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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成18年9月8日 大綱質疑

1.人権条例について
2.堺市国民保護条例について
3.教育基本法と愛国心について
4.行政評価について
5.公共施設の管理について
6.堺の観光PRについて

○10番(水ノ上成彰君)(登壇) 皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上成彰でございます。まず、大綱質疑に入る前に、我が会派も今回の慶事にあたり、一言お慶びを申し上げたいと思います。
 一昨日、秋篠宮殿下のもとに親王様がご誕生になりました。待ち望んだ親王様のご誕生、まことに慶賀にたえません。この慶事に接し、我々プロジェクト堺の 議員一同、多くの国民とともに心よりお慶び申し上げ、奉祝いたしたいと存じます。秋篠宮紀子様の一日も早いご回復と親王殿下のお健やかなご成長を心よりご 祈念申し上げ、ご皇室の弥栄を心よりお祈り申し上げます。
さて、それではプロジェクト堺を代表いたしまして大綱質疑を行います。本日は通告に従いまして6項目にわたって質問いたします。よろしくお願いいたします。

<1.人権条例>

まず、人権条例についてお伺いいたします。
 市長は、自由都市・堺ルネサンス計画の実現にあたり、8つの重点施策を示され、その一つに人権尊重社会の実現を掲げられました。主な取り組みの一つに人 権条例の制定があり、平成18年度中に制定予定とされており、聞くところによりますと、ことしの12月議会にも人権条例が上程されるのではないかというこ とでございます。
 ご存じのとおり、人権条例については、昨今、鳥取県の人権擁護条例が新たな人権侵害を生むと弁護士会や各方面から指摘され、条例の施行を停止しており、 混乱を来しております。このような状況の中、新たに政令指定都市に移行した堺市が人権条例を制定するにあたり、注目を浴びています。この議会では、条例案 が上程されておりませんので、細部の議論は次回以降の議会に譲るといたしまして、今回は人権条例の作成にあたり、概略的な質問をしてまいりたいと思いま す。そこでお尋ねいたしますが、人権条例について、なぜこの時期に制定するのか。また、制定に向けたこれまでの経緯及び他市の制定状況についてお答えくだ さい。
 また、この人権条例につき、当局と議論するにあたり、私は平和の概念を強く意識して作成にあたっているように感じました。そこで市長にお尋ねいたしますが、人権条例制定の趣旨及び特色、また、平和という言葉の認識についてお聞かせください。

<2.堺市国民保護計画>

次に、堺市国民保護計画についてお伺いいたします。
去る7月5日、北朝鮮が日本海に向けて7発のミサイルを発射いたしました。北朝鮮のミサイルは、日本本土を攻撃できる性能を有しており、1発でも日本本土 に落ちれば大惨事になっていたことは間違いございません。この北朝鮮のミサイル発射事件の報道に接したとき、私はとっさに、堺市国民保護計画を急がなけれ ばならないなというふうに思いました。国民保護計画を作成するにあたり、危機感を有しない党が、一体どこに日本を攻撃する国があるのかなどとすごむ場面を 見てきましたが、そのような方々も北朝鮮によるミサイル発射を見て目が覚めたのではないかと思います。
 地方自治体でできることは、国民保護計画を早急に策定し、運用に資するものにしなければなりません。堺市民の生命、財産を守るため、一刻の猶予もないと 思います。堺市は現在国民保護法に基づく堺市国民保護計画概案を作成し、近々、パブリックコメントを実施すると聞いております。
 そこでお尋ねいたします。
1、堺市国民保護計画が対象とする事態とはどのようなものかお答えください。
2、本計画の策定過程と今後のスケジュールについてお答えください。
3、本計画の実効性を担保するために、いつまでにどのようなことを行っていくのか、お答えください。

