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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成16年6月15日 文教委員会

1 教育委員会に対する補助金
① 学校指導課 「児童生徒健全育成事業補助金」「学校園管理運営研究事業補助金」
② 人権教育課 「堺市進路保障協議会事業補助金」
③ 女性センター 「女性教育振興事業補助金」「校区女性活動推進事業補助金」
④ 教育センター 「学校教育研究事業補助金」
⑤ 学務課 「私立幼稚園幼児補助金」
⑥ 教職員課 「教職員福利厚生事業補助金」
⑦ 社会教育課 「堺市こども会育成協議会運営事業補助金」
⑧ スポーツ振興課 「堺体育協会事業補助金」
⑨ 総務課 「堺朝鮮初級学校運営補助金」
2 修学旅行の事前学習-沖縄修学旅行事前ビデオ学習- 3 高校教育改革

◆水ノ上 委員  おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上です。昨年度に引き続きまして文教委員会で皆様にお世話になります。ことし1年間、またよろしくお願いを申し上げます。
 きょうは、ジェンダーフリーの話をするつもりはございませんでしたが、男女平等教育と題して、トイレの色分け等によるすり込みなどという典型的なジェンダーフリー教育論を展開されましたので、一言だけ申し上げたいと思います。

 トイレなどを男女に色分けしてきたことにより、どのような男女差別が起こってきたのか、その因果関係を明確にしなければなりません。問題なのは、男女の 差別であって、それとの因果関係がなければ、区別することには何も問題がない。男女のランドセルを同じ色にせよというのと基本的には同じ発想ですが、男女 の区別を正しく認識させるのが教育の役割であって、男女平等と男女の区別はあってはいけないという激しい思い込みのジェンダーフリーをごっちゃにしている というふうに思いました。学校指導課長の先ほどの答弁には、私は大きな疑問を抱きました。

 心理学者、心理学研究者等によりますと、男女の区別を正常にしないと、子どもたちのアイデンティティーが健全につくられない。つまり自我が正常に発達し ないと報告されております。ジェンダーフリー教育は確実に男をいわば腑抜けにします。この際、女性のことはおいときまして、私は、男を腑抜けにしないため に、日夜ジェンダーフリーに反対しております。

 現在、ジェンダーフリーの毒が回ってきたためか、実に弱々しい男性が多いと思います。例えばサラリーマン川柳、皆さんご存じだと思いますけれども、最近 のサラリーマン川柳では、サラリーマンの悲哀というより、最近は男としての悲哀、ジェンダーフリーの悲哀と言ってもいいような川柳がふえてきました。

 二、三、ご披露いたしますので、肩の力を抜いてお聞きください。妻の声、昔ときめき、今動悸。恋がたき、譲ればよかった、今の妻。このような川柳が世間 でもてはやされております。男は男らしく、女は女らしく、ジェンダーフリー教育にまじめに反対、このようなことを申し上げたいと思います。

 さて、それでは本題に入ります。本日は2点、ご質問いたします。

 まず、外部監査による指摘事項についてご質問をいたします。3月26日付で包括外部監査報告書が外部監査人により、議長あてに提出されました。本年の監 査対象は、堺市における補助金にかかわる財務に関する事務の執行についてでした。具体的には、外郭団体に対する補助金を除く全補助金、総数253の補助金 に対して外部監査人により監査されました。このうち45件が教育委員会の所管のものです。

 この外部監査では、各補助金の正当性、必要性、緊要性、有効性、効率性、公平性、手続の合理性の7つの観点から検討され、その総合評価としてA・B・ C・Dの4段階の評価がなされております。A評価は、現時点で補助の必要性が高いもの。B評価は、補助の必要性が認められるものの、3年以内に見直しを視 野に入れた評価検証作業を実施すべきもの。C評価は、補助の必要性が高いとはいえ、3年以内に補助金の減額、周期の設定、統合、再編成の見直しを実施すべ きされるもの。D評価は、現時点では必要性の観点から、3年以内に廃止を検討すべきものとなっており、C、Dについては非常に厳しい評価がつけられ、今後 の対応が迫られるものとなっております。

 さきの大綱質疑の中で財政局長は、行財政改革において、原則として3年の周期設定を行うとともに、個別の評価を行い、金額では2割の削減をめざすこと や、運営補助から事業補助への転換を図ることを目標としているとの回答がありました。253の補助金のうち、D評価を付されたのは、既に廃止されたものを 含め35件あり、このうち教育委員会所管は10件ありました。C評価を付されたものは69件あり、そのうち教育委員会所管は14件ありました。監査対象期 間は、平成14年度の決算までであり、この中には既に廃止された補助金もありますが、いずれにいたしましても、教育委員会所管の45件中、C、Dの評価が 24件と、半数以上が3年以内に廃止か、大幅な見直しを要求されているものであり、これだけで判断いたしますと、今まで非常に効率の悪い補助金の交付をし てきたのではないかと厳しい評価がなされたのだと思います。

 さて、外部監査をどのように位置づけていくかではございますが、外部監査の欠点として、監査を受けても、受けっ放しで、その後、外部の人間によるチェッ ク機構がないということがあげられます。このことから、議員が外部監査を補完する役目もするべきではないかとの観点から、今回、私がご質問するわけです が、ただし、C評価だから、D評価だからといって、監査結果をそのままうのみにして、すぐに廃止だとか、見直しだとかというつもりはございません。外部監 査は監査日数が限られており、監査対象は253もの数に上るため、監査が必要にして十分な監査証拠に基づいて行われたかについては疑問も残るところでござ います。もちろん監査の専門家の正式な監査意見でありますので、その評価は真摯に受けとめた上で、所管の課の率直な意見などを聞かせていただいて、堺市が 進めている行財政改革の一環として補助金のあるべき姿を模索し、建設的な議論の場としたいと思います。

