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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成15年11月19日 決算委員会(総括質疑)

1 堺市の財政状態(バランスシートの利用について)
2 市民税税収の確保について
3 平成16年度予算編成について

○水ノ上委員 皆様、お疲れさまです。プロジェクト堺の水ノ上成彰です。よろしくお願いいたします。私は、3点ご質問、ご議論いただきたいというふうに思います。

まず最初に、堺市の財政状態についてでございます。財政状態につきましては、きょうの午前中よりさまざまな議論が行っておりますけれども、私もできるだけ重複を避けてご質問いたします。

一 般企業では、貸借対照表が財政状態をはかる資料となっておりますが、堺は平成13年よりバランスシートを作成、公開しております。これはホームページ等で も拝見することができますが、ただ平成14年度は現在作成中ということでございます。このバランスシートは、複式簿記により作成されているものなのでしょ うか、お答えください。

○津田 財政課長 バランスシートについてにお問い合わせでございます。バランスシートにつきましては、複式簿記というような積み上げというような形ではやってお りませんで、これは総務省が旧自治省時代にマニュアルという形で出しておりまして、決算統計を利用した形でバランスシートを作成いたしております。以上で す。

○水ノ上委員 つまり収支計算書とは連動しておらない、財産目録的なものと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。

○津田財政課長 そのとおりでございます。

○水ノ上委員 現在、外郭団体の会計はすべて単式簿記から複式簿記へと移行したと認識しております。堺市の一般会計でも複式簿記を取り入れるのは有効だと思いますが、複式簿記を取り入れる予定はございますでしょうか、いかがでしょうか。

○津田財政課長 国の方でもそういう動きもございます。我々としては、まず、今作成しておりますバランスシートなんかを研究して、そういうことも今後検討していきたいと、そのように考えております。

○水ノ 上委員 複式簿記というのは、18世紀イタリアで発明されまして、それ以降、複式簿記により資本主義が発展してきたと、この複式簿記というのは、公会計に も有効であるということが言われております。私は、複式簿記はよいところの一つに誤謬や不正を発見しやすい、また財産と財政状態と連動してるという利点が ございますので、導入するには大変な苦労があるとは思いますが、一たん導入すれば、その恩恵ははかり知れない、このように思いますので、ぜひとも複式簿記 の導入を今後ご検討いただきたい、このように思います。

バ ランスシートに関連いたしまして、財政状態ですが、2点ご質問させていただきます。平成13年度のバランスシートで退職給与引当金が593億計上されてお ります。平成14年度は作成中ということでございますが、聞き及びますところによりますと570億退職給与引当金が計上されるということです。この金額、 退職給与引当金の金額についての意味をご説明ください。

○津田 財政課長 バランスシートにおける退職給与引当金の意味でございます。これは13年度末でありましたり、14年度末の、これはあくまでも普通会計の職員の 方が普通退職するとしたときの退職給与がどうであるかというようなことを示しております。ただし、そのときに退職される方の退職金は除いております。以上 です。

○水ノ上委員 現在までこの引当金に相当する積立金というものは現実にされてますか。

○津田財政課長 退職にかかわる手当に、将来に備えてというような積立金はやっておりません。以上です。

○水ノ 上委員 公会計上、引き当てというのは将来確実に発生するであろう支出であり、その支出の原因が数期にわたると考えられる支出に対して、数期間の収支を平 準化するために、あらかじめ積立金として手当てしておくための勘定だというふうに私は理解しております。すなわち平成14年度退職給与引当金が570億計 上されているということであれば、会計上は少なくともその20%ぐらいは、100億円ぐらいは退職給与引当金のための積立金が計上されているのが本当は会 計上適切だというふうに思っておるんです。

さ て重要なのは、この積立金がない中で、今後の退職金の支出が大丈夫なのかどうかということでございます。特に団塊の世代が退職する平成19年から平成23 年の5年間は多額の退職手当が支出される予定でございます。その財源は大丈夫か、また対策はあるのか、退職手当の推移の予想とともにお答えください。

○津田財政課長 まず、退職手当の推移について説明させていただきます。

ま ず、今回の平成14年度の決算では、62億7,300万となっております。平成15年度の見込みでございます。77億5,500万となっております。いず れも一般会計で推計しております。16年以降につきましては人事当局から定年の人数を聞きまして、財政の方で推計させていただいております。

