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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成15年6月11日 大綱質疑

①合併と政令指定都市への昇格について
②収入未済分の現状とこれからの取り組みについて
③「ゆとり教育」による学力低下について
④危機管理と「危機管理ガイドライン」
⑤男女共同参画社会の推進について
⑥交通基盤の整備―南海本線連続立体交差事業と東西鉄軌道事業―

◆8番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上成彰でございます。ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、プロジェクト堺を代表いたしまして通告に従い大綱質疑をさせていただきます。
 我がプロジェクト堺は、今回の選挙におきまして初当選いたしました新人議員3名で組織いたしました。その目的とするところは、堺市民の生活の安全の確保と堺市の発展であり、行財政改革、教育改革等の改革に尽力することにより、よりよい堺市政を実現していくことにあります。進行等につき新人のため不手際があるとは存じますが、寛容なるお心でご容赦賜りますようよろしくお願い申し上げます。市長並びに理事者の皆様方におかれましては、誠意あるご回答をお願いしたいと存じます。
 それでは、早速ではございますが、質問に入らせていただきます。まず初めに、堺市が長年悲願としております政令指定都市への昇格についてお伺いいたします。
 本来、堺市は、堺市単独で中核市から政令指定都市への昇格を模索してきたわけでございますが、人口の伸び悩み、税収の減少等の理由により、その機運は一たん下火となりました。それが平成12年4月に施行されました地方分権一括法により、再び政令指定都市への機運が盛り上がってまいりました。私も堺に生まれ育ちました人間といたしまして、堺市が政令指定都市に昇格するのには賛成でございます。また、できる限りの力を尽くしたいと思っております。しかし、現在進められている堺市美原町との合併は、堺市民及び美原町民の両市町民にとり魅力あるものでないと両市町民の理解が得られないと思います。具体的には、新市建設計画でメニューが示されるものと思いますが、どういったお考えでつくり上げられるのか、また財政計画も入るのかお答え願いたいと思います。
 次に、これに関連いたしまして、財政政策についてご質問いたします。
 15年度予算は190億円の財源不足でございました。卑近な例で恐縮いたしますが、私は長年公認会計士、税理士として民間企業を上場させる業務にも従事してまいりました。民間企業が上場、すなわち株式を公開するに至るまでの審査は非常に厳しいものがあり、財政面、利益面につきましては特に神経を使います。上場前3年間は、いかなる理由があれ一度でも赤字決算をすれば上場は延期されます。その3年間は、社長から一従業員に至るまで、上場という目的に向かって利益を計上するために、文字どおり全社一丸となって邁進いたします。このように民間企業は、ワンランクアップするためには必死の努力を積み重ねます。堺市も中核市から政令指定都市へとワンランクアップの過渡期にあり、市長から職員一人一人に至るまで一丸となって取り組む必要があろうと存じます。
 特に財政面の立て直しは急を要します。税収は昭和63年度、すなわち15年前の水準まで落ち込み、財政状態は常に財源不足に悩まされる状況にあります。堺市が合併を通じて真に政令指定都市にふさわしい市になるためには、財政状態の健全化をめざさなければなりません。市の財政は収支の均衡こそめざすべき目標と存じますが、合併・政令指定都市移行に向けて、堺市の今後の財政をいかに立て直していくのか、その決意とビジョンをお聞かせください。
 続きまして、堺市の財政を悪化させております原因の1つである市税、国民健康保険料などの収入未済分についてお伺いいたします。
