○水ノ上委員 プロジェクト堺の水ノ上です。よろしくお願いをいたします。私は3点にわたってご質問をさせていただきます。
《教科書採択について》
まず1点目ですが、教科書採択についてご質問をいたします。教科者採択は4年1度の非常に重要な採択でございまして、1市1採択ですから、もう改めて申
し上げることもなく、非常に重要だと。本年は小学校の教科書の採択の年にあたり、その採択は既にもう済んでると聞いております。来年は中学校の教科書の採
択の年にあたります。そこで、まず基本的なことですが、小学校、中学校の教科書採択の仕組み、システムついてお聞かせください。
○小山学校指導課参事 堺市は委員仰せのとおり1市1採択という地区になっておりまして、本市立学校で使用される教科用図書につきましては、教育委員会に
採択の権限がございます。文部科学省及び大阪府教育委員会の指導・助言のもと、教科書採択事務を進めますけれども、本市教育委員会は保護者代表2名を含む
15名の選定委員で構成される教科用図書選定委員会というものを設置しております。さらに、専門的な調査・研究を行うために、各種目、5から6名の調査員
を置いております。調査員については、学校の教員及び教育委員会事務局の職員で選ばれておりますが、教育長により任命されたこの調査員は、各種目の発行者
すべての教科書について調査・研究を行いまして、選定委員会に報告をいたします。選定委員会は教科書展示会での意見も参考にしながら、調査員の報告に基づ
き、研究・協議をし、その結果を意見書として教育委員会に提出いたします。
教育委員会では選定委員会の意見並びに教育委員独自の研究をもとに審議され、採択の決定がなされます。各種目の調査・研究につきましては、本市採択の基
本方針というものがございまして、それに基づいて教科それぞれの特性に応じた観点項目を設け、その観点から調査・研究を行っております。以上でございま
す。
○水ノ上委員 ご答弁ありがとうございます。教科書は多岐にわたるため、これからは小学校では社会科の教科書、中学校では歴史教科書について重点的にお聞きしたいと思います。
まず、小学校の社会科の採択ですが、長年大阪書籍が使われてまいりましたが、ことしの採択によって東京書籍に変更されたというふうにお聞きいたしました。そこで、小学校社会科教科書の採択基準についてお答えください。
○小山学校指導課参事 本年度小学校の社会科におきましては、調査員が文部科学省の検定を経てということで、目録に登録されていました5つの発行所の見本
本について調査・研究を行いました。その際、先ほども申しましたように、観点を定めまして調査・研究いたしました。今年度は8つの観点でございます。1点
目、社会的事象に対する興味・関心・意欲を高める内容になっているか。2点目、児童の主体的な学習を促す内容構成になっているか。3点目、社会的な見方、
考え方の基礎を培う工夫がなされているか。4点目、我が国の国土や歴史などに対する理解と愛情を深め、世界と関連づけて考えることができる内容になってい
るか。5点目、地域や児童の実態に即して体験的な学習活動が行える内容になっているか。6点目、人権尊重の配慮がなされているか。7点目、総合的な学習や
他教科との関連が図られているか。8点目、発展的な学習内容がどう扱われているか。以上、8つの観点に基づいて、5つの発行者すべてについて公正かつ適正
に綿密な調査・研究を行いまして、最終、教育委員会で審議され、採択が決定されたという次第でございます。以上です。
○水ノ上委員 大変多岐にわたってご審議の上、決定されたと、このように思います。最終的には、聞き及びますと、大阪書籍か東京書籍か、どちらかというこ
とになったというふうに聞いておりますが、私も大阪書籍と東京書籍の6年生の教科書を見比べてみました。余り時間がありませんでしたので、事細かくは見て
おりませんが、すぐにわかる大きな違いは国旗・国歌の記述のところでございました。大阪書籍は、これが大阪書籍ですが、国旗・国歌の説明に対しては、オリ
ンピックを題材にいたしまして、柔ちゃんの写真も載っておるんですけれども、1ページの半分ぐらいのスペースをとって紹介しております。私から見れば、簡
単に書いてるかなというふうに思いますけれども。それに対しまして、東京書籍の方は、国旗・国歌の意味がよくわかるように、大変工夫されているというふう
に思いました。国歌「君が代」の意味も、「君が代」には、日本の国の末永い繁栄と平和を願う気持ちが込められているときちんと説明されております。もちろ
ん、教育委員の皆様はさまざまな観点から東京書籍を採択されたとは思いますけれども、私がもし採択委員となっておりましても、同じようにこの東京書籍を採
