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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

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〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成15年9月18日 文教委員会

1 男女平等教育について(反論に対する反論)
2 拉致問題を人権教育としてどのようにとらえるか

水ノ上 委員  皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上で ございます。本日は文教委員会のトップバッターということでご質問させていただきます。本日はたくさんの委員の方のご質問がありますので、早速ではござい ますが、質問に入らせていただきます。なお、理事者の皆様におかれましては、的確なご答弁を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 さて、去る5月の定例会におきまして、6月11日に私は初めての大綱質疑を行いました。その中で、本日の議案の一つであります男女平等教 育についても質疑を行いました。その内容に対し、6月13日に開かれました市民環境産業委員会におきまして、フェニックス民主の議員と男女共同参画推進課 との質疑応答の中で、私の発言に対していろんなやりとりがございました。その中で、男女共同参画推進課に問いただすべき重要なことが何点かございますの で、委員外担当課ではありますが、その真意をただすためにお越し願ってご答弁いただきたいというふうに思います。また、それは男女平等という教育行政にも 深くかかわることでございますので、後ほど教育委員会にもご質問を行いますので、こちらの方もよろしくお願い申し上げます。

男女平等教育について(反論に対する反論)

 まず最初に、私の6月11日の大綱質疑におけるジェンダーフリー推進への疑問の発言に対して、バックラッシュを代表する、またステレオタ イプの発言があったと、議員の間違いないかの問いに、男女共同参画推進課は間違いないとお答えになった。バックラッシュとかステレオタイプとかという言葉 は決して褒め言葉ではなく、自分が言うことが正しくて、それに対するものをレッテルを貼って物を言わせなくなるような使い方だと思いますけれども、どのよ うな意味で私の発言に対してバックラッシュとかステレオタイプという発言、それに対して間違いないという答弁をされたのか、お聞かせ願いたいと思います。

◎ 櫻井 男女共同参画推進課長  今ご質問の6月13日での市民環境産業委員会でのバックラッシュ、つまり揺り戻しとはどういうものかというご質問に対しま して、私は、国や各自治体での男女平等施策が進む中、さまざまな誤解から、これに歯どめをかけようとする動きが出ておりますと、これの中心的なご意見には 男女のあるべきらしさを否定し、日本の文化や男女の関係を破壊するものではないか、また、専業主婦否定の動きではないか、家族のきずなを破壊するものでは ないかといったことを言われているということを申し上げました。
 ステレオタイプというのは、私も物の見方や考え方などを型にはまって固定するものであるということや思いますが、6月の大綱質疑での水ノ上委員の発言内容に間違いがないか、イエス、ノーでというご質問に対しまして、間違いございませんということでお答えさせていただきました。

水ノ上  委員  バックラッシュ及びステレオタイプという発言は、私、議論の場ですので、議論の上ではいいですけれども、それを何か議論をさせないような言葉で私 の発言を阻止して、自分にそぐわない言動を、意見そのものをできないようにするような発言があったように思われました、議事録を見ますと。それで私が意見 を引っ込めるということではありませんけれども、何か言論の府でこういう発言があるのはよろしいことじゃないかなというふうに思った次第でございます。

 続きましてジェンダーフリーの話に移りますけれども、基本的な事柄ですが、まず、ジェンダーの意味というのは何か、また、ジェンダーフ リー社会と男女共同参画社会とは、どういうふうにとらえられていらっしゃるのか、また同じかどうかについてご答弁いただけますでしょうか。

