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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成30年12月7日 大綱質疑

①中心市街地のまちづくりについて
 ※堺東フェニックス計画とは
 ※フェニーチェについて
 ※東西交通軸の整備について
②さかい利晶の杜について
③百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録について
  
       

◆33番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、おはようございます。大阪維新の会堺市会議員団、水ノ上成彰でございます。会派を代表いたしまして、三巡目の大綱質疑を行います。質問は3点ですので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、中心市街地のまちづくりについて。11月23日に2025年大阪万博が決定をいたしました。来年6月にはG20大阪サミットも行われます。IRの立地も有力視されております。大阪はこれから大きなチャンスに満ちていると思います。今や大阪は世界中から注目をされています。

 ことしの8月のイギリスのエコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表いたしました2018年世界で最も住みやすい都市ランキングで、大阪は初めて3位になりました。1位はオーストリアのウィーン、2位はオーストラリアのメルボルン、3位が大阪、4位がカナダのカルガリー、5位がオーストラリアのシドニー、そして7位が東京でした。昨年は大阪も東京も10位以内に入っていなかったということから、世界でも非常に注目をされています。

 また、マスターカードが9月に発表いたしました2018年度世界渡航先ランキングの中で、2009年から2017年にかけて渡航者の年平均成長率を見る急成長渡航先ランキングでは、世界の1位が沖縄、2位が京都、3位が大阪となっていました。昨年は大阪が世界1でございました。

 このようにインバウンドの来訪の伸び率は世界有数、そして昨年度は1,110万人が大阪に来ました。本年も台風や地震の影響はあるとはいえ、昨年の来訪者数は維持できそうだということでございます。

 大阪市内に出ますと、梅田周辺、難波周辺、天王寺周辺は活況に満ちております。それに比べて堺市の中心である堺東駅は寂しい感がいたします。2015年4月には堺市中心市街地活性化基本計画が策定され、2017年の市長選では、竹山市長は堺東フェニックス計画を策定することを打ち出しました。堺東駅を中心としたエリアの成長発展に堺市の命運はかかっているといっても過言ではありません。すなわち堺東フェニックス計画は、堺市の命運がかかっていると言ってもいいと思います。

 そこで質問をいたします。堺東フェニックス計画とはどのようなものか、また堺東フェニックス計画の策定はいつどのように行うのか、お答えいただきたいと思います。ひとまず降壇をいたします。

○議長(山口典子君) これより答弁を求めます。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 堺東駅周辺では、現在、南海高野線連続立体交差事業の事業化に向けて取り組みを進めております。また、商店街エリアにおいては、建物更新に向けた地域の皆様による検討も行われており、まちづくりに向けた新たな機運が醸成されているところでございます。このような状況を契機としまして、さらなる活性化に向けた具体的な取り組み方針として、堺東フェニックス計画を策定してまいります。

 なお、本計画では連続立体交差事業が完了するおおむね20年後の堺東の将来像をお示ししてまいります。現在、本計画の策定に向けて学識経験者から成る堺東フェニックス計画懇話会において御議論いただいているところでございます。今後、その議論の内容を踏まえた計画案を議会で御議論いただくとともに、パブリックコメント等の手続を経て、年度末を目途に策定してまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁の中で、現在、堺東フェニックス計画懇話会が開かれておりまして、この懇話会は3回程度行われるということだそうですが、大きな役割を果たすということだと思います。私もこの懇話会は今まで2回行われておりますが、私も1回目、2回目と傍聴をさせていただきました。

 そこで、まず1つ疑問に思ったことが、スクリーン1をお願いします。これは見にくいんですけれども、配席図なんですが、有識者が5人いらっしゃいまして、そこに建築都市局長、そして部長、課長がいらっしゃいます、建都局が。そのほかにもオブザーバーとして各部局が並んでおります。私は1回目、2回目参加いたしまして、傍聴しまして、不思議に思ったのは、ここに佐藤副市長がいらっしゃらないなというふうに思ったんですね。佐藤副市長は、堺市のまちづくりを進めるために、大阪市の局長として発揮された手腕を買われて、本市の副市長に就任されました。当然、佐藤副市長が出席されて傍聴されてるのかなと思って、そうではなかった。

 フェニックス計画は建築都市局、そして都市再生部、都心まちづくり課が進めておりますが、そもそも建築都市局の都心まちづくり課がヘッドとして進めるプロジェクトなのかどうか。市長公室の企画部がここには入っておりません。他の部局はオブザーバーと。昔を思い出しますと、木原市長時代、堺都心のまちづくりグランドデザインというのを企画部が作成をし、堺東の再開発が進められてきました。そして、企画部が総合デザインを作成し、各部を調整しながらまちづくりを進めてきたという経緯がありました。

 堺東フェニックス計画は、堺市の命運をかけるほどの重要な計画と思っておりますが、その中で、その上で、建築都市局がヘッドでできるプロジェクトなのかどうか、商業の面、観光の面、交通の面など、課題は多岐に上ります。昔は企画部が花形だったイメージがありますけれども、今はそういう影が今のところはない。

 建築都市局の皆さんの能力を話をしているのではなくて、企画部がグリップをきかせて進めていかなければならないプロジェクトではないのかなと思っております。懇話会は非常に重要な会議であるにもかかわらず、佐藤副市長が出席していないのはなぜか、疑問を呈したいと思います。

 そこで、堺東フェニックス計画について、この成功の鍵は組織にあると思います。建築都市局のみに任せて大丈夫か、企画部がヘッドとしてこの計画を進めるべきではないのか、お答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 現在、フェニックス計画を策定中でございますけども、堺東駅周辺のまちづくりにおきましては、商業活性化や観光インバウンドへの対応など多岐にわたる取り組みが必要でございます。そうした中、私どもとしましては、関係部局と十分連携を図りながら、今、計画を取りまとめているところでございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) いや、私はね、建築都市局じゃなくて、ほかの企画部とかそういうところじゃないのかと聞いているので、建築都市局長がお答えしても、ちょっとどうかなと思うんですけれども、副市長なり市長公室長なり、また市長なり、この建築都市局長が担うべきプロジェクトなのかどうか、その点お答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 本計画の策定に当たりましては、当然、庁内連携、先ほど申しましたように、庁内連携が必要であるとともに、当然、副市長の意見といいますか、副市長の思いも込めた形で進めているところでございまして、この懇話会自身は、これを見ていただければわかりますように、学識経験者の方々にさまざまな意見をいただきながら、堺東のあり方をまとめていこうということが1つ、それとそれに当たりまして、当然、事務的には副市長に当然報告、副市長の思いを込めた形での資料づくりもやってきてございますし、あわせて、当然これ庁内各課ともさまざまな形での調整、協議調整をやりながらやっていっているということが1つ。