択したと、このように考えております。そういう意味で、教育委員の皆様方のご見識に改めて敬意を表しますとともに感謝いたしたいと、このように思います。
さて、来年は中学校の教科書の採択の年でございます。3年前、歴史教科書の採択につき大きな話題となりました。扶桑社の新しい歴史教科書がその採択の1
つとなったためでございますが、3年前は愛媛県立の中高一貫校のみ採択をされました。ことしになって、東京都立初の中高一貫校である白鴎高校の附属中学で
使われる歴史教科書について、東京都教育委員会は8月26日の公開の場で扶桑社の新しい歴史教科書の採択を決めて大きな話題となりました。来年は中学校の
一斉教科書採択の年ですので、そこでまず堺市の中学校の歴史教科書の採択の基準をお伺いしたいと思います。
○小山学校指導課参事 来年度予定されています中学校用教科書の採択につきましてですけれども、これにつきましては、本年度同様、まず採択の基本方針を定
めまして、そして調査員、選定委員会というふうに調査・研究、研究・協議を経て、最終教育委員会で決定されることになります。
その際、中学校社会科におきましても、地理、歴史、公民的分野、それぞれ観点を設けまして調査・研究を行う予定でございます。
前回ですけれども、平成13年度、歴史的分野の観点をお示ししますと、1点目として、歴史的事象に対する興味・関心・意欲を高めることができる内容と
なっているか。2点目、適切な学習課題や設定を設けるなど、生徒の主体的な学習を促す工夫がされているか。3点目、基礎的、基本的な内容を理解させ、我が
国の歴史の大きな流れを学べるよう工夫されているか。4点目、小学校社会科の歴史学習や中学校の地理的分野や公民的分野、その関連に配慮がなされている
か。そして、5点目、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てることができる構成になっているかというような観点でございました。以上で
ございます。
○水ノ上委員 私は歴史教科書を採択するにあたって、幾つか基準があるとは思いますけれども、今お示しいただいた5つの基準のうち、第5番目に示されまし
た我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てるというところが最も重要な基準になるのではないかなと、このように私は思っております。逆に
申し上げれば、歴史を学ぶことにより、日本に生まれてよかった、日本人でよかったと生徒が思えるような教科書が求められるべきだと思います。特に、義務教
育の場ではこのようにあるべきだと思います。
さて、近年、近隣諸国条項が取り入れられるようになってから、歴史教科書の採択で、いつも話題となりますのは、近・現代史で、例えば日清・日露戦争、韓
国併合、日中戦争、大東亜戦争、もしくは太平洋戦争などの取り上げ方でございますが、この点については、後日機会があればまた議論をしたいと思いますが、
きょうは余り議論は今までされておりません古代国家のことについて皆様方とともにちょっとお考えいただきたいと思います。いわゆる邪馬台国、卑弥呼の時代
のことでございます。近・現代史は、学校の授業時間の関係上、簡単に済まされる場合が多いですけども、邪馬台国や卑弥呼、古代国家のところは、必ずしっか
りと勉強されます。そこで、少し触れたいと思います。
本題に入る前に、まず先日、中国で開催されましたサッカーのアジアカップの話をしたいと思います。皆様もご記憶にあるとは思いますが、日本選手団及びサ
ポーターに対する非難はひどいものがございました。ブーイングで「君が代」の演奏が全く聞こえない、日の丸を燃やし、日本コーチの車を襲撃して、窓を粉々
に打ち破る、小日本、シャービーなど、聞くに耐えない、日本や日本人をばかにした、見下したような、罵詈雑言が浴びせられました。このような状況に対し
て、マスコミの中には、日中戦争当時の日本軍の蛮行のせいだという論陣を張ったところもございました。
しかし、中国人が日本人を見下していたのは、何も今に始まったことではございません。実は2000年も昔から、中華思想で日本を見下していた。それが現
在も日本の義務教育の教科書に何の批判もなく記載されている。このようなところから私はお話したいと思うんですが、実は魏志倭人伝というのは、日本人を侮
辱する言葉のオンパレードでございます。魏志倭人伝の一部をご紹介いたしますと、例えば、魏の使者は、まず対馬の国に入ります。対馬というのは、今の対馬
と同じですが、対馬の国の長官は、今でいえば知事ですけれども、卑狗と呼ばれていたと書いております。卑狗というのは、このような字を書きます。ご存じの
方もおると思いますけれども、これは卑狗と書きます。卑しいという意味は、昔の、今でもそうなんですが、この卑しいという意味は、血統が定かでない、素性