◎ 櫻井 男女共同参画推進課長  第3期堺男女共同参画プランというのがつくってございますが、その中でジェンダーフリーについて注釈を設けております。 ちょっと読み上げさせていただきますと、ジェンダーとは、生物学的な性差(セックス)とは別に、文化的、社会的につくられた性差のことをいう。女らしさ、 男らしさなど、期待される男女のあり方や職場や家庭等での役割といった固定化した男女のイメージなどは、社会がつくり上げた人為的なものである。そのよう なジェンダーにとらわれない自由な意思や考え方をジェンダーフリーというということで書かせていただいております。
 現在、ジェンダーフリーという言葉を使いまして、一部、女性と男性の区別をなくすことでありますことや、男性と女性を画一的に扱う、画一 的に男性と女性の違いを一切排除しようという意味で使われているやに聞いておりますけれども、本市では、ジェンダーフリーはジェンダーにとらわれないとい う意味で使っております。男女平等社会の実現は、ジェンダーフリー社会が前提であると考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  男女平等というとらわれの中に、男女平等ということを超えて、男女完全平等の実現と言い、男女を完全に同質化しようという意味でのジェンダーフ リーという言葉を使う方もいらっしゃいます。当局の今のご発言では、このような極端な意味でのジェンダーフリーということのとらえ方ではないということは わかりました。しかし、そもそもジェンダーという言葉自体が多分に偏った、想像上の概念ではないかというふうに私は危惧しております。そこには、男と女の 特性は後天的なもので、生まれながらの差異はないと説明されております。事実、さきの市民環境産業委員会での質疑の中で、男女共同参画推進課は男女の生物 学的機能については差異はあると考えているが、男女の特性については、生まれついての特性はなく、後天的につくられたものと考えていると断言されておりま す。
 そこで質問をいたしますが、男は男、女は女として、特性については生まれついての特性はないと断言する、その根拠を科学的に証明していただけませんでしょうか。

◎ 櫻井 男女共同参画推進課長  男女の生物学的機能については、確かに差異はあると考えております。その上に、女はこうあるべき、男はこうあるべきである という規範意識と結びつきまして、社会が期待する女らしさ、男らしさの特性を身につけるよう促してきたと考えております。生物学的な性差にかかわらず、多 くの人が男らしさ、女らしさに代表される特性をともに備えているものと考えております。個々人に見てみますと、性差より個人差の方が大きいと考えており、 男女共同参画のめざすところは、例えば勇気、やさしさなど、男女に限らず、人間にとってよい特性を男女に二分するのではなく、男女を問わず大切にしようと いうことだと考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  こう考えております、ああ考えておりますという、そういうことではなくて、私が知りたいのは、何か男と女というのは、生まれながらにして特性とい うのは全くない、生殖器がついているとかついてないとか、それ以外の特性というのは全くないかどうかというのを、何か実証的に科学的に証明されているもの があるのかというふうにお聞きしたいんですけれども、そういう今のようなお答えでは、そういうことは科学的には証明されてないというふうに私は受け取りま す。
 事実、私の知る限りは、男女、男と女が生まれながらにして特性が全くないということはだれも、だれ一人として証明しているのを私は聞いた ことがない。逆に、男と女というのは生まれながらにして特性があるんだということが、脳の性差、脳の研究から、これは科学的にはっきりと証明されておりま す。例えば脳科学の権威である新井康允氏の著書の脳の性差という研究書にはこういうふうに書かれております。
 この10年間、人の脳の性差に関する研究が盛んになっており、人の脳にも構造的な性差があるという研究結果が発表されるに至った。脳は心 のハードウエアであり、この違いが男らしさ、女らしさ、男の心、女の心に何らかの形で投影されているに違いない。こうした脳の性差は、胎児期におけるホル モンの環境の違いによって生まれることは科学的に証明されるに至っている。すなわち胎児期に母親のおなかの中で、アンドロゲンというホルモンを脳が浴びれ ば攻撃的な脳ができ上がり、アンドロゲンが働かなければ攻撃的でない、やさしい情緒的な脳ができ上がる。もちろん男性ホルモンであるアンドロゲンを浴びた 男の子は攻撃的な特性を持って生まれてくるのであり、アンドロゲンを浴びない女の子はやさしい特性を持って生まれてくる。男女ともに別々の特性を持って生 まれてき、その特性をよい意味で伸ばす。男には男らしく、女には女らしく、それは文化伝統として教えられる場合が多いとは思いますけれども、それにより、 やがて男には父性というものが備わり、女には母性というものが備わり、父性と母性を持った男女が結婚をし、家庭を持ち、やがて子を産み、家族を形成する。 人類及び各民族の歴史というのは、こういう永遠の繰り返しで継承してきたというふうに私は思っております。世界の民族は幾つあるか私は知りませんけれど も、何百、何千の民族に共通する男に要求される道徳の最大公約数は、弱い者を守れ、ひきょうなことはするなということであるらしい。物の本によりますと、 そういうことらしいです。
 もし、ジェンダーフリー推進派が言うように、特性が後天的なものにのみよるものであれば、何百、何千ある民族の中で、男女の役割が全く逆 転している民族があってもよいし、完全に役割分担をしていない民族があってもよい。しかし、どの民族も男女のあり方について若干の差異は、環境とかにより 差異は認めつつも、その基本となる男女に求められる特性には大きな差異はないと言える。そのこと自体が男女が生まれながらにして、おのおの特性を持ってい ることの証拠であって、男女の性差は人類が存続していく上での人類の知恵であると私はこのように考えております。
 このことから、男女の特性については、生まれついての特性が明確にあり、後天的につくられるものという男女共同参画推進課の考え方は私は 誤っていると、このように思っております。生まれたときには、ジェンダーフリーなどという標語といいますか、そういうのは言われますけれども、そういう宣 伝は完全にうそっぱちだというふうに私は思っており、皆さんも銘記していただきたいというふうに思います。

