○松本光治 委員長 次に、請願第2号堺市教育活性化プラン「高校教育のあり方」についてを議題といたします。
本件についてご質問はありませんか。
◆水ノ上 委員 皆さん、ご苦労さまです。プロジェクト堺の水ノ上です。4年間、文教委員会で皆様方とともに、さまざまな議論をしてまいりました。任期
中、今回が最後の文教委員会となります。最後にこの請願、私も2年ぐらい前から高校教育改革、堺の高校のあり方について議論をしておりましたけれども、今
回、9万995名の署名をもって請願が提出されました。これについて皆様方とは立場、厳しい立場になるかもしれませんけれども、質問をさせていただきた
い、このように思います。
昨年の9月議会におきまして、あれは9月19日でしたけれども、この文教委員会で議論をいたしました。7月に堺市教育活性化プランが示されまして、わず
か2カ月後、文教委員会が終わった2日後の9月21日だったと思いますが、この堺市教育活性化プランが決定されて、堺市立商業高校、堺市立工業高校、さら
に第二商業、第二工業の4校が統合され、1校へと統合される。このようにされた。
そのときも議論をしたんですけれども、改めて議論したいのは、この高校教育改革について私は申し上げたとおり、9月の文教委員会でも要望といたしまし
て、本市がめざしている商業・工業教育の融合ではなくて、むしろ、この教育主義をさらに特化させていくという方向性があって、そちらの方向性の方がより望
ましいのではないかと提言させていただいた。先日、大阪市においてスーパー商業高校、商業高校の改革としてスーパー商業高校を設置していくという記事が報
道されておりましたが、その内容を見ますと、私が9月の議会で皆様方に提案申し上げた、その内容のとおりの高校を商業高校として大阪市が設置しようとして
いる。なぜ、私は堺市、こういう大胆な方向性が立てれなかったのか、このように残念に思ったわけでございますが、堺市の高校教育改革の方向性は、発展的な
統合とは言いながら、単に縮小・再編にすぎないと、このようなものではないかなと、このように思うわけでございます。
9月以降も教育委員会ではさらに検討が進められ、この2月には堺市高校教育改革推進会議より報告書が提出され、新しい高校の教育課程などが公表されまし
た。私も中身を拝見いたしました。私は、公認会計士、税理士ということもございますので、特にその中の専門科目はどうなっているのかということを見ました
けれども、専門科目におきましても、単位数が減っている。また、専門科目以外の国語の時数、単位などについても減っているのではないかということから、
きょうもたくさんの堺市の関係者が傍聴に来られていると思いますが、その方々等の反対の意見と一にしますけれども、一体どこが発展的なのか、このように思
います。
今回つくられた教育課程からは、現在の商業高校のままでも改革は十分にできるのではないか、あえて商業高校と工業高校を統合しなければならない理由はどこにあるのか、まず、このことからご説明ください。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 あえて統合しなければ実現できないことでないのではないか、そういったご質問でございます。現在、時代の大き
な流れとともに、全国各地で私どももそうですけれども、高校教育改革は進められております。私ども堺市教育委員会といたしましては、高校改革の方向性とし
まして、1つの専門教育を施す高等学校ではなくて、複数の学科、専門分野を融合・連携するとともに、進学希望などに応じた教育システムを持ち、生徒のより
幅広い学習希望にこたえる高校を設置する。そういった方向性から、単独のままの改編ではなく、2つ、商業と工業の教育資源を有効に活用することが可能とな
る。そのような学校を設置してまいりたいと考えてございます。
ただいま、先ほどお示しをさせていただきました教育課程等の報告書のお話もございましたが、その報告書のとおりでございますが、教育課程の編成、教育課
程の検討にあたりましては、生徒のより幅広い専門性、そういった学習希望、そういったものにこたえられるように、現在、最大限の授業確保を図りまして、多
くの専門科目、そういったものを勉強したいという者には学べるようにしてございます。また、大学進学したいといった者についても、そのような必要となる普
通科目を学べるように編成・検討いたしました。さらに3つの学科を持ちますので、学科を超えた学び、そういったものも学科の枠を超えて、希望する生徒には
勉強できる。そういった教育システムをつくってございます。そういうところから、この現4校の教育資源も生かしながら教育を実施してまいりたいと、かよう
に考えてございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 今のお答えから、この学校を統合し改革していくためには、なぜ、そういうことをするのかということは私なりに3つの方向性があるのかな