かわからない、親がわからないという意味の卑しさなんですね。これを漢字をそのまま読みますと、ステイヌというふうに読みます。ですから、対馬の国へ行っ
たら、そこの知事は捨て犬だと、このように魏志倭人伝には書いております。
また、副長官は卑奴母離、これでヒナモリと読みます。これは副長官、今でいうたら、副知事ですけれども、これは同じく卑しいという言葉を使って、奴隷の
奴、母から離れる。これを漢字の意味のままいいますと、みなしごの素性のわからない奴隷というふうになります。これが日本対馬の国の副長官というふうに魏
志倭人伝には説明されております。
かように多々あるんですけども、詳しい話は、例えばまぼろしのヤマタイコク、三好誠さんが書いてる本に詳しいんですけれども、私はこの方と親交があって、いろいろ話はするんですが、昔からそういうことがあったと。
最後に、魏志、魏の使者は邪馬台国に入ります。邪馬台国といいますのは、皆さんもご存じのとおり、こういう字を書きます。邪馬台国は皆さん、ご存じだと
思います。これはよこしまな馬がすむ国、自分の国に対して、こういうふうな、みずから名前をつけるはずがありません。これはみんな中国人がつけてるんで
す。そこで、日本でその当時一番強国であった邪馬台国の女王が卑弥呼というふうに書かれております。これは皆さんご存じのことだと思います。卑弥呼ですけ
れども、卑弥呼の卑は、先ほど申し上げたように、素性がわからない。卑弥呼の弥というのは、広く知られている。あまねく知られている。呼というのは嘆き悲
しむ。ああ、何という何々だろうというような嘆き悲しむ言葉だそうです。これを読みますと、皆が知っている、ああ何と卑しい人間だろうという意味なんだそ
うです。これが日本の魏志倭人伝に書かれている漢字のとおりの訳でございます。
そこで、自分たちの国や女王にこのような名前をつける人間はだれもおりませんし、魏志倭人伝には、先ほど申し上げたように、卑という言葉が人名にたくさん
使われております。卑という、古来日本には卑一族なんていうのは一度もおりませんでした。ご存じのとおりだと思います。これほど日本を侮辱した言葉はない
のでございます。
さて、それでは今のことを念頭に入れていただきまして、我が国の中学校の歴史教科書には、邪馬台国及び卑弥呼はどのように記述されているのでしょうか。現在、堺市の中学校で使われている東京書籍の該当部分をご紹介いただけますでしょうか。
○小山学校指導課参事 邪馬台国の女王というところを紹介させていただきます。
3世紀になると、中国では、漢・後漢が滅び、魏・呉・蜀の3国に分かれて戦いました。そのころ、日本列島に邪馬台国という国があり、魏と交わりを結びま
した。魏の歴史を記した魏志倭人伝には、邪馬台国の女王卑弥呼が倭の30余りの小さな国々を従えており、その国々では、既に身分の違いも生まれていたこと
が記されています。また、卑弥呼が使いを魏の都に送り、魏の皇帝から、親魏倭王という称号と金印を授けられ、銅鏡100枚などのたくさんの贈り物を受けた
ことも記されています。以上でございます。
○水ノ上委員 今、お読みいただきましたけれども、いかがでしょうか。全く無批判に我が歴史教科書に載せられております。これを読んだ、この教科書じゃあ
りませんけれども、日本の教科書は大体このようなことを書かれております。これを見た中国人の留学生が、疑問に思って、非常に気の毒がったそうでございま
す。なぜ、こういう字を今でも使ってるのかということだそうです。
それでは、扶桑社の新しい歴史教科書にはどのように書かれているか、これは私の方からご紹介させていただきます。
3世紀の末に中国で書かれた三国志の中に、やはり東夷伝があり、日本に関係する部分が魏志倭人伝と呼ばれている。漢字で2センチほどのこの説明による
と、倭国には、3世紀ごろに邪馬台国という強国があって、30ほどの小国を従え、女王の卑弥呼がこれをおさめていた。卑弥呼は神に仕え、まじないによって
政治を行う不思議な力を持っていたなどと書かれている。しかし、魏志倭人伝を書いた歴史家は、日本列島に来ていない。それより約40年前に日本を訪れた使
者が聞いたことを歴史家が記していると想像されているにすぎない。また、その使者にしても、列島の玄関口にあたる福岡県のある地点にとどまり、邪馬台国を
訪れてもいないし、日本列島を旅してもいない。記事は必ずしも正確とは言えず、邪馬台国が日本のどこにあったのか、はっきりしていないと、このように書か
れております。
批判的に、非常にこの魏志倭人伝自身を信用のおけない人であるという批判的に書いております。学校指導要領の関係で、邪馬台国、卑弥呼ということば出ておりますが、決してそれは正しいことではないんだよということを書いております。