 平成14年3月時点における収入未済額の残高は、市税が92億6,000万円、国民健康保険料が70億円、その他保育料の未済、上下水道の未済等を合計いたしまして、実に213億円に上ります。これだけの金額が堺市の手元に入っていないということでございます。また、不納欠損額、すなわち回収を断念し欠損処理した金額は、市税が14億2,000万円、国民健康保険料が14億7,000万円、その他と合わせまして30億円近くに上ります。平成15年3月時点の収入未済額はまだ発表されておりませんが、景気低迷が続いている中、大幅な改善はされていないだろうと予想されます。現在、建築中の新庁舎の総建築費用は約200億円であると聞いておりますが、収入未済額がいかに多額で、堺市の財政を逼迫させているかがわかります。そこで市税及び国民健康保険料担当にお伺いいたします。この収入未済額の現在までの取り組み状況、不納欠損の処理方法、今後の対策についてご回答願います。
 続きまして、教育問題についてお尋ねいたします。
 教育は、国家百年の大計と言われますとおり、将来の国家の興亡は現代の教育制度に大きく左右されます。国力を増すための教育の大きな柱は、愛国心の醸成と国民の学力の向上の2つであると思います。このような身におきまして今国会で教育基本法の改正が論議され、愛国心の教育が議論されていることは、日本もやっと普通の国へと戻る一歩を踏み出したと喜んでおります。国会における議論、その行方は今のところわかりませんが、今後も注意深く見守りたいと思います。
 さて、もう1つの柱である学力の向上は非常に危ういところにあります。国民、とりわけ義務教育における学力の低下は、予測される亡国への危機としてとらえる必要があります。そこで、いわゆるゆとり教育による学力低下の問題についてお伺いいたします。
 平成14年4月に導入されました新学習指導要領によりまして小・中学校は土曜日も休日となり、学校5日制となりました。国語、算数、理科、社会などの主要科目の授業時間は15%削減され、授業の内容は実に30%が削減されました。いわゆるゆとり教育の導入でございます。このゆとり教育が導入される以前より、日本の義務教育における学力の低下が心配されてまいりました。それは大学生になっても小・中学校で習う程度の分数の計算ができない、論文が書けない、音読ができないといった目を覆いたくなるような学力の低下にあらわれております。そこに追い打ちをかけるように、ゆとり教育が導入され、授業時間及び授業内容がさらに削減されることになり、学力の低下がさらに加速されるのではないかと危惧されております。このような義務教育における学力の低下について、堺市の子どもたちの実態はどうなのか、また的確に実態を把握しているのか、今後の対策はどのように講じられていくのかについてお答えください。
 続きまして、危機管理についてご質問いたします。
 5月21日の市議会本会議におきまして、市長は最近の世界情勢に触れ、イラク戦争の勃発や北朝鮮の核問題の浮上、さらに新型肺炎SARSの蔓延など特にアジアにおいて極めて不安定な状況が続いており、危機管理の重要性を改めて痛感していると述べられました。SARSはやや鎮静化の兆しはあるものの、中国を中心に東南アジア各国で8,000人を超す患者と770人以上の死者を出すなど依然猛威を振るっております。幸いにも堺市では、SARSの可能性例等は出ておりませんが、万一患者が出た場合、市を挙げて縦割り組織を超えた広範な対応が必要と考えられます。今般、市が危機管理の重要性を認識し、危機管理ガイドラインを策定されたことは、まさに時宜を得た施策であると考えます。市民の身体・生命・財産を守ることは、行政をあずかる者にとって最も重要な課題であると考えます。そこでこの危機管理ガイドラインを策定された目的と、どのような危機に対応することを考えておられるか、ご説明をお願いいたします。また、こうした危機発生時においては、特に警察、消防、自衛隊などの機関との連携が不可欠と考えらますが、どのような方策をお考えかお答えいただきたいと存じます。
 次に、男女共同参画社会の推進についてお伺いいたします。