 本日は、各所管ごとにご質問いたします。全部で9の所管、学校指導課、人権教育課、女性センター、教育センター、学務課、教職員課、社会教育課、スポーツ振興課、総務課、この順でご質問いたします。たくさんありますので、簡潔明瞭なお答えを求めます。

 まず、学校指導課にお伺いをいたします。学校指導課所管の教育研究奨励事業補助金がD評価、学校園管理運営研究事業補助金がD評価、児童生徒健全育成事 業補助金がC評価となっております。このうち、児童生徒健全育成事業補助金、学校園管理運営研究事業補助金について、交付団体、補助金交付の根拠、目的、 支出内容について、それぞれお答えをください。

◎小山 学校指導課参事  児童生徒健全育成事業補助金の交付団体は、堺市立小・中学校生徒指導研究協議会でございます。根拠は、堺市児童生徒健全育成事 業補助金交付要綱でございます。目的は、小学校及び中学校の一環した組織で、生徒指導上の諸問題について研究協議し、児童及び生徒の健全育成のために最も 望ましい生徒指導のあり方を究明するとともに、その推進を図るということでございます。支出内容は、報償費、消耗品費、印刷製本費の活動費が主なものと なっております。15年度決算及び16年度の予算については426万1,000円でございます。

 続きまして堺市学校園管理運営研究事業補助金、この交付団体は堺市学校園管理運営研究協議会でございます。根拠については、堺市教育研究事業補助金交付 要綱でございます。目的は、本市の教育の内容及び指導の充実並びに人材の育成を図るということでございます。支出内容は、講師謝礼金、消耗品費、研究収録 の印刷製本費等で、平成15年度決算及び16度予算は244万6,000円ということでございます。

◆水ノ上 委員  今の補助金につきまして、監査意見はですね、児童生徒健全育成事業補助金については、児童・生徒の健全育成にかかわる活動は、各学校が 独自に直接行うべきものであって、補助金を協議会に交付し、さらに協議会から各学校に1校当たり3万円から5万円程度の補助金を支給する必要は認められな い。また、実績報告書の作成を適正に行わせる必要があるなどの意見がついております。

 また、学校園管理運営研究事業補助金は、管理運営の研究等は本来、管理職として、みずからが研さんを積むべき問題である。また、実績報告書の作成を明確に行わせる必要があると続いております。このような監査意見についてどのようにお考えですか。

◎小山 学校指導課参事  児童生徒健全育成事業補助金における補助金を協議会に交付する必要性の見直しという指摘でございますけれども、協議会への交付 の是非も含めて、事業の進め方について検討してまいりたいと思っております。また、実績報告書の適正な作成という指摘でございますけれども、これについて は、活動内容が把握できるような詳細な報告書の作成、これについて指導・徹底してまいりたいと考えております。

 堺市学校園管理運営研究事業補助金、これにつきまして、管理運営の研究等は、本来、管理職としてみずからが研さんを積むべき問題、この指摘についてでご ざいますけれども、管理職みずからの研さんにとどまらず、現在は組織的に今日の教育課題を実施することに重要な意義があるというふうに考えております。た だ、この報告書については、先ほど申し上げたような詳細な報告書の作成ということで徹底してまいりたいと思っております。

◆水ノ上 委員  最後に、今後の改善に向けての対応をお答えください。

◎小山 学校指導課参事  これらの補助金については、補助金の効果の検証を再度してまいりたいと思いますし、補助金のあり方について、外部監査の指摘を踏まえまして、関係機関と協議の上、検討してまいりたいと思っております。

◆水ノ上 委員  学校指導課は8つの補助金を交付しているうち、D評価が2、C評価が3と評価が低いことから、率先して見直しに着手していただきたい。このように思います。

 これからの進め方ですが、一つ一つ追及していくのが本当でしょうが、時間的な制約もありますし、本日は問題点の提起を主眼として、全体の意見、要望等は総括して最後に行います。

 次に、人権教育課についてお伺いいたします。人権教育課所管の人権教育推進事業補助金はC評価でした。また、堺市進路保障協議会事業補助金はD評価でし た。このうち、堺市進路保障協議会事業補助金について、この交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えください。

◎定 人権教育課長  堺市進路保障協議会事業補助金の交付先、補助の目的及び事業内容についてお答えいたします。

 堺市進路保障協議会事業補助金は、憲法で保障されました教育の機会均等、職業選択の自由の原則に基づきまして、青少年みずからが進路に意欲と展望を持て るよう支援するという、こういうことを目的として事業を実施してございます。堺市進路保障協議会に対しまして、堺市進路保障協議会事業補助金交付要綱を定 めまして、事業補助を行っているところでございます。堺市進路保障協議会では、学校、職業安定機関など、関係諸機関と連携を図りながら、15歳から24歳 までの青少年を対象としまして、進路に関する悩みに応じまして、相談や支援を行ってございます。また、進路についての啓発活動あるいは広報活動も行ってご ざいまして、平成15年度の補助金交付額は119万7,000円となってございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この補助金につきましては、補助目的の公益性は認められるものの、財団法人堺市就労支援協会において、25歳以上の就労支援が行われて いることも考慮し、抜本的な事業の再構築を検討すべきであると、このような意見が付されておりますが、これについてどのようにお考えですか。