 続きまして教育委員会の方にお伺いいたします。今、お話ししておりました男女の特性についてお聞きしたいんですが、教育委員会は教育行政 を担当するということから、男女平等教育において、男女の特性が生まれながらにあるとして行うのか、ないものとして行うのか、これを基本的にどちらに軸足 を置くのかによって、全く教育の効果が違ってくると私は思ってます。すなわち、生まれながらにして特性があるのに、それを無視して、ジェンダー教育という ふうに男も女も同じように教育してしまえば、子どもに対する特性を殺す意味での精神的虐待であり、人格の破壊にまで結びつくんではないかと、私はそういう ふうに危惧しておるんでございます。
 そこで、改めて問いますけれども、男女の特性は生まれながらのものかどうかについて、教育委員会の見解をお聞きしたいというふうに思います。

◎ 辻村 学校教育部副理事兼学校指導課長  お尋ねの件でございますけれども、男女共同参画推進課長がお答えしたものと同じでございます。男女の生物学的差 異はあると考えておりますが、生まれつきの特性はなく、後天的につくられるものだと理解しております。以上でございます。

水ノ上 委員  わかりました。一致しているということで、このことについての総括は後の方にさせていただきたいというふうに思います。
 先に女性大学のことについて少々お聞きしたいと思います。教育委員会の委託事業として堺女性大学というものがございますが、この堺女性大学の目的及び概要などについてお聞かせください。

◎ 城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  堺女性大学は長年の女性の生涯学習と男女平等社会を実現する実践の場として昭和55年に当時は婦人会館と申 しておりましたが、女性センターの開設と同時に開講し、本年で24年目を迎えております。女性の地位向上と社会参画を図るため、多くの女性が能力を開発 し、文化と教養を高めるための学習の場として事業を行っております。最近では男性の受講者も少しずつふえてきている状況でございます。なお、堺女性大学の 企画運営につきましては、民間の能力と経験を活用するという観点から、堺女性大学企画運営委員会に事業を委託しております。以上でございます。

水ノ上 委員  続きまして堺女性大学の規模についてお伺いいたします。堺女性大学の受講者数はどのくらいなのか、また、予算額について、14年度、15年度で結構ですので、お示しいただきたいと思います。