 男女がともに尊重し合い、性別により差別が行われることなく、平等な社会をつくっていくことは、私たちの責務だと思っております。堺市は、男女共同参画社会を推進していく上で、平成14年4月、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例を施行し、前後して第3期堺男女共同参画プランを発行し、それ以前には堺市教育委員会学校教育部が男女平等教育指導資料として「自分づくり夢づくり」を発行し、男女共同参画社会の推進・啓発を行ってこられたと認識しております。しかし、その中身を注意深く読みますと、ジェンダーフリーという用語が至るところに出てまいります。それに伴い男らしさ・女らしさを否定し、人間らしさを協調する表現が幾つか見受けられます。私は、日本の伝統と文化に基づく男らしさ・女らしさは一方的に否定されることなく、男女がお互いの特性を認め合い、尊重し合う関係の中で男女共同参画社会がつくられていくことが理想だと思っております。そこでお伺いいたします。堺市が進めている男女共同参画社会とはどのようなものか、ジェンダーフリーについての堺市の考え方、また、それは男らしさ・女らしさを否定する意味が込められているのかお答えください。
 最後に、交通基盤の整備についてお伺いいたします。
 堺市においては、政令指定都市への昇格に伴い、経済及び人の交流を活性化させるために公共交通網の整備を初めとした総合的な交通基盤の整備が重要な課題となっております。現在、堺市では、交通基盤の整備に関して2つの大きなプロジェクトが計画されております。1つが南海本線連続立体交差事業であり、いま1つは東西鉄軌道事業でございます。そこでお伺いいたします。おのおののプロジェクトの目的と効果、事業概要、今後のスケジュールについてお答えください。特に南海本線連続立体交差事業では高石市との連携が必要とされます。連携はスムーズに進んでいるのか、また浜寺公園の駅舎の取り扱いについてもお答えいただきたいと存じます。
 以上をもちまして第1回目の質問を終了させていただきます。ありがとうございました

○議長(中井國芳君) これより答弁を求めます。

◎市長(木原敬介君) (登壇)プロジェクト堺代表水ノ上成彰議員のご質問のうち、危機管理についてお答えいたします。
 阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、ニューヨークでの連続テロ事件など、議員がご指摘のように、近年大規模な災害や予想もしていなかったような事件、事故が頻発しております。危機事象には、自然災害から人為的に発生する事件、事故など実にさまざまなものが想定されますが、本市では、地震やテロ等を初め市民の生命、身体、財産や安心を脅かすおそれのある事象を幅広く危機としてとらえ、危機発生による被害や影響を最小限にするため市の危機管理対策の指針となる堺市危機管理ガイドラインを策定いたしました。
 このガイドラインの主な目的は、職員の危機意識を高め、常に危機に備えた体制を整えるとともに、万一危機が発生した場合は、救助、医療、交通、通信、ライフラインの確保を初め、市民生活の安全確保を第一義とする初動措置を講じるなど組織の総合的な危機管理能力を高めることにあります。すなわち危機管理対策で最も重要なことは、円滑・迅速な情報の収集、伝達と的確な判断、そしてご指摘のとおり第一線の関係機関と連携を深めることが極めて重要でございます。本年4月には総務局に部長級の危機管理担当を新設いたしましたほか、危機事象発生時に情報連絡や応急対策等の初動措置が円滑に実施できるように、私を責任者とする堺市危機管理会議を設置するとともに、警察、消防、自衛隊等の中枢機関と緊密な連携を図ってまいる所存でございます。
 なお、その他のご質問については関係局長から答弁申し上げます。

◎市長公室理事(木戸唯博君) 堺市美原町との合併協議にあたっての新市建設計画策定の考え方についてお答えいたします。
 新市建設計画は、都市基盤整備を中心とした新しいまちづくりの具体的事業計画をまとめたもので、合併協議の中で大きな柱となります。これまで両市町の合併問題に関する共同調査研究において、道路・交通体系等都市基盤の一体的整備や特色ある地域振興と中心核の形成など新しいまちづくりの方向性についてとりまとめてまいった経過がございます。また、任意合併協議会では、新市建設計画策定にあたっての基本方針についての議論もなされており、両市町の総合計画をもとに両市町の速やかな一体化による南大阪地域の新しい中枢都市づくりを促進するという方向性が示されております。同時に美原町から政令指定都市移行後の美原区の設置や公共交通網の充実などの課題も提示されており、本市といたしましては、法定合併協議会で本格的な議論を行う中で美原町の意向を十分に尊重しながら協議を行っていく旨の回答をいたしております。今後、これまでの調査・研究や協議を踏まえた上で、政令指定都市への移行を展望した新市建設計画を住民の意向把握に努めながら、両市町の住民の方々にとって魅力あるものとなるよう法定合併協議会において協議を進めてまいりたいと存じます。