◎定 人権教育課長  昨今の社会経済情勢の不透明さなどを背景にしまして、就労や生活設計について意識や関心が低い青少年が増加しておる、こういう現状 の中で、高等学校段階を中心としまして、中途退学やとか留年あるいは就職しての離転職あるいは未就労等の課題を抱える青少年に対しまして、自立促進という 観点で今後自立促進に向けた取り組みが必要であろうかと、そういうふうに考えてございます。

◆水ノ上 委員  最後に、今後の方向性について、改善等についてお答えください。

◎定 人権教育課長  教育委員会としましては、青少年に対する進路相談あるいは進路支援の一層の充実が必要であるというふうに考えてございますけれど も、堺市の同和行政基本方針及び新堺市行財政見直し実施計画を踏まえまして、補助効果の定期的な点検評価を行うとともに、補助事業のあり方についても検討 してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  意見にも抜本的な事業の再構築とございますので、ぜひ前向きにご検討いただきたい、このように思います。

 続きまして女性センターにお伺いをいたします。

 女性センター所管の女性教育振興事業補助金がD評価、校区女性活動推進事業補助金がD評価と、所管2つともD評価でした。おのおのの補助金につき、交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてそれぞれお答えください。

◎城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  女性センターにおける堺市女性教育振興事業補助金、堺市校区女性活動推進事業補助金の補助対象者は、堺市 女性団体協議会でございます。根拠は、堺市女性教育振興事業補助金交付要綱及び堺市校区女性活動推進事業補助金交付要綱に基づいております。女性教育振興 事業補助金につきましては、女性の地位向上、能力開発及び社会参画をめざし、指導者としての資質向上を図り、女性教育活動の推進、振興を推進することを目 的としております。内容につきましては、平成14年度までは81万円、平成15年度は72万9,000円を交付し、指導者研修の経費に充当されておりま す。

 また、校区女性活動推進事業補助金につきましては、地域における女性活動の活性化を図り、女性の地位向上や市民相互の連帯と学習を深めることを目的とし て、平成15年度まで150万円を交付し、各地域における研修会、講習会などの事業に充当されております。なお、校区女性活動推進事業補助金の平成16年 度予算は、10%削減して135万円でございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この女性教育振興事業補助金については、昭和41年度から既に40年近く補助事業が継続され、その効果の検討が必要である。また、会費 で賄える範囲での事業を行うことで十分ではないかを再検討すべきであるとの意見が付されております。校区女性活動推進事業補助金につきましては、女性教育 振興事業補助金との重複を避け、抜本的な見直しが必要であると、このように意見が付されております。この意見についてお考えをお示しください。

◎城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  1975年の国際女性年以降、男女平等に対する意識の高まりや積極的な活動が随所に見られるものの、まだ 女性の経済的地位や社会参画をする環境が十分でないという実態、また、社会情勢の変化により新たな課題、ドメスティック・バイオレンスや児童虐待、セク シュアル・ハラスメント、男性の自殺の増加、介護、年金問題などが次々と発生しております。男女平等社会に向けての取り組みは、本市の重要施策として総合 計画にも規定されており、この行政課題を解決するために、今後も必要な補助金であると考えております。以上です。

◆水ノ上 委員  今後も必要な補助金であるということですが、2つともD評価ということで真摯に受けとめていただいて、今後の対応についてお聞かせください。

◎城本 生涯学習部副理事兼女性センター館長  女性教育振興事業補助金につきましては平成15年度より、また、校区女性活動推進事業補助金につきまして は平成16年度より、それぞれ10%削減していますが、今後の補助のあり方については、少子高齢化や国際化、情報化の進展などを背景として、社会経済環境 が大きく変化している中、男女が社会のあらゆる分野に対等なパートナーとして参画する機会が確保され、責任も利益も共有する男女平等社会を実現するために も、今回の監査の見解を真摯に受けとめ、これまでの補助事業内容をさらに精査してまいります。以上でございます。

◆水ノ上 委員  意見にもあるように、抜本的な見直しということを視野に入れて、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。

 続きまして教育センターにお伺いいたします。

 教育センター所管の学校教育研究事業補助金はC評価でした。この学校教育研究事業補助金の交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えください。

◎井澤 教育センター所長  堺市教育研究事業補助金の支出の団体は、堺市初等教育研究会他計4団体でございます。この4団体が実施する研究事業は、教育 公務員特例法第21条第2項て定められた研修を、教育委員会が各教科等にわたって実践的に行うには、事務量から考えても無理が生じるということから、校園 長会を通じて各研究会に委託したということに端を発しているものでございます。現在は、堺市教育研究事業補助金交付要綱、これを根拠に補助事業として実施 いたしております。目的は堺市立学校園の教職員が各部会に分かれ、学習指導要領等に基づいた教科研究や円滑に職務を遂行するための調査研究を行い、全市的 な教育内容の充実と教職員の資質や能力の向上を図ることにございます。支出の金額は、平成15年度433万8,570円で、その内容につきましては、報償 費、消耗品費、印刷製本費等の活動費が主なものとなってございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この補助金につきましては、監査意見で、公益性があることは認められるものの、元来、各教員の自主的な研究については、行政が関与する ことなく、各教員の自主性に完全にゆだねるべきであると、一定の範囲で各教員に研修の費用を負担させるべきであるから、本件補助金の必要性の度合いを再検 討する必要があるとされております。この意見についてお考えを述べてください。