◎城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  堺女性大学の受講者数と経費について、14年度、15年度をお答えいたします。
 堺女性大学の平成14年度における受講生は3,028名、延べ人数で10万879名の利用がございました。また、平成15年度の受講生は3,184名でございます。なお、男性の受講生は平成14年度で40名、平成15年度は50名となっております。
 次に経費でございますが、委託料として平成14年度決算額は5,318万1,555円でございました。平成15年度予算額は5,318万 2,000円でございます。平成15年度の予算額の主な内訳は、講師謝礼金が1,691万2,000円、相談業務、託児業務の謝礼金が816万2,000 円、運営経費として2,557万7,000円となっております。以上でございます。

水ノ上 委員  続きまして堺女性大学ではどのような授業が行われておるのか、簡単で結構ですので教えてください。

◎城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  堺女性大学の講座内容についてお答えいたします。
 堺女性大学の講座は大きく分けまして教養講座とコース別講座がございます。教養講座はジェンダー研究、ドメスティック・バイオレンス、 DVや児童虐待特別講座、教育問題など人権問題を中心に18講義、年127回開催いたしております。また、コース別講座は教養講座を15回以上受講してい ただくことが必要となりますが、人権、福祉、技能習得、生活、技術など8コース、63講座を年1,386回、年間を通じて開催し、多様な女性のニーズに 合った授業を提供しております。なお、教養講座につきましては、市民公開講座として広く市民の方に開放しており、女性大学受講生以外の方も受講できます。 以上でございます。

水ノ上 委員  今の受講の内容でもわかるんですが、パンフレットを見ますと、堺女性大学の授業の中で、特にジェンダーフリーに関する授業が多いというふうに思われますけれども、ジェンダーフリーに特に取り組む理由は何か教えていただけますでしょうか。

◎ 城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  現在、女性差別撤廃条約を軸とした国際的な潮流の中で、国においては、平成11年6月に男女平等社会の実現 を21世紀の大重要課題として位置づけた男女共同参画社会基本法が制定され、堺市におきましても、主要政策として男女平等社会の実現をめざすことを決意 し、総合的、かつ計画的に男女平等社会の形成の推進を図るため、平成14年4月に堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例が施行されました。また、女性 差別撤廃条約では、男女の固定的な役割分担をなくすことが男女平等の達成に必要であるとしています。しかし、現実には女性の就業率は出産・育児期にあたる 30歳代前半で就業率が低くなり、40歳代で再び増加するM字型を描き、堺市は全国や大阪府に比べ谷が深くなっております。そのほか、男女間の賃金格差は 依然として大きく、政策、方針決定の場への女性の参画もまだまだ低い状況にあります。
 このように根強く残っている固定的な性別役割分担意識やジェンダーに気づき、社会システムや慣習を見直し、変革していけるような学習の場 が必要です。堺女性大学では、常に国際的な視野で時代の変化、社会構造の変化を受けとめ、男女がお互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別に かかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女平等社会の実現を図るため、ジェンダーフリーを初めとする人権学習を基本に講座を開催し、市民への啓 発に努めております。以上でございます。