 それとともに、本計画は当然考え方もまとめていく中での話ではございますけども、堺東全体を将来的にどうしていくかいうことは、これは事業も含めて、私ども、これハードとそういう関連するものをまとめながらどういう形で堺東をつくっていくかいうことも含めて、この懇話会と合わせて議論しておりますので、その辺は御理解いただけたらというふうに思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 建築都市局ではなくて、もう一つ、違う部門がグリップできる部門がこのプロジェクトを進めるべきだというふうに私は思うんですね。建築都市局が建設局、他の局にいろいろとサジェスチョンできると、できるのかもわかりませんけれども、一歩上に立ってやるべきだと、それも佐藤副市長のもとにやらなければ、このプロジェクトはうまくいかないんじゃないかなというふうに思っているんです。

 佐藤副市長がこの会議に出ないというのは、いろいろ事情があるのかもわかりませんけれども、これは私は堺市の命運をかけるプロジェクト、そういう意味で、担当の副市長が、この3回の議論を受けて、これもう策定するわけですから、いろいろと傍聴した上で、日程を練るべきだと、このように思いました。時間がないので、もうこれ以上聞きませんけれども、ただ1つ、佐藤副市長、建築都市局がやるべきか、それとも企画部がこれを進めるべきか、その点お答えいただきたいと思います。

◎副市長(佐藤道彦君) 今、議員のほうから堺の命運をかけるプロジェクト、その点につきましては、私も同感でございます。代表局として建築都市局がこの事務局をやっておりますけれども、当然、これは産業政策の面、商店街の振興というのにも産業政策の面、含んでおりますし、あるいは観光ですね、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録を控えて、世界の人々が堺に訪れていただいたときに、この堺東、どのような顔をブラッシュアップできるのか、これ非常に重要なテーマであると思っております。そういう意味で、今後、長いこれからの堺のまちづくりの1つの大きなキーとなるエリアでありますので、これは堺市総力を挙げて、どんな内容を今後していくのかという具体的なプランも含めたものを、このフェニックス計画をベースにつくっていく必要があるというふうに思っております。

 今、学識の方、先生方には、いわゆるコンセプト部分を含めて御議論をいただいておりますけれども、それと並行して、どういう具体のプロジェクトを進めていくか、これを我々のほうでもしっかりと考えていきたいと、このように思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) このプロジェクトの成功の鍵は、本当に組織にかかっていると思います。その点を申し上げて、次に行きますけれども、堺東フェニックス計画は、2019年の3月に策定され、2040年に完了、これは連続立体交差事業と整合性を図るため長期になっていますが、策定から完了までが20年と余りにも長い。連立も用地買収を行うため、例えば南海本線の連立は用地買収がおくれて10年おくれることになりました。連立が予定どおり完成する保証はありません。そうすれば、フェニックス計画の完了もさらにおくれるのではないかと思います。堺東フェニックス計画の各取り組みは、連続立体事業を見据えるのではなく、早期に実施すべきではないかと思いますが、お答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 南海高野線連続立体交差事業は、鉄道の東西市街地の分断解消や、交通結節機能の強化など、堺東駅周辺のまちづくりに大きなインパクトを与えるものであり、堺東エリア全体のさらなる活性に向けた契機になるものと捉えております。このことから、堺東フェニックス計画は、連続立体交差事業との整合を図りつつ、効果を早期に発現する観点から、実現可能な取り組みから順次進捗を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。 

◆33番(水ノ上成彰君) 南海高野線の東と西では全く事情が違います。東は住宅地、西側が商業地を中心としているというところから、西側からどんどん開発していくべきだと、このように思っています。いつの間にか、連立合わせた20年後というのが事実、既成の事実になっているというところがあって、それは私は違うというふうに思っています。この点について、ちょっとまた議論したいと思いますが、スクリーン2をお願いしたいと思います。

 スクリーン2は、上から読みますけれども、2009年9月に竹山市長が就任をされて、LRT計画が中止されました。2010年の10月に堺東中瓦町2丁地区再開発を中止をされました。2013年9月に市長再選、2015年4月には、堺市中心市街地活性化基本計画が策定された。そして、次の赤字なんですが、もし竹山市長がこの中瓦2丁の再開発を中止していなければ、2016年3月には再開発の中で文芸ホールが完成をしていた。2017年9月に市長が3選されると。2019年春に堺東フェニックス計画が、来年の春に策定される。2019年にはフェニーチェ堺がオープン。そして2040年に堺東フェニックス計画が完了予定ということ、時系列に並べればこういうことになります。

 竹山市長が堺東再開発を中止して、フェニックス計画が完了するまで実に30年かかるわけです、30年。これは余りにも長期。比較のために例を出しますと、最近決定いたしました大阪万博は、2014年8月に橋下前大阪市長が提唱して、その後、翌年の11月ダブル選挙で松井知事、吉村大阪市長が引き継いで、2018年11月23日に決定した。これまでわずか4年。それ以後、7年で大阪万博が開催されるということで、都合11年ということですね。そういうことで、大阪府の負の遺産だった夢洲が大きく変わった。大阪の成長の基盤となる、これについては僕は見事な政治的決断であり、政治的手腕であったというふうに思っております。

 これだけを申し上げたら、維新の手前みそになりますので、もう一つ例を申し上げますと、ことし10月29日に都市活力再生・創出調査特別委員会で、神奈川県の大和市に視察に行ってまいりました。駅前再開発ビルのシリウス、これは芸文ホールと図書館、生涯学習センター、屋内こども広場等の複合施設ですが、この大和市の市長は大木市長で、2007年に市長に就任された。竹山市長の2年前ですね。一旦、頓挫した再開発を事業スキームを変更してチャレンジした。2016年にシリウスをオープンをいたしました。スクリーン3をお願いします。

 これがシリウスですけれども、当初100万人の来館者を見込んでいましたが、オープン後2年で600万人の来館者と、年間300万人の市民が利用すると。視察時に聞いた話では、この大木市長というのは、駅前再開発に政治生命をかけた。夜遅くまで何度も職員と会議をし続けたというふうに聞いております。市長就任後9年で再開発ビルをオープンした。これも見事な政治判断であり、政治手腕であったというふうに思っています。2つの事例を申し上げましたけれども、10年で成功に導いた、これは1つの目安ではないかなというふうに思っております。そういう面では、竹山市長のこの再開発を潰してから30年という長い時間を要する。

