごいと率直に感じました。多くの皆さんも体験されたことだと思います。2月25日の大綱質疑で、大阪・関西万博について取り上げましたが、その中で大屋根リングの一部、一部と言っても50メートルから100メートルまでですが、を仁徳天皇陵隣接の旧大阪女子大跡地に移設して現場を展望台として活用することを問いかけましたが、残念ながら、答弁ではすげなく却下されました。

 当時、大屋根リングは私は映像だけでしか知らず、実際見てもおらず、上ってもいませんでした。4月5日のテストランで実際に大屋根リングを見て、上って歩いてみて、そのすごさを実感して、これはぜひ堺に持ってくるべきだと改めて感じました。

 万博のレジェンドとして、日本人のみならず世界的にも認知されています。堺への移転は世界最大の仁徳天皇陵とともに世界への発信となり、大きな話題となるでしょう。

 私は2月25日の大綱質疑の後、市政レポートを作成し、3月中に西区4万8,000世帯に全戸配布をいたしました。これがそのときの報告なんですが、その裏面に万博大屋根リングの仁徳天皇陵隣接地への移設を提案と題して記事を掲載しました。

 スクリーンお願いします。

 少し小さいのでね、どういうことを書いたかといいますと、4月13日から大阪・関西万博が始まる。万博開催中、世界最大の陵墓である仁徳天皇陵を世界に発信していく絶好のチャンス。この機会に仁徳天皇を中心とする日本国家創世記の歴史を世界に発信し、理解を促し、その上で堺に来ていただき、仁徳天皇陵の威容に触れていただきたいと思う。

 とはいえ、仁徳天皇陵に来られた観光客は期待外れ感が強いのも事実。その理由は、1、全体像が見えない。2、陵墓内は立入禁止、3、空撮写真とのギャップがあるなど。

 気球を飛ばして見る計画もあるが、まだ時期は決まっていない。たとえ飛ばせたとしても雨の日や風の強い日は飛ばすことができず、観光客の期待に沿えない。

 万博は10月に閉会する。万博の1つの売りは世界最大の木造建築である大屋根リングだ。閉会後、大屋根リングは解体されるが、その再活用の募集をしているが、応募は少ないと聞いている。大屋根リングの一部を仁徳天皇陵隣接の大阪女子大跡地に移設するよう提案している。大阪女子大跡地には堺ミュージアムを建設する構想もある。

 仁徳天皇陵に隣接する大阪女子大跡地は堺市が購入した。そこに万博で世界的に注目された木造のリングの一部を移設すれば高さ20メートルであり、全天候型の観覧施設として稜線を見渡すことができる。大きな話題となるだろう。

 移設設置費用も一から移設するより大幅に安くつく。私はグッドアイデアと考え、議会で永藤市長に提案したが、興味を示さない。皆さん、どう思われますかと、こういう問いを市政報告に書いたんですね。

 この市政報告を見た市民の反応は、グッドアイデアだ、進めてほしい。また、私は高所恐怖症なので気球は無理だけど、大屋根リングの上から仁徳天皇陵を見てみたいなど、もうそういう、進めてくれという意見が圧倒的に多いというか、もう反対の意見は全くゼロ。

 また、万博開催後、実際に万博に行って大屋根リングを上ってきた市民から水ノ上さんの言うことはよく分かった。新たな歴史へのいざないにもなり、堺が注目されることは間違いないので、実現に頑張ってほしいと、市民の皆さんの期待は思いのほか高い。

 そこでお伺いいたします。一度は却下されましたが、万博が開催されたこともあり、万博終了後、大屋根リングを旧大阪女子大跡地に展望台として設置することの当局の見解をいま一度お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。これで降壇いたします。

 (西田浩延議長、西川良平副議長に替わり議長席に着く)

○議長(西田浩延君) これより答弁を求めます。

◎文化観光局長(山嵜久樹君) 大屋根リングの再利用につきましては、3月頃から公募を開始する予定とされていましたが、現在のところ公募に関する情報は公開されておりません。

 報道によりますと、大屋根リングの600メートル分を現地保存する案も出ておりまして、今日の新聞では350メーターということも書かれていましたけれども、その中でも600メーター、仮に600メーターを現地保存する場合は、改修や維持管理費、維持管理のため10年間で約17億円が必要との試算もございます。旧大坂女子大跡地で木造展望台に再利用する場合には、耐久性や経年劣化、安全面からの改修費や維持管理費だけでなく、輸送費や建築費も必要となり、多額の費用がかかる見込みです。そのため、大屋根リングを再利用した展望台の設置は考えておりません。