◎井澤 教育センター所長  ただいまのように外部監査では、補助金を研究事業に交付する必要性等について指摘されております。児童・生徒が充実した学校 園での生活を送り、一人一人の児童・生徒に確かな学力をはぐくむためには、全市的な教育内容の充実と教職員の資質や能力の向上を図ることが必要でございま す。この点から、本事業は有効なものであると考えております。研修の費用の負担につきましては、補助金のあり方も含め、各教育研究会と十分協議を重ね、検 討してまいりたいと存じます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでは、最後に今後の対応についてお聞かせください。

◎井澤 教育センター所長  本市の学校園の教育内容の水準を維持向上させ、また、教職員の人材育成を進めるために必要な研究調査等の活動費を精査し、補助の効果を検証してまいりたいと存じます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  先ほど山中委員よりもご指摘ありましたように、堺市初等教育研究会の参加率が低いということでしたが、そういう点も含めて、ぜひ改革していただきたいと、このように思います。

 次に、学務課にお伺いいたします。

 学務課所管の私立幼稚園幼児補助金はC評価でした。教育委員会所管の補助金の総額は、平成15年予算額で11億7,000万円ですが、そのうち私立幼稚 園幼児補助金が約3億、私立幼稚園就園奨励費補助金が約7億と、合わせて私立幼稚園関係の補助金だけで10億円に上ります。すべて学務課所管ですが、教育 委員会所管の85%を占めます。同じ私立幼稚園関係の補助金でありながら、私立幼稚園就園奨励費補助金はA評価、私立幼稚園幼児補助金はC評価となりまし た。そこで、私立幼稚園幼児補助金について、交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えください。

◎川坂 学務課長  堺市私立幼稚園幼児補助金の支出根拠、目的でございますが、私立幼稚園に通園する幼児の保護者の経済的負担の軽減を図り、就園を奨励 し、もって幼稚園教育の振興を図ることを目的として、堺市私立幼稚園幼児補助金交付規則により支出しております。補助金の概要といたしましては、月額 2,600円、年額で3万1,200円を、堺市に在住し、私立幼稚園に通園している4歳、5歳児の園児の保護者に対し支給をしております。平成15年度の 決算でございますが、支給人員9,389人、決算額は2億8,724万円となっております。平成16年度の当初予算額は2億9,952万円となっておると ころでございます。以上です。

◆水ノ上 委員  監査意見では、昭和45年当時と私立幼稚園の役割が変化していると、就園奨励費補助金との統合も視野に入れて、補助の必要性につき、再検討する必要があるとされております。これについてお考えを述べてください。

◎川坂 学務課長  この補助金は、昭和45年事業開始をした当時、急激な幼児増加に伴いまして、公立幼稚園においては募集定員を超える入園希望者があ り、公立幼稚園に就園できない幼児を私立幼稚園へ就園させる方法の一つとして開始されたものでございます。以降、昭和52年あたりまでは公立幼稚園は募集 定員を上回る入園希望者がございました。しかし、昭和53年度以降に募集定員を下回る入園希望者となってきております。それ以後、公立幼稚園につきまして は、平成7年度に20園を10園に統廃合、同時に2年保育を実施をいたしました。そういうふうに公立幼稚園の充実等も図ってきたところではございますが、 私立幼稚園との保育年限の違い、私立は3年保育が中心に実施されております。そういうふうなところから、私立幼稚園へ入園を希望する保護者が増加している 傾向にあるところでございます。こういった経過の中で、監査委員、指摘のとおり、昭和45年当時と私立幼稚園としての役割は変化してきているものだという ことは認識をしておるところでございます。以上です。

◆水ノ上 委員  それでは、監査意見を受けて、今後の対応についてどういうお考えか、お聞かせをください。

◎川坂 学務課長  私立幼稚園児の保護者への補助といたしまして、先ほど委員もご指摘がございました当該補助金のほかに、堺市就園奨励費補助金というも のがございます。この補助金につきましては、国庫補助がございます補助金でございますが、国庫補助限度額を単価として、私立幼稚園に在園する満3歳児から 5歳児までの園児の保護者のうち、一定の所得要件以下の保護者に対し、その所得に応じ、補助金を支出しているところでございます。そういう中で、この就園 奨励補助金が一定充実をされているというところもございまして、公立・私立間の保護者負担の格差の是正、少子化対策の一環であります教育に伴う保護者の経 済的負担の軽減等踏まえまして、本市の幼児教育のあり方、美原町との合併を視野に入れまして、就園奨励費等の統合、補助単価の見直しを検討してまいりたい と考えておるところでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  当初とは違って、現在、公立幼稚園では定員割れのところもあるということですので、大きく環境が変化している。こういう環境に適合したような補助金のあり方をめざしていただきたい、このように思います。

 次に、教職員課にお伺いをいたします。

 教職員課所管の教職員福利厚生事業補助金はC評価でした。この教職員福利厚生事業補助金の交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えください。

◎赤土 教職員課長  堺市教職員厚生会補助金についてお答えいたします。

 交付団体は堺市教職員厚生会であり、地方公務員法第42条、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条、堺市教職員厚生会補助金交付要綱により、 本市の責務として教職員の保健、元気回復、福利厚生の増進を図っているところでございます。また、補助金の支出につきましては、演劇、美術作品の鑑賞な ど、教職員の福利厚生事業費に充てており、平成15年度決算は1,315万7,000円、平成16年度予算は1,259万4,000円という状況になって おります。