 竹山市長は10月1日のツイッターで、スクリーン4をお願いします。フェニーチェ堺の建築現場を視察した後、それにしても、これ小さくて済みません、読みますから。それにしても、総工費約3倍、大小路中瓦の商業ビル内建設を見直しよかったと感慨を新たにすると言っております。これはフェニーチェ堺の建設費が約150億円に対して、中瓦の再開発ビルは400億円かかったことを指していると思いますけれどもね。確かに間髪入れずに中瓦町の開発を手がけていれば、市長の言うたことも当たっているかもわかりません。しかし、2010年に中止をして、完了まで2040年まで30年間、芸文ホールがもしできていたら、文芸ホールができていたら、24年間、どれだけの収益、利益が堺東周辺にもたらしたかもわかりません。いわば竹山市長がそれを中止したことによって、この30年間長きにわたってこれを進めなかったことによって、堺市民に大きな損失をもたらしていると私は思っております。

 そこで竹山市長にお聞きをいたしますけれども、堺東、連立と整合性を合わせて20年後というのではなくて、もっと期間をつぼめて10年でやり切る、そのような意識はないのかお聞かせいただきたいと思います。

◎市長(竹山修身君) 議員は、高松の丸亀商店街を御存じないですか。丸亀商店街は日本で一番、商店街活性化に成功した商店街であると言われております。そして、あの丸亀商店街も1期事業がまず行われて、それから2期、3期と行うということでございます。私どものフェニックス計画も堺東のこの商店街事業、さらにはスカイタウンをただしていく、そういうところから始めていくということをしっかりと皆さん方と確認したいと思います。そして、中心市街地全体を堺の政令市の玄関口としてふさわしいまちづくりをしていくということをやっていきたいというふうに思います。

 そしてもう一つ指摘いただきました中瓦の芸文ホール、できてますか。権利者調整なんか何もしてなかったんですよ。それと市役所の下を通って駐車場に行くような地下通路もなかったら、駐車場がつくれなかったんですよ。そして、ピアノや大きな音響機器が、あのエレベーターで上に上げられなかったんですよ。そういうふうなフィジビリティーを考えてないような計画、私はやめてよかったと、議会の皆さん方の御支援を得てやめてよかったというふうに思っております。そして、来年の秋のフェニーチェ堺の開演を皆さん方と一緒に、すばらしい演劇や交響楽や、さらには市民主体のいろいろな催しができる、こういうふうなことをしっかりと来年できることを、皆さん方と一緒になってお祝いしたいと思います。そういう現実的なことをしっかりと捉えんと、絵に描いた餅みたいなことばっかり言ったらあかんのですよ。どないかそのあたりをしっかりと議員には自覚していただきたい、そのように思います。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 絵に描いた餅というのは、もうそのままそっくりお返しします。

 この中瓦町の再開発、これができるのか否かというのが大きな視点、フェニックス計画の中でも。スクリーン5をお願いします。地図のほうをお願いします、大きく。

 これは堺東近辺で、老朽化したビルがどのくらいあるかという地図です。赤のところ、真ん中の赤のところは、40年以上のビルが62%集中している。ここが再開発をするはずだったところです。柿色のところが30年以上ということで、あとは20年以下ですね。最もあの部分が堺市商店街の中で老朽化してネックになっています。ここの再開発をやるというのが、前の計画でした。先ほど細かい話をしておられましたけれども、そんな細かい話はみんな知恵を出したらできたはずだ、そう思いますよ。そんなことよりも、ここの再開発をできるのかどうか、こうやって60%以上が40年、50年のビル、これを何も手をつけずに、ほったらかすのか。今その状態です。そして、フェニックス計画、20年かかります。ここをどうするのか、そこが大きな問題、課題だというふうに思います。

 そこでお聞きいたしますが、中瓦2丁地区、あの赤い部分ですね、ここを一挙に開発するような、大規模開発は可能かどうかお答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 中瓦町の商店街エリアにつきましては、昭和40年代から50年代の建物が多く、老朽化が進んでいるものと認識しております。商店街エリアでの大規模な再開発事業につきましては、権利者の合意形成や採算性の確保など、さまざまな課題解決が必要であると考えております。しかしながら、本市といたしましては、商店街エリアの更新は、地域の皆様も検討されているところであり、十分に話し合いをしながら、取り組みを促進してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 私はね、大規模な開発が可能かどうかということをお聞きをしたんですね。それに対して、さまざまな課題解決が必要であると考えております、そんなこと当たり前のことです。この件について、懇話会の中では、皆さん、建都局はどういうふうに言ったかといいますと、中瓦の商店街エリアについては、かつてのような大規模な再開発事業は難しい。小規模の再開発になると報告をされておられました、有識者。今の答弁とはニュアンスが大分違うと思います。難しいという言い方していた。できるのかできないのか、その点もう一度、懇話会の発言も加味した上で答弁いただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 先ほど来お答えしておりますように、再開発事業を進めるに当たりましては、当然、採算性で権利者との合意、先ほど市長申しましたように、駐車場の確保等々、さまざまな課題がございます。そうした中で、ここの権利関係っていうのは非常にふくそうしております。私どもとしましては、いわゆるここで営業されている方、地主の方と十分話し合いしながら、やはり先般やったような大規模な再開発ではなく、やっぱりまとまったところを適切な形で位置づけながら、地区がよくなるような再開発をやっていくというのが基本的な考え方やと思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) やるかやらないのかという質問でしたけれども、それを建築都市局長に聞くのも酷だと、ある意味ね。大規模開発は絵が描けないと思います。トップの決断が必要、市長及び副市長、やるかやらないか、ここ、大規模開発。かつてはやろうと手をつけた。しかし、今聞いている話では、ここの中瓦2丁を中心とする地域の大規模開発については、全く手をつけていないというふうに聞いております。これは政治的、政治マターですから、市長の決断次第で思いますが、市長、先ほどの赤い部分、老朽化が非常に進んでいる部分、一部ABホテルが建つそうですけれども、あの部分について、中心に再開発を進めるつもりかどうか、大規模なね、それについてお聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 先ほど来答弁させていただいておりますが、大規模なという形でいきますと、先ほど議員おっしゃいましたように、もう何年かかるかというレベルになってくると思います。そうしたことからも、今現に、商店街の中で再開発をやっていきたいという御意向の商店主さん、地主さんがいらっしゃいます。その方々と私ども協議しながら、ただこの地区が散漫な形で開発されると、再開発であっても、そういう散漫な形での土地利用になるというのは、望むところではございませんので、全体の地域、あの地域のあり方を踏まえた上で、適切な形での再開発をやっていくべきやというふうに考えてございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) もちろん散漫な開発はもう御法度ですよね、それは。そうでない計画的な大規模な開発をする、フェニックス計画の中でそれを位置づけることが必要でないかと言うてるわけです。そして私は建築都市局長では、これは決断無理だから、市長はいかがですか、やる気があるんですか、どうですかとお聞きしているんですが、市長いかがですか。