<3.教育基本法と愛国心>

 次に、教育基本法の改正と国を愛する心についてお伺いいたします。
今月の9月26日に臨時国会が招集されます。この臨時国会において新しい内閣総理大臣が選出されるのですが、今のところ、安倍晋三内閣官房長官が有力視さ れております。安倍官房長官は、この臨時国会において、教育基本法の改正に並々ならぬ意欲を燃やしており、教育基本法が改正される公算が強くなってまいり ました。教育基本法の改正にあたり、最も議論を呼ぶのは、国を愛する心の指導をどのように盛り込むかということでございますが、政府案では、伝統と文化を 尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとなっております。教育基本法の改正案は、このような形ではありますが、国を愛する趣旨を盛り込んだ ことについて我々は評価しております。
 最終的には、どのような形で教育基本法の改正がなされるか、予断の許さないところではございますが、今この時期に、教育基本法の改正と国を愛する心につ いて堺市教育委員会の見解を改めてお尋ねすることは有意義なことと思います。そこでお尋ねいたします。教育基本法の改正と学校教育に おける郷土や国を愛 する心の指導についてお答えください。

<4.行政評価・事業評価について>

次に、行政評価についてお伺いいたします。
 行政評価につきましては、平成16年12月議会において、行政評価の必要性について質問を行い、ご回答をいただきました。行財政改革の一環として多くの 自治体で行政評価が導入され、そのシステム構築に試行錯誤されています。堺市も本年度より遅まきながら、行政評価を本格導入し、現在は行政評価の初期段階 として、この5月から事務事業評価に取りかかり、事務事業点検表の集計と財政部などと所管局が意見交換をしているところだとお聞きしております。
 そこで、本日は事務事業評価に取りかかったことを考えて、今の方法は適切か、さらに有効的な取り組みはないかなどについて議論してまいりたいと思いま す。そこでお尋ねいたします。本年度から予算編成に事務事業評価の手法を導入して、個々の既存事務事業について総点検を行っているということですが、現在 の財政状況において財源が限られる中で、市長が掲げる8つの重点施策から見て、施策の下にぶら下がる事務事業の優先順位を把握し、既存事業の再編・再構築 をも含んだ予算編成を行っていく必要があると思いますが、事務事業評価と予算編成との関係についてお答えください。
 次に、事務事業評価、まずは事業を実行する内部の者が評価するので、必ずしも施策に対して正しい評価がされているとは限りません。施策に対して客観的な評価をするためには、外部の目を入れることが重要です。
 そこでお尋ねいたします。事務事業評価を行っていくにあたり、今後、外部評価を行っていくお考えであるのかお答えください。また、市長が掲げる施策が市 民のニーズとかけ離れていないかを定期的に点検することは非常に重要だと思います。その点、定期的に市民意識調査を実施し、施策評価と市民意識調査を連携 していくことが市長の施策を自信を持って進めていくにあたり、必要不可欠なことと思いますが、今後、市民意識調査の実施などを行っていくのか、お答えくだ さい。

<5.公共施設の管理について>

 次に、公共施設の管理についてお伺いいたします。
 民間企業では、企業の財政状態や人口構成の変動がもたらす消費行動の変化を予測したり、また企業会計の原則に従い、資産の耐用年数や残存価格を考慮し、 減価償却を行い、残存簿価などの企業情報を考慮して不採算事業の縮小、撤退や今後の資産の維持管理や投資の計画を必要な時期に実行いたします。このような ことを繰り返し、できるだけむだを省こうとしています。国や地方公共団体が行う公共投資においては、減価償却という概念がないため、民間企業とは違う論理 で行われているように思います。例えば前からあった計画だから、いつかは必要になるから、どこからか要望があったからなどがそうでございます。本市におい ては、高度経済成長期に建設設置されたものを初め多くの公共施設がございます。これら既存の公共施設などを少しでも長期間使用できるよう、計画的な補修な どを行っているのでしょうか。公共施設の計画的な保全や長寿命化についてどのようにお考えなのかお答えください。