 博覧会協会による公募情報や本市の費用負担の範囲が明確に示された場合には、旧大阪女子大跡地以外の場所で再利用することや、跡地で展望台以外に再利用することについて、観光コンテンツとして活用し得るか検討を進めます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(西田浩延君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、大屋根リングを再利用した展望台設置は考えていないと、相変わらず、すげない答弁でございました。

 また、答弁では旧女子大跡地以外の場所で再利用する。跡地では展望台以外に再利用するという御答弁でしたけれども、それではあまり意味がない。堺に行ってみようというインセンティブにはならない。堺への誘客の秘策は何かあるのかと言えば、特にないと。先ほども申し上げたとおり、頼みのガス気球は万博開催期間中は間に合いそうもない。万博開催期間中に堺に行こうというインセンティブが働かず、誘客は難しい。それなら、万博が終わったら堺に行こう、そういう機運をつくる努力が必要なのではないかと思います。

 御答弁の却下の理由は、大屋根リングの移設は多額の費用がかかるということでした。費用はどのくらいかかるか分かりません。600メートルでは17億、それを350メートルにするというようなことが今日の朝刊に載っておりましたけれども、堺では50メートルか、そのくらいのことで十分だというふうに思いますが、費用はどのくらいかかるか分かりませんが、世界的に評価の高い大屋根リングの移設を表明すれば、クラウドファンディングや企業の寄附などで相当資金が集まることが予想されます。市民や企業を巻き込んだプロジェクトを展開することにより、堺の知名度はさらに上がります。

 万博には、今では期間中2,000万人以上の来場が見込まれると思いますが、堺市は世界文化遺産があるにもかかわらず、指をくわえて見ているだけなのか、歯がゆい思いがします。

 竹山前市長時代に旧大阪女子大跡地、仁徳天皇陵に隣接する場所に百舌鳥古墳群ガイダンス施設が約20億円かけて建設されようとしていました。屋上からは仁徳天皇陵の稜線を展望できるものでした。このような計画があった以上、同じ場所に大屋根リングを移設することは物理的に無理な話ではないと思います。移設だけなので、もちろん20億円というような巨費がかかるはずもありません。

 この件に関しては、今日を含めて2度目の質問で、2度ともいい返事をいただけませんでしたけれども、私はまだ諦めない。今後どのような状況の変化があるか分かりません。ということで、今日はあえて永藤市長には御答弁を求めませんが、市長、副市長でぜひ前向きな御検討をいただきたいということを申し上げて、この項の質問を終わりたいと思います。

 続きまして、2番目の質問、堺市立男女共同参画センターに係る訴訟について質問いたします。

 本年3月25日の最終本会議において、堺市と堺市女性団体協議会との訴訟についてと題して緊急質問いたしました。

 3月21日の大阪地裁の判決では、堺市が勝訴したということでしたが、3月25日の緊急質問のときには、メディアによると堺市女性団体協議会は判決を不服として控訴する方針と伝えられていましたが、実際に堺市女性団体協議会が高裁に控訴したかどうかは不明でした。

 そこでお伺いいたします。令和7年3月21日に大阪地裁において、堺市女性団体協議会を相手方とする堺市男女共同参画センターに係る訴訟の判決について、その概要とその後の状況についてお答えください。

◎市民人権局ダイバーシティ推進監(黒田一未君) 令和7年3月21日の大阪地方裁判所における判決は、堺市立男女共同参画センター内1階連絡室を対象物件とする行政財産目的外使用不許可決定の処分無効確認等請求事件及び建物明渡等請求事件、同センター内1階のピロティー正面植栽部分の一部及びエントランスホールの一部を対象物件とする行政財産目的外使用不許可決定の処分無効確認等請求事件について、本市の主張が認められ勝訴という結果でございました。

 その後の状況でございますが、本市は堺市女性団体協議会が3月21日に大阪高等裁判所に控訴を提起していることを3月28日に覚知し、5月15日に控訴状を大阪高等裁判所から収受いたしました。

 控訴状には、令和7年3月21日に判決の言渡しがあり、同日に判決正本の送達を受けたが、控訴人敗訴部分の全てについて不服であるから、控訴を提起するとの記載がありました。

 なお、本市は4月22日付で令和7年3月までの同センター内1階連絡室に係る使用料等相当損害金や光熱水費相当損害金などの請求を行いました。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(西田浩延君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁いただいたとおり、3月21日の判決当日に既に控訴されていたということでした。