◎市長(竹山修身君) 大規模な大規模なというふうな抽象的なことをおっしゃいますけれど、フェニックス計画自体は、やはり大きなマスタープランをつくらなければならないというふうに思います。その中でできるところから事業者の皆さんの調整をしながら、マスタープランの制約の中で、しっかりとした、それぞれの地区のまちづくりをしていくということであると思います。中瓦2丁の話をされてますけれど、今、中瓦2丁の皆さん方、そういうふうな機運醸成をこれからさせていただくところでございます。そういう意味で、議員がおっしゃるような、抽象論で議論していること自体が、私たちの生産的な議会の議論とはちょっと違うような気がします。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 人を見下したような、ばかにしたような言い方はやめてくださいね。やるかやらないかという話なんですよ。先ほど例を出しました。万博にしても大和市の例、これは不可能と一時言われていた。しかし、政治的な手腕で可能だったんです、できたんです。堺市も中瓦2丁の話、竹山市長があの再開発を中止をして、ちゃぶ台返しをして、みんな白けてしもた。もう一度するのは難しいとわかってます。しかし、それをやるために、私は佐藤副市長なりが堺に来たんではないかと、全体的なまちづくりをするために、そう思っているんです。そういうリーダーシップを発揮してやってもらわな、建築都市局に任せて、これは絶対進まない、このように思います。この辺については、もう平行線ですけれども、市長がやると言わん限りは、これはもう進まない、フェニックス計画もね。

 次に、フェニーチェについて一言申し上げたいと思います。

 フェニーチェ堺は来年の秋にオープンをいたします。フェニーチェ堺につきましては、大規模とはいえ、現地建てかえ、ある意味、最も楽な道を選んだ。しかし、オープンしてからその集客は私は疑問だというふうに思います。堺東フェニックス計画が20年後ですよ、完了するの。この20年間どうやって集客するんですか。

 我々は、現地建てかえならば、前の市民会館と同規模で十分だと、そして大規模なホールを建てるのならば、堺東のまちづくりとセットだと、こういうことをずっと申し上げてまいりました。その点でお聞きいたしますけれども、フェニーチェにつきまして、今後の集客をどう図っていくのかお答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) フェニーチェ堺のオープンにより、多くの方が来られるものと考えられることから、この機会を捉えて、まちに滞在したくなるような魅力ある商業機能の充実や、安全・快適な歩行者空間の形成などにより、回遊性を高めることが、堺東エリア全体の活性化につながるというふうに考えてございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) かみ合わないですね。フェニーチェは来年できる。あなた方がつくっているフェニックス計画は20年後、徐々にはやるとしても、その間、どうやって集客を図っていくのか。最初は物珍しく人は来るでしょう。しかし、駐車場も少ない、堺というのは車のまちです。車で来る堺東に来る方が圧倒的に多い。電車で来ても堺東の周辺は何年来、全然変わっていない。その中で集客できるのかということです。

 フェニーチェ堺というのは、不死鳥堺、フェニックス計画は不死鳥計画と、不死鳥が好きみたいですけれども、本当にフェニックス計画を早く進めて、本当に決断をしてやらんことには、せっかく大きなホールも非常に厳しい状況になるんじゃないかということを申し上げて、この項の質問を終わります。

 続きまして、東西交通の整備についてお伺いをしたいと思います。先ほどから申し上げているとおり、2025年、大阪万博の開催が決定し、IRの立地も有力視されている中、今後堺にも来訪者の増加が期待されます。関空と直結している南海本線堺駅が、外国人のみならず、国内からの観光客の玄関口となっておりますが、なっているけれども、堺の中心は堺東駅前。これは堺東フェニックス計画を策定しているというところから、中心を堺東駅前になる。百舌鳥古墳群の世界文化遺産登録をめざす中で、インバウンド及び国内からの来訪者を堺東方面へ誘引するには、一日も早く堺駅、堺東駅間の東西交通軸を整備する必要があると考えますが、当局の認識はいかがですか。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 東西交通軸につきましては、都心ネットワークを形成し、都心の回遊性向上を図る上で大変重要な取り組みであると認識しております。また、平成26年度の都心交通検討会議におきまして、東西交通の形成には、自動車利用の抑制などの制約があり、社会実験などを重ねながら、段階的な道筋を踏むべきとの御意見をいただいております。そのため、大小路線での自動車交通の抑制を伴う社会実験の実施に向け、地元の御協力を得ながら、交通管理者と協議や調整を行っているところでございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) インバウンドの爆発的な増加、また観光客が、堺に来る観光客1,000万人を超えたというふうにも言われております。スクリーン7をお願いします。

 これは大阪観光局が出しているインバウンドの伸びですが、昨年が1,110万人と、こういうふうに右肩上がりでずっと上がっている。ことしも580万人を超えているということで、上半期は好調やった。下半期になって台風等の被害があったので、その後の伸びはちょっとわかりませんけどね。しかし、インバウンドはたくさん来る。その中で、一体、泉州や堺にどのくらいの人が来てくれているのか、スクリーン8をお願いいたします。

 これは堺都市政策研究所の資料ですけれども、関空におりたった人が、まず堺を含む泉州に来るのは約2%、そして出国する前に寄る都市はというと、これも2%だそうです。ほとんどの方々が泉州を素通りをして、大阪市、京都、神戸などに行かれますということ、最初と最後に少し寄る人もおるみたいですけどね。

 外国の観光ガイドブックには、どのように書かれているかというと、スクリーン9をお願いします。これは韓国の大手ツアー会社に書かれているらしいですが、堺は時間的に余裕がない人には厳しいルート、堺は時間的に余裕がない人には観光には厳しいルートだというふうに紹介されているそうであります。これ理由は2つあると思うんですね。1つは、観光地が点在している。もう一つが、東西の交通インフラが未整備だと。ですから、堺駅でおり立っても、堺東でバス使っていくとか、行きづらい。観光地を回りづらいというのがあると思います。