◆水ノ上 委員  監査意見によりますと、現状では、教職員の6割程度の利用率しかない。また、堺市職員厚生会では今年度から会費が徴収されておるが、堺 市教職員厚生会においては会費が徴収されず、すべて補助金で賄われている。教職員の利用率が高くない現状では、当該補助金が有効に利用されているとは言い がたい。また、会費負担を含め、事業の再検討が必要であると、このような意見が付されておりますが、この意見についてお考えはいかがですか。

◎赤土 教職員課長  2つの点について申し上げます。

 利用率の点についてお答えします。委員ご指摘のとおり、現状の利用率6割程度という状況でございます。今後、事業内容の検討を計画、実施する中で利用率 の向上及び事業の有効性を図っていきたいと考えております。また、会費による運営につきましては、現在、府費負担教職員の給与システムでは、会費の控除が 困難な状況であります。また、厚生会の事務局が会員から会費を直接徴収することとした場合、徴収の事務及び振込手数料等の費用負担が生じることなどから、 現在においては補助金のみの運営としているところでございます。以上です。

◆水ノ上 委員  それでは、今後の改善に向けての対応をお聞かせください。

◎赤土 教職員課長  今後の対応についてお答えいたします。

 当補助金は平成15年度より3カ年で2割を削減しているところであります。また、教職員厚生会は、補助金の対象となっていない教職員のスポーツ大会など を開催しております。それも含めた中で事業内容の検討を行い、参加率の向上を図っていきたいと考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  利用率が60%ということですが、これ以上利用率が下がるようであれば、本当に抜本的な改革が必要だと、このように思います。具体的な参加率を設定した上で見直しをしていただきたい、このように思います。

 続きまして社会教育課にお伺いいたします。

 社会教育課所管の堺市PTA教育振興事業補助金、堺市こども会育成協議会運営事業補助金は、ともにC評価でございました。このうち、堺市こども会育成協議会運営事業補助金について、交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えをください。

◎曽根 生涯学習部副理事兼社会教育課長  こども会育成協議会の補助金についてでございますけれども、補助対象者は堺市こども会育成協議会でございま す。それから、根拠は堺市こども会育成協議会運営事業補助金交付要綱に基づいてございます。目的でございますけれども、こども会の主体的な活動を支援しま して、児童の健全な育成と福祉の増進を図ることを目的としてございます。補助対象事業でございますけれども、各種スポーツ大会あるいは将棋、オセロ大会な どの開催の費用、また、交流事業に係る費用及びこども会の育成者、指導者の研修会の費用などで、平成15年度の補助額は394万2,000円となってござ います。以上です。

◆水ノ上 委員  監査意見には、成果目標は定められているが、数値目標はなく、達成率は減少していることから、補助の有効性についても再検討し、代替的な事業がないかどうか、検討する必要があると、このようにされております。これについてご意見があれば述べてください。

◎曽根 生涯学習部副理事兼社会教育課長  指摘された内容でございますけれども、今日、少子高齢化、核家族化が進行している中で、子どもたちにとって 人々と交流することや、また、自然体験をする機会というのが少なくなってきてございます。このような中で、全市的な団体でありますこども会育成協議会は、 スポーツあるいは文化活動を通じて、子どもたちの健全な育成に貢献していると考えております。地域の教育力の強化が叫ばれる中で、こども会活動の果たす役 割、これは大きいものがあります。当補助金は、一定必要なものであるというふうに考えてございます。以上です。

◆水ノ上 委員  それでは、今後の対応についてお答えください。

◎曽根 生涯学習部副理事兼社会教育課長  今後の対応でございますけれども、こども会の補助金につきましては、平成15年度より3年間をかけまして2割 削減ということで進めてございます。また、会員数が多少減少傾向にあるということでございますので、今後の事業内容については、また検討してまいりたいと いうふうに考えてございます。以上です。

◆水ノ上 委員  会員数の減少は、私も聞き及んでいるところでございまして、いろいろ魅力的な催し物といいますか、そういうのを企画して、ぜひ会員数の増大と活性化に励んでいただきたい、このように思います。

 続きましてスポーツ振興課にお伺いいたします。

 スポーツ振興課所管の堺市スポーツ少年団事業補助金、堺体育協会事業補助金は、ともにC評価でした。そのうち堺体育協会事業補助金について、交付団体、補助金交付の根拠、目的、支出内容についてお答えください。

◎雪本 スポーツ振興課長  支出先、根拠、目的、また事業内容等でございますけれども、堺体育協会事業補助金につきましての交付団体は堺体育協会でござ います。根拠法令等につきましては、スポーツ振興法第22条と堺体育協会事業補助金交付要綱に基づきまして支出してございます。目的でございますけれど も、堺体育協会事業補助金につきましては、市民スポーツにおけます競技力の向上、また、スポーツ精神の涵養及び市民の健康づくり、体力向上に資することを 目的としておりまして、平成15年度におきまして、補助金486万円は、主に事業費として執行し、各種目別大会等の運営経費などに充当されておるところで ございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  監査意見には、一定の補助の必要は認められるものの、会費による自己負担割合をふやすことができないか、補助の必要性につき再検討する 必要がある。また、補助効果について数値化できないのか検討すべきであるとなっております。これについてお考えを述べてください。

