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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成28年12月5日 大綱質疑

1.中心市街地の活性化
 *さかい利晶の杜について
 *芸文ホールについて
 *堺東駅南地区市街地再開発事業について
 *中心市街地の公共交通について
2.百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録について
3.小・中学校の学力向上について

◆33番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、お疲れさまです。大阪維新の会堺市議会議員団水ノ上成彰でございます。大阪維新の会を代表いたしまして、大綱質疑を行います。3年ぶりの大綱質疑でございまして、少々緊張いたしますけれども、どうか最後までよろしくお願いをいたします。

 一昨日の土曜日の午後、テレビ大阪で「関西198全市町村から選んだ!住みたい街ランキング2016」が放送されておりました。ごらんになられた方も多かったと思います。

 順位は、いろんな項目があるんですけれども、総合順位は1位が京都、以下、大阪府内の上位を挙げますと、4位に大阪市、5位に箕面市、7位に豊中市、9位に泉佐野市、11位に茨木市、13位に池田市、16位に吹田市、19位に高槻市、24位に高石市、26位に田尻町、そして27位が堺市でございました。子育てしやすいまちでも1位が池田市、4位が高槻市で堺市は5位までには入っておりませんでした。

 堺市といえば、農業が盛んだというイメージがあった番組でもございました。こういう番組を見て一喜一憂するわけではありませんけれども、北摂の市が必ず上位にランクインされているということは特筆すべきかなというふうに思います。

 このような住みたいまちランキングは毎年幾つかの企業が行いますけれども、堺市は上位に入ることは少なく、残念に思います。政令指定都市の権限と財源をフルに活用して市政運営をしていると市長は常々言いますけれども、市民の目、またいろんな方々の目から見ればその結果につながっていないようでございます。

 さて、昨年11月22日に行われました大阪府知事、大阪市長のダブル選挙、もうはや1年がたちますが、松井知事、吉村市長が誕生いたしました。この1年で大阪の雰囲気が将来に希望を持てるという雰囲気に変わったように思います。東京一極集中から大阪を2つ目のエンジンとして日本経済を牽引していくという意思が感じられます。

 そのあらわれの1つがちょうど先週の金曜日、2025年の大阪万博の誘致に向けて、12月2日、超党派の国会議員による大阪万国博覧会を実現する国会議員連盟が発足し、設立総会が開かれました。自民党、民進党、公明党、日本維新の会の衆参27名が呼びかけ人となり、会長には二階俊博自民党幹事長が就任したということでございました。

 この大阪万博の全国に波及する経済効果は6兆円とも言われております。フランスが既にパリ誘致をめざして立候補しております。フランスとの一騎打ちが予想されております。さきの大阪万博は昭和45年で、私は当時6歳でございました。両親に連れられ、月の石を見るために長蛇の列に並んでわくわくしたことを覚えております。大阪万博などをきっかけに、日本が豊かになったイメージが当時ございました。安倍首相も日本の魅力を発信する絶好の機会だとして協力する姿勢を見せております。

 大阪府、大阪市、関西経済3団体、関西広域連合の6者は11月9日に超高齢化社会の到来を見据えて、人類の健康・長寿への挑戦をテーマにした万博基本構想を経済産業大臣に提出をいたしました。2020年の東京五輪が開催されますが、懸念されるのがオリンピック後予想される経済の落ち込みです。しかし、大阪万博誘致で経済の落ち込みは緩和されると期待されています。

 また、同日、12月2日ですが、衆議院内閣委員会で、いわゆるカジノ法案が可決されました。カジノを含む統合型リゾートですが、あす6日の衆議院本会議で可決され、14日の会期末までに自民、日本維新の会及び公明党の議員などの賛成で、参議院でも可決される可能性が高まっていると聞いております。

 これまで候補地として名前が挙がっているのは大阪市、横浜市などでございますが、カジノが建設された場合、周辺のインフラ整備などを含めると、経済波及効果は5兆6,000億円、年間の経済波及効果は7,600億円にも上ると民間シンクタンクの試算もございます。もちろん、よいことずくめだけではありません。ギャンブル依存症など、懸念される事案もありますけれども、対策はしっかり進めていく必要があると思います。

 万博開催後、懸念されるのは100ヘクタール以上に及ぶ万博用地の活用ですが、カジノを含む統合型リゾートの誘致が実現すれば、問題も一気に解決されます。東京オリンピック後の大阪万博開催、大阪万博開催と並行してカジノを含む統合型リゾートの開催は、日本、とりわけ大阪を中心とした西日本の経済の活性化に大きく寄与すると期待されています。

 大阪府、大阪市を中心に進められている大阪万博、カジノを含む統合型リゾート構想、大阪及び関西経済復活の起爆剤になると期待されておりますが、堺市は今後いかにこれにかかわっていくのか、検討する時期が必ずやってくると思います。

 さて、本日の大綱質疑におきましては、大項目3項目について御質問いたします。最初から一問一答で行いますので、明快な御答弁をお願いいたします。

 まず、中心市街地の活性化についてお聞きをいたします。

 平成27年4月、堺市中心市街地活性化基本計画が策定されました。竹山市長は最初の選挙において、堺東・堺駅間のLRTの阻止を1丁目1番地に挙げ、計画をストップさせました。また市長就任後、堺東中瓦町2丁地区再開発、市民会館関連事業についても計画を中止をいたしました。

 その後、堺東中瓦町2丁地区の開発は地元事業者からの要望がないと、手つかずのままでした。そして5年後の平成27年4月、堺市中心市街地活性化基本計画を策定し、190ヘクタールを中心市街地と位置づけ、平成29年度の予算編成の重点プロジェクトとして中心市街地の活性化など、まちづくりを促進するとしておられます。

 また10月19日、行われました記者会見では、中心市街地の活性化はいわゆる堺区内の190ヘクタールを示しており、そのあたりの活性化、市民交流広場から新しい芸術文化ホール、さらにはジョルノビルの建てかえ等々、堺東駅と堺駅を結ぶ大小路、さらには山之口筋、これらを結ぶ、この十字路の部分について活性化を図っていきたいと言っております。計画期間は平成27年4月から平成32年3月までの5年間です。

 そこで、竹山市長にお伺いをいたします。竹山市長は、市長就任8年目であり、任期最後の予算編成に当たり、重点プロジェクトの1つとして中心市街地の活性化を挙げたことについて、中心市街地の活性化にかける市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。

 以上で1問目の質問を終わります。降壇します。 

○議長(吉川守君) それでは、これより答弁を求めます。             

◎市長(竹山修身君) (登壇)大阪維新の会堺市議会議員団代表水ノ上成彰議員の中心市街地の活性化につきまして御質問にお答え申し上げます。

 私は小学1年からこの地に育ち、そしてこの地に対する思いは人後に落ちるところはないというふうに自負しているところでございます。就任直後から中心市街地への活性化をライフワークとして努めてきたところでございます。平成24年7月には、堺市都心のまちづくりプランを策定し、27年3月には堺市中心市街地活性化基本計画は内閣総理大臣の認定をいただいたところでございます。これらに基づき、堺東駅、堺駅を核とする都市機能の集積により、政令指定都市にふさわしいまちの顔づくりや歴史文化を生かした都市魅力の創出を進めてきてるところでございます。

 具体的には市民交流広場、堺市民芸術文化ホールの整備やジョルノビルを中心とする堺東駅南地区の市街地再開発事業など、多様な事業が着実に進捗しております。

 また、長く病院跡地として放置されてきた場所にさかい利晶の杜を創設し、平成27年3月の開館からこれまで72万人の方々に御来場いただいているところでございます。

 また、市民交流広場につきましては、昨年度1年間で約150件のイベントが開催されており、例えばゴールデンウイークにおきましては、ブルースフェスティバルとミクロックが開催されました。合計7,000人を超える来場者が出るなど、多数の来街者でにぎわっているところでございます。これも今までになかったことだと考えております。