 そこでお伺いをいたしますが、関西空港から関西地方へ訪れるインバウンド及び国内観光客が今後ますます増加すると見込まれる中、堺駅・堺東駅間の東西交通の整備は急務であると思います。社会実験の実施に向け、取り組まれていることは認識しておりますが、いつまでも結論が出ないというのは、いかがなものかと思います。いつ誰が東西交通の整備について結論を出すのかお答えいただきたいと思います。

◎建築都市局長(窪園伸一君) 東西交通軸を形成していくには、沿道利用への影響、費用対効果など、それぞれの課題を順次解決し、幅広く合意形成を図っていくことが重要であると考えております。引き続き社会実験の実施などに取り組み、東西交通軸の形成に努めてまいります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 平成26年に都心交通検討会議が東西交通軸の検討について取りまとめを行っております。その中で、3機種3ルートが示されました。今御答弁ありましたように、課題の解決、合意形成、社会実験の実施、これはわかりますけれども、これを一つ一つ解決していたら、いつまでたっても前に進まないと思います。

 平成26年当時と今では取り巻く社会環境は大きく変化をしています。堺駅・堺東駅間のシャトルバスの乗車数が減少しているのは承知しておりますが、しかし、重要なのは、今後の万博、IR、そして世界文化遺産登録など、観光客の増加、そして大阪の発展に伴い、潜在的な需要がどの程度予想されるかということです。また受け身だけではなくて、フェニックス計画と連動して、交通需要を創造していく気概も必要だと思います。大きなチャンスだというふうに僕は思っております。

 また、以前から提案しておりますとおり、LRTをもし整備したとすれば、阪堺線との連結により、阪堺線の乗降客数の増加が見込まれ、阪堺線の収支も好転することも見込まれます。これも先ほどと同じ政治的な決断をすべきだというふうに思います。いつ誰が決断するのかという私の問いにお答えはありませんでした。これも私は市長しか決断できないというふうに思っております。

 そこで、これについても市長の認識をお聞かせいただきたいと思います。

◎市長(竹山修身君) 私どもも、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を控えまして、交通をどのようにしていくかということを議論しております。その中で、交通事業者であるJRさんと大阪の責任者と先日お話ししました。やはりJRの百舌鳥駅、そして百舌鳥古墳群、さらには利晶、さらには堺駅を結ぶルートをどのようにしていくかということをしっかり議論しようということになりました。もちろん南海さんともバスを通じて周遊してもらう。直接、利晶から百舌鳥古墳群に行ってもらう、百舌鳥駅行ってもらう、そういうルートづくりも議論しなければというふうな積極的な提案をいただいているところでございます。そういうことも含めまして、東西交通軸の議論はしますけれど、当面、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産を控えてのルートづくりということも、しっかりと視野に入れていきたいというふうに思っております。

 いろいろと交通軸のLRTのことを言うていただいていますけれど、そもそも阪堺線のLRV導入に反対したのは誰でしょうか。公約でLRV導入を掲げながら、この議会で反対したというのは、私は許されんと思いますよ。市民の皆さんを裏切っているんちゃうかと思います。しっかりとそのあたりも踏まえて、議論していきたいと思います。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 全く違うところに飛び火をしましたね。これ、僕、前も説明いたしました。このLRVの話につきましてはね。市長の選挙のために、補正予算を組んでやるというのはおかしい。ちゃんと次の年まで待って、本予算でやったらいいと言ったのに、自分の選挙の前に合わせるようにやった。それはあかんと言うたから、私は反対したんです。LRV賛成ですよ、それ以降、賛成しています、当初。そういうことがあるから、私は反対した。これは反論しておきます。

 さて、議論をすると言うてましたけど、いつまでも議論をしていてもだめです。先ほど言うてる、もう市長が決断するしか前へ進まない。そして、環境が変わっている。観光客もふえるし、大阪の活況を見れば、堺がいつ決断するか、それはフェニックス計画、堺東のまちづくりもそうですけれども、このLRTも一緒です。LRTにつきましては、もしあれはいろいろと反対もあって、なかなか進まなかったけれども、もしあれがついておれば、もっと観光客、インバウンド、玄関口の堺駅から堺東、観光客が来たはずだと、そういう意味で、あのLRT計画をなくなったのは非常に残念だと、このように思っております。そういう意味で、いつまでもするのかせんのか、吉本の芸人じゃありませんけど、すんのかい、せんのかいじゃないですけどね。ほんまにすんのかいと、やらんかいというふうに私は思います。

 それでは、時間も非常に押しておりますので、さかい利晶の杜についてあわせてお聞かせいただきたいと思います。これもさかい利晶の杜については、何度もお伺いしてまいりました。スクリーン11お願いいたします。

 これは左の青い棒グラフが初年度、隣の赤いのが次年度、緑が3年目、一番右が4年目ということで、ほとんどの月で前月同月の有料入館者数が減っているということなんですね。有料部分の入館者は、年間約8万人です。とはいえ、千利休の茶の湯館、与謝野晶子記念館に入った人、有料で入った人、その後、有料でお茶を飲んだ人、これは2人とカウントされますので、それを差し引くと8万人じゃなくて6万人そこそこではないかなというふうに思います。1日ざっと200人程度の来館者、1時間当たり20人程度は来ているという換算ですかね。

 こういう状況の中、千利休と与謝野晶子、この文化的なことを、館をですね、中心に、今後、来館者の増加は見込めるのかどうか、それをお答えいただきたいと思います。

◎文化観光局長(宮前誠君) さかい利晶の杜は、千利休や茶の湯、与謝野晶子の魅力を生かした事業を実施していくことで、本市の特色ある歴史文化の魅力の発信とにぎわいの創出を図ることを目的として整備した施設でございます。これまでもこの施設のコンセプトに沿った企画展や、さまざまな事業、茶の湯体験を実施してきたことで、市内外から多くの観光客が訪れていただいております。

 中でも与謝野晶子は、キャラクターとして登場いたします人気アニメ文豪ストレイドッグスとのコラボレーション企画でありますとか、堺和菓子ワングランプリを実施し、多くの来場者でにぎわったところでございます。さらに、観光施設としてにぎわい創出事業の一環として、先日の堺まつりの際には、堺の有名飲食店が一堂に会したにぎわいマルシェ堺めし処を開催いたしまして、多くの来場者をいただきました。堺の食文化の発信につながったものと考えております。