水ノ上  委員  どうもありがとうございました。私も男女の平等は達成されなければならないというふうに考えております。そのための教育、システム等々は必要と 思っておりますが、私の考えている男女平等というのはですね、男女共同参画及び平等は、男女がいろいろな機会を確保するにあり、男だから、女だからと性別 による不平等があってはならないという意味での平等の実現である。何から何まで男女が同じでよいというわけではなくて、機会の均等、機会の平等が達成され ることが最大の目標として掲げるべきだというふうに私は思っております。
 先ほど来、男女共同参画推進課及び教育委員会、また、女性大学の方にお聞きいたしまして、この男女平等ということをジェンダーフリーとい うことに軸足を置いて進められておるわけで、以前から私はジェンダーフリーというのは非常に危険な、ある意味で危険と申し上げていいと思うんですけれど も、考え方だと、推進の方法だというふうに思っています。私はジェンダーフリーということに対して、5つの課題があるというふうに考えております。1つ は、ジェンダーフリーが進むことによって結婚しない、また離婚率が高まる。2つ目が出生率は下落し、少子化となる。3つ目が少年犯罪が増加する。4つ目が DVを加速させる。5つ目が性同一性障害者、同性愛者を増加させると言われている。私は、この5つが該当してあたるその理由を申し上げます。
 先ほど来申し上げてますけれども、男女というのは生まれながらにして特性があるんだ。特性があって、その特性を伸ばすことによって父性が 生まれ、母性が生まれるんだ。その父性や母性を男らしさ、女らしさという教育をせずに、区別せずに教育すれば、父性と母性が備わらずに、その男女が結婚を できるかというたら、結婚できない男女がふえる。また、結婚しても家族が築けない。ですから簡単に離婚をしてしまう、このような風潮があるのだというふう に思っています。その当然の帰結として、離婚がふえ、結婚はしない、離婚がふえることによって少子化が進むと、このように思っています。
 また、少年犯罪が激増するということは、これはスウェーデンモデルといいまして、スウェーデンで実際行われた、実証されたことです。ス ウェーデンでは、仕事と家庭の両立支援ということで、国家が男も女も働きなさい。残った子どもは施設に預けて国家が見ましょうと、これを国家としてやっ た。その結果、行われたのは、今あるのは、結婚した2組に1組が離婚をしておる。かつ、少年犯罪は世界一の比率になった。こういうことが実証的に報告され てます。これは育児の社会化、教育の社会化といいまして、その淵源は、発明したのといいますか、それは共産党宣言のエンゲルスの書に基づくんですが、そこ からの流れがあるというふうに言われております。それを日本も追うのかというふうに思うんですが、もう一つ、DVを加速させるということですけれども、 DVというのは、一般に男性が女性に暴力を振るう。また、弱い者に暴力を振るう。先ほど特性と言いましたけれども、男性というのは、生まれながらにして攻 撃的な特性を持ってるんだ。だから、男というのは弱い者をいじめたらだめだ、ひきょうなことはしていけないという道徳で教えて、それを押さえ込んで、それ を立派に育てるのが教育だと、その教育、男らしさはだめだというような教育をしたら、攻撃性だけが残った大人ができてくる。そうしたら、どこに力が行くか といえば、弱い者にいくんです。そういう男性がふえている。DVというのは今ふえています。これを何とかせなあかんけれども、根本は私はそこにあるという ふうに思っています。先ほどから申し上げてるように、特性があるかないかということを考えることから始まるんだというふうに思っているんです。