 次に、財政計画策定につきましては、新市建設計画の財政面での裏づけとなるものであり、今後の財政見通しを踏まえた上で、合併特例債など合併に関する財政上の特例措置を最大限に活用しつつ、両市町の住民の福祉向上に資するよう十分配慮し、法定合併協議会において協議を進めてまいりたいと存じます。以上です。

◎財政局長(田中豊君) 次に、合併・政令指定都市移行に向けての財政面での取り組みについてでございます。
 政令指定都市昇格にあたっては、人口はもとより都市機能や行財政能力等も総合的に判断され指定されるものと伺っております。このため政令指定都市実現に向け、行財政運営能力の向上に努める必要がございますが、その中でも財政の健全化は私どもとしても急務であると認識してございます。本年2月に策定いたしました行財政改革計画におきましても、平成18年度当初予算までに単年度収支の均衡を実現することと、早期に財政構造の悪化に歯どめをかけ、経常収支比率の改善をめざすことの2つを財政健全化の目標として掲げたところでございます。
 この目標の達成に向けた具体的な取り組み状況といたしましては、歳出面では人員の大幅な削減に加え、給与のカット、24カ月の昇給延伸、通勤手当の見直し、55歳昇給停止、退職手当支給率の引き下げ、特別退職制度の廃止などによります人件費の削減を実施するとともに、アウトソーシングの推進、施策・事業の総点検と改革、補助金・扶助費の見直し、公共事業の削減と重点化などに取り組んでございます。一方、歳入面では市税の徴収対策の強化、公有財産の積極的な売却、受益者負担の適正化、財政健全化債の発行などによる財源の確保に努めてございます。こうした取り組みが一定の成果を上げつつありますものの、一方では長引く景気低迷の影響やことし3月末の株価下落などによりまして、平成15年度の法人市民税を初めとする税収が予想以上に落ち込む見込みとなるなど本市財政は非常に厳しい状況に立たされていることも事実でございます。
 先ほど議員から民間企業が上場するにあたっては、ワンランクアップをめざして全社員、全社一丸となって邁進するというお話がございましたが、本市におきましても厳しさを増す経済財政状況のもと、政令指定都市移行を視野に入れまして、引き続き歳入歳出全般にわたって徹底的な見直しを行い、政令指定都市にふさわしい安定した財政基盤の確立に向け、全職員、全庁が一丸となって積極的に取り組んでまいります。
 続きまして、市税の収入未済のことにつきます取り組みなり今後の徴収対策というご質問でございますが、これにつきましては、平成13年度末の市税収納未済額92億6,800万円がございますが、昨今の経済情勢は非常に厳しいものがあり、税務を取り巻く環境も年々厳しさを増してきております。このため税務の取り組み体制としましては、昨年11月1日に従来の収税課特別滞納整理班を発展・拡充しまして、市税特別滞納担当と改め、6名の増員による組織の強化を行いました。また、ことしの4月1日には、次長級を室長とする市税特別滞納対策室を新たに発足させ、現在16名体制で高額事案、難件事案を集中的に対応するとともに、大阪府の税務専任スタッフの出張支援を受け入れ、大阪府とも連携しながら、効率的な滞納整理の促進を図り、税収確保に努めてございます。
 具体的には、滞納者に対して本庁の市税特別滞納対策室や収税課と各支所の税務担当課が連携を図り、電話催告や戸別訪問により実態の把握に努め、滞納の整理を行っております。特に年4回の収納強化月間には、休日一斉実態調査、夜間相談窓口の開設、夜間電話催告、管理職による徴収対策等を実施しております。こうした徴収対策の強化により、先ほど申し上げました滞納額92億6,800万円のうち平成14年度中にその約20%に当たる約17億円を徴収することができてございます。この額は、昨今の厳しい経済情勢下で前年度実績を上回る額となっており、取り組みの成果も一定上がってきているものと考えております。また、滞納処分につきましては、不動産の差し押さえを行うとともに、預貯金、給与債権や国税還付金などの債権、電話加入権の差し押さえ等、早期着手を原則として当市単独による公売処分はもちろんのこと、大阪国税局との合同公売など、今後、従来以上に取り組みを強化してまいります。