<6.堺の観光PRについて>

最後に、堺の観光PRについてお伺いいたします。
堺市が政令指定都市になって5カ月がたち、以前に比べてさまざまな場所で堺市のPRを目にするようになってきました。しかし、近隣の政令指定都市で観光資 源が豊富で観光に特に力を入れている神戸市や京都市に比べて、まだまだ情報の発信は質量ともにはるかに及ばないのは明白でございます。堺市も観光資源につ いては豊かであり、その点、観光資源の整備、文化拠点の創出、スポーツ施設の整備などに取り組んでおり、今後、観光面において充実が予想されますが、その 反面、今後の観光PRについては貧弱な感をぬぐえません。
そこでお尋ねいたします。1、堺を訪れる観光客の推移についてお答えください。2、現在、観光PRや情報発信としてどのようなことを行っているのかお答えください。3、今後、どのような取り組みを行っていくのかお答えください。
以上で第1回目の質問を終わります。

○議長(服部昇君) これより答弁を求めます。

○市長(木原敬介君)(登壇) プロジェクト堺代表水ノ上成彰議員のご質問のうち、人権条例の趣旨、特色及び平和への考えについてお答えを申し上げます。
堺市におきましては、これまでもさまざまな人権施策に取り組んでまいりましたが、政令指定都市・堺の新しい都市像として、国際平和と人権尊重の重要性を国 内外に発信する国際平和人権都市・堺をめざしたいと考えております。このため、市の責務と市民の役割を明確にしながら、平和と人権を尊重する市民協働のま ちづくりの実現に取り組むことを基本姿勢として人権条例を制定するものでございます。
 世界の各地域では紛争や貧困、そして難民の発生など、さまざまな人権を侵害する事象が頻発しており、また国内におきましても、今なお人権に関する多くの 課題が存在しております。このような状況を踏まえ、国際的な視点に立った平和と人権の推進が重要であると考えております。したがいまして、現在検討中の条 例には、基本的人権の尊重に加えて平和の大切さ、また国際的な交流・協力・貢献などグローバルな視点を盛り込んだものにしたいと考えております。また、平 和についての考え方でございますが、平和を戦争のない状態はもちろんのこと、すべての人々が地域社会で安心して幸せに生活できる状態を言うものと考えてお ります。堺市といたしましては、本条例を通じ、広く平和の重要性を喚起してまいりたいと考えており、中世において我が国の国際貿易拠点として平和と繁栄を 謳歌するなど、堺の歴史と伝統を踏まえ、あるいはそれにかんがみながら、平和貢献について顕彰する制度も検討をいたしております。
なお、その他のご質問につきましては関係局長からご答弁を申し上げます。

○市民人権局長(以倉忠一君) 人権条例の策定状況と本市の策定経過についてご答弁申し上げます。
 全国的な策定経過ですが、当初の部落差別の撤廃を主な目的として啓発の充実を図るための条例や、部落差別を初め男女、障害者などあらゆる差別の撤廃を目 的とした条例の制定、また人権尊重の社会づくりを掲げ、人権施策の基本方針、審議会の設置など人権教育・啓発・相談など施策を推進するための枠組みづくり の条例など、全国では平成の大合併が行われる前の数字ではございますが、700余りの団体で制定され、府内では本市と寝屋川市を除いて制定されているとこ ろでございます。
 本市におきましては、これまでの人権施策を踏まえながら、昨年度より学識経験者等によるアドバイザーより意見もいただき、関係部局職員からなる人権施策 庁内検討会での議論及び人権施策推進本部常任幹事会での検討を進めてまいりました。本年3月及び5月には、学識経験者などから成る人権条例懇話会で、国際 的レベルの平和やグローバルな人権尊重等の意見をいただき、現在、庁内手続を行い、成案づくりに取り組んでいるところでございます。以上です。