 これからもこういう事業などを通じまして、できるだけたくさんの方に来ていただけるように、我々として努力していくというふうに思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 努力しているのはわかります。和菓子ワングランプリなどオータムフェアというのも、私もお伺いさせてもらいました。たくさんの人が来られていました。当局も入館者数の減少に危機感を持っているあらわれだというふうに思います。入館者数も和菓子フェアなどは5,700人余りが来て、そのうち2,900人が有料で入館をしたというふうにも聞いております。ただ、食べ物、またアニメというところで、人を寄せているというのが今現状ですね。スクリーン12をお願いいたします。

 これも見にくいんですけれども、これも堺都市政策研究所が出している資料ですが、インバウンドで来る人、インバウンドの人がどういうところに魅力を持って観光に来るかと。第1位が日本食、日本のお酒、50%以上、次、ショッピング、お土産等々ですね、これがもう断トツです。

 それで、このお土産、堺、どこそこに行けば、全てのお土産がそろうとか、また食事ができるとか、そういう施設は堺には今のところありません。我々はもともとこういう文化的な施設は大仙公園に集約し、現在の利晶の杜には商業施設、道の駅やお土産の商業施設にするべきだというふうに提案をしてまいりました。観光の部分につきましては、一定、成功していると思いますが、千利休、与謝野晶子はターゲットが絞られているため、これ以上の集客は見込めないと思います。このあたりで文化機能は縮小するなりして、観光部分を充実すべきでないかと思います。和菓子グランプリ、オータムフェアの活況を見ると、ますますその念を強くいたします。インバウンドや国内の観光客の増加が見込まれる中、さかい利晶の杜の抜本的な見直しを考えるべきだと思いますが、当局の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

◎文化観光局長(宮前誠君) 先ほども答弁させていただきましたが、さかい利晶の杜は、千利休、茶の湯の文化、与謝野晶子を初めとした堺の歴史文化の魅力を発信する文化機能を有しておるということを考えております。それをメインにいたしまして、一方で、本市のさまざまな歴史文化資源を活用した集客イベントの実施も当然必要だというふうに考えております。観光情報の提供などを行う、観光機能を有する文化観光拠点として整備されたものでございますので、その方向性に沿って、我々取り組んでいきたいというふうに思っております。今後も本施設のメインテーマでございます千利休や茶の湯、与謝野晶子の魅力を生かした事業を引き続き実施するとともに、先ほど来お話ありました来年の百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を好機と捉えまして、新たな顧客層を獲得するための多角的な事業を展開していきたいというふうに思っております。これらの取り組みにおきまして、市内外から積極的な情報発信に取り組み、現在、初年度を除きまして、人数がやや下がっておりますが、これを復活させて30万、50万というところを頑張っていきたいというふうに思っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 局長の思いはわかりますけれども、現実を見る目が大事だというふうに思います。現実は有料入館者数はずっと減っていく。そして、来てもらうには、和菓子とか食べ物で来てもらうということがある。現実を見た上で、柔軟な発想も必要ですし、思い切った転換も必要だというふうに思います。私はもう1階は展示室をオープンスペースにして、堺のみならず、泉州地区のお土産を扱うブースにしたらどうか、エリアにしたらどうか。道の駅のような機能を果たすようなエリア。また、和菓子が有名ですから、絶えず有名店をそろえる。また、簡単なフードコーナーもつくるなど、文化的な施設は撤退するとは言いませんが、2階へ縮小すると。しかも有料をやめて全て無料にする。そのような思い切った転換を図った上で、これを生かすべきだというふうに思っております。

 これからのインバウンド及び観光客が、堺駅から堺東に来る間、あそこに行けばお土産がそろう、おいしい和菓子がある、絶えずそういうことになれば、必ず寄ってもらえます。そういう観光客のニーズがそこにあるということですから、そういうことも柔軟に考えていただくことをお願いを申し上げて、この項の質問を終わりたいと思います。

 続きまして、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録についてお聞きをしたいと思います。何度もお聞きしておりますので、かいつまんでお聞きしたいというふうに思います。

 私は、百舌鳥古墳群を世界遺産にするということは、その中に天皇陵があるわけですから、天皇陵を世界遺産にするということと等しい、このように思っております。そして、天皇陵というのは、誰がどの天皇かとはっきりわかっておるわけですから、しかし、その天皇については堺市の中では全く掲示がない、事跡等について。それについてかねがね不満に思っていた、それは御存じだと思います。

 一方、今の与謝野晶子とか千利休、河口慧海、行基、阪田三吉などの展示については、いろいろなミュージアムもありますし、顕彰する場所がある。そういう中で、天皇陵というのは他の古墳と同じように物扱い、観光のために利用するだけのように思えて仕方がない。そこに尊敬の念や敬愛の念はないのかというのは常々思っております。

 そこでお聞きしたいんですが、まず、この百舌鳥・古市古墳群の顕著な普遍的価値というのは、一体どういうものであったのかお答えいただきたいと思います。

◎文化観光局長(宮前誠君) 世界文化遺産登録をめざしております百舌鳥・古市古墳群の顕著な普遍的価値は、世界遺産条約に基づく評価基準に当てはめまして、次の2点に推薦書で説明しております。1つ目は、百舌鳥・古市古墳群は前方後円墳、帆立貝型墳、円墳、方墳といった、多様な形と古墳の大小の規模によって有力者の地位など、当時の政治、社会の構造をあらわしたという、古墳時代の文化を物語る傑出した証拠であるということをまず書いております。

 2つ目といたしましては、前方後円墳というユニークな形、また古墳を葺石や埴輪で飾るという特徴、これが世界に類例がなく、百舌鳥・古市古墳群は、その列島独自の古墳を代表する顕著な事例であるという、この2点を普遍的価値と言っております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 今、御答弁いただきました普遍的価値というのも、お墓の中には墓誌がなくて、どなたのお墓というのが特定されていない。その中で古墳時代の文化を物語る傑出した証拠というのも推測でしかないというふうに私は思っています。そのような中から、確かにそういう価値はあろうかと思いますけれども、観光客の目から見たら、無味乾燥に資するのではないか。それよりも、観光客が望んでいるのはどこにあるのか。それは何度も申し上げているように、天皇陵にあるのではないかと。

