◆水ノ上 委員 皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上で
ございます。4年連続しての文教委員会、この4月に政令市になった堺市ですが、私はこの堺市に必要なものは、最も必要なのは教育行政、教育改革、こういう
ふうに信じて、ことしも1年間、教育委員会で皆様方と実りのある議論をしていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたします。本日
は2点にわたって通告に従いましてご質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 今、委員が説明されました調査結果でございますけれども、まず、この調査につきましては、公立小学校、中学校、高等学校、盲・ 聾・養護学校を対象に行われております。その調査結果ですけれども、男女同室の宿泊、男女同室の身体検査、男子も女子も、さんと呼ぶようにさせているとい う学校は本市ではございませんでした。次に、水泳時の着がえにつきましては、小学校4・5・6年生では95校すべて、3年生では74校、2年生では48 校、1年生では46校が別室で更衣をいたしております。また、体育時の着がえですけれども、5・6年生では95校すべて、4年生では76校、3年生では 37校、2年生では20校、1年生では19校が別室で更衣をいたしております。男女混合の騎馬戦ですけれども、騎馬戦を運動会の種目としている小学校84 校中、50校が男女混合騎馬戦となっております。また、男女混合の徒競走ですけれども、小学校95校中、35校で実施いたしております。以上でございま す。 ◆水ノ上 委員 この調査結果を得て、教育委員会、率直なご意見ありましたら、お答えいただきたい。また、過去と比較してどのような、こういう同室着がえとか、混合の競技があるのか、お答えください。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 過去にこのような調査はいたしておりませんので、数値としてお話しすることはできませんけれども、男女が一緒に演技や競技をす ることはふえているというふうに考えております。また、着がえにつきましても、別室で更衣をする学校がふえてきているという認識を持っております。以上で ございます。 ◆水ノ上
委員 率直な意見ということは、なかなか難しいんでしょうけれども、私が持ちました率直な意見というのは、特に教育委員会から特別な指導というのはない
んだなと、各校ばらばらですし、もうちょっと偏りがあるのかなと思ったら、そういうふうなこともなさそうだし、特に教育の現場で男女混合にしなさいとか、
すべきでないというのは、指導じゃなくて、各学校の指導に任せているのかなという印象はいたしました。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 今、委員が申されたことですけれども、内閣府男女共同参画局から出された第二次男女共同参画基本計画では、ジェンダーフリーと いう用語を使用して性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化をめざすこと、また家族や、ひな祭りなどの伝統文化を否定す ることは、国が求める男女共同参画社会とは異なる。例えば児童・生徒の発達段階を踏まえない、行き過ぎた性教育、男女同室着がえ、男女同室宿泊、男女混合 騎馬戦等の事例は極めて非常識であるというふうに述べられております。このことにつきましては、子どもたちの年齢や発達段階を適切に踏まえることも必要で あると考えております。さらに学校からの情報、それから内閣府、文部科学省からの情報を得るなどして、今後、研究してまいりたいと考えております。以上で ございます。 ◆水ノ上
委員 内閣府の男女共同参画局が出している意見ですので、文科省が出している見解ではないのでね、皆さんのお答えとしては苦しいというか、はっきりした
ことは言えないということだと思います。この非常識というのはどの範囲のことを言うのか、今後、ご検討いただきたい。このように思います。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 水泳時の着がえは、高学年ではすべての学校で、プールの更衣室等を使用しております。低学年の水泳時には、約半数の学校が、ま た体育時におきましては、約3分の2の学校が男女同室の教室で着がえております。水泳時の着がえ等につきまして、子どもたちは、ゴム入りバスタオル等で体 を覆って着がえるという方法をとっております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 3年生で21校あるわけですね。私の息子、子どもが小学校3年生と2年生なんですが、2年生の子どもは特に何も言わないんですけども、3年生にな れば、やっぱり着がえするときに、女の子にパンツ見られるのは恥ずかしいというわけです。