 また、堺東商店街のガシバル、ガシ横マーケットや山之口商店街のファサード整備など、地域における主体的なまちづくりが市との協働のもとで進んでおります。例えばガシバルは平成23年から既に10回開催され、毎回約8,000枚から1万枚程度のチケットが販売されております。商店街も若手を中心に元気になっております。

 このように、市街地整備と地域主体の取り組みを両輪として着実にまちづくりを推進してるところでございます。今後は芸文ホール、市民交流広場、市街地再開発事業などが順次竣工することから、これらを生かしながら、さらなる活性化を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                       

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                   

◆33番(水ノ上成彰君) 竹山市長からは中心市街地の活性化について、熱く、また自信満々に御答弁をいただきました。私は政令指定都市の市長に託される最重要課題は、まちづくりにあるというふうに思っています。そういう点で、平成27年4月に策定されました堺市中心市街地活性化基本計画、本来ならば、もっと早く策定、提案されるべきであったというふうに思いますが、今、市長からはさまざまな取り組みが紹介をされました。

 平成29年度予算は竹山市長の今任期最後の予算であります。その予算編成の重点に今まで入れてこなかったと記憶しておりますが、中心市街地活性化を記者会見では、中心市街地の活性化は年度をわたって取り組むべきものとおっしゃっておられました。

 来年秋の市長選挙に当たって、先月、11月15日、16日の新聞各紙におきましては、竹山市長の3選出馬へという見出しが踊りました。堺市民の大きな関心は、来年秋に予定される市長選挙に竹山市長が3選の出馬をするか否か。中心市街地の活性化基本計画、今熱くお話をいただきましたけれども、それを見届けるためには、恐らく3期目の出馬を検討されると思っておるのですが、これらの中心市街地の活性化の議論、これからの議論につきましては竹山市長が3選出馬して平成32年までの基本計画をやり切るのか、それとも出ないということによって、全く違ってくるものになります。ずばり、竹山市長、3選目、出馬するのかどうか、お答えいただきたいと思います。

◎市長(竹山修身君) 記者会見でも申しましたとおり、まだ決定しておりません。私はまず29年度予算、しっかりと市民目線で、現場主義で立てていきたいと、そして議会の皆さんにお示ししたいというふうに思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 先ほど、あれほど中心市街地のまちづくりに強い自信を持って言われた市長ですから、恐らく秘めたものがあろうと。まだ言えない事情は何かあるんでしょうけれども。この中心市街地というのは、本当に息の長い話で、これをしっかり強く進めていく必要がありますが、個別のことにつきましては後ほど話しするといたしまして、ただ、先ほど申し上げた記者会見等々におきまして、1つ気になることがありました。

 新聞報道でも大きく取り上げられましたし、また記者会見でも次期市長選においては都構想を争点にしなければならないと語ったとされています。堺市議会ではこの3年間、全く都構想については議論はしてまいりませんでした。それにもかかわらず、来年の市長選挙において都構想を争点としなきゃならないと市長がおっしゃる根拠は何なのか、お示しいただきたいと思います。

◎市長(竹山修身君) 大阪都構想につきましては3年3カ月前の選挙で、しっかりと市民はノーという結論を出しました。そういうことで、この議会の中でも都構想については、もうそれは過去の話であって、堺市には都構想は要らんのだということを皆さん方と確認できてるというふうに思っております。ただ、大和川の向こうでは今、都構想が再度、チャレンジというふうな形でされているように、私はいろいろな議論の中でそれを感じているところでございます。大阪市の都構想参入について、いろいろな方面から住民説明会や、やられておると思いますけれど、それについてはやはりダブル選挙をお勝ちになったことでしっかりと都構想についての民意ができてるというふうな御意見でされているのではないかと仄聞しているところでございます。

 私たち堺にとって都構想は政令市を放棄するものでございます。市民の権限と皆さん方からしっかりといただいている税金を大阪府に吸収されるものであると、返すものであるというふうに思ってます。そういう意味で市民にとって百害あって一利のない都構想を大阪市や大阪府の議論とは別に、しっかりと堺ではノーと言うべきだというのが私は市民の総意であるというふうに思っております。

 そういう意味で都構想については、私は市民の代表として、そして市民の皆さん方と一緒になって、これはこれから堺に持ち込まれるなら、はっきりともう一度ノーと言わなければならないなと。そして都構想を隠されてるのではないかというふうに思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 3年3カ月前、思いが強いというふうに思いますけれど、この議会でもこの3年余りは全く都構想については議論をしてまいりませんでした。それでいきなり都構想を争点にしなければならない。これは堺市民にとって非常に面食らってると思うんです。確かに大阪府、大阪市におきましてはもう一度という話はありますけれども、全く、この現在は、堺市はそういう議論には入っておりません。それをあえて争点にするということは、竹山市政8年のほころびといいますか、そういうことを隠すほころび隠しだと、私にはそういうふうに聞こえてなりません。はっきり出るとおっしゃるんでしたら、これ以上話ししてもいいですけれども、まだ3選目は出馬、考え中というのであれば、これ以上、都構想の話をしても仕方ありませんので、このあたりにとどめまして、あとは具体的な話に移ってまいりたいと、このように思います。

 まず最初に、さかい利晶の杜についてお聞かせいただきたいと思います。

 この190ヘクタールの中心市街地の中には幾つかの施設がございます。その1つが昨年の3月20日にオープンをいたしました、このさかい利晶の杜でございまして、建設代、整備費が34億円、年間管理料が約2億1,000万円と聞いております。この利晶の杜が堺のこの中心市街地の活性化にどのように貢献をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎文化観光局長(笠谷実君) さかい利晶の杜は、平成27年度約45万人、今年度も約30万人を超える来館者数を見込んでおります。市内、市外から多くの観光客に千利休や与謝野晶子に関する展示の観覧や茶の湯体験を楽しんでいただくことで、にぎわいの創出や堺の特色ある歴史文化の魅力の発信、市内経済の波及効果が生じているものと認識しております。

 周辺地域の活性化への寄与に関しましては、まずは与謝野晶子ゆかりの商店街であります山之口商店街との連携が大切であると考えており、昨年度から山之口商店街と連携したマップの作成や集客イベントの開催など、周遊プロジェクトに取り組んできたところでございます。また、与謝野晶子がキャラクターとして登場する人気の漫画、アニメとのコラボレーションを展開するに当たっても同商店街と連携し、さらなる周遊を図っているところであり、現在2,000人以上の周遊効果が生じているところでございます。

 今後ともこういった取り組みなどにより周辺へのにぎわいの波及を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君)議長。                          

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 資料の1をスクリーンに映してください。グラフですけれども。これは利晶の杜の延べの来館者数のグラフです。青いグラフが昨年度、赤いグラフが今年度でございまして、最初、2カ月は非常に多くの方が来店をされまして、その後は徐々に落ちついてくるんですけれども。最初は1カ月で5万2,000人、5万7,000人と、非常に多い。それがだんだん時がたちまして、現在は2万2,000人、10月は少し上がったみたいですけれども、その程度になっているということで、当初、というか、平成27年度は先ほどおっしゃったように45万人、現在は今年度、約30万人が見込まれるということです。

 次の資料をお願いします。これは有料来館者数のグラフです。これも同じように並べておりますけれども、有料来館者数も同じように前年同月比をはかって、全てが前年同月を下回っておるというグラフです。

 一般企業で言いますと、こういうグラフを見たら経営者は青ざめると。ずっと売り上げが前年同月より下かと言って青ざめる状況なんですけれども、確かに2年目ということで、ある程度の減少は見込まれるとしても、非常に落ち込みが大き過ぎるのではないかと、このように思います。

 この有料来館者数におきましても、現在では約1カ月7,000人から8,000人ということでございまして、目標がどのぐらいかわかりませんけれども、大きくは伸びていない。