 百舌鳥・古市古墳群には10の天皇陵があります。その中にも百舌鳥古墳群には仁徳天皇陵、履中天皇陵、反正天皇陵があります。先ほども申し上げましたけれども、世界遺産にするということは、天皇陵を世界遺産にすると。百舌鳥古墳群を世界遺産にするということは、天皇陵を世界遺産にするということに等しい。そういうところから、仁徳天皇、履中天皇、反正天皇の事跡はしっかりと披露するように求めてまいりました。また教育委員会にも子どもたちに教えるようにと求めてまいりました。

 そこで、根本的なことですが、世界遺産登録される御陵の被葬者である天皇について、具体的には仁徳天皇、履中天皇、反正天皇はどのような天皇であったかお聞かせいただきたいと思います。

◎文化観光局長(宮前誠君) 仁徳天皇、履中天皇、反正天皇陵につきましては、日本書紀でありますとか古事記に記載がございます。まず、第16代の仁徳天皇は、応神天皇と仲姫命の第4子として生まれ、幼いころから聡明で、容姿端麗で、広い心の持ち主であったというふうに伝えられております。事跡の1つとしまして一番有名なのは、民のかまどのお話でございます。あるとき周囲の家から煙が上がる様子が見られないことから、人々が貧しさのために火を上げることができないということで、以降3年間にわたって課税を取りやめ、宮中でも質素倹約を実践するなど、民衆に負担をかけないよう政治を行ったということが、先ほど申し上げました日本書紀なり古事記なりに書いております。

 一方、第17代の履中天皇につきましては、仁徳天皇の第1皇子で、在位期間が6年ということで、短い期間でございましたが、池や水路を築造したという事跡が伝えられております。また、18代の反正天皇につきましては、仁徳天皇の第3皇子ということで、履中天皇の弟に当たります。在位期間、反正天皇につきましても5年と短いですが、先ほど申し上げました日本書記、古事記には、在位中に五穀豊穣、天下太平の世であったというようなことが表記されております。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 初めて具体的にこのような天皇の事跡をお聞かせいただきました。履中天皇、反正天皇につきましては、非常に短い事跡でしたけれども、お聞かせいただいた、こういうのを、御陵のところの掲示するとかしていっていただければ、観光客も親しみが湧くのではないかと、またそういうふうに思います。

 日本の建国は、初代神武天皇の即位をもって建国とします。そこから今、16代、17代、18代と答弁ありましたけれども、神武天皇から16代、17代、18代ということ。その皇統は現在までも続いて、現在の天皇陛下は125代と、日本は現存する国家の中では最も古い国家で、建国はどんなに短く見積もっても1,800年前にさかのぼると思っております。

 その中で、来年の5月1日には126代天皇が即位をされます。119代光格天皇以来、約200年ぶりの譲位が行われます。そして、新しい天皇が即位される年に、その祖先である天皇陵が世界文化遺産に登録されるかもしれない。これは当然、世界中の人々が注目をすると思います。そういうところから、なおさらしっかりと堺から発信が必要だというふうに思っています。世界一古い国家に、世界一大きな陵墓がある。欧米人は特に古いということに大きな価値を持っています。しかも、その祖先が世界一大きな墓を持つ、この歴史的背景に憧憬の念を持つというふうに思います。そのような世界唯一の価値をどのように発信していくのか。先ほど答弁いただきました顕著な普遍的価値のみならず、古事記、日本書紀などの歴史的背景を加味しながら、世界文化遺産としての百舌鳥古墳群を世界中に発信していくべきと考えますが、いかがですか。

◎市長公室長(柴信君) これまで本市の歴史資産でございます百舌鳥古墳群につきましては、さまざまな方法で情報発信に努めてまいりました。その1つとして、古墳を身近に感じていただくために、日本書記に示されている仁徳天皇の事跡など、古墳に関する歴史的な事柄を堺動画チャンネルやPR冊子Sakaistにおいて紹介しております。来年、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録が決定すれば、国内はもとより、海外からも多くの方々が百舌鳥古墳群を訪れます。そうした方々に歴史的な背景を踏まえまして、百舌鳥古墳群の魅力を感じ取っていただけるよう、多言語に対応した解説や観光ボランティアなどによるきめ細やかな案内など、ガイダンスの充実を図ることで、さらなる古墳の魅力発信に取り組んでまいります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 御答弁にありました歴史的な背景を踏まえ、ここが私は重要やというふうに思います。古墳の歴史だけではなくて、この古墳がどうやってつくられたか、皇統の中でどのように守られてきたかと、そういうことをしっかりと発信をしていく。動画チャンネルやSakaistということも見させていただきました。そういう発信もありますけれども、まだまだ少ないというふうに思います。もっと発信すべきことがあるというふうに思いますので、ぜひとも今申し上げたこと、歴史的な背景を踏まえた上で発信することを申し上げて、この質問を終わります。

 また、教育現場での対応について一言質問いたしたいと思います。

 5月議会、9月議会におきまして、文教委員会でいろいろと議論をしてまいりました。さらに議論を、何があるのかということなんですけれども、実は11月17日の議会報告会というのがありまして、そこに高校生がたくさん来られました。40名以上の高校生。高校生とディスカッションをしたんですね。私もそのディスカッションに参加をして、3名の高校生がいらっしゃいました。1人の女性の高校生が、観光について世界中に広めたい、日本のいいところ、そして堺のいいところをどんどん観光大使で広めていきたいと、こういう話をしてくれました。堺には仁徳天皇初め、そういう世界遺産になるよねと、これどうするの言うたら、こういうのもぜひとも世界に観光として、観光大使として広めていきたいと思うと言われました。そこで私は彼女に質問したんです。仁徳天皇陵、わかるけれども、外国人はきっと世界一の仁徳天皇陵に被葬されている仁徳天皇はどんな人だったのと絶対聞くよと、そうしたら君、どういうふうに答えると言いましたら、名前は聞いたことあるけれども、わからないと言うんです。昔習った覚えがあるけれども、どんな天皇かわからない。

 それ以外にも、その彼女以外にも、2人の高校生がいまして、その2人の高校生に聞きました。そうしたら、名前は聞くけれども、どんな天皇かわからない。2人の高校生も言いました。議会報告会に来る高校生ですから、意識の高い高校生だと思います。たまたまその3名が知らなかっただけかもわかりませんけれども、そうやって堺のことを広めたい、そういう子どもたちでさえ、仁徳天皇のことを学校で習っていないということがわかったんですね。