卑弥呼という漢字は、日本人を卑屈にさせます。卑弥呼なんていう呼び方は、日本の女性を侮辱した最たるものだと私は思うのですけれども、古代日本の女王
は、素性もわからない、何と卑しい者なんだろうというような教科書を子どもたちに読ませて、子どもたちにすり込むこと自体、大きな問題だと私は思っており
ます。その点に関して申し上げれば、扶桑社の新しい歴史教科書はよくできていると思うのですが、いかがでしょうか。
3年前の採択のときには、自虐史観という言葉がよく言われました。言ってみれば、この邪馬台国や卑弥呼を何の批判もなく記述するのも自虐史観の一つだと
私は思います。今回の東京都教育委員会の採択では、卑弥呼の記述にまで議論が及んだかどうかは私は知りませんが、今後、採択をする上で一つの基準とぜひし
ていただきたい、このように思います。
3年前の全国の採択に際し、扶桑社の新しい歴史教科書に対して採択反対派は、その内容をよく読まずに、戦争賛美の教科書などとあらぬレッテルを張り、さ
まざまな誹謗中傷を行いました。また、一部マスコミの先導や過激派の暴力的な圧力も加わって、その結果、公立中学校では採択は1校にとどまりました。今回
の東京都では、採択にあたってもさまざまな抗議が教育委員にあった中、また、採択反対派が張ったあらぬレッテルや誹謗中傷があったにもかかわらず、惑わさ
れることなく、中立な立場で採択されたと聞き及んでおります。来年の採択に向け、我が堺市教育委員会におかれましても、先ほど申し上げましたが、生徒たち
が日本に生まれてよかったと感じることができる教科書を中立的な立場で採択をされることを心より望んでおります。以上、ご要望いたしまして、この質問は終
わります。
《小・中学校の授業時間の確保について》
さて、続きまして小・中学校の授業時間の確保ということでご質問をいたします。
平成14年度、学習指導要領の改正によりまして、完全週5日制になりました。学習時間が大幅に削減をされました。いわゆるゆとり教育が実施されたというこ
とです。ゆとり教育が実施されて、学力の低下が危惧されました。きょうは、学力の低下の危惧に対し、授業時間を確保するという観点から議論を展開していき
たいと思います。
まず最初に、今までの授業時間が学習指導要領の改訂の都度、削減されてきましたので、その経過について念のためお示しいたします。
昭和55年改正によりまして、それまで小学校6年生は年間1,085時間、授業時間がありましたのが、1,015時間となり、平成14年度改正によりま
して、945時間まで減りました。55年改正前に比べまして、140時間、授業時間が削減されました。同じく中学3年生を見ますと、昭和55年改正前は
1,155時間の授業時間がありましたが、55年改正によりまして、1,050時間へと削減され、平成14年改正によって980時間へと削減されました。
昭和55年改正前に比べまして、175時間の授業時間が削減されたことになります。そこでまず、小学校、中学校の授業時間に対する教育委員会の基本的な考
え方についてお答えをください。
○小山学校指導課参事 一般的に言われております小・中学校の標準授業時数というのは、学校教育法施行規則に定められております授業時数の標準ということ
でございまして、委員仰せの時数でございます。現行の指導要領につきましては、昨年12月26日付で総則を中心にその一部が改正されまして、その際の文部
事務次官通知におきましては、教育課程を適切に実施するために必要な指導時間を確保するよう努める必要があるというふうにされまして、指導内容の確実な定
着を図るために必要がある場合には、指導方法、指導体制の工夫改善を図りながら、年間授業時数の標準を上回る適切な指導時間を確保するよう配慮するという
ふうにされております。教育委員会といたしましても、すべての児童・生徒に学習指導要領の内容を身につけさせるために必要な指導時間として適切に確保する
よう、各学校に指導しております。以上でございます。
○水ノ上委員 今のご答弁で、標準授業時数という言葉が出てきましたが、標準授業時数といいますと、最低限確保する授業時間というふうに考えてよろしいんでしょうか、いかがでしょうか。
○小山学校指導課参事 標準時数イコール最低限とは言い切れないところもありますけれども、この標準授業時数の許容範囲といのは具体的に示されておりませ
ん。ただ、下限は学習指導要領に示されている内容を指導できる限度であって、上限は子どもの負担過重にならない限度であるというふうに解説には示されてお
ります。したがって、堺市教育委員会といたしましては、学習指導要領のねらいが十分実現されていないと判断される場合には、指導方法などの質的な改善を図