そ れでいいますと、平成16年度につきましては32億3,800万、平成17年については29億7,600万、平成18年では43億2,800万、それから 先ほど委員言われましたように、平成19年からは団塊の世代ということもございまして、ちょっと金額がはね上がりますけども、19年度でいいますと62億 6,300万、20年度では62億8,600万、21年度では71億3,600万、22年度68億4,500万、平成23年度は59億5,000万、24 年度で、今度下がりまして35億9,900万。団塊の世代でいいますと、平成19年度から23年度で約1,500人ということで、金額にいたしますと約 325億円ということになっております。

そ れについての対策でございます。委員ご指摘のとおり、団塊の世代の退職者がピークを迎えることにつきましては、この財源につきましては、財政当局としても 今後の大きな課題と認識してるところでございます。どうしていくかというようなことでございますけども、今後、行財政改革断行による財源の確保、それに加 えまして例えば財政健全化債等、起債の発行などで各種の方策を講じて対処していきたいと考えているところでございます。以上です。

○水ノ 上委員 このように団塊の世代を中心に非常に多額の退職手当が予想されてます。財政状態が厳しいというのは現在だけではありませんで、将来的にもこれは確 実に厳しいということが予想されておりまして、将来確実に支出が予想される巨額な負債に対しては、手当てを今のうちにしておかなければならない。しかし、 現在の厳しいような状況では、それもなかなか難しい。そのためには行財政改革というのがあるんでしょうけれども、この点もしっかり合併及び政令指定都市に 移行後もこれが続くわけですから、これも視野に入れて行財政改革に進んでいただきたい、このように思うわけでございます。

バランスシートの関係でもう1点ご質問いたします。地方債なんですけれども、堺市全体の地方債の現在高は一般会計、特別会計、企業会計、すなわち3会計合算いたしまして、どの程度あるでしょうか。また、それに対する支払う利息はどの程度でしょうか、お答えください。

○津田 財政課長 一般会計、特別会計、企業会計、合わせて14年度末の地方債の現在高でございますが、5,759億円となっております。それで14年度の支払利 息につきましては189億円でございます。内訳でいいますと、そのうち一般会計につきましては、地方債の現在高が2,650億円、利子が81億円でござい ます。それ以外では、大きな規模となっておりますのが下水道事業会計でございまして、地方債の現在高が2,473億円、支払利子は82億円でございます。 以上でございます。

○水ノ 上委員 支払利息が189億円に上るということは、1日に換算して5,180万円、毎日毎日利息が発生してるということなんですね。企業会計はその費用が その料金に乗っておりますので、全部が全部一般会計から出るわけじゃありませんけれども、堺市としては毎日毎日5,180万円の利息を負担してるというこ とです。

次 に、下水についてちょっとお聞きしたいんですけれども、下水会計、下水事業といいますのは、今、お示しいただきましたように、一般会計に匹敵するほどの地 方債残高と利息を抱えております。企業会計は独立採算であり、かかる費用も下水料金に加算されて回収されますけれども、このように多額な地方債残高になっ た、また利息になったという経緯についてお示しください。

○ 西出経営監理課長 下水道事業会計におけます企業債の残高及び利子が多額になってるというのはどういうことかということでございますけども、本市におきま しては市民の方の強い要望もございまして、これまで市の重点施策として下水道整備を行ってまいりました。特に平成6年度以降は、普及率の向上のために急速 に下水道整備を行ったということで、平成5年度末で57.1%という普及率であったものが、平成14年度末には93.8%というとこまで上がってきており まして、大半の市民の方が利用できるというようになっております。ただ、下水道整備には多額の資金が必要でございまして、その資金調達のために企業債を発 行して整備を行ってきたということで、現在の企業債残高及び利子になっていると、こういうことでございます。以上です。

○水ノ 上委員 堺市の下水料金は大阪一高いということらしいんですが、下水道料金の構成は、もちろんランニングコストと、1つが下水施設の減価償却相当額、そし て地方債の利息、この3つが料金にはね返るわけですね。財政難の中で市民の大半が下水を使えるということで地方債を発行して下水を進めた結果、支払利息が かさんで、その結果、大阪一高い下水道料金になってるということだと思うんです。ただ、この料金体系はしばらく続くということなんでしょうね。さらに高く なるかもわかりませんね、利息が高くなれば。