 性同一性障害者につきましては、これは科学的になぜ生まれるかわかってます。これは母親のおなかの中にいるときに、女の子に 対してアンドロゲンというホルモンを照射することによって、体は女の子だけれども、脳が男の子が生まれる。逆に、男の子に対して、アンドロゲンというホル モンを、ホルモンのバランスが崩れてでしょうけれども、照射しないことによって、男の子だけれども、女の子の脳の子が生まれる。ですから、生まれながらに して、性同一性障害者というのは生まれる。それは数万人に1人の確率で生まれると、これは科学的に実証されています。
 今問題としているのは、そうではなくて、心と体が一致して生まれた男女が、後天的な教育によって、性同一性障害者になるんじゃないかとい うことが危惧されているんです。といいますのは、特性を持って生まれたのに、教育によって、ジェンダーフリーという教育によって、男も女もわからなくな る。自分が男か女かわからなくなるから、その中には、心と体が一致して生まれてきたけれども、そういう性同一性障害になると、なったかどうかという実証は わかりませんけれども、なるというふうな危惧をされている方はたくさんいらっしゃいます。そういうふうに、私は何でもかんでもジェンダーフリーのせいにす るのかというふうに言われれば、すべてがジェンダーフリーだけのせいではないというのは私は重々わかっております。ただしかし、この今のような、今の社会 的な問題の根っこには、そのジェンダーフリー教育というのも原因の一にあるんだろうと思っております。
 といいますのは、ジェンダーフリー政策をして成功している国家、国というのは、ただの一つも私は知りません。何らかの問題で失敗している か、苦しんでおる。ここまで言うと、私は女性の敵だなんて言われるかもわかりませんけれども、それは全く逆でして、私はジェンダーフリーはすべてとは言い ませんけれども、確実に今よりは多くの女性を不幸にする可能性があるというふうに思っております。それを、例えばDVの問題で、どんどん攻撃的な男性がふ えている。女性が危ない、子どもが危ない、これを何とかするためには、そこの根っこから直さなければならない。このように思っている次第です。
 ジェンダーフリーという考え方は、女子差別撤廃条約とかナイロビ将来戦略や北京の世界女性会議などから、行われることから、世界的な流れ のように思われておりますけれども、実はそうではございません。アメリカは女子差別撤廃条約を批准しておりませんし、北京の世界女性会議で採択された行動 綱領については、多くの国で宗教的・文化的な観点から留保を表明しております。ほかにも多々ありますけれども、全世界がジェンダーフリーの方向で動いてい るというのは錯覚です。日本人は国連ということに、国連の権威に非常に弱いですけれども、国連でさえ、各国はそういうふうな考え方があるんだということを 銘記していただければいいと思います。
 以上、ジェンダーフリーの考え方ですけれども、私は今申し上げたことがすべて正しくて、それをすぐにやってほしいということでは決してあ りません。ジェンダーフリーに反して、このような考え方もあるんだということをまず理解していただいて、それをバックラッシュとか、先ほど、一番最初に出 ましたけど、バックラッシュとかステレオタイプとかというような、耳も貸さず、切り捨てるような、議論もしないというようなことではなくて、ひょっとした ら、我々はよかれと思って推進しておるジェンダーフリーという政策は大変な間違いを犯してるのかもわからない。こういうふうな原点に戻って、もう一度見て いただきたい。先ほど、私は5つの課題と言いました。これを否定するのは簡単だと思います。しかし、もう一度、ひょっとしたら、水ノ上の言うことがあたってるかもわからないということで精査していただきたい、このように思います。私もこれからさらに議論を深めて、真の男女共同参画のあり方を模索したいというふうに思っております。
 男女平等につきましては以上です。時間が余りありませんので、続きまして、きょうの2題目、北朝鮮による拉致事件に対する人権教育の現状についてご質問させていただきます。


《拉致問題を人権教育としてどのようにとらえるか》

  昨年9月17日、北朝鮮の金正日が日本人の拉致を認めてから1年がたちました。拉致被害者のうち5人の方が帰国しましたが、5人の家族の帰国はいまだ実現 せず、その他の方々は安否すら確認できないままです。さらに100名を超える拉致の可能性を否定できない人たちがいることも明らかにされました。このよう な状況を受けて、国内でもその動きが、救出するとか、この状況を正しく知らせようという動きが活発化しております。
 先月の8月27日に北朝鮮に拉致された日本人を救う大阪地方議員の会というのが設立されました。参加議員は大阪府下の超党派有志の地方議 員でございます。プロジェクト堺の3人ももちろん当会に入会いたしました。会長には、高槻市選出の自民党の吉田利幸府議会議員が就任し、私も数人の議員と ともに副会長に就任いたしました。北朝鮮による日本人の拉致は戦後最大の人権侵害であり、現在に至ってもまだ解決されていない、現在進行形のテロであり、 人権侵害事件である。私はこのように定義しております。今現在も、我が同胞の日本人がかの地で助けを待っているということは事実です。昨年9月17日に、 自分の娘が死んだと聞かされた横田めぐみさんのお母さんの横田早紀江さんの言葉をここでちょっとご紹介させていただきたいと思います。
 日本のために、このように犠牲になって苦しみ、亡くなったかもしれない若い人たちの心のうちを思ってください。拉致という大きな問題を暴 露するためにめぐみは犠牲になり、使命を果たしたのではないかと信じております。人はいずれ死んでいきます。本当に濃厚な足跡を残していったのではない か、そう思うと、これからも頑張ってまいれます。この言葉は、あの環境の中で聞いた人の中で涙を流さなかった人はいないと思います。ここにいらっしゃる方 も、あの状況、去年の1年前には、こういうふうな理不尽なことがあるかと、あの言葉を聞いて、横田早紀江さんの言葉を聞いて涙を流された方がいらっしゃる でしょう。私は、堺が人権擁護都市宣言、そういうのを宣言されておりまして、人権教育には非常に熱心です。私が思うところ、この拉致事件に優先する人権教 育はないというふうな立場に立っております。
 そこで質問をさせていただきます。堺の人権教育の目的及び取り扱う課題についてお教えください。