◎雪本 スポーツ振興課長  監査意見をいただいておる堺体育協会につきましては、本市におけます競技団体の総括団体ということでございまして、多種多様 化するスポーツに対応し、競技スポーツ、また生涯スポーツ、学校体育の連携を図る役割を果たしておりまして、市民のスポーツ振興を効果的に展開をする上 で、その活動の充実が一層求められておるところでございます。スポーツ振興施策は、行政と各民間団体の連携の上に進める必要がございまして、人的、また組 織的な貢献を行う当該団体の補助につきましては、効率性の観点からも望ましいということで考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでは、今後の対応についてお聞かせをください。

◎雪本 スポーツ振興課長  今後の対応でございますけれども、ご指摘のございました堺体育協会補助金に係る効果測定のための数値目標等につきましては、各種団体とも協議をし、よりよい方策を研究してまいりたいと、かように考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  会費などについてもご検討の上、今後、見直し等よろしくお願いしたいと思います。

 続きまして総務課にお伺いをいたします。

 総務課所管の堺朝鮮初級学校運営補助金は、外部監査の結果はB評価でしたが、他の補助金とは異なった事情があるため、特に質問をいたします。まず、この補助金の交付の根拠及び目的をお聞かせください。

◎石田 教育委員会総務課長  堺朝鮮初級学校運営補助金でございますが、堺市朝鮮初級学校運営補助金交付要綱に基づきまして、堺市域にございます堺朝鮮 初級学校における教育の振興を図ることをその目的として、予算の範囲内で補助金を交付しておるものでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この補助金の交付開始時期と、その後の額の推移、これまでの補助金の累計総額をお聞かせください。

◎石田 教育委員会総務課長  この補助金の交付を始めましたのは昭和59年度からでございまして、補助対象を学校図書及び備品購入に関する経費としまし て要綱を制定いたしまして、年間18万円の補助金を交付することになりました。その後、堺朝鮮初級学校の備品整備や当校の教育の振興を図るために補助金の 増額を行いました。昭和61年度には50万円に、昭和62年度には100万円、平成3年度には120万円、平成5年度には140万円、そして平成7年度か ら280万円となっております。また、昭和59年度から平成15年度までの補助累計総額は3,526万円となっております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  非常に多額の金額が補助されてきたことがわかります。それでは、この補助金は学校におけるどのような経費を対象に出されたものかについてお聞かせください。

◎石田 教育委員会総務課長  補助対象経費でございますが、学校図書、備品、消耗品及び教材の購入費、それから教材の印刷費、光熱水費、通信費となっております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  すべて学校運営にかかわる経費ということを確認させていただきます。続きまして堺朝鮮初級学校は法的には市立や私立の小・中学校とは異なる位置づけになるのですか、お聞かせください。

◎石田 教育委員会総務課長  学校の位置づけでございますが、市立や私立の小・中学校は学校教育法第1条に規定されるものでございますが、朝鮮初級学校は、学校教育に類する教育を行うものとして、学校教育法第83条に規定される各種学校となります。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでは、各種学校に位置づけられる堺朝鮮初級学校に対して補助金を交付している理由をお聞かせください。

◎石田 教育委員会総務課長  補助金を交付している理由でございますが、堺朝鮮初級学校におきましては、堺市在住の義務教育年齢の児童が通学し、学校教育法第1条に類する教育を実施していることから、補助金を交付しているものでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  朝鮮初級学校では、どのような教育がなされているのでしょうか。朝鮮初級学校も学校法人であり、その目的は教育基本法及び学校教育法に 従い学校教育をするとなっております。しかし、実質上、朝鮮初級学校で行われている教育は、北朝鮮の公民化教育であり、民族教育であることは衆目の一致す るところであり、このことから、義務教育年齢の児童が通学するとはいえ、補助金交付の基本的要件である公益上の必要性から補助金を出すことは疑問がありま す。また、堺朝鮮初級学校は、平成16年度から休校になったと聞いておりますが、本年度、この補助金の予算はどのようになっているのでしょうか、お答えく ださい。

◎石田 教育委員会総務課長  本年度予算につきましては、委員お示しのように、堺朝鮮初級学校は4月から休校となっておりますが、平成16年度予算編成時におきましては、休校が確定していなかったために、224万円の予算措置をいたしております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  先ほど確認いたしましたが、この補助金は、すべて学校運営にかかわる経費ということでした。それでは、この休校に伴って、今後、この補助金はどのように取り扱うおつもりでしょうか、お答えください。

◎石田 教育委員会総務課長  今後の補助金についてでございますが、堺朝鮮初級学校が休校である以上、現行の要綱で補助金を交付することはできません が、休校に伴いまして、堺朝鮮初級学校に通っていた子どもたちは、現在、大阪市住之江区にございます西大阪朝鮮初級学校に通学しているとのことでございま す。これまで堺市在住の在籍児童の教育環境の向上を図ってきた観点から、堺市在住で朝鮮初級学校に通う子どもたちに対する補助につきましては検討する必要 があるものと考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  現在の補助金交付要綱では、学校が休校となっている以上、補助金が交付できないのは当然のことだと思います。

 現在、堺在住の児童で、大阪市の朝鮮初級学校に通っている児童は、たしか14名と聞き及んでおります。以前は全国で4万人の児童が朝鮮初級学校に通って おりましたが、少子化と2002年の9月、北朝鮮の金正日が日本人の拉致を認め謝罪してから大幅に児童数が減り、現在では全国で1万2,000人程度と聞 きます。日本の小学校に通ってくれれば、何も問題はないんですが、このような状況も勘案し、補助金の交付については、廃止も含め、慎重に対処していただき たいと思います。