 またこの利晶の杜の問題点、いろいろ大阪維新の会からも御提示させていただきましたが、開館後、周りに新規店舗などがなくて、非常に波及効果が薄いのではないか、このような議論をしてまいりました。

 周りの店舗で親しい店舗が、私あるんですけれども、そこに聞きますと、さすがに開店、オープンした当初は売り上げは伸びたけれども、ここに至って、すっかりと売り上げがもとに戻ったと。何というお店かは言えませんが、そのように言っております。

 そういうふうに、今、いろいろ努力はしておりますけれども、この利晶の杜というのもまちのにぎわいということに関してはなかなか厳しい状況であろう、このように思っております。

 さらに、以前に大阪維新の会からも御提示いたしましたように、延べ来館者数につきましては、人感センサーの件、ダブルカウント、トリプルカウントになってるのではないかという件が今でもございまして、30万人と言えどももう既に当初の予想どおりの20万人程度になっているのではないかというようなことが考えられます。そういうところから、この利晶の杜だけ単体では、まちのにぎわいには非常に厳しいということを申し上げたいと思います。

 続きまして芸術文化ホール、芸文ホールについて。(「議長、済みません」と呼ぶ者あり)

○議長(吉川守君) 質問ですか。(「ちょっと御説明をさせていただいてよろしいですか」と呼ぶ者あり)

 33番水ノ上成彰議員、続けていただいたら結構です。

◆33番(水ノ上成彰君) 次に、芸文ホールでございますけれども、いよいよ建設が着手をされました。これまで議会においても芸文ホールの議論は重ねてきました。しかし、この芸文ホールが中心市街地の活性化に具体的にどのように貢献していくのか、いまだにわからないところがございます。そういう点で御質問したいと思うんですけれども。

 例えば、西宮北口には兵庫芸文ホールがございます。毎年70万人から80万人がホールに来館するということで、西宮北口は関西で住みたいまちナンバーワンを維持するまちでございます。西宮北口では確かに兵庫芸文ホールはまちの活性化に大きく貢献していると言えます。

 そこで質問いたします。芸文ホールが堺市の中心市街地活性化全体にどのように貢献するのか、お答えください。

◎文化観光局長(笠谷実君) 本市の中枢文化施設として整備する堺市民芸術文化ホールには、本市のマスタープランに掲げます本市の文化力の向上、都市イメージや都市格の向上、まちのにぎわいの創出といった3つの設置目的がございます。

 堺市中心市街地活性化基本計画では、基本方針においてまちのにぎわいづくり、回遊性とまちの魅力向上、商業活性化がうたわれておりますが、新ホールは芸術文化の振興のみならず、その集客力を生かすことで、堺東周辺はもとより中心市街地の活性化に寄与してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                       

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁いただいた中で、本市の文化力の向上、都市イメージや都市格の向上、まちのにぎわいの創出ということで、文化力の向上は、どれだけの方が来られるかわかりませんけれども、堺市にそれだけのホールがあると。都市イメージの向上、これは大阪府、大阪市では芸術、これクラスのホールは持っておりませんので、場合によっては、それはメリットがあるということは言えますけれども、場合によっては大阪府、大阪市が持たないような、そういう施設をなぜ堺市が持つんだ、民間にはフェスティバルホールやシンフォニーホール、その他いろいろあるのに、なぜ持つのかという批判も今でもございます。

 そういう点から大阪府、大阪市はつくってないんでしょうけれども、この芸文ホールにつきまして、新旧ホールの年間来場者数と経済波及効果をお示しいただきたいと思います。

◎文化観光局長(笠谷実君) 新ホールの年間来場者数は、旧市民会館の約30万人から約47万8,000人と1.6倍に増加をいたします。また、施設運営や来場者消費支出などによる堺市域への経済波及効果につきましては、旧市民会館が毎年約14億円だったのに対し、新ホールでは毎年約24億円になるものと見込んでおります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                       

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁では旧市民会館は年間30万人、新しい芸文ホールは年間47万8,000人と1.6倍、17万8,000人が増加をすると。年間2,000人規模のコンサート舞台は恐らく80日から100日ぐらいで、15万人余りが増加と予想されますけれども、しかし、1カ月では五、六日から多くても七、八日。1万人から1万5,000人が増加するという計算になります。

 また、経済波及効果も24億円ということですが、旧市民会館でも14億ございました。2,000席の堺芸文ホールをつくることによって、ざっと年間10億円の経済波及効果の増加が見込まれることになりますけれども、月に直せば1億円弱ということで、もともと旧市民会館があったそのかわりに芸文ホールがつくられると。旧市民会館は年間30万人以上の方々が40年利用をしてまいりました。また、年間14億円以上の経済波及効果を40年以上続けてきた。恐らく来場者数は1,200万人から1,500万人になるだろうと。経済波及効果も600億円を下らないだろうと。

 しかし、旧市民会館を取り壊すときに、そのときの状況を見ますと、堺東周辺や市民会館周辺がどれだけにぎわいがあったか、それを思いますと、この2,000席のホールをつくったところで、その上乗せ分によってこのまちが繁栄するのか、にぎわいのあるまちになるのか、はなはだ疑問に思うわけでございます。

 堺市民芸術文化ホールの、その動員力をいかに生かしていくのか。コンサート、あるときないときがあろうと思いますけれども、これについていかがお考えでしょうか。

◎文化観光局長(笠谷実君) 新ホールでは以前に比べてすぐれた舞台芸術や多彩な公演、いわゆる鑑賞事業が多くなることから、来場者の数もふえますし、より広域な集客が見込めるものと考えております。そうした多くの来場者の方々に堺の歴史文化に触れていただき、観光や買い物、飲食など、堺のまちを楽しんでいただけるように、市民交流広場や利晶の杜といったさまざまな施設や関係機関を初め、周辺の商業者や住民の皆様と連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 また、公演などでホールを利用する年間来場者だけではなく、レストラン利用客や翁橋公園を活用したイベントでの集客なども見込めることから、ホールで公演のないときでも集客によるにぎわいが図られるものと考えております。

 こうしたことがホール周辺地域のにぎわいにつながり、中心市街地の活性化や都心地域のまちづくりにも大きく寄与するものと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                        

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) この芸文ホールにつきましては、最大のネックは堺東からの距離感だというふうに思います。例えば、兵庫芸文などは西宮北口から歩いて5分、その周りにはいろんなお店があるということで非常にはやっている。また先に行ってもゆっくりお茶をする、食事をする機会があるということで、この芸文ホールにつきましてもどれだけの民間の投資を呼び込むことができるか。この距離感を狭めることができるかということが大きな課題になろうかと、このように思います。

 兵庫芸文のことばかり言いますけれども、兵庫芸文ホールにつきましては雨にぬれずに行けるということも大きな魅力で、歩道のペデストリアンデッキでつながっておりまして、徒歩5分ぐらいで距離感を感じない。周りに店がなくても堺市は、せめて同じやるなら兵庫芸文のような、雨にぬれずに行ける方法も考えるべきではないかと、このように思います。

 市長はプロムナードを作成しようと、このようにしておりますけれども、人けのないところにどれだけのプロムナードをつくるのか、そういう疑問もあります。

 利晶の杜が毎年30万人の観客が来るといっても新規出店はありません。堺市の芸文ができて、どれだけの民間企業、民間がこのところに進出するか、それが大きな鍵だというふうに思いますが、それでも先ほど申し上げたとおり、今までの市民会館ではそれほど大きなにぎわいはなかったということを見ますと、後で申し上げますけれども、いろいろな問題があろうかと、このように思います。

 続きまして、ジョルノビルの建てかえについてお聞きをいたします。

 ジョルノビルは35年前の1981年にオープンいたしました。当初は好立地を生かして大いににぎわいましたが、ダイエーが2001年に撤退、その後、パストやダイソー、書店などが入店いたしましたが再開発計画が立ち上がった2011年末にいずれも撤退し、ことし2016年10月31日に完全閉店となりました。