りながら、標準時数にとらわれないで、これを上回る指導時間を確保することも必要だというふうに考えております。以上でございます。
○水ノ上委員 今まで削減されてきた過程から申し上げると、私自身は、ここに示されております小学校の945時間、中学校の980時間というのは最低限必
要、これを確保しなきゃならないというふうにとらえております。また、これを前提にちょっと議論を進めさせていただきたいと思いますが、本市における小・
中学校の授業時間の確保の状況を小学校、中学校別にお答え願えませんでしょうか。
○小山学校指導課参事 本市におけます小・中学校の授業時数の確保状況でございますけれども、毎年、大阪府の教育委員会に報告しております教育課程実施状
況調査、これをもとにお話しますと、過去3年間、本市すべての小学校で、全学年、年間授業時数が確保されております。一方、中学校におきましては、全40
校の中で確保することができていないという状況が何校かございます。平成13年度は13校、14年度4校、15年度2校が授業時数の標準を確保できていな
いという状況でございますが、各学校、努力をしているところでございます。以上でございます。
○水ノ上委員 学校の標準時数の計算は、たしか1年を35週で計算しておりまして、小学校6年生は945時間ですから、1週間の時間割は27時間、つまり
6時間授業が2日で5時間授業が3日、それを35週すれば945時間、中学校3年生では980時間ということですから、1週間28時間の時間割で、つまり
6時間授業が3日で5時間授業が2日を35週続ければ980時間ということになろうかと思います。私が聞くところによりますと、前回、中学3年生に限りま
すが、1,050時間から980時間へと平成14年改正で削減されました。しかし、学校裁量、裁量時間というのがあって、28時間、時間割28時間を1週
間を30時間、毎日6時間目まである授業まで認めることができるというそうでございます。中学校で考えれば、29時間、1週間29時間を35週すれば
1,015時間になりますし、1週間30時間を35週すれば1,050時間になります。
府教委に提出しております平成15年度教育課程実施状況調査表を私も中学校40校分を拝見させていただきました。それを拝見させていただきましたら、年
間1,040時間以上の授業を確保している中学校は5校、1,010時間から1,039時間の授業確保しているところが14校、逆に980時間、標準授業
時数を下回っているところが、先ほどご報告ありましたように2校、そのうち1校は950時間を下回っておりました。中学校により、1週間、29時間で時間
割を作成している学校と、1週間30時間で時間割を作成している学校があると聞いておりますけれども、また、その差がこういったものの総合時間の差になっ
ているかとは思いますが、そこで、1週間を29時間の時間割で設定している学校と、30時間で設定している学校、どのくらいあるかお答え願えますか。
○小山学校指導課参事 中学校の時間割の設定ですけれども、30時間で設定している学校が30校、29時間が10校というような現状でございます。以上でございます。
○水ノ上委員 30校が30時間ということですが、そもそもスタートが、設定しているスタートが違うということですね。1週間30時間で年間1,050時
間で設定している学校が幾ら減らしても、恐らくこんなに減らないでしょう。最初から29時間で設定しているところは、マックスで1,015時間ですから、
最初から35時間の差があるわけでございます。
先ほどのご答弁では、年々、標準授業時数以下の中学校は減少しており、改善されつつあるようですけれども、依然として授業時間において学校間の格差があるように思います。その差は、大きいところで約10%、100時間近くにも及ぶと予想されます。
そこでご質問をいたします。今後、このような学校間格差をなくすために、どのような指導方針で臨まれるんでしょうか。お答えください。
○小山学校指導課参事 ご指摘のとおりでございますが、今後も引き続きまして授業時数の確保につきましては、各学校で授業時数の実績の管理ということや、
学習の状況の把握を確実に行う。そしてあわせて、例えば学校行事の重点化、精選化を図るとか、あるいは短縮授業期間の縮小等、授業時数の確保に工夫をしな
がら努めてまいりたいと思っております。教育課程を適正に実施するために必要な指導時数を確保することによって、子どもたちに確かな学力を身につけること
ができるよう、今後も指導してまいりたいと思っております。以上でございます。
○水ノ上委員 もちろん、目的とするところは、子どもたちに確かな学力を身につけることでございますから、各学校それなりに工夫はしてると思います。私も