○市長補佐官(西野秀樹君) 堺市国民保護計画についてのご質問のうち、まず堺市国民保護計画が対象とする事態についてお答えいたします。
 平成16年9月に施行された国民保護法に基づいて策定を進めている堺市国民保護計画では、国の定めた国民の保護に関する基本指針で示されている武力攻撃 事態の4類型の1つ、着上陸侵攻。2つ、ゲリラや特殊部隊による攻撃。3つ、弾道ミサイル攻撃。4つ、航空攻撃と緊急対処事態の4事態例を対象としており ます。
 緊急事態対処の4事態例は、攻撃対象施設等による分類と攻撃手段による分類の2つに分類されております。攻撃対象施設等による分類は、石油コンビナート 等危険性を内在する物質を有する施設等に対する攻撃が行われた事態と、空港、ターミナル駅、列車等多数の人が集合する施設、大量輸送機関等に対する攻撃が 行われた事態、攻撃手段による分類は、炭疽菌やサリン等多数の人を殺傷する特性を有する物質等による攻撃が行われた事態と、航空機による自爆テロ等破壊の 手段として交通機関を用いた攻撃等が行われる事態でございます。
 次に、計画策定の経過と今後のスケジュールについてお答えいたします。今年度は、全国の市町村が国民保護計画の策定に取り組んでおり、本市におきまして も、本年4月に設置された堺市国民保護協議会に対し、5月25日に開催された第1回協議会において、この堺市国民保護計画策定に関する諮問を行いました。 それを受けまして、危機管理担当庁内委員会を3回、国民保護協議会の幹事会を2回開催し、庁内及び関係機関からの意見聴取を行い、本計画の概案の案という 形で取りまとめ、8月23日に開催された第2回協議会におきましてご審議をいただいたところでございます。
 第2回協議会におきましては、例えば基本的人権の尊重に関する記述、とりわけ外国籍市民に対する配慮についてや、男女共同参画の視点の盛り込み方あるい は現実的な避難行動への対応などについて、さまざまなご意見をいただきました。これらのご意見や審議の内容を計画概案に反映して取りまとめ、9月末から1 カ月間、パブリックコメントを行い、さらに幅広く意見集約を行ってまいります。そして、12月に開催を予定しております第3回の協議会において答申を受け るという手順で、今年度末の策定を目途に進めてまいりたいと考えております。
 最後に、本計画策定後の進め方についてお答えいたします。本市は本計画に基づく措置を円滑に実施するためには、国や大阪府が示す被害想定やマニュアル等 を見ながら進める必要がありますが、具体的な実施手段などを定める市の実施マニュアルや市町村が行う措置として大きなウエートを占めております住民の避難 に関して、あらかじめ必要となる避難実施要領のパターンの作成につきまして、19年度に取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

○教育次長(芝村巧君) 教育基本法の改正と国を愛する心についてお答えいたします。
今回の教育基本法の改正につきましては、内閣総理大臣の私的諮問機関として設けられました教育改革国民会議で論議され、取り組まれているものであり、中教 審答申を経まして、これからの新しい時代にふさわしい教育の理念や原則を明確にする観点から、現在及び将来を展望して改正案が提出されたものと認識してお ります。
 郷土や国を愛する心の指導につきましては、学習指導要領に基づき、社会科を初め国語科、道徳等において行っているところであります。小学校の社会科で は、その目標の中に、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的・平和的な国家社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養 うとあり、具体的には、身近な文化遺産、地域の発展に尽くした先人の営みなどの学習や、本市教育委員会作成の道徳資料集の活用などを通して、郷土や国を愛 する心を育てることができるよう工夫しております。
 教育委員会といたしましては、地域社会、国家及び国際社会の中で、自覚と責任のある日本人を育成するという観点から、国を愛する心を育てる教育が大切であると考え、推進しております。以上でございます。