 市長は10月26日の記者会見で、ジョルノビル建てかえによる再開発事業は堺東全体の活性化のために大きな起爆剤となっていくと話されておられます。

 そこでお伺いいたしますけれども、ジョルノビルの建てかえを含む堺東駅南地区市街地再開発事業の計画概要、全体事業費、市の負担額及びスケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 堺東駅南地区市街地再開発事業は本市の玄関口である堺東駅前において老朽化し、空き店舗の増加などにより都市機能が低下したジョルノビルを建てかえ、新たな施設建築物を整備するものでございます。

 再開発ビルは地下2階、地上24階建てで、延べ面積は約4万7,800平米、低層部の地下1階から3階約7,200平米には商業施設及び図書サービスコーナーなどを整備し、地下1階には食品スーパーの株式会社サンプラザが入る予定でございます。また、4階以上の高層部には約330戸の住宅を整備する計画となっております。

 総事業費は約174億9,000万円で、再開発事業補助金が約49億7,000万円、公共施設管理者負担金が約18億3,000万円でございます。このうち国庫補助金を除いた市負担額は再開発事業補助金で約24億9,000万円、公共施設管理者負担金で約14億8,000万円となっております。

 今後のスケジュールとしましては、今年度中に除却工事に着手し、平成32年度の再開発ビルオープンを目標としております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁では24階建て330戸のマンションを中心とする再開発ビルです。延べ床面積が4万7,800平米、うち商業施設及び図書サービスコーナーが7,200平米としますと、再開発ビルのうち85%がマンション居住用、商業施設などは15%にとどまります。また以前のジョルノビルの商業施設の延べ床面積は3万8,600平米でございましたので、旧ジョルノと比較しても、この売り場面積は商業施設等は5分の1のスペースしかありません。これでにぎわいが戻るのかどうか、このぐらいの需要しかないと考えているのかというふうにも思います。

 そして気になりますのは国・市の負担額。堺東駅南地区市街地再開発事業、つまり再開発ビル及びペデストリアンデッキの補修、市民交流広場への延伸の総事業費は174.9億円、ざっと175億円でした。総事業費に対する国・市の補助金の合計が68億円。内訳は再開発ビルに対する補助金が49.7億円で、国が24.8億円、堺市が同じだけの24.7億円です。ペデストリアンデッキ改修等にかかわる補助金が18億3,000万円で、国が3億5,000万、堺市が14億8,000万ということでありました。

 再開発ビルの85%がマンションで、そこに国費も合わせて約50億円の補助金を投入するということは、この補助金の支給基準に適合してるんでしょうけれども、心情的に330戸、この再開発ビルの85%を占める再開発ビルに堺市民の税金24億7,000万円投入するのには私は疑問が残ります。

 居住部分を含まない不特定多数の人がにぎわう、そういう商業施設、ホールなどでも結構なんですが、そういうビルであれば市民の方も納得するでしょうけれども、ここであえてお聞きいたしますけれども、マンション部分が85%も占める再開発ビルの建設しか選択肢がなかったのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 民間事業でございますが、駅近ということで都市内まちなか居住というのは非常に有効な再開発の手法でございますし、いろいろ検討された中で商業施設を合わせて都市型住宅を供給するという計画になっているものと理解しております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 民間の選択ということにしても、駅前の一等地にマンションが、それも高層のマンションができる。それについて、このにぎわいをそぐのではないかと、このようなことを懸念するわけでございますが、このジョルノビルの建てかえにつきまして、中心市街地の活性化にどのように貢献するのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 先ほども答弁いたしましたが、市街地再開発事業の実施により都市型住宅を供給し、まちなか居住を促進するとともに、商業施設などの整備によるにぎわい創出や良好な都市空間の形成を進めてまいります。

 あわせてペデストリアンデッキの改修、再整備や駅前広場の歩行者空間の拡幅などの公共施設整備を行うことにより、回遊性の向上を図るとともに、安全・安心で快適な歩行者空間を創出することにより中心市街地の活性化に寄与するものでございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 何度も申し上げますけれども、駅前一等地に高層マンションができるということにつきましては、もうこれ恐らく50年間はこのマンション動くことができない。後で商業施設をつくろうと思っても無理であります。そういうところから非常に懸念があるわけですけれども。

 回遊性とおっしゃいましたが、この1階にはサンプラザというスーパーが入るそうですけれども、この堺東周辺にはほかにコノミヤと、そういうスーパーがありますが、そういうスーパーマーケットをチラシを見て行く御婦人方の自転車の回遊性はあっても、観光客とか、そういう何か見て回ろうという人の回遊性というのは期待できないのではないかと、このように思います。市民交流広場が整備されるということですけれども、そこへの通過点でしかないと、このように思います。

 利晶の杜と芸文ホール、そしてこの再開発ビル、3つを見てまいりましたけれども、この共通の課題というのがあります。それは民間の投資をどれだけ呼び込むことができるのか。これについて、どれだけ検証をされているのかということであります。市が提供する施設だけでまちがにぎわうということはありません。呼び水としてあったとしても、それだけで栄えるということはない。

 点と線と面という話がありますけれども、点が、例えば利晶の杜であったり芸文ホールであったりジョルノの再開発ビルで、面というのはそれに付随する民間企業、そして、それを結ぶ線が公共交通だということだと思います。この点と線と面、これが一体となってこの190ヘクタールの、この中心市街地が活性化するんだろうと。今のこの点だけの施設では、これからの活性化はおぼつかないということを申し上げたいと、このように思います。

 今、線ということを申し上げましたが、次にこの中心市街地の公共交通について、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

 先ほど申し上げたとおり、中心市街地活性化の大きなファクターとなるのは公共交通の位置づけだと、このように思いますけれども、この基本計画の中で公共交通の位置づけはどのようなものなのか、お答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 平成27年3月に国の認定を受けました堺市中心市街地活性化基本計画の基本方針において、楽しく回遊できる中心市街地の形成の中で、中心市街地においては阪堺線やバスによる面的な公共交通ネットワークの形成や歩行者環境や自転車通行環境の向上など、さまざまな取り組みがにぎわいにつながるような、まちづくりと一体となった交通体系の構築と人々が集い交流する場所や機会の充実した町なかに滞在したくなるような都市空間の形成により回遊性とまちの魅力向上を図るとしているところでございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) おっしゃるとおり、公共交通の位置づけはそのとおりだと、このように思います。中心市街地190ヘクタールのうち南北には南海高野線、南海本線、そして阪堺線が通ります。東西はバス交通しかございません。

 そこでお聞かせいただきたいと思いますが、東西交通の目的、この東西交通の充実は不可欠だと思いますが、東西交通の目的をどのようにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 本市の公共交通については人と環境に優しい公共交通、まちの活性化を支える公共交通をそれぞれ目標に掲げ、さまざまな施策を展開しているところでございます。その中でも東西交通につきましては、南北方向中心の既存鉄道網を結節し、路面公共交通により、東西方向の交通機能を強化するとともに阪堺線との連携など、都心における高密な路面公共交通網を生かした面的なネットワークを形成することを目的としております。

 また、加えて都心に点在する歴史資源や文化資源など、さまざまなまちづくりの取り組みを公共交通ネットワークで連携させることにより、都心内の回遊性向上を図り、にぎわいや活性化につなげることをめざしております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁の中に路面公共交通により東西方向の交通機能を強化する、これは恐らくLRT、BRTのことをおっしゃってると思うんですが、その検討をしていくということは同意をいたします。中心市街地の施設を生かすとすれば、公共交通の整備しかありません。点を結ぶのは線、この公共交通しかないと、このように思います。