 なお、不納欠損のお尋ねにつきましては、地方税法の規定に基づき滞納処分をすることができる財産がない場合などについて、厳格に執行しているところでございます。以上でございます。

◎健康福祉局長(向井健次君) 続きまして、国民健康保険料の収入未済額解消のための取り組み状況等につきましてお答え申し上げます。
 取り組み体制といたしまして、昨年、平成14年度には収納対策担当職員を7名から18名に増員いたしまして、この担当職員を中心にいたしまして嘱託、短期臨時職員、それぞれの役割に応じまして、平日・休日の戸別訪問により保険料徴収、納付指導を行ってまいりました。その結果、平成13年度では約1億4,000万円の徴収であったものが、平成14年度には約5億円の徴収実績を上げることができました。また、長期滞納者につきましては、短期保険証、資格証明書の活用を図るとともに、納付約束等による時効の中断を図っております。
 次に、本年度、平成15年度の体制でございますけれども、本庁に国保特別滞納対策室を設置いたしました。それで支所収納対策担当との連携を密に、職員、嘱託、短期臨時職員で徴収体制を組みまして、新たに滞納の発生した世帯に対する早期の対応と接触機会の増大を図るために、従来から行っております平日・休日の戸別訪問、文書催告に加えまして、夜間の戸別訪問、電話催告、休日納付相談等を実施をし、納付約束不履行世帯あるいは長期・高額所得滞納世帯に対しては、滞納処分を視野に入れた継続的な対応を図るなど、収納の確保に努めてまいります。
 なお、不納欠損につきましては、関係法の規定に基づきまして厳正に執行しております。以上。

◎教育次長(道浦勁君) 学力低下問題についてお答えをいたします。
 お尋ねの学力についてでございますが、平成13年度末に実施の文部科学省による教育課程実施状況調査によりますと、全国の児童・生徒の算数、数学及び社会の正答率は前回調査と比べて低下傾向にあるものの、国語につきまして上昇しているという状況でございました。本市におきましては、本年5月、児童・生徒の学力状況を把握するため、大阪府教育委員会の学力等実態調査を活用いたしまして調査を実施したところでございます。この調査結果を分析し、今後の対応に生かしてまいりたいと考えております。
 現在、本市教育委員会といたしましては、学力を知識や技能のみならず、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力等を含めた力としてとらえ、子どもたちが基礎・基本の学力とともに、主体的に学び、考える力を身につけることをめざし、教職員の指導力向上のための研修を実施するとともに、きめ細かな指導をねらいとした少人数指導やティーム・ティーチングなどの指導体制が充実するよう各学校の支援に努めているところでございます。このような取り組みを通しまして、確かな学力の育成に一層努めてまいりたいと考えております。以上です。

◎市民人権局長(宇都保靖彦君) 堺市が進めている男女共同参画社会とはどのようなものか、またジェンダーフリーについての堺市の考え方、また男らしさ・女らしさについてお答えさせていただきます。
 本市では、平成14年4月1日、堺市男女平等社会の推進に関する条例を施行し、第3期さかい男女共同参画プランを条例に定める基本計画と位置づけ、男女平等社会の実現に向け施策を推進しております。条例において男女平等社会とは、すべての人が性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮する機会が確保されることにより、対等な社会の構成員として、みずからの意思により職場、学校、地域、家庭、その他の社会のあらゆる分野における活動に参画し、ともに責任を担う社会であると定義しております。