 その判決は少し分かりにくかったんですけれども、分かりやすく言うと、堺市が堺市男女共同参画センター1階の連絡室について、堺市女性団体協議会に対して、目的外使用の不許可決定処分を行ったことは、堺市の裁量の範囲であり、堺市の求めのとおり、堺市女性団体協議会は立ち退くように命じた。

 また、与謝野晶子像についても女性団体の所有物とした上で連絡室を継続的に使っていることに付随して設置が認められたとし、女性団体が立ち退きとなったからには、設置の前提を欠き、撤去を求めた堺市の判断に合理性があるというもので、堺市の全面勝訴でした。

 さて、堺市女性団体協議会は大阪高裁に控訴したということですが、今後の堺市の対応についてお伺いしたいと思います。

◎市民人権局ダイバーシティ推進監(黒田一未君) 今後の対応でございますが、具体的事由を記載した控訴理由書を相手方が大阪高等裁判所に7月中旬頃に提出する見込みとなっております。

 本市といたしましては、その控訴理由書の内容を確認した上で、本市の主張を記載した控訴答弁書を大阪高等裁判所に提出することになります。

 第一審同様、第二審におきましても適切に対応してまいります。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(西田浩延君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 控訴理由書が届いてからと、それからの対応ということです。もっともな話です。

 ここでは、裁判の争いの内容について問うものではありませんので、引き続き適切に対応するように要望しておきます。

 さて、3月25日の緊急質問では、質問の最後に審議会などの附属機関の委員の推薦のことを問題にし、検討するように要望しておきました。

 具体的には、現在堺市が設置しています審議会などの附属機関のうち、11の審議会等に女性団体協議会所属の委員が選任されています。今年度に任期を迎える審議会は8つあります。

 スクリーン3をお願いします。

 1つ目は、堺市国民保護協議会、所管は危機管理室、任期は6月30日。2番目は堺市防災会議、所管は危機管理室、任期は6月30日。3番目が堺市人権施策推進審議会、所管は市民人権局、任期は8月31日。堺市環境審議会、所管は環境局で、任期は6月30日。堺市がん対策推進委員会、所管は健康福祉局で、任期は6月30日。堺市健康施策推進協議会、所管は健康福祉局で、任期は6月30日。堺市地域包括ケアシステム審議会、所管は健康福祉局で、これは昨年の11月30日に任期だったんですけれども、次の選任がペンディングになっているということで、今年度中に選任されるということ。8番目が、堺市子ども子育て会議、所管は子ども青少年局で、任期が8月11日ということになっています。

 そこでお伺いをいたします。3月25日の緊急質問では、堺市と係争中である堺市女性団体協議会から審議会等の委員の推薦を受けることは不適切であると指摘し、所管局に検討するように要望しておりました。堺市女性団体協議会から委員を出している審議会のうち、今年度委員選任を予定している審議会等について、どのような対応をするのかお答えいただきたいと思います。

◎総務局長(野村泰生君) 審議会は市の要請により、行政執行に必要な審査・審議・調査などを行うために組織する本市の附属機関で、委員の方々が有する専門的な視点等から、意見具申をいただくものでございます。

 審議会の委員には、審議会等の設置等に関する指針に基づき、団体推薦の必要性や公募委員の導入の精査を行った上で、広く市民、各界各層及び幅広い年齢層から審議会の設置目的や所掌事務を踏まえた適切な方を選任することが重要と考えております。

 なお、団体推薦の必要性を精査する上で、本市と係争中の団体からの推薦による選任は、当該団体の本市への功績の有無にかかわらず、少なくとも訴訟が継続している間は取りやめるものとして、総務局から関係局に伝達をしております。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(西田浩延君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、総務局から関係局へ、少なくとも訴訟が継続している間は団体からの推薦による選任は取りやめるということを伝達したということでした。当然の対応だと思います。

 関係局長へは答弁は求めませんが、今の総務局長の趣旨をよく理解した上で対応をするように求めておきます。

 女性団体協議会は即日控訴するなど、対決姿勢を明らかにしています。また、女性団体協議会は現在も堺市男女共同参画センター1階の連絡室を目的外使用許可なく占有をしています。この訴訟は議会では、大阪維新の会と公明党堺市議団の賛成多数により進められたものです。関係局は毅然とした態度で対応してもらいたいと思います。

 さて、この訴訟がいつ決着するのか。高裁の判決は今年度中に出されるのか。または年をまたぐのか。高裁の判決が出た後、最高裁に上告して、さらに争うのか、予断を許さない状況です。この問題に関しては、今後も注視していくことを申し上げて、私の大綱質疑を終わります。 ○○ 

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