下水道関係は以上でございまして、それでは、その公債につきまして、最後この財政状況が悪化する中、公債費の抑制に向けて当局の考え方をお示しいただければと思います。

○津田 財政課長 財政状況の悪化する要因につきましては、午前中から言っておりますように、歳入面では市税収入の減収が主なものでございまして、歳出面では扶助 費と並んで公債費の増が主な原因の一つでございます。そういう中で起債の発行額につきましては、公共事業の選択と集中と図ることにより公債費負担の増大が 今後の持続的なまちづくりに影響を及ぼさないように、後年度の公債費の推移を注意深く見守りながら抑制を図っていくことが必要であると考えております。ま た従来から、先ほども言いましたけども、本市では起債の発行額に際しては、後年度交付税算入がされるものを優先的に充当するなど工夫をやっているところで ございます。以上でございます。

○水ノ上委員 公債費の比率等々については、先ほどもご答弁ございました。バランスシート、すなわちストック面からしましても非常に財政状態が厳しいということで、この財政状況についての質問は終えます。

続 きまして、市民税の税収の確保についてお伺いいたします。まずその前に関連いたしまして、職員の方の市外居住者の増加傾向について、まずお伺いしたいと思 います。私が議員になって、まず驚いたことの1つに、堺市の職員の中で堺市外で居住されている方が想像以上に多いということでございます。そこでお尋ねい たします。堺市職員の市外居住者の状況についてお答えください。まず、全職員及び管理職員についてどうなっているのかについてお願いいたします。

○ 出来人事課長 職員の市外居住者の状況のお尋ねでございます。平成15年5月1日現在、教職員291人を除く6,150人のうち2,637人が市外に居住 しております。率にいたしまして42.9%でございます。続きまして、課長級以上の管理職員につきましては、667人のうち356人が市外に居住しており まして、率にいたしますと53.4%でございます。以上でございます。

○水ノ 上委員 実にその管理職に至っては53.4%、ここにいらっしゃる方の半分以上が堺の市外にお住まいということだと思うんですね。全職員のうち2,637 名が市外ということでしたが、これに教職員を合わせますと、恐らく2,800名ぐらいになるというふうに思います。この率は過去からの推移についてですけ れども、増加傾向にあるんでしょうか、それとも減少傾向にあるのでしょうか、お答えください。

○ 出来人事課長 推移ということで増加傾向にあるかどうかということで、平成11年から申し上げますと、いずれも5月現在でございます。全職員で申し上げま すと、平成11年が40%、12年が40.9%、13年が41.5%、14年が42.2%、15年は先ほど申し上げました42.9%で、11年と比較しま して2.9%の増になっております。

続きまして管理職員なんですけども、平成11年が50.3%、12年が51.6%、13年が52.6%、14年が52.0%、15年が先ほど申し上げました53.4%で、平成11年と比較しまして3.1%の増となっております。以上でございます。

○水ノ 上委員 実にじわじわじわじわと堺市から堺市以外へと職員が移動してると、これは平成18年には堺が政令指定都市になって輝かしい堺をというのには反しま して、市の職員が堺から堺市以外に移ってると、これは少々問題かなと。まあ、後で申し上げますけども、先に職員の年間の給与の支給額についてお答えいただ けますか。

○出来人事課長 職員の年間の給与額というお尋ねでございます。平成15年4月支給の平均月額給与に基づいて出した計算によりますと、職員1人当たりの年間給与額は約786万5,000円でございます。以上でございます。

○水ノ 上委員 年間786万5,000円の年間給料から考えますと、この給与水準で市民税及び住民税は大体20万から30万円ぐらい、家族構成によりますけれど も20万から30万円ぐらいになります。平均25万円といたしまして、2,800人の方がもし堺市に全員お住まいだったとしたら、その住民税の合計額は7 億円となります。それに固定資産税を加算いたしますと、恐らく3億円ぐらい上乗せしますので10億円、全員2,800人の今、市外にお住みの方が堺市にお 住みになったとしたら、毎年10億円の税収がこの堺に増収となるということでございます。ただ、全員に堺市に戻ってきてほしいということではありません で、もしそういうことであれば憲法22条に違反いたしますんでね、これはできませんけれども、ただ、これは余談ですが、規定として管理職になるためには堺 市民によるとかいう規定があれば、恐らく数年後には10億円の税収になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

問 題なのが、そういうことで、そういうことも問題なんですが、より問題なのは堺市の、申し上げたように政令市をめざしてる中で、堺市の職員がほかの市に移っ てると、また、それにもまして危機管理の問題でも1つ問題があるんですけれども、例えば台風とかというような刻々とやって来るような災害にはいかにも対処 できますけれども、地震のような予測不可能な災害が起こった場合は、例えば日中ではいいですけれども、休日とか夜間とかいうときの初動体制、こういうとき はその被害があったときの初動体制が非常にその後の被害を大きくするかどうかということにかかわってくるわけですね。