 ジェンダーフリーにつきましては、プランの中で明記しております。ジェンダーとは、生物学的な性差とは別に、文化的・社会的につくられた性差のことをいい、ジェンダーにとらわれない自由な意思や考え方をジェンダーフリーととらえております。男らしさ・女らしさにつきましては、社会や状況に応じて多様な意味を持つもので一概に定義できませんが、生物学的な性差にかかわらず、多くの人が男らしさ・女らしさと言われる特質をともに備えているものと考えます。例えば女らしさのイメージと考えられがちな思いやり、優しさは、男性も持っています。一方、決断力がある、責任感があるなど一般に男性につながりやすい資質は、社会活動の場では、男女とも備えておくべき特質であると思います。決断力や優しさなどは、男女を問わずに大切なことだと考えております。本市が進める男女共同参画は、男女がともに尊重し合い、性別により差別が行われることのない男女平等社会を実現することと考えております。以上でございます。

◎建築都市局長(金田明君) 交通基盤の整備のうち、まず南海本線連続立体交差事業についてお答えいたします。
 連続立体交差事業は、市街地で道路と鉄道が数多く交差している場所に、都市計画事業として鉄道の一定区間を連続して高架化し、また地下化するものでございます。こうすることによりまして、一挙に踏切をなくしまして、道路交通の円滑化を図るものでございます。本市におきましては、南海本線の大和川から石津川までの延長約5.4キロメートルの高架事業が昭和63年に完成いたしまして、残る石津川から高石市境界までの約2キロメートルにつきまして、引き続き連続して高架し、7カ所の踏切をなくしていく事業でございます。
 事業効果でございますが、交通渋滞や踏切事故の解消といった交通機能面での効果はもとより、これまで鉄道と分断されていた市街地との一体化が図られるとともに、関連する都市計画道路の整備や周辺市街地との一体的整備、駅周辺の整備をあわせて行うことによりまして、地域のまちづくりに大きく寄与するものと考えております。
 事業スケジュールでございますが、平成14年度におきまして、国の方に対しまして大阪府及び堺市が一体となりまして新規着工準備採択に向け積極的に取り組みました結果、全国に非常に厳しい状況の中で、平成15年度におきまして着工準備採択を受けたところでございます。今後は、平成16年度末の都市計画決定、平成29年度の事業完成を目標としております。事業実施にあたりましては、現在、東羽衣から綾園区間において仮線工事に向けた準備工事を行っている高石市とも十分連携を図りながら本事業の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
 また、浜寺公園駅舎でございますが、東京駅などの設計で有名な辰野金吾主宰の辰野片岡建築事務所の作品で、現役として使われている数少ない明治時代の駅舎でございます。平成10年には諏訪ノ森駅西駅舎とともに国の登録有形文化財に指定されております。これら貴重な文化資産の保存・活用につきましても、今後、関係者と十分協議を図りながら検討してまいります。
 次に、東西鉄軌道の整備についてお答えいたします。
 平成6年に学識経験者からなる堺市公共交通懇話会により、臨海部、堺駅、堺東駅、堺市域を結ぶ東西鉄軌道を整備するとの提言を受けてございます。現在、堺市公共交通懇話会を再編し、次世代型の路面電車として注目されておりますLRTについて新たな議論を重ねていただいております。
 議員よりご指摘のありました東西鉄軌道の整備目的でございますが、1番目といたしまして、南北方向に偏っている既存交通網を東西と結節し、東西方向の交通機能を強化することで堺市の独自圏域を形成することでございます。2つ目でございますが、沿線で進んでおります臨海新都心を初めとする各プロジェクトに対しまして、中量輸送が可能なインフラが整備されることでございます。また3つ目には、都心の交通体系が再構築されることで回遊性が高まり、都心のにぎわいが創出されることにつながるということでございます。最後に、バリアフリーや環境の面で人にやさしい交通体系が確立されることでございます。これらのことから、東西鉄軌道の整備につきましては、総合的に見てバス交通に比べ、より効果が得られるものと考えております。
 今後は、堺市公共交通懇話会からの提言をいただき、議会でのご議論や市民からのご意見を承りながら、ルート、機種、構造、事業手法につきまして市の方針を定め近畿地方交通審議会の答申に東西鉄軌道が位置づけられるよう働きかけてまいります。また、事業スケジュールにつきましては、都心のまちづくりや臨海新都心計画の推進に支障が生じないよう検討を深めてまいります。以上でございます。