 それで、この都心の中心を背骨のように阪堺線が走っているわけでありますけれども、もちろんこの中心市街地190ヘクタールの中にも入ってます。この阪堺線の自立再生の状況はどうなっておりますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 阪堺線につきましては、平成22年10月から10年間、約50億円の支援を開始しており、支援前と比較して平成27年度の利用者が1日平均で2,613人増加をしております。また、阪堺線全線の軌道事業収支につきましても支援前と比較して平成27年度では約1億5,137万3,000円改善しております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 今、御答弁にありましたとおり、この阪堺線の自立再生については徐々にではありますけれども効果が出ていると、これは確かであります。乗客数も、そして経営も改善をしているということでありますけれども、ただ、この10年間50億円の支援は平成32年の9月に終了いたします。また平成32年ごろから南海本線連続立体交差事業によって阪堺電車の浜寺公園と船尾駅区間が七、八年は不通になるだろうと言われております。それによって800人から1,000人の乗客が減るということが数字上明らかになっております。

 このように、現在、この阪堺線は徐々に回復はしておりますけれども、平成32年以降は市からの補助がなくなる、そして乗客も減るということで、今、この阪堺電車の支援といいますか、自立再生の道をつくっていかなければならない、このように思います。それにつきましては、さきの建設委員会でも話をいたしましたけれども、今これをしていかなければ、32年度以降は赤字体質に戻る危険性が大であります。これを回避するためには、190ヘクタールの中心市街地を東西南北に走るLRT、阪堺電車をLRT化するということが必要だと思います。浜寺方面から堺駅、堺東、また堺駅から堺東、また堺東、堺駅から大阪市の中心部へと、十字に走る、そういう交通網、LRTが必要ではないかと思います。

 今これをしなければ、非常に大きなつけになるのではないかというふうに思いますが、東西交通と阪堺線の結節が中心市街地の活性化に必要だと思いますけれども、現在の東西交通の検討状況はいかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(島田憲明君) 東西交通を含めた都心交通のあり方については学識経験者で構成する都心交通検討会議で御議論いただくとともに、市民の御意見も募集し、検討を進めてまいりました。その中で、学識経験者からは東西交通軸の形成には自動車利用の抑制など、多くの制約があり、それらをクリアする社会実験などを重ねながら段階的な道筋を踏むべきとの意見をいただいております。

 そういったことから今年度については、東西交通の重要結節点である堺東駅周辺において公共交通とにぎわいとの関係について、わかりやすく議論いただけるよう試験的な取り組みを実施すべく交通管理者などと協議調整を進めているところでございます。

 なお、東西交通と阪堺線との結節については都心の面的なネットワークを形成する上で重要な要素であると認識をしております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁でありましたとおり、東西交通と阪堺線との結節については都心の面的なネットワークを形成する上で重要な要素と認識されてるということであります。先ほど来申し上げているとおり、この阪堺線が平成32年以降は経営も含めて非常に厳しい状況になるのではないかと。そういう状況から、今もこのLRT化、第三セクター方式でとか、いろいろあるとは思いますけれども、今やらなければ、これは禍根を残すのではないかというふうに思います。

 先ほど来申し上げておりますけれども、点はいろいろできております。最初の市長の御答弁にもありましたとおり、点はこの190ヘクタールの中でいろいろできておりますけれども、面の部分について、民間の投資を呼び込むというところはまだまだこれからというところもありますし、そしてこの点と面を結ぶ、この公共交通については今やらなければこれは結果が出ないということであります。

 この190ヘクタールについてのこの活性化については、私もここの活性化なくして堺市の活性化はないというふうに思っておりますので、これについてはスピード感をもって進めることが重要だということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。

 続きまして、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録について御質問したいと思います。

 私は百舌鳥・古市古墳群こそ人類共通の顕著な普遍的価値があると思っております。顕著な普遍的価値というのは何かと申し上げますと、いつの時代の誰が見ても文句なしにすばらしいと思える値打ち、このように定義をしてもよかろうと思います。そういう点からこの百舌鳥・古市古墳群が世界遺産になるのは当然と言ってもいいかと思います。

 昨年、私は議長でございまして、議連の会長もさせていただいたという経験から、推し進めることには非常に積極的ではございますが、しかし、国内推薦は、現在まで3度失敗をしております。

 これはなぜかということをこの、今からの話の中でも明らかにしていきたいと、このように思うんですが、まず、この百舌鳥・古市古墳群の普遍的価値とは何か、それをお聞かせいただきたいんですが、日本中には古墳というのは20万基以上があります。一番多いのが兵庫県で1万8,000余り、次、続いて鳥取県の1万3,500、千葉県の1万3,000とがございます。奈良は9,600で、大阪は3,400ぐらいだということであります。そのうち、前方後円墳は全国で4,700基あるということですが、数の上で1位は千葉県で685あります。2位は茨城県で444、3位が群馬県で410ということで、数から言えば圧倒的に関東が多いんです。4位が岡山の290、鳥取、栃木が280、奈良は239、大阪は182だそうです。何と韓国にも十数基の前方後円墳、古墳があるそうです。

 日本中に古墳がありました。前方後円墳は北海道、青森、秋田、沖縄以外の全ての都道府県にあります。日本中前方後円墳だらけと、また古墳だらけと言っても過言ではない。その中で百舌鳥・古市古墳群を世界遺産にしようということですから、百舌鳥・古市古墳群は特に、この顕著な普遍的価値があるということだと思いますけれども、普遍的価値についてお答えいただきたいと思います。

◎文化観光局長(笠谷実君) 百舌鳥・古市古墳群は、世界最大級の仁徳天皇陵古墳や応神天皇陵古墳を初め、墳丘規模上位10基のうち5基が存在するなど、多数の巨大古墳を含む日本最大の古墳群でございます。また、前方後円墳という特異な墳丘と堀、葺石、埴輪等によって演出された荘厳さ、中小古墳とともに構成する群構成は海外の王墓と比較してもほかに類例のない独自のものでございます。

 こうしたことから、古代国家の形成過程において王の権力を巨大な王墓によって表現した時代が日本列島に存在したことを示す顕著な事例として、また多様な形と規模の墳墓が築造された古墳時代の文化の希有な物証として顕著な普遍的価値を持つものと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                        

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたけれども、通常皆さんがおっしゃる普遍的価値がそうであります。私はそれに加えてこの百舌鳥・古市古墳群につきましては、日本の正史である古事記、日本書紀に裏打ちされている、記載されているものであるということ。また、天皇陵を10基含んでおるということで、現在の皇室に直接つながる価値がある。クフ王のピラミッドとか始皇帝がありますけれども、その子孫は絶えて、おりません。仁徳天皇、応神天皇の子孫は今でも日本の天皇であります。

 また、この今申し上げましたけれども、世界最大級と言いますけれども、クフ王のピラミッドは紀元前2500年ほど、始皇帝の始皇帝陵は紀元前220年頃ということです。日本の仁徳天皇陵初め、百舌鳥・古市古墳群の古墳は当時世界最大、4世紀、5世紀で世界最大、紀元後にしても世界最大ということが言えると思います。それだけの普遍的価値があるということは、先ほど申し上げたとおり、誰が見ても、いつの時代もすばらしいと認識できるのではないかなというふうに思いますが。

 ここで資料を映してほしいんですけれども、これは百舌鳥・古市古墳群にある名前のついた誰かと指定をされております古墳の系図であります。上はヤマトタケルノミコトから14代仲哀天皇、15代応神天皇、そして応神天皇の皇后の仲姫命、16代仁徳天皇、17代履中天皇、18代反正天皇、この黄色は堺の天皇陵です。19代允恭天皇、21代雄略天皇、22代清寧天皇、そして24代が仁賢天皇で、27代が安閑天皇と。青が羽曳野市、少し赤いのが藤井寺市です。これだけ、10人、天皇陵が10で、それ以外に、ヤマトタケルの白鳥陵、仲姫の陵があって、12が名前、誰が葬られているかということが指定されているということであります。

 この中でお聞きしたいんですけれども、百舌鳥・古市古墳群の構成資産の中に、この中の全ての天皇陵が入っていますかどうか、お答えください。

◎文化観光局長(笠谷実君) 入っておりません。以上です。            

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 先ほどの資料をもう一度。この中に入っていないのは、堺ではないんですが、雄略天皇陵、清寧天皇陵、仁腎天皇陵、そして安閑天皇陵ということでありました。全ての天皇陵が入っていないのはなぜでしょうか。

