小泉首相再訪朝に異議あり!!

真の対北朝鮮外交の目的は拉致問題根本解決と朝鮮半島非核化である!
小泉再訪朝の非常識
  5月22日に小泉首相が北朝鮮に再訪朝するという。しかしちょっと待ってほしい。
 世の中には様々な常識がある。国家間の外交においても例外ではない。その常識とは、対等な独立国同士の政府首脳の訪問は相互に行うことである。前回は平成14年9月17日小泉首相が平壌を訪問した。国際常識では次は金正日総書記が日本を訪問すべきである。しかも日本は、北朝鮮とは国交がない国であり、国の政治最高責任者が二度続けて訪問するなどあってはならない事である。
 政府は今回8人の帰国が実現すれば人道援助を再開する意向である。だが拉致という犯罪行為の解決条件としての援助再開は、テロに対する身代金支払いと同じである。このようなテロ国家の言いなりの非常識な外交を小泉首相は再訪朝という形で行おうとしているのである。

拉致事件の根本解決とは何か
  1年8ヶ月前の9月17日、小泉首相が北朝鮮を訪問した際、金正日が拉致を認め謝罪したこと、及び拉致被害者5人が帰国できたことは日本にとって大きな意義があった。今回小泉首相が再訪朝するのであれば前回よりもはるかに難しい交渉が要求される。ハードルははるかに高い。
 再訪朝した場合の、拉致問題の根本解決は、①帰国した5人の拉致被害者の家族8人の帰国 ②横田めぐみさんをはじめとする政府が認定した10人の正確な安否確認と帰国 ③百名以上といわれる特定失踪者の正確な安否確認と帰国である。
 しかし今回の訪朝には、拉致された全ての日本人救出、奪還の策略があるようには思えない。我々の懸念の根拠は、首相が日本国政府の最高責任者として、「全ての拉致被害者と家族を救出する」という決意を示さず「平壌宣言に則り国交正常化を目指す」と繰り返すところにある。首相の訪朝には、根本解決、または前進、進展の契機となる確証が必須の条件でなければならない。家族8名の帰国で、北朝鮮の思惑通りに幕引きを図り、国交正常化交渉に移行するのではないかという懸念が払拭できない限りは、首相は再訪朝すべきではない。

朝鮮半島非核化
 日朝間のもう一つの重要課題は、北朝鮮の核の問題である。平壌宣言に反し北朝鮮の核開発の疑惑が色濃くなり、北が主張しているのは単なる凍結であって、既に開発した核兵器は温存するつもりであることは明白である。今回の訪朝が発表された14日に、北京で開催されていた六ヵ国協議が米朝の主張の対立で成果もなく終わった。核・ミサイル問題の解決なくして国交正常化はあり得ない。その前提を忘れて正常化交渉だけを始めても「有害無益」である。

拉致被害者は北朝鮮で救出を待っている
 曾我ひとみさんは北朝鮮で抑留されているとき、金丸信氏など日本の政治家が訪朝するたびごとに「今度は私の帰国が議題になっているかと期待し、その後労働党から連絡がないので失望する」ということを繰り返し、「夜、月や星を眺めて同じものを日本の家族も見ているだろう、いつになったら帰れるのかと思っていた」と、語っている。いまこの瞬間も、横田めぐみさんら「死亡」などと一方的に通告された10人と、まだ日本政府が認定できずにいる100人以上の同胞が、母国の救いを一日千秋の思いで、待っているのだ。

結局小泉首相の再訪朝の目的は?
 このような状況そして反対論を押し切って訪朝を決めた背景には、自らと与党(自民・公明)幹部の年金未納問題から国民の視線を背ける事と、帰国者家族を帯同して英雄気取りで帰国し、参議院選挙に有利な環境作りと党内における指導的な地位を確保する狙いがあるのではないだろうか。
 また、一部で「死亡・未入国」と北朝鮮が主張する 10人他について日朝合同で調査委員会を設けるとの案が日本政府側から提案されるという報道がある。しかし、こんな馬鹿な話はない。強盗と調査委員会を作って強盗の盗んだものを探し出そうとしても無駄であることは誰でもわかる。
 拉致事件を政争の具にしてはならない。

真の解決を目指す
 真の拉致事件の解決は、圧力と対話である。国会では、北朝鮮に対する経済制裁のための「外国為替及び外国貿易法改正案」が平成16年2月9日成立し、さらに「特定船舶入港禁止法案」が今国会に提出された。今国会でなんとしても成立させ、北朝鮮の独裁者に拉致事件の解決なくしては、政権の安泰は無いと思い知らすべきである。
 堺市議会においても昨年12月議会で「北朝鮮への経済制裁を求める意見書」を圧倒的多数で可決した。拉致事件早期解決は堺市議会の意思でもある。
 拉致事件の本質は、何の罪もない日本人が北朝鮮に拉致され、あらゆる人権を奪われた状態が4半世紀にもわたり続いてきたことに対し、日本国民の総力で拉致された日本人とその家族を取り戻し、完全なる自由、基本的人権を取り戻す事にある。

※この文章は、小泉首相の再訪朝以前に書かれたものです。