 そういうところから、さきの文教委員会でもお聞きしましたけれども、もう一度聞きたいというふうに思います。仁徳天皇などの人物像や業績を学ぶことについてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育監(小宅和久君) 学習指導要領におきまして、古事記、日本書紀、風土記などにまとめられました神話や伝承などの学習を通して、当時の人々の信仰や物の見方などに気づくように取り扱うことが示されてございます。教育委員会としましても、神話や伝承を通じ、歴史上の人物を発達段階に応じて学ぶことは重要と考えており、それらに資する副読本等の充実に向けて検討してまいります。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) さきの文教委員会に比べて、1つ進展があったというのは、副読本の充実に向けて検討してまいるということでした。教育委員会がつくる副読本は、与謝野晶子、千利休、河口慧海、阪田三吉、行基等については詳しく書いておりますけれども、仁徳天皇を初め、天皇については全く触れられていない、その業績についてはね。ぜひともこの副読本の改訂に当たっては、そういうこともしっかりと踏まえた上でやっていただきたい。そして、堺で学ぶ子どもたちがこれから世界に羽ばたくという中で、自分ところの堺には世界遺産がある、その世界遺産の御陵にはどなたが被葬されて、どういう実績があるか、そのことぐらいはしっかりと話せるようにしていただきたい、このようなことを申し上げて、この項の質問を終わりたいと思います。

 最後に、自由都市・堺平和貢献賞についてです。時間がもう超過をしておりますので、もう核心だけかいつまんでお聞かせいただきたいと思います。

 アウンサンスーチー氏、第3回平和貢献賞を受賞をいたしました。このアウンサンスーチー氏につきましては、現在、ミャンマーの少数民族であるロヒンギャ問題で世界中から批難を受けております。そしてノーベル平和賞も取り消すべきだというような批判が数十万も寄せられているというふうに聞きます。また、カナダ名誉市民や国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが授与した良心の大使賞などは剥奪、または取り消しされているというようにも聞いております。このような状況を鑑み、堺の平和貢献賞についてアウンサンスーチーに授賞しましたけれども、このような状況を見て、この取り消しも考えるのかどうか、その点1点お聞きしたいというふうに思います。

◎市民人権局長(河村寛之君) アウンサンスーチー氏のロヒンギャの件での批判の声が上がっていることについては、新聞報道等を通じまして、我々も承知してございます。人権の侵害状況について憂慮しておるところでございます。なお、ノーベル平和賞、サハロフ平和賞と同様、我々のところといたしましても、授賞を取り消すということについては考えてございません。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) もともとこのアウンサンスーチーに平和貢献賞を授与するというのは、非常に政治的な面が強かったというふうに思っております。そして、今回もこのような問題が起こっているわけです。取り消してはどうか、または選考委員会で御判断いただいたらいいと思いますけれども、これ以上、批判が大きくなって、そういう一旦受賞したものが剥奪されると、そういう動きがあれば、それを授賞した、授けたという責任は堺市にあろうと思いますので、その点をしっかり検討した上で対応していただきたい、このように思っております。

 最後に、第6回受賞団体の佐喜眞美術館についてお伺いしたいというふうに思います。この佐喜眞美術館、沖縄にあるんですけれども、メインは沖縄戦の図という絵画だそうです。残念ながら、私は実物を見たことがありません。この沖縄戦の図というのは、画家丸木位里・俊夫婦による横8.5メートル、縦4メートルの大作だそうでございます。ただ、そこに描かれているのは、渡嘉敷島の住民の集団自決の模様とか、久米島での住民虐殺、日本軍による住民虐殺とか、日本軍による少女の拷問、処刑の様子が描かれているということでございます。

 沖縄戦というのは、確かに地上戦が行われ、日米両軍が相まみえ、そして沖縄県民が巻き込まれて大きな犠牲を払った。そういう点では理解はできますけれども、ただし、この絵は一方的な、日本軍がそういう沖縄県民に多大な犠牲を払わしたという一面で描かれているように思います。

 また一方では、沖縄を守るために勇敢に戦った兵士たちもたくさんいるわけです。そういう点から、私はこの授賞につきましては、そういう政治的な配慮があったんではないかというふうに思っております。

 例えばアメリカとの戦争の中で、バックナー中将というのが戦死をします。沖縄の総司令官、太平洋戦争を通じて総司令官が亡くなったのは沖縄戦が唯一。そして、このバックナー中将が亡くなったことによって、アメリカ軍はもうあだ討ちだということで、県民、女性、子ども、老人構わず数日間、皆殺しにしたというふうに言われております。そういう状況も御存じだった上で、私はこの沖縄戦の図というのは描かれたと。そして、そういうこの美術館に平和貢献賞を授賞したと。もっと細かに説明したらもっとわかりやすいとは思いますが、時間がないので、かいつまんでしか話できませんけれども、そこで私はこういう授賞というのは、政治的にも非常に偏った授賞ではないかというふうに思いますが、その点、いかがお考えでしょうか。そういう点を配慮されての授賞だったのかどうかお聞かせいただきたいと思います。

◎市民人権局長(河村寛之君) 佐喜眞美術館の授賞でございますが、このことについては、平和の実現に向けた活動を地道に続けてこられた活動内容が、選考委員会によって評価されたと考えてございます。以上でございます。

◆33番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(山口典子君) 33番水ノ上成彰議員。

◆33番(水ノ上成彰君) 選考委員によって慎重に判断をされたというふうに思います。ただ、私はもう前からこれ、選考の方法に問題があると言っているのは、どれだけの推薦団体が来たかわからない。その推薦団体の名称もわからない。そして、その中でどのような選考委員会で議論されたかもわからない。ただ、1つ、2つですね、2団体、この平和貢献賞にこれが決まりましたよとしか伝えられない。

 かねても申し上げましたとおり、どの推薦団体が来たのか、そして、その選考によってどういう議論をしたのか、もっとオープンにすべきだというふうに思います。そして、そこには市民の目、市民の人もそこに考える、そういうことが必要だと思います。それで、そういうことがあれば、当然今回の賞についても、そのような意見があったかもわかりません。その上で判断をしたかもわかりません。今、問題なのは、この選考に当たってブラックボックスです。誰もわからない、選考過程がわからない、そこが一番問題だというふうに思います。ですから、後で見て、政治的配慮が強いこれは授賞じゃないかというようなことも言われるわけです。ですから、そういうこともなくすためにも、もしこれ、まだこの後続けるのであれば、そういうオープンな形で選考する、その上で賞を。

 私はこういう賞につきましては、もう一回、抜本的に見直す、これも6年、6回続けてきたから、廃止も含めて抜本的に見直すということも必要だということを申し上げて、私の大綱質疑を終わります

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