管 理職の方々が堺以外のところに住まれているということは、地震があったときの初動体制におくれを来すのではないかと、こういう観点からも、本当は管理職以 上の方は堺にお住まいになられるのがいいのではないかと。もちろん堺市会議員は全員堺市に住んでおりますので、市会議員団は一生懸命そのときにやるんです けれども、管理職以上は、そういう防災の観点からも堺市にお住まいになったら、税収もふえて防災も完璧だというふうな思いがいたします。このことに関しま して、こういう状況について、堺市の職員がじわじわでありますけれども、市外の方に移ってるという状況についていかがお考えでしょうか、お答えいただけま すでしょうか。

○ 溝川人事部長 委員のご意見のとおり、堺市内に居住していただくことによりまして、市民税あるいは固定資産税の増収が見込められます。また、あわせて災害 時の緊急な災害時の迅速な対応が図れることは確かでございます。そのほか職務外でのやはり地域活動、これらへの参加あるいは貢献によりまして、市政への寄 与をすることがまたできます。こういうことで、そういうもとで我々としては、できるだけ市内に住んでいただきたいと思うんですけれども、いわゆるどこの市 町村に住むかは、やはり居住の自由等ございますので、義務づけはできませんけれども、できましたら、魅力ある堺のまちづくりのためにできるだけ堺市内に住 んでいただきたいと、かように思っております。以上でございます。

○水ノ上委員 先ほども申し上げましたように、居住の自由がございますので強制はできませんけれども、税収の面、また災害時の初動体制の面からも一考されることを要望いたします。

○小西副委員長 水ノ上委員の質疑の途中でありますが、この際、午後3時30分まで休憩いたします。

○午後3時1分休憩

○午後3時30分再開

○菅原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

質疑を継続いたします。

○水ノ上委員 引き続き質疑を行います。次に市税収入の確保ということでお伺いいたします。市民税、固定資産税等々あるんですけれども、固定資産税につきましては、先日来、質疑がありますので、これはきょうは質疑はいたしません。市民税につきまして質疑いたします。

市民税は個人市民税及び法人市民税に分かれておりますが、まず個人市民税につきまして、その納税者数と税額につきまして、過去5年間の推移をお示しください。

○今井税制課長 納税者数と税額の推移ということですが、個人の市民税の納税者数と税額の推移につきまして課税状況調べに基づきましてお答えさせていただきます。

ま ず、平成10年度の納税者数は約31万7,000人、平成14年度は約29万3,000人でございます。5年間で約2万4,000人減少しております。ま た、税額ですが、平成10年度は約408億7,000万円、平成14年度は約337億3,000万円です。同じくこれは5年間で約71億4,000万円減 少しております。以上でございます。

○水ノ上委員 続きまして、その個人市民税の中でも納税者の主体といいますのは給与所得者と営業所得者、いわゆる事業主、個人事業主でございます。それぞれにつきまして税額及び納税者数についてお示しください。

○今井税制課長 同じく税額と納税者数につきましては、まず、所得区分で見ますと納税者と税額がともに大きいのは営業所得と給与所得となっております。そこで営業所得者と給与所得者につきましてお答えいたします。

平 成10年度の営業所得者の納税者数は2万7,000人、税額は30億1,000万円でございます。平成14年度の納税者数は2万人、税額は23億 7,000万円でございます。この5年間で納税者数は7,000人減少しており、税額では6億4,000万円減少しております。

続 きまして、給与所得者ですが、平成10年度の納税者数は26万5,000人、税額は334億2,000万円でございます。平成14年度の納税者数は24万 6,000人、税額では277億9,000万円でございます。この5年間で納税者数は1万9,000人減少しており、税額では56億3,000万円減少し ております。

営業所得者と給与所得者この2つを合わせましたこの5年間の変化は、納税者数で2万6,000人、税額で62億7,000万円減少しております。以上でございます。

○水ノ 上委員 個人事業主が7,000人減少しているということは、7,000の個人事業、要は個人商店がこの5年間で消えていったということですね。また1万 9,000人の給与所得者がいらっしゃらなくなったと、また、この堺から出ていったのかもわかりませんし、リストラされて補充がないのかもわかりません。

そういう中で厳しい状況になってるとは思うんですけれども、次に、法人の市民税についてですが、同じくこの5年間につきまして税額と赤字法人の推移はどうなっているかについてお示しください。