どうしてるんやと、こういう調査があったんで、自分の子どもに聞 いたら、どうしてるんや言うたら、女の子にパンツ見られるの恥ずかしいから、隠れるようにして着がえをするというわけです。女の子に聞いたわけではありま せんけれども、男の子でさえ、そういう気持ちを持ってるんだったら、女の子、多感な女の子だったら、なおさら、そういう恥ずかしさというのがあるだろうと 思います。そういうことも配慮していただいて、今後どのような、こういう男女同室着がえについて指導されていくのか、お答えください。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 着がえにつきましては、子どもの発達段階や各学校の施設設備の状況の違いもありまして、一律の対応を求めるということが難しい 面がございます。今後、プールにある更衣室を利用したり、男子と女子で教室を分けて着がえするなど、検討を進めてまいりたいと考えております。以上でござ います。 ◆水ノ上
委員 私は、先ほど申し上げたとおり、1年生、2年生についてはですね、教育委員会のご見解はあるかもわかりませんが、また分けてるところもありますけ
れども、そこまでは目くじら立てることはないと思っております。ただ、3年生になったら、やはり私の目から見ても、いろいろ子どもたちとつき合っていて、
やはり異性というものを意識し出して、恥ずかしさというのが出てくる。そういう点については、今ご答弁いただいたとおり、ご検討、いろいろ設備の状況と
か、ご苦労はあるとは思いますけれども、ご検討いただきたい、このように思います。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 体育大会の男女混合の騎馬戦ですけれども、小学校、実施している学校が50校中、47校が男女別々に騎馬を組みまして、男女混 合で騎馬戦を行っております。また、基本的には男女別々に騎馬を組みますが、人数の関係で一部男女が混合になっている学校が2校、男女混合で騎馬を組んで いる学校が1校ございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 学校によっては、しないところもありますし、仕方によっても、いろいろあると思います。このような状況で、今後、この男女混合騎馬戦について、どのようにご指導されていくつもりですか、お答えください。
◎ 降井 生徒指導担当課長 騎馬戦につきましては、子どもたちが団結して作戦を考え、帽子取りゲームを楽しみ、男女問わず一緒に盛り上がることができる競 技であると考えております。ただ、男女混合で騎馬を組むことに関しましては、子どもたちの発達段階を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。以 上です。 ◆水ノ上
委員 これは先日行われた、ある学校での男女混合騎馬戦の状況なんですけどね、これは男女別々の騎馬をつくって、あとはゲームは男女一緒にやってまし
た。非常に子どもたちも喜んでやってましたし、周りの保護者もほほ笑ましく思ってます。こういう状態まで非常識とは私は思いませんけれども、現場の先生に
言わせると、男だったら男同士でやった方が、もっと迫力があるのになという話もありました。ただ、今のお答えでは、男女騎馬が別々で混合でゲームをするの
には差し支えないけれども、男女混合で騎馬を組むことについては問題があるのかなというようなお答えのように受け取りました。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 男女混合の徒競走でありますけれども、約3分の2の学校では、男女別で実施しておりますが、先ほども申し上げましたように、 35校が男女混合で徒競走を実施しております。これは体育の授業がすべて男女一緒に行っているということから、体育の授業で徒競走のタイムをとりまして、 そのタイムをもとに男女混合の能力に応じたグループ等で徒競走を実施するというふうにしてございますので、これも一つの方法ではないかと考えております。 以上でございます。 ◆水ノ上
委員 男女混合徒競走につきましてはね、私の知るところによると、すべての生徒をタイム順にずっと並べて、4人やったら4人、5人やったら5人でずっと
区切っていって、タイム順に走らすというふうに聞いておりますが、その中でどうしても男ばっかりの組になったり、女の子ばっかりの組になったり、また男の
子3人で女の子1人と、男の子4人で女の子1人とか、そういう状況であるんですね。この間の運動会でもそういうのがありました。男の子3人と女の子1人が
走って、女の子は、タイム順でやっているにもかかわらず、もうはるかに後ろを走るわけですな。それやったら、周りの見てる人はね、やっぱり何でこんなかわ