◎文化観光局長(笠谷実君) 古墳の、今お示しの雄略、清寧、仁腎、安閑天皇の古墳の築造時期、これにつきましては、考古学者の間でも諸説ございます。それも入っていない理由の1つではないかというふうに考えております。以上です。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 先ほど普遍的価値の話をいたしました。普遍的価値、誰が見てもということでありますから、本来ならばわかりやすいシンプルな基準がいいと思うんですけれども、こういう天皇陵がありながらできた、築造された時期等々によってそれが入っていない時期もあるということですね。これが非常に一般市民にとってわかりにくい、また考古学ファンにとってもなぜ入ってないんですかというような質問をされる方もいらっしゃいます。それが理由とは思いませんけれども、そういうわかりにくさがあるということで今まで国内推薦を受けられてないんですけれども、先日、10月9日、10日に、この3回失敗をして来年こそはということで、国際会議、専門会議が開かれたということですけれども、その中でどのような意見が出されて、今後どのように反映していくのか、お答えいただきたいと思います。

◎文化観光局長(笠谷実君) 国際専門家会議では、昨年の世界文化遺産の審査に加わったオランダのイコモス専門家を初め、中国、韓国及びイギリスのイコモス専門家を招き、文化審議会から指摘があった階層性など、資産の価値について集中的に議論をいただきました。

 主な御意見といたしましては、資産の価値について、事実と解釈を切り分けてシンプルかつ明確に記述するべきであること。階層性は事実に含むものではなく、解釈に含まれるとの意見をいただきましたので、その点に留意し、資産の価値についてどのようにわかりやすく表現するか、検討してまいります。また、構成資産につきましては、価値の説明の仕方で選択する資産が決まるものであり、先に資産の数がありきではないという御意見をいただきました。

 今後はこのような御意見御指導などを参考に、さらに文化庁や宮内庁との意見交換、国内専門家の指導をいただきながら推薦書の熟度を高め、来年度の国内推薦に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) この国際専門家会議の簡単なレポートというか、あれを見ましたけれども、この今、おっしゃっていただいた資産の価値について事実と解釈を切り分けてということがどういうことなのかなと、わからないんですけれども、そこについて詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

◎文化観光局長(笠谷実君) 事実というのは巨大性であるとか、そういったものはもう間違いのない、目で見て客観的にはかれるものという意味でございまして、今、済みません、事実と、解釈ですね、解釈の部分につきましては今言ってる階層性であるとか、そういった専門家のほうが後で意義づけたものということでございます。そこら辺は事実に基づくのがシンプルではないかという御指摘をいただいたところでございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) このことに関しては市長も記者会見におきまして、何か目からうろこが落ちたというような発言をされて、今までどうやったんかなと。目からうろこ、事実と解釈を切り分けてということで目からうろこが落ちたということなんですけど。学者の皆さんのことは、私も学者じゃありませんので、その詳しいことはよくわからないんですが、先ほど天皇陵の話をいたしましたけれども、本当にシンプルに考えたらいいのではないかと常々思っています。特に、その世界遺産の登録に関していろいろな基準等々あるでしょうから、それについてはもういろいろと私も素人の分際で申し上げることはないんですけれども、ただ、この市民の皆さんに説明するに当たっては、もっとシンプルに話をする必要があるのではないか。

 例えば、先ほどちらっと申し上げましたけれども、4世紀、5世紀には、最大の陵墓が、例えば仁徳天皇陵、応神天皇陵、履中陵というような、3つもこの百舌鳥・古市にできた。なぜこれだけの大きな、世界最大級の古墳がこの時代に3つも日本にできたのか。そういうことを話ししていくことが、市民の皆様にもっと身近になる、また市民の皆さんが盛り上がるような、そういう世界遺産になろうというふうに思うんですけれども。

 今、少し申し上げましたが、例えば外国の方が来られて、なぜこれだけ日本という島国であるにもかかわらず、大きな古墳がつくられたのかと問われたときに、どのように説明されますか。

◎文化観光局長(笠谷実君) 古墳時代は中国の歴史書に我が国の王についての記述がされるなど、日本が東アジア世界に本格的に参入した時期に当たります。当時、東アジアでは国際的な緊張が高まる一方で、海外から新たな技術や文化が多くもたらされ、人々の暮らしは大きく変容をいたしました。また、各地で繰り返される古墳築造をめぐって多くの労働力が組織されるとともに、生産や流通等の社会基盤の整備が進み、日本列島の社会は古代国家確立に向けて大きく発展をいたしました。

 このような時期に築かれた百舌鳥・古市古墳群は、当時の王権が巨大な古墳を築造することにより、海外や国内からの来訪者に対してその権威を示す意味合いがあったと考えられております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 今の局長の説明が一番わかりやすいですね。なるほど、そういうことかというふうになるんですけれども。私はこの4世紀、5世紀につくられたこの巨大古墳というのは国家の、市長も国家の形成のそのあかしやということをおっしゃいますが、まさしく、このナショナルプライド、国家としての誇りがこれだけの巨大な古墳をつくらせたのではないかなと、このように思います。

 もう1枚の資料をお願いします。見にくいんですが、これはある中学校の教科書からとった図です。今、御答弁にありました東アジアでの国際的な緊張が高まるというのが非常にわかりやすく書かれていたので書きました。中国大陸では南北朝に分かれて北魏と宋があります。朝鮮半島の北側には高句麗がありまして、朝鮮半島には新羅、百済、そして任那、伽耶とも言われますが。そして倭があると。高句麗が北魏と組んで南下をしてくる。それに対して新羅や百済が倭に対して救援を求めてくる。これは5世紀初めですから、ちょうど仁徳天皇陵の施政のときと思われますけれども、それに対して倭は数万の大軍を対馬海峡を渡って百済や新羅を引き連れて高句麗と戦うと。これは好太王碑にも書かれていることであります。

 このような東アジアの緊張の中で倭という応神天皇や仁徳天皇の時代があったということ。そして先ほど申し上げたとおり、この4世紀、5世紀、日本の倭というのは宋に対して朝貢もしておりました。朝貢することによって、例えば安東大将軍倭国王などという称号もあると。また高句麗は高句麗でもらってるんですけれども、朝貢する。朝貢するにもかかわらず、その宋の皇帝よりも大きな墓をつくるというようなことが行われておりまして、そういうところがこの世紀の大王と言われる方々のプライドであったのではないかなと。また倭という国がそういうプライドを持っていたのではないかなというふうに思うわけです。

 また、そういうことを積極的に市民の皆さんにお伝えする、またそういう講演会をすることによって、もっとわかりやすい、そして興味を持たれるような、そういう世界遺産になるのではないかなと、このように思います。

 羽曳野市でおもしろい取り組みがやられておりまして、先日の産経新聞にも載っておりましたけれども、ヤマトタケル復活の調べということで、ヤマトタケルのコンサートをすると。オラトリオという聖譚曲らしいんですけれども、1万人のコンサート、大阪城ホールでめざすということを掲げておられます。ヤマトタケルというのは御存じのとおり、神話の中の英雄の1人でありまして、それを羽曳野市は大々的に捉えて、この神話をもとに聖譚曲を広めていくということを真っ正面に取り上げていく。なかなか、僕はおもしろい試みだなというふうに思っています。

 最後に、ガイダンス施設の話ですけれども、ガイダンス施設につきましては、これから30億円以上の、土地代も含めてですけれども巨費をもってつくっていく。このガイダンス施設にどんなアピールをするのか。それについて、今、お話ししたとおり、このナショナルプライド、日本が日本としての誇りを持った国家づくりをつくってきた。例えばこれから200年後、600年初めには、聖徳太子が日出づるところの天子、日没するところの天子に書を送ると、そういう独立の気概を見せるわけでありまして、そのもとになったのは、この時代からのそういう方々のプライドであっただろうと、このように思います。