○ 今井税制課長 法人についてですが、法人の市民税につきましては、景気の長期低迷の影響を受けまして税額が減少しております。平成10年度は88億 6,000万円でありましたが、平成14年度は77億5,000万円でございます。この5年間で約11億1,000万円の減収となっております。また、法 人の数としまして5年間で約100社ふえておりますが、一方、赤字法人が約570社増加しておるところでございます。以上でございます。

○水ノ上委員 法人数が100社ふえてるということは、ほぼ横ばいということでしょうけれども、赤字法人が570社、その他確実に所得は減っておりますので、その分大きく減額、減収となっていると思います。

私は、市民税の減収につきまして、金額は皆さんがいろいろご質疑されておりますので、そちらの方には触れずに、納税者数にちょっと重点を絞って考えてみたいと思います。

先 ほども申し上げましたように、個人事業主がここ5年間で7,000名減っておる、また、給与所得者が1万9,000人減っております。合わせて2万 6,000人なんですが、堺市が景気が悪くて、そのおかげで税収が減ったというふうに単純に言いますけれども、その中身は納税者が減ってるということも一 つの大きな理由なんですね。それはある意味では堺市に魅力がないから、ほかの市に行ってしまったということもあるでしょう。法人につきましては、昨今大き な会社、例えば日軽金とか大阪ダイヤモンドなんかは撤退いたしました、堺から。

そ のように堺は政令市ということをめざしてホームページで見ますと全国的な重要都市としての位置づけから企業投資の拡大や新たなビジネスの進出など産業分野 の活発化が進みます、このような題目を掲げてやっておるんですけれども、実態は企業及び個人商店及び給与所得者も堺からほかに移転してる。先ほど申し上げ たように、職員の方も微減ながら堺市以外のところに移住しておると、これは堺市のその政令指定都市へのビジョンというものが理解されてない、魅力的なもの ではないのではないかと、このようなことから、そこが税収の減になってる。ただ単に景気が悪いから各会社の法人所得が落ちた、個人の所得が落ちただけでは なくて、実質的に納税者が減ってると、これを大きく問題にしなければならないというふうに思うんですね。

そ の一方、その一方ですが、収支構造の悪化ということで生活保護者が増加してるわけです。5年前は1万928人だったのが、この現在では1万6,485人と この5年間で5,550人実は増加しております。堺市が右肩上がり、税収が右肩上がりのときは、その生活保護、弱い者に対して手を差し伸べるという、本当 に立派な政策で堺は評価されてきました。ただ、ここに至りまして、堺が魅力がなくなった、また税収が落ちたというのもかかわらず生活保護者だけはふえてお ります。それが先ほども話がありましたけれども、加速度的に収支の悪化につながっておる。何も私は生活保護者を切り捨てろと、そういうことを言うつもりは ありません。ただ、不正受給者については厳しい目が要るとは思いますけれども、そういう以外、生活に本当に困っている方を助けつつ、魅力あるまちとして、 政令指定都市になるにあたって職員はもとより各人が集まるような、そういう政策をしなければ税収の伸びが今後ふえる見込みがないと、このように思います。 そこが一番肝心なところでして、その収支構造の悪化を打破しなければ、この堺の税収の復活はないというふうに思うわけでございます。今後の市民税の税収の 見込みについてどのように考えておられるのかお答えしていただけますでしょうか。

○ 今井税制課長 今後の市民税の税収ということですが、個人の市民税につきましては、今後、少子・高齢社会に伴う労働人口の減少や全国平均を上回る失業率が 続くことが予想されます。このことから税額の減少が続くものと見込まれます。また、法人の市民税の額につきましても、短期的には市内の事業所に大きな変化 はないものと見込んでおります。しかし、今現在、企業の利益というんですか、徐々に回復するという傾向もございます。しかし、税収の大半を占めます法人の ウエートの大きい産業、製造業が大きなウエートを占めております。これの事業者数の減少や収益の低下などに伴いまして、直ちに増収につながらないものとし て税収は現行の水準が続くものと見込んでおります。以上でございます。

○水ノ 上委員 今お話ありました企業利益は回復基調にあると思われる、また税収は現行の水準が続くものと見込んでおられますと、これ非常に僕は甘いというふうに 思うんですね。といいますのは、平成16年、来年から大増税時代が始まります。といいますのも消費税、来年度、平成16年4月から始まる事業年度から消費 税が改正されまして、今まで3,000万円の課税売り上げの以下のところは、消費税は免税でございました。それが平成16年4月1日から始まる事業年度か ら1,000万に下げられます。といいますのは、その結果2,000万円、3,000万円までの会社は、今まで消費税は払わなくてよかった、免除されてた のに、これから消費税を払わなければならない、年間四、五十万に、多いところでは、もっと五、六十万になると思いますけれども、年間四、五十万のそれだけ 消費税が負担になるわけですね。