○財政局理事(陸田義孝君) 行政評価についてでございますが、地方公共団体は地方分権の推進を初め、住民ニーズの多様化、市民参加の拡大、経営資源の制 約など、行政経営環境の大きな変化に直面しており、本市も例外ではございません。そのため、既存事務事業の成果・効果を定量的に把握しながら、効率的・効 果的な事業展開に努めますとともに、優先順位をつけながら、施策事業の選択と集中を進め、時代や市民のニーズに合った施策事業への再編・再構築が必要であ ると考えてございます。これまでも予算編成の中では、こういった視点を踏まえて議論を進めてまいりましたが、必ずしも十分ではなかったため、さらにそれを 徹底させるため、今回、平成19年度予算編成を前倒しをし、事務事業評価の手法を導入することといたしました。既存事務事業について、その目的や目標、対 象者、ニーズを明確にしながら、客観的なデータ等に基づき、妥当性・有効性・効率性といった視点から総点検を行い、その効果等を定量的に把握した上で、そ の効果をもとに改善・改革案を検討し、既存施策事業の再編・再構築に取り組んでいるところであり、今後もそういった視点に立って、政策・施策の決定を行い ながら、予算編成を行ってまいりたいと考えてございます。
次に、今後の取り組みについてでございますが、市役所内部の自己点検だけでなく、人口誘導施策や市立堺病院、下水道事業の経営健全化などの重要課題につきまして、今年度から外部委託や外部有識者など民間の知識や経験を活用してまいります。
次に、市民ニーズの把握についてでございますが、これまでも市政運営全般の基礎資料とするため、定期的に市民意識調査を実施するほか、市政モニターや市民 の声、データベースの効果的な活用を図るなど、市民ニーズの的確な把握に努めてきたところでございます。また、現在、各所管が実施した調査等に基づきます データの一元管理と加工・分析の仕組みづくりにも取り組んでいるところでございまして、今後も提供しているサービスが真に市民が求めておるニーズと合って いるかどうかを検証するため、必要に応じて市民意識や利用者等の意見の的確な把握に努めてまいります。以上でございます。

○建築都市局長(赤石宗嗣君) 公共施設の計画的な保全や長寿化についてのご質問のうち、市営住宅の維持管理についてご答弁申し上げます。
本市の市営住宅は、昭和23年から50数年間の期間にわたり建設され、その多くは昭和40年代に建設された耐火造の住宅でございます。住宅を初め良質な社 会資本の形成については、スクラップ・アンド・ビルドだけで対応するのではなく、既存ストックの有効活用や長期的使用、長寿命化といった視点が求められて おります。あわせて地球温暖化問題や循環型社会の構築に向けた対策についても配慮が必要です。本市では、平成14年度に策定いたしました堺市営住宅ストッ ク総合活用計画に基づき、市営住宅のストックの特性や地域のニーズに合わせた活用手法の選択を行い、建替えなどの事業手法及び事業時期を適切に配分するこ とによる事業量の平準化を図りながら、既存ストックを長期間使用できるよう維持保全に取り組んでいるところでございます。今後も庁内関係部局と連携を図り ながら、事業を推進し、より良質な市営住宅ストックの形成を図っていくとともに、生き生きとした活力ある地域コミュニティの形成に資するよう努めてまいり ます。以上です。

○建設局長(田村勝實君) 公共施設の計画的な保全や長寿化についてのご質問のうち、建設局が所管する道路施設の維持管理についてご答弁を申し上げます。
道路施設は、道路整備の進展に伴い、着実に増加しております。これら道路施設の大部分は、建設後かなりの年月が経過しており、今後急速に老朽化が進むと考 えております。現在、道路を常時良好な状態に保つよう、維持管理を行っているところでございますが、さらに施設の老朽化に対応した定期点検や健全度評価を 行い、道路施設の合理的・効率的な維持補修を行うために、今年度より維持管理計画の策定に着手し、今後、計画的に改修を行うことで施設の長寿化を図るとと もに、維持管理のコスト縮減に取り組む必要があると考えております。以上でございます。