 そういうところから、ぜひともこのガイダンス施設をつくるに当たっても、また今後このような、今後この世界遺産を登録を進めていくに当たっても、そういう点も、歴史もしっかり、古事記と日本書紀という我々にはすばらしい2つの歴史書があるわけですから、それに基づいた取り組みをしていただくことをすべきであるということを申し上げて、この項の質問を終わりたいと思います。

 最後に、小・中学校の学力向上についてお聞かせいただきたいと思います。

 御存じのとおり、1980年からゆとり教育が行われまして、2007年の第一次安倍内閣によって修正がされました。11月末、先月末、2015年の国際数学・理科教育動向調査で、小・中学校の理数、全てが過去最高点となり、文部科学省は脱ゆとり教育路線に自信を深めたという記事がありました。これからも課題もあるということですが、まず、学力が向上している、日本の子どもたちの学力が向上しているということではないかと思います。

 一方、堺市の小・中学生の学力の状況はどうかと。先日、全国学力・学習状況調査の成績が発表されました。また、前後して大阪府中学生を対象としたチャレンジテストの結果も公表されました。

 これらの結果を見て、まず市長にお聞きしたいんですが、市長は当初より、マニュフェストであったと思いますけれども、堺市の小・中学校の学力を大阪府トップレベルをめざすとしておられましたが、今の現状をどう把握してるでしょうか、お答えいただきたいと思います。

◎市長(竹山修身君) 本市におきましては、平成23年度から27年度までの5年間にわたる第1期未来をつくる堺教育プランに基づきまして、子どもたちの総合的な学力向上をめざして取り組んでまいっているところでございます。その結果、全国学力・学習状況調査では、全体としては小・中学校の平均正答率におきまして、全国との差が縮小してるところでございます。また、子どもたちの自尊感情や規範意識の醸成にも一定の成果が見られており、改善が図られているというふうに思っております。

 27年度に策定いたしました堺教育大綱、28年度から5カ年計画で実施しております第2期未来をつくる堺教育プランに基づきまして、今後も府内トップレベルの学力をめざし、しっかりと教育委員会と取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 現在、残念ながら堺市の小・中学校の学力というのは大阪府のトップレベルとまではいっておりません。10月5日の市長記者会見で、市長はこういうふうに言ってます。中学生の学力が府下平均を下回ったということについて、我々のやっている基礎学力の充実というのが厳しい状況にあると思っているという市長のコメントがございました。確かにそのとおりで、市長が当初唱えてきた学力トップ10というのがまだ達成されていないどころか、中学生におきましては大阪府の平均にも届いていないということもあるようであります。

 そこで、教育委員会にお伺いいたしますが、堺市の小・中学校の学力の現状についてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育次長(山之口公一君) 本年度の全国学力・学習状況調査の結果において、小学校で国語・算数ともに知識に関するA区分、活用に関するB区分で、いずれも平均正答率が全国平均とほぼ同等の結果となっております。特に算数のB区分で全国平均を上回っており、また国語・算数のA・B区分ともに大阪市を上回っております。

 中学校では国語B区分、数学A・B区分の平均正答率において全国平均との差が縮小しております。一方、国語B区分は全国との差があり、課題であると捉えております。また国語・数学においては大阪市と同等の結果となっております。

 大阪府教育庁が実施しております本年度の中学3年生対象のチャレンジテストにつきましては、各教科において課題が残っておると認識しております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 小学校におきましてはその効果が出て、全国平均を上回っているものもあるということですけれども、依然として中学生の学力は厳しいということです。ただ、それは何年も前からそういうふうに言われておりまして、それが是正されてないということは、小学校ではよくても中学校になったらほかの地域よりも劣ってるということをあらわすのではないかなというふうに思います。

 先ほど、大綱質疑の冒頭で、私は住みたいまちランキングのお話をいたしましたけれども、そこで北摂地区の市のことについて言いました。この住みたいまちランキングの北摂の、先ほど申し上げた地域、例えば箕面市、豊中市、茨木市、池田市、吹田市、高槻市につきましては、この中学生のチャレンジテストにおいて、ずっとベスト10内に入っています。こういう地域がやっぱり住みたいまちでも上位に行くと。ですから、子どもたちの成績が、学力がいいところが、やっぱり住みたいまちになってるんだなということが明らかであるというふうに思います。

 あわせてお伺いしますけれども、この体力と学力というのも相関関係があると言われておりますので聞きますが、堺市の体力の現状についてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育次長(山之口公一君) 全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果につきましては、本市の児童・生徒の傾向としまして、複数の種目で向上してきており、平成21年と27年度の各種目を点数化した体力合計点の比較では、小・中学校男女とも全国よりも伸び率が高く、児童・生徒の体力・運動能力において改善が見られます。

 ただし、昨年度の結果におきましては、本市と全国とを比較しますと、体力合計点の平均値は、小学校5年生男子で1ポイント、女子で約2ポイント下回っており、中学2年男子においては約2ポイント、女子では約3ポイント下回っておる現状でございます。本市と大阪府とを比較しますと、小学5年生男子では上回っており、女子はほぼ同じ状況で中学2年生男女でわずかに下回っておるという状況でございます。教育委員会といたしましては、これらの調査結果も踏まえ、引き続き、子どもたちの体力向上に向けた取り組みを推進してまいります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) いずれにいたしましても、今の御答弁では体力につきましても堺市の子どもたちは全国平均を下回っているということです。

 先ほど学力と体力は相関関係があると申し上げました。これは体力テストの高い都道府県ほど学力テストの成績も高いということが明らかになっております。堺市の学力を高めるためには、やはり体力も高めることが重要だということを申しておきたいなと思います。

 それでは、学力向上に向けて、これまでと今後の取り組みについてお答えいただきたいと思います。

◎教育次長(山之口公一君) 平成19年度から開始されました全国学力・学習状況調査の実施に伴い、本市独自の学力調査として堺市「子どもがのびる」学びの診断を実施し、各学校の指導内容や指導方法などの成果を確認し、その後の授業改善に生かしております。また、子どもの生活習慣へよりよい影響を与え、学習意欲を高めるため、家での7つの約束のリーフレットを作成、配布しております。さらに思考力コンテストでは児童が学習活動で身につけた思考力、判断力、表現力を発揮し、また、考える喜びや楽しみを感じる場を提供することで総合的な学力の向上をめざしております。

 今後も教育委員会として堺市教育大綱及び第2期未来をつくる堺教育プランに基づき、子どもたちの総合的な学力の育成を初め、豊かな心と健やかな体の育成に取り組んでまいります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                        

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 総合的な学力という話が出ました。それには思考力、判断力、そして表現力、発揮する場も必要だと、このように思いますが、この思考力、判断力につきましては、これは当然のごとく日本語で行われます。思考するのも日本語、そして判断するのも日本語で、頭の中で考えます。

 昨今、英語教育の重要性が言われてまして、小学校におきましても英語教育が導入をされているということでありますけれども、そこでお伺いいたします。小学校の英語教育の現状と、今後の方向性についてお答えください。

◎教育次長(山之口公一君) 小学校英語教育について、本市では平成23年度から小学5・6年生において年間35単位時間の外国語活動を行っております。また平成27年度から、小学校3・4年生において年間7単位時間の外国語活動の先行実施を行っておるところでございます。次期小学校学習指導要領においては、新たに小学3・4年生で年間35単位時間の外国語活動が加わる予定です。また、小学校5・6年生では新教科として年間70単位時間の外国語科が示され、平成32年度から完全実施の予定でございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 既に英語教育が5・6年生では35時間も行われておって、32年度からは3・4年生が35時間、5・6年生では70時間の英語教育がされるということであります。