単に時間数だけふやせば内容が伴うとは思っておりません。校長先生の指導力、また教員の方々の教育に対する熱意、このようなものが総合して確かな学力が培
われるというふうに思います。ただ、絶対的な時間がなければ、幾ら内容がよくても向上できない、そういう意味で、何とかその学資指導要領改訂前の
1,050時間というところを、まずそこを原点にしていただいて、そこからきっちりと子どもたちの学習時間を確保した上で、校長、教頭、教育職員が熱意を
持って教育に携わっていただきたい。そういう意味で30時間、全校30時間をふやすのも一つの方策ではないかな、このように思いますので、よくご検討いた
だきたいと、このように思います。
以上でこの質問はこれで終わります。
《日高少年自然の家について》
続きまして3番目の日高少年自然の家についてご質問をいたします。
実は私、この夏に日高少年自然の家に行ってまいりました。私は浜寺の方で子どもの少年剣道を教えておりまして、この子どもたち20人ぐらい連れて合宿に
行ってまいりました。今回、この議会で堺市立日高少年自然の家条例の一部を改正する条例案が提出されておりますので、それとあわせまして、日高少年自然の
家について幾つかご質問させていただきたいと思います。
向こうに行きましたら、非常にロケーションのいいところで、目前が海でして、裏には山がある。体育館もありまして、バーベキューはできる。非常に子どもたちは喜んでおりました。私も非常に満足して帰ってきた次第でございます。
まず最初に、日高少年自然の家の設立目的及び施設の概要についてお答えをください。
○北口日高少年自然の家館長 堺市立日高少年自然の家は、都市化、工業化が進み、自然と接することの少なくなった本市青少年のために、美しい緑と澄んだ空
気、変化に富んだ海と山に囲まれた和歌山県立自然公園の中の日高町に、昭和50年4月に開設しました。波静かな海でのカヌーやカヤック、シュノーケリン
グ、海水浴など、また、フィールドアスレチックやハイキングなどの野外活動を楽しみながら、豊かな情操と心身の健全な育成を図ることを目的として設置され
た施設です。鉄筋コンクリート2階建ての施設には、250名の方が宿泊することができ、体育室、研修室、野外炊飯施設も有しておりまして、さまざまなプロ
グラムを活動することができます。また、平成13年度には、新たに食堂棟をオープンしまして、その食堂棟から海を見ながら夕食をとっていただくことができ
るようになっております。以上でございます。
○水ノ上委員 たくさんの方が年間利用されると思います。そこで、利用の実態についてお答え願えますでしょうか。また、この施設は堺市、もちろん堺市民は
利用できるんですが、堺市以外の方も利用できると聞いております。この割合はどのくらいになっておるでしょうか、お答えください。
○北口日高少年自然の家館長 利用につきましては、団体の利用が主でございます。小学校の児童・生徒や、子ども会などの青少年団体の利用が大半となりま
す。平成15年度で申し上げますと、241団体、延べ4万1,717人の方に利用していただいております。なお、利用のカウントにつきましては、1人の利
用者が宿泊されたときは、利用者数を2というふうにカウントしてございます。利用者の内訳でございますが、堺市民の利用者は118団体、1万7,723
人、市外の方の利用は123団体、2万3,994人となっております。利用団体の比較では、市内、市外の利用比率は49%と51%となっております。利用
者数の比較では、堺市民の方が42%、市外の方の利用か58%となっております。これを月別に見ますと、4月から10月までの利用が多くなっております。
また、9月から3月までの期間は、家族の方の利用や日帰りの利用も可能となっております。以上でございます。
○水ノ上委員 延べ4万1,700人余りということは、2万人以上の方がこの施設を年間ご利用いただいてるということです。毎年2万人の方、リピーターも
多いと聞いておりますので、評価は高いんだと思いますけれども、施設利用者のこれまでの評価についてお聞かせください。また、あわせまして自然の家に置か
れている、当然課題もあると思いますので、この課題についてもお答えください。もう一つ、経費面、どれだけの収入があって、どれだけの経費がかかっている
のかについてもお答えください。
○北口日高少年自然の家館長 利用者の評価ということですが、日高少年自然の家では、主たる利用者である学校や子ども会などの青少年団体との相互の協力に
より、活動プログラムの調整や指導・援助・助言を行っております。また、団体利用だけではなく、家族の集いやファミリーキャンプなどの家族を対象とした事