○市長補佐官(鶴埜清治君) 本市を訪れるビジター数でございますが、昨年度実施いたしましたビジター実態調査では、観光を目的に訪れた方は463万 7,000人と推計されております。平成11年度は434万8,000人、平成14年度は486万2,000人となっております。観光ビジターはおおむね 450万人前後で推移をいたしております。これまでは、3年ごとに調査を実施してまいりましたが、より正確な観光動向を把握するため、本年度から毎年度調 査を実施する予定でございます。
 なお、一例でございますが、ことしの4月から8月までの間、博物館の入館者は約2万3,000人と昨年同期と比べ6%の増、また市立文化館は、マスコミ の報道等も手伝いまして、昨年同期の5倍を超す約1万人となるなど、今年度に入りまして、観光に来られる方が着実にふえていることを実感をいたしておりま す。また、本年4月以降、マスメディアに堺が取り上げられる機会が増加をいたしておりまして、大勢の方から堺の観光についての問い合わせをいただくなど、 大きな反響をいただいております。
 観光PRについてのご質問ですが、情報発信には、マスメディアとの連携が不可欠であり、取材にあたりましては、積極かつ丁寧な対応を行うほか、観光パン フレットなども有効なメディアであることから、各種事業者への情報の提供などにも努めております。また、堺商工会議所や観光関連業界とともに誘客活動を 行っております。おいでよ堺21実行委員会におきましては、秋祭りにあわせ、京阪神エリアを中心に鉄道駅などにお祭りガイドマップ「堺百町」の配架やPR ポスターの掲出などを行いますとともに、一部ではございますが、東京でもポスターを掲出いたしております。このたびの堺文化観光再生戦略プランにおきまし ても、情報発信、PR活動を早急に実施すべき具体的な観光振興施策の一つと位置づけております。本市といたしましては、マスメディアとのより一層の連携を 進めますとともに、事業者による旅行商品の企画、販売の促進、お土産など、地元産品の販売促進、地域文化や伝統、地場産業のPRを進めるなど、観光立市・ 堺をめざし、より一層の力を注いでまいりたいと考えております。以上でございます。