◎ 定 人権教育課長  人権教育の目的及び取り扱う課題についてでございますけれども、教育委員会におきましては、人権教育基本方針に基づきまして、すべて の人が学校、家庭、地域社会において自己の権利と責任を自覚し、互いの人権を尊重し合う、差別と偏見のない人権尊重の社会づくりをめざして、その基礎とな る人権教育の推進に取り組んでいるところでございます。取り扱う課題につきましては、性別、障害の有無、社会的出身あるいは人種や民族など、本人が選ぶこ とができない事柄で阻害されたり排除されたりすることによって、その人の生き方の可能性が不当に制約されるといった状況をなくしていくことを主な内容とし て取り組んでいるところでございます。以上でございます。

水ノ上 委員  それでは、私は拉致問題を学校教育で取り上げるべきだと思うんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。

◎ 辻村 学校教育部副理事兼学校指導課長  先日の本会議でもお答えさせていただきましたけれども、学校において具体的な事象を教育指導上の課題として取り 上げることにつきましては、学習指導要領等を踏まえるとともに、到達すべき教育目標が設定され、教育計画に適切に位置づけられる必要がございます。学校教 育における人権教育につきましては、児童・生徒の発達段階に応じながら、学校教育活動全体を通じて人権尊重の意思を高めるよう取り組んでおります。したが いまして、現在生起している人権侵害、しかも事件が解明されている途上にあり、不可解な部分も多い課題を教育課程において一律に取り上げることは現段階で は困難であると考えております。以上でございます。

水ノ上 委員  それでは、今の話では前と同じで、学校教育に即座に取り組むのは難しいということであれば、PTA研修などはいかがですか。

◎定 人権教育課長  PTA研修につきましては、平成15年2月5日に教育委員会が主催しましたPTA人権研修会の冒頭におきまして、本市議会の決議に触れ、拉致問題は被害者の基本的人権を侵害したものであるとの認識を示したところでございます。以上でございます。

水ノ上 委員  それでは、教職員研修ではいかがですか、お答えください。

◎ 中間 学校教育部副理事兼教育センター所長  教職員の研修につきましては、各学校園の教育課程が適切に実施できるように教職員の意欲や資質の向上を図る 目的で実施いたしております。この内容につきましては、学習指導要領等を踏まえており、国や府の方針なども反映されたものであります。以上でございます。

