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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

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堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例についてCONCEPT

堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例

12月22日に可決された「堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例」に反対した事につきまして、市民の皆様から多数のご賛同が寄せられました。
また反対討論の内容についての問い合わせもあっため、反対討論の全文と条例全文を掲載いたします。

堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例

(前文)
 わがまち堺に暮らす人々は、古代から国内外との交流を積極的に進め、創造性と自立の精神をはぐくみ、わが国有数の自治都市を築いてきた。また、茶の湯を通じて世界に誇る平和を尊ぶ文化を創造し、過去幾度もの戦禍に遭いながらも復興を成し遂げてきた。
  基本的人権の尊重や平和社会の実現と維持は、国際社会における共通の原理であり、日本国憲法や世界人権宣言の理念とするところである。
  しかしながら、今なお、私たちの社会においては、人種、民族、国籍、信条、性別、社会的身分、門地又は障害があること等による人権に関する多くの課題が存 在し、さらに紛争や貧困などにより、子どもや女性を始め多くの人々の生命や身体が危険にさらされ続けている国や地域が地球上には数多く存在している。
  私たちは、こうした現実を直視し、未来を見据えて、戦争は最大の人権侵害であるという認識を持つとともに、すべての人々が尊厳ある生命を全うできるような社会づくりを進める「人間の安全保障」に積極的に関与していかなければならない。
  平和を尊ぶ文化の伝承者であり地球市民である私たちは、国際平和の実現と維持及び人権課題の解決のために世界へ向かって行動し、発信するまち「国際平和人権都市・堺」の実現に努めることを決意し、この条例を制定する。

(目的)
第1条
 この条例は、平和と人権を尊重するまちづくりの推進に ついて、市の責務及び市民の役割を明らかにするとともに、平和や人権尊重に関する意識の向上、人権課題の解決及び人権擁護を図るための施策(以下「人権施 策」という。)の推進の基本となる事項を定め、もって平和と人権を尊重するまちの実現を図ることを目的とする。

(市の責務)
第2条
 市は、国、大阪府及び国内外の関係機関並びに市民との連携を深め、あらゆる施策を平和と人権を尊重する視点を持って実施するとともに、人権施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
2
 市政に携わる者は、この条例の理念を理解し、尊重し、及び行動しなければならない。

(市民の役割)
第3条
 市民は、この条例の理念を理解し、平和、人権等地球規模の課題について身近なことから積極的に取り組む地球市民の一員としての認識を持って行動し、平和と人権を尊重するまちづくりの推進に努めなければならない。

(事業の推進)
第4条
 市は、平和と人権を尊重するまちづくりの推進について、次に掲げる事業を実施するものとする。
(1) 平和や人権に関する意識の向上のための教育及び啓発事業
(2) 交流、協力及び貢献に係る活動並びに顕彰を通して平和を促進する事業
(3) 人権擁護を推進する事業
(4) 前3号に掲げるもののほか、この条例の目的の実現に資する事業

(推進計画の策定)
第5条
 市長は、平和と人権を尊重するまちづくりを総合的に推進するため、堺市人権施策推進計画(以下この条において「推進計画」という。)を策定し、人権施策を推進するものとする。
2
 市長は、推進計画を策定するに当たり、次条の堺市人権施策推進審議会の意見を聴くとともに、市民の意見を反映できるよう適切な措置を講ずるものとする。
3
 市長は、推進計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。
4
 市長は、推進計画の進行管理を行い、社会状況等の変化に対応し、適宜、見直しを行うものとする。

(堺市人権施策推進審議会)
第6条
 人権施策の推進に関する重要事項を調査審議し、及び意見を述べるため、本市に堺市人権施策推進審議会(以下この条において「審議会」という。)を置く。
2
 審議会は、委員12人以内で組織する。
3
 委員は、学識経験者その他市長が適当と認める者のうちから市長が任命し、又は委嘱する。
4
 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
5
 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6
 第2項から前項までに定めるもののほか、審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

(委任)
第7条
 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

附則
 この条例は、平成19年1月1日から施行する。ただし、第6条の規定は、規則で定める日から施行する。
堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例 反対討論

 議案第171号「堺市平和と人権を尊重するまちづくり条例」について、プロジェクト堺を代表して意見を申し上げます。

 「人権条例については」我が会派は9月議会において大綱質疑をし、また本議案に対しては12月8日の大綱質疑において我がプロジェクト堺を代表して杉本 和幸議員がこの条例案に対する私達の基本姿勢を申し上げ、また、私自身も先日の市民環境委員会において抱いている疑問を当局に質したところであり、我が会 派はこの条例について重大な関心を抱いて参りました。

 もとより、平和を希求し、人権を尊重する社会の構築は、人類共通の理念であり、私達も異議を挟むものではなく、その理念をあらわす条例の制定そのものに反対をするものではありません。市長のこの条例にかけるご決意もよく理解しているつもりでございます。

 しかし、本条例の制定にあたり、言葉の使用にもっと慎重にすべきであったとの感を否めません。使用される言葉により、条例の性格が決定されることもあり ます。この条例が一部で「地球市民条例」と揶揄される原因も言葉の用い方によります。平和や人権の尊重を人類普遍の理念とするならば、それを表す条例に使 われる言葉は誰もが納得し理解でき、言葉そのものが普遍のものである必要があります。

 人によって解釈が異なり誤解を生む可能性がある言葉、時代によって意味が変わるような言葉の使用は厳に慎むべきであります。今まで指摘してまいりました 「戦争は最大の人権侵害である」とか「地球市民」、「人間の安全保障」などの言葉は市民の共通認識が得られたものではないことから、条例の使用には適当な 言葉ではなく、パブリックコメント制度に基づき市民から寄せられた意見の中にも、これらの言葉には多くの疑問が寄せられていました。またこれらの言葉に対 する当局の説明は市民や我々を納得させるに十分なものではありませんでした。

 議論が十分に尽くされないまま条文中に使用されるこれらの言葉は、条例が制定されれば独り歩きする可能性があり、政令指定都市である堺市が制定した人権 条例の中にこのような言葉が使用されているということは、誤ったメッセージを全国に発信することになりかねず、将来に禍根を残すものと危惧するところであ ります。

 このような言葉の使用以外にも、事業の推進、堺市人権施策推進審議会の役割などさらに議論を深める必要があり、拙速に条例を制定する必要はないはずであります。

 この条例は堺市民のすべてが賛成しているわけではなく、根強い疑問の声がある以上、我々は堺市民のこのような声を代表して、理念には賛成するけれども、 今回は一度取り下げて、議論を重ね、文言の整理をした上で、改めてご提案いただく必要があるとの立場から本条例案に反対するものであります。

 なお、その他の議案につきましては、賛成の意を表することを申し添えておきます。

以上

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水ノ上成彰 事務所

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