いそうなことするんやという声もあるんです。逆に、女の子3人と男の子1人走って、男の子1人が最下位を走ったら、もっと頑張らんかい、何してんやという
声も飛ぶ。学校の現場では、男の子に負ける、女の子に負ける、勝つ、負け、こんなことは気にする必要ないんだよというような教育をしてるかもわからない。
しかし、決して全部が、周りのすべてがそうなってるわけではない。そういう状況において、傷つくのは子どもたちかもわからない。私はそのように思いまし
た。それを急に改めよというわけではありませんけれども、一応そういう学校の現場の声を一回聞いていただいて、そういう配慮をいただいた上で、こういうこ
とも今後どうするかということを考えていただきたい。このように思います。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 男女混合で体育大会の演技や競技を行うことによりまして、男子、女子ということにこだわらずに、コミュニケーションをとること ができるようになったり、みんなで協力することの大切さや責任感を学んだりすることができると考えております。このような場を設定することで、学級づくり や集団づくりにつながると認識しております。なお、性差を否定したり、男女の区別をなくして人間の中性化をめざしたりすることは、堺市のめざしている男女 平等教育とは異なっていると考えております。以上でございます。 ◆水ノ上
委員 影響をお答えくださいということで、そういうメリットの面をお答えいただきましたけれども、やっぱりこういうことをすれば、メリットもあればデメ
リットも出てくると思います。デメリットというのは何かというと、同室の着がえをさせて、必要以上の羞恥心や、またそれをなくすようなことをさせるとか、
また思春期の5年生、6年生で必要以上に肌をひっつけるというか、そういうことも、いい影響は出ないと、このように思ってるわけですね。特に多感な時期で
すから、昔の我々の時代の運動会でしたら、そういう機会はなくて、本当にフォークダンスで手をつなぐぐらいでしたけれども、今はそういうことではなくて、
そういう今風な運動会がやられてるわけですけれども、それもメリットもあれば、デメリットもあるだろうと、こういうこともいろいろ調査研究していただきた
いと思うわけです。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 ただ単に男女混合でさまざまな取り組みをすることが男女平等教育につながるのではなく、性別にかかわりなく、すべての人に、そ の個性と能力を十分に発揮する機会が確保されることが男女平等教育を推進する第一歩と考えております。今後とも、男女の人権が尊重され、男女が社会の対等 な構成員として互いに協力し、その能力と個性が十分に発揮できる社会の実現をめざして取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ◆水ノ上 委員 私も同じように、男女混合の教育が必ずしも男女平等教育になるとは思ってません。ある程度の距離感を持ち、ある程度の区別があってこそ、お互いの 存在を認め合う、そういうことが必要だと思ってるんです。そういう点で、今のお答えは評価いたしますけれども、最後に、男女がお互いを尊敬するような教育 のあり方とは、どういう教育なのか、その点についてお答えください。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例の趣旨に沿いまして、子ども一人一人の個性が尊重され、男女が相互に尊敬し合い、性 別による不当な差別が行われることなく、ともに支え合う男女平等社会の実現をめざした男女平等教育を推進していきたいと考えております。以上でございま す。 ◆水ノ上
委員 教科書どおりのお答えでございましたけれども、先ほど申し上げましたけれども、男女の尊敬し合う姿というのは、私はある程度の距離感を保ち、区別
があり、日本の文化というのは、そういうふうに文化が花開いてきたと信じてます。そういうことも大切にして、何でもかんでも混合にしたらいいということで
はなくて、そういうある程度距離感を持ったような教育もこれから調査研究して進めていただきたい、このように思います。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 本市の学級崩壊、学級がうまく機能しない状況でございますけれども、昨年度、平成17年度は、この文教委員会でもお示しいたし ましたけれども、小学校で9クラスございました。平成18年度、今年度ですけれども、現在まで、小学校2年生と6年生で各1クラスずつ報告されておりま す。1クラスは、担任が交代しております。残り1クラスは、現在TT方式、教頭、教務主任が主にその学級に入り込んで学校の指導体制を確立し、教育委員会 とも連携しながら解決にあたってるところでございます。以上です。 ◆水ノ上 委員 現在は2クラスということです。昨年は9クラス、現在はまだ1学期しか始まっていませんので、少ないのかなと思います。また、中学校ではないとい うことですけれども、私の聞く範囲内では、崩壊はしてなくても、学校の授業が成り立たないというのはよく聞きます。それは学級が崩壊してるんじゃなくて、 ある先生の授業だけは成り立たないようなね、状況もあるように聞いています。そういうのを含めると、非常に堺市に置かれている学校現場も深刻な状態にある のかなと、このように思うわけですけれども、この学級崩壊について、どのような要因、原因があるとお思いでしょうか、お答えください。 ◎