業というのも開催しております。このような努力や本館のリニューアルにより、利用数が伸びてきており、本市青少年の健全育成に果たした役割は大きいものと
考えております。
次に課題でありますが、11月から3月の期間の利用が少ない点や、人事異動で職員が交代したときに、同じレベルの業務をこなすまでに相当の期日を要するこ
ともございます。また、開設以来30年を経過し、施設が全体的に老朽化しているなどの点が課題となっております。
3点目といたしまして、施設の運営に関する経費についてでございますが、平成15年度の決算見込み額で申し上げますと、歳入が1,595万9,316円
となり、歳出額が4,412万6,556円となっております。なお、人件費部分、約5,400万円を加えますと、支出経費の総額約9,800万円余りとな
ります。以上でございます。
○水ノ上委員 今お答えいただきましたように、年間の総収入は1,600万円弱、支出総額は5400万円の人件費を含めまして9,800万円と、
8,200万円の赤字が出ております。ここ数年間、8,000万円ぐらいの赤字で推移すると私は認識しております。私は必ずしも、こういう施設は単体で黒
字にする必要はないとは思っております。青少年の健全育成というプラス面もありますので、それは市民の税金で負担すべきものもあると思います。ただし、巨
額な赤字を垂れ流していいというわけではありませんので、それはできるだけ赤字は減らしていく努力は必要だと、このように思います。
今お答えにありましたように、課題の中で、この自然の家は繁忙期と閑散期が非常にはっきりしているとお聞きしております。人件費は固定費ですので、必ず
そこにおったら経費はかかるわけですね。そういう意味で、恐らく指定管理者制度を導入することは考えられたと思うんですけど、なおかつ、民間の経営ノウハ
ウで閑散期をどうやって人を呼び込むか、こういうところに主眼があったと思います。そういう点も踏まえまして、指定管理者制度導入が考えられたこのねらい
というものをお聞かせください。
○北口日高少年自然の家館長 指定管理者制度につきましては、委員が今お示しのとおり、多様化する住民のニーズに効果的、効率的に対応するため、公の施設
の管理において、民間事業者の能力を活用し、住民サービスの向上を図るとともに、経費の削減を図ることを目的とするものです。日高少年自然の家の導入にあ
たっては、民間ノウハウを活用し、海洋プログラムを中心に施設の魅力をさらに引き出し、青少年の健全育成に資するとともに、経営効率の推進による経費の削
減につながるものと考えております。以上でございます。
○水ノ上委員 私は、こういう施設におきましては、指定管理者制度を導入することは非常にプラスになるのではないかと、このように思っております。そこで
もう一つ課題がありまして、老朽化してるところも多々ありまして、施設改修をこれからしていかなければならない、このように思います。そこで、これまで施
設改修はどのような経緯で行われてきたでしょうか。また、指定管理者になった場合の施設の修繕については、直営の場合と比べて何か異なるところはあるで
しょうか。お答えください。
○北口日高少年自然の家館長 これまでの施設整備等の経緯ですが、まず昭和50年4月の開設以来、大きな改修としましては、平成12年に本館に和室を設置
いたしまして、定員の増を図ってまいりました。そのときに便所も水洗化しております。平成14年度には先ほど申し上げました食堂棟を新たに開設し、本館か
らの連絡通路及びエレベーターを設置して、失礼しました、食堂棟をそういう形で設置いたしました。あわせて旧食堂を多目的室に改修するなど、本館のリ
ニューアルも行っております。 また、施設の定期的な点検や故障の際には、随時修繕を行ってきております。なお、指定管理者制度が導入された場合の施設の
修繕についてですが、指定管理者との協定にもよりますが、大規模な改修につきましては、今後とも本市の対応となっていくものと考えております。以上でござ
います。
○水ノ上委員 日高少年自然の家は、先ほど申し上げましたように、私も先日利用させていただきました。子どもたちと一緒に剣道をしたんですけれども、あそ
この体育館は、コンクリートの上にラバーを張ってあるだけでして、非常に足が痛いわけですね。踏み込んでも、やっぱり足が痛くて、けがする子どもたちもい
るんじゃないかと心配した。また、古くなっておりまして、ラバーが波打ってるところがありまして、けがの心配もいたしました。そういうところから、ぜひ、
それより先に2万人の方がご利用されているということですが、2万人の方のほとんどが一度は体育館を使われるということですので、言ってみれば、自然の家