 以上で総務課に対する質問は終わります。

 さて、補助金について今回の監査結果を踏まえ、私なりに総括と要望を申し上げたい。

 今回、CやD評価のついた補助金は、一部を除き、長期継続して交付されているものが多かった。監査報告書にも記載されておりますが、補助金は継続の年数 が長期化するとともに、惰性化し、既得化する性質を内包し、政策との整合性が希薄化しやすい。補助金は定期的に評価を見直すべきである。具体的には、3年 から5年の期間を切って、当初掲げてきた補助金の目的を達成できているか否か、堺市の基本政策や市民のニーズに適合しているかなど、幾つかの基準を設けて 定期的に検討していく必要があると思います。

 本日お聞きいたしましたご答弁では、すべての所管課で、今回の監査結果を真摯に受けとめ、改善していこうということでしたが、その一方、一度、現在の補 助金を廃止した上で新たに設定し直すというご答弁はございませんでした。監査報告が出たのが3月であり、補助金のあり方については、これから各所管課で議 論がなされることとは思いますが、補助金についても、スクラップ・アンド・ビルドの観点からもお考えいただきたい。

 最後に、ある目的を達成するために政策を立て、補助金を出すわけですが、その目的に合致する団体が複数ありながら、特定の団体に補助金を交付したり、特 別扱いする例が見受けられます。たとえ実績があったとしても、数年来、補助金が交付されれば、それは既得権益化し、他の同目的の団体の排除にもつながりか ねません。補助金の交付には公益性はもちろん重要ですが、公平性も重要です。監査報告書にも記載されておりますが、公募提案型の補助金の創設も視野に入れ てご検討いただきたい。

 以上、大変長くなりましたが、外部監査についての質問を終わります。

◆山口 委員  動議を提出します。

○太田 委員長  動議の趣旨についてお聞かせください。

◆山口 委員  ただいまの水ノ上委員の発言の中で、朝鮮学校の教育内容の問題につきまして、金正日氏を正当化する公民化教育という決めつけられた発言を もとに、この補助金に対する内容を検討されたいという意見につきましては、民族差別の観点から、同じ堺に生きる朝鮮初級学校に通う子どもたちの人権上、 由々しき重大なる発言だとして修正動議を提出いたします。

○太田 委員長  この際、本動議の取り扱いについて協議するため、暫時休憩いたします。

〇午前11時43分休憩

〇午前11時56分再開 

○太田 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、午後1時まで休憩いたします。

〇午前11時57分休憩

〇午後1時再開

○太田 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を継続いたします。

◆水ノ上 委員  先ほど私の発言に対して山口委員より発言の訂正の動議がありました。この件について私の意見を申し上げます。

 先ほど私の発言の中で、朝鮮初級学校で行われている民族教育の内容については、衆目の一致するという言葉を使用いたしましたが、このことに関しては、さ まざまな意見があることは理解しておりますので、この部分を修正削除いたします。なお、私は民族教育を否定するつもりはありませんし、もちろん民族差別を するつもりは到底ございません。子どもの学習の機会を保障するという意味からも、純粋に補助金の交付のあり方について発言したところであります。この点を ご理解いただきたいと、このように思います。

 それでは、先ほどに続きまして第2の質問をさせていただきます。

 修学旅行の事前学習についてご質問をいたします。近年、中学校の修学旅行に沖縄に行くところが多いと聞いております。ことしもたくさんの中学校が沖縄に 行くということですが、ことし春に修学旅行で沖縄に行った中学校のうち、事前学習として、ある映画鑑賞を行った学校があり、この映画はGAMA月桃の花と いうのですが、GAMAとは洞窟のこと、月桃の花のゲットウは月と桃という字書きます。6月ごろ沖縄に咲く花だそうですけれども、この映画を見た生徒の母 親から私に連絡がありました。子どもが学校でひどい映画を見せられた。この生徒、これは女の子ですけれども、感想ですが、気持ち悪かった、残酷だった、不 快だったということでした。沖縄戦を題材にした映画は、住民が多数犠牲になっていることがありますので、映像やストーリーともに残酷で反戦色の強いものが 多いのはよく知っております。しかし、話を聞いておりますと、その映画はそれ以上に生徒たちに暗い記憶を残すようなものがあるように思われました。これら のことを前提に以下ご質問いたします。

 まず最初に、中学校における沖縄修学旅行の現状についてお答えをください。

◎小山 学校指導課参事  沖縄修学旅行の現状ということでございますけれども、中学校学習指導要領の特活の目標、望ましい集団活動を通して心身の調和の とれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての生き方についての 自覚を深め、自己を生かす能力を養う。そのようにございますが、この目標に照らしまして、各学校において、修学旅行の目的地や、あるいは活動内容を考えて 決定しております。平成16年度につきましては、実施済みの学校を含めまして、中学校、全40校中13校が沖縄修学旅行を実施いたしました。

◆水ノ上 委員  それでは、沖縄修学旅行における学習内容及び事前・事後学習について、どのような取り組みがされておりますか、お答えください。

◎小山 学校指導課参事  各学校におきましては、学校行事の中でも、旅行、そして集団宿泊的行事については、生徒が各教科の日常の学習や経験、これを相 互に発揮し、発展させる活動として位置づけておりまして、特にさまざまな体験的な活動を重視しております。沖縄修学旅行につきましては、沖縄のすばらしい 自然に触れたり、琉球文化に親しんだり、マリンスポーツを楽しんだりするとともに、太平洋戦争における日米戦の戦跡を訪問する、このような平和学習を実施 しております。また、現地での学習がより効果的なものになるように、事前学習といたしまして、子どもたちが図書やインターネット等で、その興味関心に基づ いて、自然や文化、歴史について調べ学習を実施したり、平和に関するビデオ鑑賞を行ったりということをしております。さらに、修学旅行実施後は、それぞれ が学習してきたことをテーマにまとめまして、報告集を作成しましたり、他学年とか保護者に対しまして発表会、報告会を実施しておる状況でございます。