 国際化の流れを考えますと、英語は使えたほうがいいと思いますし、そういう意味で、英語教育、なれるという意味で必要かなということは思いますけれども、どれだけ英語を学習しても、思考を英語で行うことはありません。考えるのはあくまでも日本語です。深い思考のためには日本語の語彙をふやすこと、また表現力をふやすこと、それしかないというふうに思います。日本人が日本語で思考する以上、日本語の教育の充実が最も重要だと。英語教育がこのように倍増するならば、あわせて日本語教育もそれ以上に重視をしなければ、仮に全ての子どもたちが英語をぺらぺらしゃべるようになったとしても、算数や数学の成績が伸びることはありません。日本語の読解力には何の影響もありません。それどころか、英語教育の時間がふえ、国語、日本語教育の時間が減れば、それだけ読解力が下がって、算数・数学の成績は落ちるでしょう。

 その日本語の教育の重要性は、これまでもいろんな形でさまざまな議員がおっしゃっておりますけれども、そこで堺市の言語教育についてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育次長(山之口公一君) 思考の土台となる言語活動の充実を図ることは重要であり、本市におきましては、あらゆる教育活動において言語に関する能力の育成をめざし、さまざまな取り組みを行っております。具体的には、みずからの思考の過程を深める授業ノートづくりや読書ノートを活用した読書週間の定着を図っております。

 また、地域や日本の伝統文化を理解、継承する態度を育むことを目的に、堺かるたや百人一首などにも取り組んでおります。さらに国語の授業等においては、詩や短歌、古文などを音読したり暗唱したりする活動を行い、日本語の美しい響きやリズムを楽しむ学習を行っており、このような言語活動を充実させることが学力向上にもつながるものと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁いただいたとおり、日本語教育の重要性はもちろんおわかりの上でさまざまな取り組みをされているということはわかりますけれども、体系的な教育にはなっていないというふうに感じます。2007年にゆとり教育が見直されて、来年で10年になりますけれども、日本の若者の学力は下げどまってないというふうに言われています。

 小学校・中学校ではある程度成果が出ておりますけれども、成果、大学生などはまだまだと言いますのも、高校生・大学生の読書離れがひどい。全国大学生協連の学生生活実態調査などでは大学生の40%が読書に当てる時間がゼロと答えていますし、また別の調査でも高校生も40%近くが読書しないとされています。理由の1つに、スマホなんかもあるらしいんですが、ゆとり教育によって言語力が低下をして、高校生・大学生のうちに読むべき、ふさわしい読書ができないということも理由だそうです。小学校・中学生時代から国語による言語能力の習得がいかに大事かを教えてくれる事例だと思います。

 そこで日本語教育という重要性を私は最近、常に思うわけですけれども、全国で今3つなんですが、日本語という教科をつくって日本語教育の取り組みをしている市があります。これは東京の世田谷区と新潟県の新発田市と佐賀県の鳥栖市なんですけれども、この日本語教育についてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育次長(山之口公一君) 平成20年3月まで構造改革特別区メニューの研究開発学校設置事業を活用し、東京都世田谷区、新潟県新発田市、佐賀県鳥栖市では、日本語という教科を新設する日本語教育特区の認定を受けております。これらの自治体では、小学校で生活や総合的な学習の時間などの一部を、中学校では総合的な学習の時間の一部を組みかえ、特別な教育課程を編成し、実施しておりました。

 この特区メニュー研究開発学校設置事業については、平成20年度から全国展開され、文部科学省の教育課程特例校制度に移行しており、特別の教育課程を編成し、実施できるようになっております。現在は、教育課程特例校の主な取り組みの1つである言葉に関する取り組みとして、平成27年4月現在で世田谷区、新発田市、鳥栖市を含む19の自治体で642校が指定となっております。

 言葉に関する取り組みとして、日本語科や言語活用科、ことば科などの教科を特設している指定校では、日本の言語や文化に親しむことにより、日本語の持つ美しさや日本人が持っている感性、情緒を養ったり論理的な思考、表現力を育成したりする取り組みを行っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。                         

○議長(吉川守君) 33番水ノ上成彰議員。                    

◆33番(水ノ上成彰君) この日本語学科、教科日本語というのを取り組んでる鳥栖市、いろいろ資料を取り寄せて、またお話を聞きました。今お答えにもありましたけれど、日本語のアイデンティティー、そういうものを高めていこう、また日本語の持っている美しさ、そういうのを身につけよう、そういうことからこの例えば鳥栖市におきましては全国3例目ですけれども、そういう日本語という教科を進めてきたということです。教科書も読んで見ますと非常に楽しい教科書、これは自分で素読をしたり、またみんなで読み合いをすると。そして日本語の流暢な、また楽しい、そういう音感というのを大切にする、そういうことを確かめておられるということです。

 授業につきましては、例えば小学校1・2年などは生活の時間を回してその教科に充てる。また、3・4年生につきましては総合学習の時間や国語の時間を日本語に充てて日本語の学習をするということであります。

 この子どもたちの日本語学習に対する意欲というのは、これ、最初は大変だったそうですけれども、大変なのは子どもじゃなくて実は教師でして、自分たちで教科書をつくる、指導要領もつくるということで、最初は非常に大変だったと聞いておりますが、子どもたちはこの日本語学科、教科というのを非常に楽しみにしてるということです。この日本の持っている音読等々、それをみんなで話し合うと。それが総合学習時間というのは各学校で決められてるそうですけれども、小中一貫校、特に小中一貫の9年間の背骨をつくるということで、この日本語教育をやってるんですが、小学校から中学校まで1本の筋が通った日本語教育ができてるということもおっしゃっておりました。

 そして、私が一番なるほどなと思ったのは、なぜこういう日本語という教科を入れたんですかと聞いたところ、この鳥栖市に限らずどこもそうなんでしょうけれども、国際交流ということでいろんな国の子どもたちと交流する場所がある。例えば東南アジアや中国や韓国の人と子どもたちと交流をする。そのときに、東南アジアや中国や韓国の子どもたちは、自分たちの国のことを誇らしげに堂々と話をする。それに比べて日本人の子どもたちは自分の国のことを何も自慢できない。そういう姿を見て、歴史の問題もそうなんでしょうけれども、日本語というところから直していかなきゃならないなということを感じたそうです。これは、それを聞いて、それは大事なことだなというふうに思いました。

 この日本語というのは、日本語だけをやるのではなくて、しつけとか行儀とか、そういうところもやりますし、またお茶をやる、日本文化に触れようという試みもあるそうです。例えば堺市で、そういう日本語という教科を取り入れたら、お茶というのを9年間、体系的に学ぶ機会をつくれる。また、堺市が生んだ与謝野晶子とか、ほかの文豪の文学を体系的に学ぶと。また、堺市に限らず、大阪の中で有名なそういう文豪などの文章などもみんなで読んでみる。そういうことをやりますと、どんどん膨らんできて、総合学習の時間にもそれが生かされるということで、日本語教育するに当たっては非常に成功しているというふうにおっしゃっておりました。

 今は堺市におきましてもいろんな形で語学教育をしているということでありますけれども、この日本語教育ということも1つ検討されてはどうか。大阪市におきましては、大阪市と堺市というのは小・中学校の学力的にもほぼ変わらない成績です。その大阪市におきましてはスーパーリーダー学校か、何かそういうのをつくって成績の平均点以下のところを10校程度抽出をして、そこに校長に権限を持たせて人事権も与えてやると、そういうことを試すということだそうです。動いています。大阪市もこの子どもたちの学力の向上のために何かしなきゃならないというふうに動いております。

 堺市におかれましても、この今の成績、市長が言う大阪府のトップレベルにはまだ一越えも二越えもしなきゃならないと思いますけれども、何か1つ検討をして確実に上がるということをされるということが望ましいかと思います。それには教師の皆様方が非常に苦労しますけれども、教師が苦労すればするほど、子どもたちの学力も上がろうと、このように思いますので、そのことをぜひ御検討いただきたい。このことを申し上げて、私の大綱質疑を終わりたいと思います。

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