な おかつ1,000万から2,000万といえば、要は商店街の小さなお店というふうに考えたらいいと思うんですけれども、そういうところをねらって消費税が 課税される。なおかつ所得税の改正もありまして、配偶者特別控除が廃止されます、来年度からですね。これは平成16年の所得税から適用されるんですが、こ れも同じ、これは女性の地位の向上という名目でされるらしいんですけれども、それについては、もうここでは議論いたしませんが、ただ、この1,000万か ら2,000万、3,000万ぐらいの小さな商店というのは、大概ご夫婦でされてたり、ご家族でされてるわけですね。こういうところには確実に増税になっ てくるわけです、こういう配偶者特別控除の廃止と。こういう消費税の増税感、またそういう所得税の増税感によって、消費はますます減退するだろう。堺が牽 引してきたこの中小企業の、特に小企業の小回りのきく企業が非常に危機に立たされている、こういう今状況なんです。ですから、企業か回復基調にあるとか、 また税収が現行の水準が続くものというのは、非常に私は甘い考えだというふうに思います。

続 きまして、平成16年度の予算編成についてなんですけれども、予算につきましては、先ほど来いろいろお話がありました。財務局長が出されたこの平成16年 度予算編成についてというのを見ましたところ、財源調整用基金80億円を取り崩して、また経常収支比率は98.3%、中核市の平均82.2%と比較しても 極めて悪い状況にある等は午前中から等々話されてまいりました。その中で平成18年度当初予算までに単年度収支の均衡を実現すると、このような強い意思を 持ってこれから予算編成されていくんだとは思いますが、ただ、先ほど来申し上げておりますように、財政状態は非常に悪化しておるのは確かです。退職給与の こともありますし、また公債費が非常に多いということもございます。人が流出することによって市民税が減少し、また景気の低迷によってますます減少するだ ろうと、このような中で、平成18年度当初予算までに単年度収支均衡を実現する、本当にそのビジョンというのがあるのかどうか、この点について一言お聞か せ願いたいというふうに思います。

○津田 財政課長 委員お示しのとおり、平成16年度の当初予算編成に向けて財政当局としましては、行財政改革のスピードアップを図り、さらに新たに取り組もうと している行財政改革に新たに盛り込むべき項目なんかも含めまして、総点検をいたしまして最初に行財政改革に掲げています単年度収支均衡に向けて精いっぱい やっていくつもりでございますんで、その辺よろしくお願いいたします。以上でございます。

○水ノ 上委員 先ほど給料の話がちょっと出ました。堺市の平均給料が785万6,000円でしたか。一方、トヨタ自動車、世界に冠たるトヨタ自動車の平均給料を ご存じですか。世界に冠たるトヨタ自動車の平均給料はこの平成15年3月決算のときに805万6,000円でした、平均が。堺の平均よりちょっと高いです けど、ほとんどトヨタ並みだと。だからといって、私は堺の給料が高いと言っているわけじゃない。要は市民は、その高い給料を払っている限りは皆さん方に期 待してるんだと、こういうふうに私はとらえております。

何 とか財政改革というのは、一長一短ではいけませんけれども、ここで私たちは先人のことを思って、学ぶところは学ばなければならない。といいますのは、上杉 鷹山という方がいらっしゃいます。米沢藩を立て直した財政危機で倒れる寸前の米沢藩を立て直した上杉鷹山、これはジョン・F・ケネディが最も尊敬する日本 人として上げた人物ですけれども、皆さんよくご存じだと思います。上杉鷹山は、本当に質素、倹約、そして教育を広め、産業を振興し、そして人材を登用し て、本当に鋼の根性で、わずか30歳代で米沢藩を改革したわけです。この故事に基づいて我々、もう一度上杉鷹山を学んで何とかこの数年来財政改革をして、 強い意思で政令指定都市、そして単年度収支の黒字というところに向かっていかなければならないと思います。

上 杉鷹山の句で有名なものがあります。なせばなる、なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけりという言葉がございます。どうか皆さん、単年度収支だ けではなくて、よりよい魅力ある堺にしていただきますようお願いいたしまして、私の質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。

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