○10番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(服部昇君) 10番水ノ上成彰議員。

○10番(水ノ上成彰君) ご答弁ありがとうございました。まず、人権条例についてでございますが、実は昨年の12月議会においても同じような質問をさせ ていただきました。そのときには、何かつかみどころのないようなご答弁でございましたが、本日は内容の充実したご答弁をいただき、人権条例の策定が大きく 進んでいるということを実感いたしました。また、人権条例の策定にあたり、市長みずからご答弁をいただき、その高尚なお考えに感銘いたしますとともに、市 長の人権条例策定にかける意気込みを感じさせていただきました。
 さて、人権条例策定に関して私が危惧いたします点は、堺市が策定する人権条例が理念条例にとどまるのか、それとも人権委員会や人権審議会などを組織し、 強制力を持たせるようなものになるかという点でございます。鳥取県の混乱をかんがみますに、人権条例が新たな人権侵害を起こす可能性を持つものであっては ならないと考えております。このことについては強く指摘しておきます。また、人権条例策定にあたって注意すべき点は、あいまいな言葉の言葉遣いを慎むこと だと思います。例えば平和人権を語るときに、よく地球市民などという意味不明の言葉を使います。日常使うのは勝手でございますが、条例などに使う言葉とし ては不適切な感をぬぐえません。ほかにもこのような言葉があるとは思いますが、条例策定にあたり、このような点にも気をつけていただきたいと思います。
 さて、平和についての市長のお考えもお聞かせいただきました。平和とは、戦争のない状態はもちろんのこと、すべての人々が地域社会で安心して幸せに生活 できる状態を言うということでございました。また、国際的な視点に立った平和と人権の推進が重要であるともご答弁いただきました。平和というものはたっと いものですが、平和を獲得するまでには相当な努力が要り、また平和を維持するためにはさらなる努力が必要となります。平和、平和と叫んでいるだけで平和が 訪れるわけではありません。今の日本は果たして平和と言えるでしょうか。例えば邦人を北朝鮮に拉致されたままでいる日本は平和でしょうか。今の日本が平和 だと言える人は単に戦争がない状況のみを指して平和と言っているにすぎません。平和の実現は、国民がこの国を愛し、人を愛し、そのための限りない努力の結 果として実現するものだと思います。人権条例をもって平和の大切さの視点を織り込むのであれば、このような点をしっかりご認識いただき、条例に反映してい ただきたいと思います。
 具体的な議論につきましては、条例が上程されたときにするといたしまして、人権条例につきましては、以上で質問を終わります。
 次に、堺市国民保護計画についてですが、国民保護計画が対象とする緊急事態の4事態例をご紹介いただきました。我が国は北朝鮮の例のみならず、危険に満 ちております。例えば中国は核ミサイル数十基を日本に標準を合わせて配置していると言われますし、ロシアによる北方領土の不法占拠、先日、日本のカニ漁船 がロシア警備艇に銃撃され、日本人1人が殺された事件がございました。また、韓国による竹島の不法占拠、北朝鮮による日本人拉致もそうです。日本国憲法前 文に言う、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」というような前提は全くなく、自分の国は自分で、国 民の生命・財産は自国の力で守るしかすべがないということは明らかです。
先ほど市長は平和の大切さをご答弁されました。平和と人権を尊重する人権条例の策定を急ぐならば、万が一の事態が起こったとき、堺市民の生命・財産、安心 な生活を守るために、堺市国民保護計画の策定も急がなくてはなりません。平和を守るためには、あらゆる事態を想定して準備を行う必要があります。堺市国民 保護計画が策定され、実施マニュアルを作成するには、国・府と連携して進めていく必要があるため、保護計画が実効性を持つまでにはさらに時間がかかりま す。万が一の事態はいつ起こるかわかりません。この点、堺市は率先して進めていただきますようご要望いたしまして、この質問は終わります。
次に、教育基本法の改正と国を愛する心についてでございますが、教育委員会のお考えは、国を愛する心を育てる教育が必要というご認識から、さまざまな工夫 がなされているということでございました。今回、教育基本法が改正された場合、具体的に国を愛する心をはぐくむ意味の文言も入ることでしょう。国を愛する 心は思想信条の問題であり、内心の問題であり、教育の現場で強制すべきではないという意見があります。本来ならば、自然と身につけていくことがよいのかも しれません。しかし、戦後数十年間、ある勢力により教育現場の密室で組織的に反日教育をされてきた結果、世界で最も自国に誇りを持たない国民を教育により つくり上げてきた事態は、このまま行けば、国の崩壊まで予想されるものであり、我々保守派の油断であったことを反省した上で、今、教育基本法を改正し、国 を愛する心を子どもたちに指導していくことは急務であると思います。そのことから、今回の教育基本法の改正とそれに合致する教育委員会のお考えは強く支持 するものであります。今後とも揺れることのない国を愛する心の教育に努めていただくことをお願い申し上げてこの質問は終わります。