◆8番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(中井國芳君) 8番水ノ上成彰議員。

◆8番(水ノ上成彰君) ご答弁ありがとうございました。合併と政令指定都市の昇格についてでございますが、堺市民及び美原町民が合併・政令指定都市への移行の恩恵をともに等しく受けるよう、そのような施策が重要だというふうに存じます。そして合併することによって、何か新しい挑戦、また文化というものを創造していく必要があろうかというふうに思います。日本の中の一都市・堺という視点ではなくて、世界の一都市・堺という視点を持って政策を施行していく、そういう気概が必要だというふうに思います。我々の堺の先人たちがそうだったように、堺はもともと独立・自主・自治のまちでございます。本当の自治は政府のみに顔を向けるのではなくて、勇気と行動を持って世界に挑戦していく姿を見せなければなりません。世界から注目され、世界から人がやって来る、そのためには古墳などのハード面だけではなくて、堺が誇る伝統や文化というソフトの視点を持って世界にアピールしていくことが必要だというふうに思います。
 堺が誇る文化とは何か、それは堺が発祥である茶道であり、そのほかには意外と武道ということが堺では盛んでございまして、私も実は剣道と茶道を少々ですが、たしなんでおります。茶道と武道、実はこの道ということがキーワードでございまして、道とは、先人たちが伝えてきた伝統と文化を次の世代に受け継ぐこと、そういうことでございます。堺を伝統と文化を道として継承するまち、これを世界にアピールすべきだというふうに思います。茶道にはたくさんの茶室がございますが、現在、武道をするところは少のうございます。そういう意味で、堺武道館の建設、そういうことを視野に入れて、これを合併・政令指定都市の昇格を契機として推し進め、世界から武道、茶道を習いに来る、こういう視点でもってまちづくりをするのも一つの案ではないかというふうにご要望いたします。
 次に、財政面でございますが、堺市を一つの会社とした場合、市長はもちろん社長であり、前にお座りの理事者の方々が取締役、そして6,000名以上の従業員を持つ大会社ということになります。この会社は、市民に対し行政というサービスを提供し、税金という名でサービス料を受け取る。この会社が繁栄していくためには、安い税金で高いサービスを提供して、お客様である堺市の市民をふやすこと、そうすれば税収が増え、ますます高いサービスを提供することができ、またお客様である市民が増え、財源不足などはあっという間に解消するに違いない、このように思います。
 市民は正直で、移動の自由さえあれば、税金が安くてサービスの高いまちに移動いたします。厳しい言い方をすれば、堺市が政令指定都市になると公言しているにもかかわらず、一向に人口がふえないのは、市民にそれほど期待されていないからだとも言えます。民間的発想からですが、堺市が合併に成功し、政令指定都市に昇格するかしないかのバロメーターは、今後の人口の増減によります。これから堺市の人口がふえれば、市民が政令指定都市に期待しているあかしであり、合併・政令指定都市への昇格は間違いないと思いますが、逆に人口が減るようであれば非常に厳しいのではないか。そこで注意を要したいのは、市民はもともとお客様でありますけれども、ただ乗りは許してはならない。一部の市民にただ乗りを許せば、正直者がばかを見ることになります。その意味において、収入未済分の回収については、公平性を保つために今まで以上に厳正に対処願いたい。市長及び理事者の一層の奮闘を期待しております。
 次に、ゆとり教育でございますが、少年時代についた読み書き、計算などの基礎学力の差は、将来広がることはあっても縮まることはないと言われております。現在、グローバル時代でございまして、今、堺で勉学に頑張っている少年たちも、やがて世界に出て行くことでありましょう。かつて日本の義務教育はアジア一と言われ、日本の誇りであり、日本の繁栄の礎でございました。しかし、現在は韓国、中国、台湾、その他アジアの国々にも学習内容、学習時間の面で同等か、または劣っているというふうにも言われております。現在ついている差は、10年後、20年後にはもっと大きな差となり、誇りは吹き飛び、日本の国力はさらに低下することが予想されます。先ほども申し上げましたとおり、基礎学力の低下は、予測される亡国の危機だというふうに私は認識しております。