の顔という部分もあります。ですから、ぜひとも今のラバーをはがしていただいて、木の体育館にしていただきたいと、このように思うんですが、それについて
ご見解がありましたらお答えください。また、そういう改修となった場合、どのぐらいの費用がかかるのかについてもお答えください。
○北口日高少年自然の家館長 体育室の床につきましては、昭和60年に改修工事を実施いたしましたが、老朽化による影響が出ているのが現状でございます。
この対応につきましては、利用者に安全にかつ快適に利用していただくための方策を検討してまいりたいと考えております。
なお、床の改修工事に要する経費につきましては、工法にもよるんですけれども、現状の床材と同様の仕様で、正式な見積もりではなく、完全な概算ですが、設計及び施工合わせて約1,500万円を見込んでおります。以上でございます。
○水ノ上委員 ぜひ体育館の改修をしていただいて、見栄えのいい自然の家にしていただきたいと思います。改修していただいた暁には、私ももう一度来年使用させていただきたいと、このように思いますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。
最後に、2点、ご要望がありますので、簡単に申し上げます。
先ほど、山中委員の方よりも、錦綾小学校の芝生の件がご質問されました。私も学校の運動場の芝生化には非常に興味を持っておりまして、実際、私は先日、
錦綾小学校の芝生の運動場を見てまいりました。1,500平米で、一部ちょっと色が変わってるところありましたけれども、非常にきれいな芝生が敷かれてお
りました。私はあれを見まして、これからの維持・管理が本当に大丈夫かなと、先ほどもちょっとありましたけれども、そのように思いました。といいますの
も、いろんな方と話をしておりますと、なかなか地元の方のモチベーションがそんなに上がってないなと、このように思いました。私の校区は浜寺小学校の校区
なんですが、浜寺小学校は以前からそんなに大きなことは望んでおりませんけれども、小さいところで、できるところから芝生化をめざしておりました。という
ことで、地元自治会、子ども会、PTA、学校の先生が一丸となって子どもたちに芝生を一緒に植えようという運動がされてきました。ほかにもそういう学校が
あると聞いております。そういう方々は何も大きな補助を期待しておりませんし、大きなことをしようともしておりません。ただ、できる範囲内で子どもたちと
一緒にそういう緑の運動場をつくりたいというささやかな願いでございます。ですから、そういう声が聞こえましたら、ぜひとも皆様方、お力をおかしいただい
て、ともに緑の運動場の施策を進めていただきたいと思っております。今回はモデル事業ということですけれども、モデルにとどまることなく、そういう点にも
目を向けていただきたい、このように思っております。
最後に、先般の大綱質疑の中で、私どもの会派、三宅議員より学校の施設の整備につきましてご質問をさせていただきました。当局よりのご答弁からも実態を
踏まえた上で児童・生徒の安全確保を最優先に考えて、維持保全工事、大規模改造工事、増改築工事を1つの学校に偏りなく配慮し、施行していくとのことでし
たが、質問にもありましたように、実際は避難所である体育館の耐震化だけではなく、校舎の耐震はまだまだ進んでいないのが現状です。児童・生徒の安全確保
と避難所としての市民の安全を確保するためにも、早期の整備を実施していただくよう要望いたします。特に、三宝、浜寺石津の小学校の一部校舎におきまし
て、その校舎内にまだトイレ設備が整備されておらず、隣接した校舎外のトイレを生徒は使用しているとのことをお聞きいたしました。しかも、浜寺石津小学校
では、低学年がそのトイレのない校舎を使用しているとのことです。生理的にも、精神的にも児童・生徒にプレッシャーを与え、良好な教育環境を提供する阻害
要因となるばかりでなく、地域的な不公平感を生み出しております。他の地域でも施設整備のおくれによって、同様の問題が起きているとのことですが、公平か
つ快適な教育現場をつくるためにも早期の改善を要望しておきます。
最後に、髙橋教育長におかれましては、今月9月30日に任期満了となり、文教委員会へのご出席はきょうが最後と承っております。長い間にわたり、教育長
の大役、大変ご苦労さまでございました。私は、当選させていただいて、まだ1年半しかたちませんが、短い間ではございましたが、ご指導いただき、また勉強
させていただきまして、本当にお礼を申し上げたいと思います。この場をおかりいたしましてお礼を申し上げます。以上をもちまして私の質問を終了させていた
だきます。ありがとうございました。
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