水ノ上 委員  それでは、またこれも同じ、前の大綱と同じ質問なんですけれども、今後どのように取り組むつもりかということについて、もう一度お答えください。

◎ 宮本 学校教育部長  拉致問題の教育上の取り扱いにつきましては、本市議会決議にございますように、我が国の主権を侵害した国家犯罪であり、人道に反す る犯罪であるというふうな認識に立ちまして、今後とも国・府の動向を注視してまいりたいと、このように考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  ありがとうございました。この9月の定例会では、私の所属するプロジェクト堺、3人おりますけれども、3人の議員が拉致事件について取り上げさせ ていただきました。杉本議員は大綱質疑で取り上げさせていただき、三宅議員は市民環境産業委員会で取り上げさせていただき、私は本日取り上げさせていただ きました。あえて3人が取り上げたわけです。なぜか、この問題はぜひとも取り上げてほしいからです。この人権教育をする上で、これほど、今これに優先する 問題はないんだというふうな私どもの認識であります。
 東京都の立川市では、市立中学校では、1年生の総合学習の時間に横田めぐみさんの両親をお招きして授業をしております。また、大阪府の八 尾市では、拉致問題と人権をテーマに市主催の講演会が開かれ、また、東京都も石原知事を中心に人権学習講座や教育研修で拉致問題を取り上げることを決めて おります。
 三宅議員のときもそうです。杉本議員のときもそうです。きょうもそうです。先ほどから国や府の動向を注視して、それに合わせるというよう な答弁がずっと続きます。堺は政令指定都市をめざすんであれば、堺独自の道を歩んでもいいじゃないですか。国や府に合わすんでなくて、ほかの地方自治体も やっているところはある。堺は人権、人権と言いながら、ほかのところから顔の見えない都市だ、市だと言われる。政令指定都市になるのに、何をめざしている のかわからない。それは、きょうのこの3回の答弁にもありますように、国や府に目を向けて、自分たちでは何も新たなものにチャレンジしない、そういうこと ではないでしょうか。こういう問題はやらないと思えば、幾らでもやらない理由をつくることができます。しかし、やろうと思えば、トップの一瞬の判断で行う ことができます。要は、我々堺市がどういう堺市をつくっていくか。これ、人権問題だけではありませんけれども、その気概を示すこと、それによっているんだ というふうに思うんです。ですから、我々3人は、あえて3回に分けてこの拉致事件について申し上げた。
 拉致事件の本質は、人がさらわれて北朝鮮へ行ったからかわいそうだということではないんです。国家の主権が侵されれば、国の中におる生命 や国民の人権が侵される。それも国家の主権が破綻すれば、大規模に、より悲惨にその人権は侵されるということがこれではっきりした。今、子どもたちには国 家という意識はありません。それを教えるためにも、国家が崩れれば、愛する者を失うことになるんだ。そういうふうに教えれば、この教えた子どもたちの中 に、こういう事件を二度と起こしてはならないという人間が出てきて、日本をリードしてくれる人間が出てくるかもわからない。この堺市からそういう人間が出 てほしい。そういう教育を今選択すべきだ。勇気を持って、これを選択してほしい。勇気を持ってやった市はどんどん前に進んでます。いつも国と府の顔色をに らんで、顔色をうかがってやっている市はいつも後に後塵を拝します。
 また、この拉致事件は、最後のよりどころは家族です。国家が助けてくれない、人権は侵された。最後は家族のきずなで、ここまで25年間 戦ってきたんです。家族という本を一度読んでください。あの中には、家族というきずながいかに強いか、この家族があったからこそ、この拉致事件は解決でき たいうことが書いてあります。国家の主権、人権、家族のきずな、これを教えるのには最適の人権の学習です。一律で教えるのはだめだとかいうんであれば、少 しずつでもいいじゃないですか、そういうことを前向きにやるという姿勢を見せていただきたい。教育行政に一番必要なのはそういうことだと思います。
 私たち、プロジェクト堺は新人3名でつくっております。何をめざすかといいますと、健全な保守の政治を私どもはめざしております。そのた めに、この堺のよどんだ空気、今までの空気に何とか風穴をあけて、新しい風を吹かせたい。このように思っております。そのような思いから、内容については 私は自信はありますけれども、言葉について少々横柄なことがあった場合はご容赦いただきまして、以上をもちまして、プロジェクト堺の水ノ上の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

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