 先ほど教育次長より、学力を学ぶ意欲、判断力、表現力まで含めた広範囲なものとの見解をいただきましたが、現在明らかに劣りつつある能力は、読み書き、計算に代表される基礎学力にほかなりません。新学習指導要領の中でどれだけのことができるかわかりませんが、徹底して基礎学力の充実に力を注いでいただきたいというふうに思います。
 続きまして、危機管理でございますが、危機事象は、何が起こるかわからない今日の時代にあって、できるだけ広くとらえることが重要だと考えます。北朝鮮による拉致、不審船、核疑惑、ミサイル疑惑が現実のものとなった今日、テロや侵略にもつないだ危機を考えることは、市民の身体・生命・財産を守る自治体の責務から当然であると考えます。今回、テロや侵略についても考慮して危機管理ガイドラインを策定されたことは、私は高く評価いたします。あらゆる危機を想定し、持ち得るすべての手段を用意するようマニュアル作成に期待をしております。堺市は、南大阪地域にとりまして政令指定都市をめざすことと相まって、この分野でもリーダーシップをとっていく必要があります。市を挙げて危機管理の充実に取り組むのももちろんのこと、他の市とも連携して広域的に危機管理を展開し、他の市町村の安全にも寄与されることを要望いたします。
 続きまして、男女共同参画社会でございますけれども、男女共同参画担当大臣である内閣官房長官福田康夫衆議院議員は、ジェンダーフリーという用語について国会において次のように述べられております。そもそもジェンダーフリーという言葉ですけれども、この言葉はくせ者であるんだろうというふうに思うのです。この理解の仕方、これは主張する方々により、また、それを使う人、いろいろな場合にその意味が違ってとられることもあり得るんだろうというふうに思っております。このようにジェンダーフリーという言葉の使い方には注意するよう示唆されております。実際、ジェンダーフリーという用語は、男らしさ・女らしさそのものを否定する意味で使われたり、男女の区別を一切否定するような極端な意味で使われたりする場合がございます。
 先ほどのご答弁では、堺市の考えは、男らしさ・女らしさそのものを否定するものではなく、また、男女の区別を一切否定するような意味でもないことがわかりましたので少し安堵いたしましたが、行き過ぎたジェンダーフリーの思想は、日本の伝統と文化、家庭、家族、専業主婦を否定し、個人の思想、良心にまで行政がずかずかと立ち入る危険性があります。このことに我々は注意していかなければなりません。今後、この言葉を極端な意味での使用を抑制するためにも、その定義に男女が男らしさ・女らしさそのものを否定するものではなく、また、男女の区別を一切否定するような意味でもないことを明言されることを要望いたします。このようなジェンダーフリーという用語の使い方の危険さから、秋田県ではジェンダーフリーという用語を使用しないことを決定したことをつけ加えておきます。
 最後に、交通基盤の整備についてですが、南海本線連続立体交差事業につきましては、高石市との連携を強化し、早期実現に向けて最善を尽くしていただきたい、このように思います。
 次に、東西鉄軌道につきましては、まだまだ当局の説明では、その効果につきまして疑問に思います。今後、注意深く進捗状況を見守っていきたいと思います。東西鉄軌道につきましては、東西鉄道の必要性は認めているものの、堺の活性化という観点からは、現在のような臨海部、堺駅、堺東、堺市駅といった規模ではなくて、例えば泉北深井駅から泉北1号線を通って阪和線上野芝駅を抜けて、南海本線石津川駅まで通すルート、もしくは現在、中百舌鳥まででとまっている地下鉄御堂筋線を延伸し、阪和線津久野駅を通り、南海本線浜寺公園駅まで通すルート、堺をダイナミックに変えるには、このぐらいの計画が必要だというふうに私は存じます。
 以上、質問6項目に対しておのおのの要望をお願いいたしまして、プロジェクト堺水ノ上成彰の大綱質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。

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