◆水ノ上 委員  13校行かれるということですが、そのうちの2校で、ことし月桃の花という映画が子どもたちに見せられたと聞いております。この月桃の花という映画について、市教委としてはどういうご認識でしょうか、お答えください。

◎小山 学校指導課参事  月桃の花は、沖縄戦終結50周年記念作品として制作された映画でございます。昭和20年に沖縄本島で繰り広げられた日米の地上 戦が中心の内容となってございます。沖縄戦で亡くなられた人々の冥福を祈るとともに、平和へのメッセージを世界に向けて発信するという願いを込めまして、 平成8年に作成され、文部省選定並びに沖縄県教育委員会推選の作品となっておりまして、教材として適切なものであると考えております。各学校に対しまして は、教材の選定にあたりましては、より適切に引き続き指導してまいりたいと思っております。

◆水ノ上 委員  適切なものだという判断ですけれども、この中で、この映画をごらんになった方、いらっしゃいますでしょうか。もしいらっしゃったら、よ ければ挙手をお願いしたいんですけれど、私の知る範囲、周りだれも見た方がいらっしゃらなくて、私も見たことはありません。ビデオ化されておりません。映 写機を回して、各学校で回るそうですので、ですから、この映画について私もインターネット等で調べるしかございませんでした。そのインターネットで調べた 結果を皆様方にご報告するんですけれども、見られたことがないのに、適切かどうかと判断されるということはどうかなと。ただ、文部省選定、沖縄県教育委員 会推選というだけで適切と判断するのであれば、実に無責任な回答だと、このように思いました。

 堺の中学生ではありませんけれども、インターネットで掲載されている中学生の感想文が約60ほど載っております。その感想は、戦争は残酷、平和はとうと いなど、反戦の感想を書いた生徒は非常に多い。これは当たり前でしょうけれども、しかし、不思議なことに米軍に対する憎悪がほとんどないんですね。現在、 イラク戦争が問題になっていますが、問題の一つに米軍の誤爆問題があり、誤爆により、たくさんの非戦闘員が亡くなったとして米国を非難する声があります。 沖縄戦におきましても、沖縄全土に100メートル四方に合計25発の爆弾を落とした。それこそ、住民がいることをわかった上で、情け容赦なく落としまし た。沖縄の住民は米軍の艦砲射撃と爆弾と火炎放射器により何万という犠牲を出しました。イラク戦争など問題ではありません。

 このような史実を知っていれば、米軍に対する批判も少しはあってもいいかなと思うんですけれども、米軍に対する憎悪はほとんどありません。映画の説明に は、敵は米軍だけではなかったと、暗に日本兵が敵であったのようなにおわす文章もあります。生徒の感想文には、日本軍に対する憎悪のみ書かれておりまし て、時間がないですけど、一部ご紹介いたします。

 一番印象に残ったのは、国民が盾になりながら戦うべき日本人兵士が避難所を奪って、そこから追い出したり、無理な命令に逆らった国民を鉄砲で撃ち殺すと ころだった。それにしても、私は日本兵がどうしても許せません。国のために戦っているといって、本当は戦っていない。GAMAの中で人々に八つ当たりをし ていただけに思えてなりません。時間の関係で以上にしますけれども、こんな日本兵に対する批判ばかりが載っております。実に不思議だと思います。

 沖縄戦においては、現地の地上戦では、兵士も勇敢に戦って、住民のために戦っている方がほとんどですし、鹿児島からは特攻隊、また、大和が水上特攻な ど、本当に沖縄を助けるためにたくさんの命が流れました。もちろん、この映画で描かれているであろう心ない行為をした日本軍人もいたかもわかりませんが、 しかし、ここまで偏った感想が書かれるのは、偏った映画であるからだと思わざるを得ません。私は見ていませんが、推測するしかないのですが、明らかに反戦 を超えた反日の映画ではないだろうか、このように思うわけです。

 学習指導要領には、歴史分野の目標の中に、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるとなっております。皆さんもごらんになっていない ということですので、これ以上質問いたしませんが、どこかで上映の予定があれば、ぜひご連絡をいただきまして、この映画を皆さんとともに見て議論をしてい きたい、このように思います。

 最後に1点ご要望申し上げます。3月の文教委員会において質問いたしましたし、また、先日の6月8日の大綱質疑におきまして、フェニックス民主の島議員より改めて質問がありましたが、高校教育改革についてご要望申し上げます。

 このご答弁を聞いておりますと、基本方針が凍結されてから、その後の状況は何ら進展していないとの印象を受けました。そのときのご答弁によれば、中等教 育学校や単位制定時制高等学校の具体的な教育課程をまとめた中間のまとめを作成してはいるものの、教育委員会では十分な議論をなされていないということで した。私は、教育改革は行財政改革と並行して進めるべきだという考えから、現在凍結されている基本方針を踏まえた中間のまとめを一刻も早く正式に教育委員 会に提案していただき、議論を進めていただきたいと思います。このことを切にお願いしたい。最後にこのことを強く要望いたしまして、私の文教委員会の質問 を終了させていただきます。ありがとうございました。

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