 引き続きまして行政評価についてでございますが、マネジメントサイクルという考えがございます。事業をプラン・ドウ・チェック・アクションの流れでとら え、実施結果をその計画に基づいて評価し、以後の改善に結びつけようとする考え方です。これまでの行政は予算編成など、プランを重視する余り、決算などの 事後チェックがないがしろにされる傾向がありました。行政評価の取り組みは、これまでのプラン・ドウの偏重の行政運営から、チェック・アクションの機能を より充実させるための取り組みと言えます。
 このようなマネジメントサイクルの流れに沿った行政評価の取り組みは、数年たち、定着すれば、行政運営に劇的な変化をもたらすと期待しております。ま た、予算編成時においても大きな変化をもたらすことでしょう。それには幾つかのハードルがございます。まず、1つが市長の示す施策と事務事業が有機的に結 びついて、評価を通じて優先順位をつけることができるかということでございます。事務事業に優先順位をつけるにあたっては、客観的な評価を担保する必要が あります。行政評価は自己評価が基本となるため、評価が甘くなる可能性は否めません。予算編成がかかわっている以上、部内において恣意性が入るおそれは多 分にあります。客観的な評価をつけるにあたっては独立した外部評価委員会などを組織し、外部評価が不可欠です。
 例えば名古屋市においては、1,000数百ある事務事業について、すべて外部評価を行っていると聞きます。また、庁内的に施策評価及び事務事業評価が客 観的になされ、適正に次年度の予算編成に反映されたとしても、そもそも市長の掲げる施策と市民のニーズが乖離していては何もなりません。そのために定期的 に市長の施策に対する市民意識調査を行い、施策の有効性についてチェックする必要があります。ご答弁では、重要課題について今年度から外部委託や外部有識 者などの民間の知識や経験を活用するということでありますが、1,200以上ある事務事業について、例えば3年以上継続している事務事業については、外部 評価を受けるなどのルールづくりを行い、進めていくことも有効であると思います。また、市民意識調査については、これまで同様実施していくということでご ざいますので、なお、もう一歩踏み込んで、施策評価と連携して行うことが有効であろうと思います。現段階では、事務事業の評価を活用して19年度の予算編 成を行うということでございますので、詳細は予算時において議論することとし、本日はさらに行政評価について調査検討を行い、行政運営に資することを期待 してこの質問を終わります。
 続きまして公共施設の管理についてでございますが、私は公共施設の維持管理についての質問をするにあたり、各部局の状況をお聞きいたしました。本日は公 共施設管理の例として市営住宅の管理及び道路施設についてご答弁をいただきました。各部局とも自身が管理する施設等については、計画的保全や長寿命化の観 点から、しっかりと維持管理されていることを実感しております。しかし、今後も財政状況の劇的な好転が期待できず、財政的に制約される中、公共施設の維持 管理について、今のままでよいのかなという気もいたします。つまり、公の施設についても、先ほど申し上げた行政評価的な手法が必要になってくるのでないか と思います。施設の効率的な運用、施設が提供するサービスの改善、受益者負担の適正化として施策自体の維持管理などについて一元管理をした上で評価の必要 があると思います。また、一元管理をすることによって計画的な保全が行われ、むだを省いた維持管理が行われます。このような一元管理については、既に実施 している自治体もあると聞いており、成果を上げているということでございます。公共施設についても評価の対象とし、その前提として一元管理についてもご検 討いただきますようご要望いたしまして、この質問は終わります。
最後に、堺の観光PRについてでございます。堺市には年間450万人を超える観光客が来ていると聞いて素直に驚きました。1日に換算いたしますと、平均1 万2,000人以上、本当にこれだけの人が堺に来ているのかなと不思議には思います。政令指定都市に移行した本年度はさらに観光客もふえているように思い ます。
 さて、情報発信について努力されていることはわかります。確かにテレビや雑誌などに堺の記事が出ることが多くなりました。それは大変喜ばしいことなんで すが、それも堺が政令指定都市に移行した一過性のものではないのかなと危惧する向きもございます。なぜなら、個人的な意見を申し上げれば、堺をイメージす る強烈な印象といいますか、そういうものが感じられず、今まで余りそういったPRを外に向かって発信していなかったことがあるのかもわかりません。たまに 関西国際空港を利用するのですが、堺市の看板は一つもございません。世界に開かれた国際都市を自称する堺でございますのに、看板の一つもない。関西国際空 港の利用客はどのくらいあるかご存じでしょうか。平成17年度で国内線の利用者が528万人、国際線の利用者が1,113万人、あわせて1,600万人以 上が関西国際空港を利用しています。
 大綱質疑の最後にご提案申し上げますけれども、関西国際空港に堺を強烈にイメージするような、人々のどぎもを抜くような看板を設置していただきたい。費 用がどのくらいかかるかわかりませんけれども、やるなら、しょぼいことをせずに、大々的にやってもらいたいと思います。そうすれば堺のイメージが大幅に向 上し、観光にも必ずプラスになると思います。市長の肝っ玉の見せどころでございますので、期待をいたしまして、本日の大綱質疑を終了いたします。ありがと うございました。

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