降井 生徒指導担当課長 学級崩壊の要因につきましては、まず1点目として、学級担任の指導力不足の問題。2点目、子どもの集団生活や人間関係の未熟さ
の問題。3点目に、特別な教育的配慮や支援を必要とする子どもへの対応の難しさがあると考えております。ただ、学級崩壊は、これらの問題の幾つかが複合的
に絡み合って進行しているものが多くなっております。特に低学年では、子ども自身、セルフコントロールが不足しているとか、コミュニケーション能力が不足
しているなど、集団性の未形成状態であることがほとんどですし、その理由として、家庭での就学前の愛情不足やしつけが十分に行えていないということも考え
られます。育児の重要性を自覚しながら、その困難さを実感し、日々、その重圧に耐えている保護者が見られる一方で、子育てに無関心な場合も見受けられま
す。 ◆水
ノ上 委員 今、要因として3点を挙げていただきました。私も、そのとおりだと思います。また低学年では、家庭での就学前の愛情不足、そのほかに過保護
や過干渉、こういうのもあると思います。特に低学年、小学校1年生で学級崩壊、授業が成り立たないというのがあると聞いてます。小学校1年生、我々が小さ
いとき、今も後もそうでしょうけれども、小学校1年生に入ったら、学校の先生が怖くて、大人というだけで何かぴしっとしたものですけれども、そういう状況
にもかかわらず、授業を聞かない。学校の先生の話を聞かない。こんな状況が続いてる。 ◎ 降井 生徒指導担当課長 学級崩壊とメディアの関係でございますけれども、まだ研究量が少なく、はっきりした結論を導く状況にはないと考えております。 しかし、平成16年3月に文部科学省から出された、子どもとテレビゲームに関するNPO等についての調査研究によりますと、メディアの一つであるテレビ ゲームは、その活用の仕方によって暴力性、引きこもりや不登校のような社会的不適応、学力や知的能力、視力、体力の面で悪影響が出ると報告されておりま す。以上です。 ◆水
ノ上 委員 私も、今述べました、子どもとテレビゲームに関するNPO等についての調査研究の報告書をざっと読ませていただきました。これについては概
略的なことは書いておりますけれども、具体なことは書いてない。このような気がいたします。前回、皆様方にこの本をご紹介いたしました。「脳内汚染」とい
う、今でもはやってるんかどうかわかりませんけれども、メディアが子どもたちに与える影響を鋭く指摘している小説というか研究書ですけれども、これを早速
ですね、生徒指導担当課長はお読みいただいたということです。ほかの方もお読みをいただいてると思いますけれども、例えばテレビゲームを1つとりますと、
国民の30%、中学生の70%、小学生の85%が程度の差こそあれ、テレビゲームをしていると言われています。そういうことを考えますと、子どもたちに与
える影響というのは決して無視できない。どういうような影響を子どもたちに与えているのかということを我々はもっと調査しなければならないというふうに、
私は本気でこういうふうに思ってます。 ◎
降井 生徒指導担当課長 学級崩壊の対処方法でございますけれども、まず1点目の学級担任の指導力の問題に要因がある場合は、子ども一人一人の内面の共
感的な理解に基づく学級経営を進めると同時に、TT方式などの協力的な生徒指導体制を確立することが必要であります。さらに研修の充実によりまして、教職
員の専門性を一層向上させることも重要になってまいります。 ◆水
ノ上 委員 ご答弁ありがとうございます。学級担任の指導力不足ですが、私は過去に比べて、今の教員がそれほど指導力が不足しているとは思っておりませ
ん。昔に比べて、やることがたくさんあります。危険防止のこととか、しつけのこととか、昔だったら教育を、黒板に書いて教育したら授業は成り立ったのに、
それができない。そういう状況に置かれている先生方は非常に大変だと思います。そういう先生方とも幾らか接しますけれども、決して先生方の指導力が落ちて
るとは思わない。中には、そらそういう方もいらっしゃるかもわかりませんけれども、総体的に見て、そうとは思わない。確かに学級崩壊をした学級に対して
は、即座に対応していただきたいと思いますけれども、私自身の感想としては、そのような感想を持っています。 |
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