と思ってます。1つは生徒たちの進学希望にこたえること、もう一つが専門を深化させること、そして生徒のより幅広い学習希望にこたえること、それは学科の
枠を超えたということもあるんでしょうけれども、1つ目の進学希望にこたえるためという理由のためには、特に統合は必要ないと思います。また、専門を深化
させる目的という意味でも、1つの商業高校、工業高校を統合するなく、1つでやっていっても十分対応できるだろう。最後の生徒のより幅広い学習希望をかな
える、これは商業科、工業科の枠を超えて専門分野をとることができるということでしょうけれども、これは生徒に何かアンケートでもとったことあるんです
か。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 私ども、今回の高校教育改革にあたりましては、さまざまなところから検証、また先進事例について学んでまいり
ました。現在、私ども、先ほど申し上げました、大きく世の中が変わっている。そういった中で、商業高校、工業高校をこれまで設置してきた本市の地域性、そ
ういったものを考えまして、現在のような方向性を出した次第でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 生徒の幅広い学習希望ということがあるんですから、生徒にどういうふうな今後あるべき姿といいますかね、そういうことをお聞きした上で
やったのかということをお聞きしたんですけれども、そういうことは恐らくないだろうと思うんですが、ただ、皆さんにお聞きしたいのはね、堺商は現在でも資
格や検定または競技大会などで非常に優秀な成績を上げていると聞いております。このようなことはご存じですか。ご存じであれば、ご披露ください。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 委員お示しのとおりでございます。堺商業高等学校はワープロ等で、この10年、日本一ということを聞いており
ます。また、資格関係をとりましても、私ども把握しておりますのは、例えば全商・日商の簿記を初めまして、さまざまな資格を生徒が取っているということは
伺ってございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 そのとおりでして、このパンフレットを見ますと、ワープロ競技でも大阪大会では団体優勝、20年連続優勝、またプログラム競技大会でも
非常に優秀な成績、また珠算競技大会でもそう、今、お答えいただいたとおり、全商の1級、また情報処理の1級でも大阪府下の平均をはるかに上回るようなす
ばらしい成績をおさめているというふうに聞いております。そういう意味から、それは生徒と先生たちの不断の努力であったんでしょうけれども、ここで、そう
いうふうな状況の中で、どこに改革が必要なのかなと思うんですが、お答えいただけますか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 委員お示しのとおり、世の中は非常に大きく変わっておりますけれども、教職員の不断の努力によりまして、現在
のような栄光ある成績を残してございます。このことは、工業高校も同様でございます。ただ、世の中が非常に大きく変わりました。そういった変わった中で教
職員の方々は頑張っていただいておりますけれども、その教職員一人一人の努力では、なかなか解決できないところもございます。今の改革は、そういった部
分、教員の授業改善とか学校改善を含めまして、より根本的なところから枠組みとして、あるいは仕組みとして変えていかなければ、なかなか現在の状況には、
あるいは時代に応じる学校にはできない。そういったところの意味からの改革でございます。ご理解いただきますようお願いいたします。以上でございます。
◆水ノ上 委員 時代の流れと言いますけれども、時代の流れのとらえ方というのは人それぞれでありまして、教育委員会のとらえ方と私のとらえ方はまた違
う。私は先ほども申し上げたとおり、専門分野に特化して優秀な人間を育て上げる、そういうとこからスーパー商業というのも一つの道だということを申し上げ
た。ただ、例えば堺市立商業高校が大阪府の中でも平均を下回り、レベルが低く、大きな改革をしなければ、これはもとに戻らないという、そういう意味で廃校
して統合しなければだめだというようなことであれば納得できるんです。しかし、先ほどお答えいただいたとおり、現在でも大阪府下の商業高校の中でも非常に
すばらしい成績を残してる。そういうところから、私は堺商には先生、教員、生徒ともに、改革しなければならないところはあると思います。しかし、このよう
なすばらしい成績をおさめる学校であるならば、教員と生徒みずからで改革をするポテンシャル、潜在的能力というのはあると思うんですけれども、いかがです
か。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 先ほどもご答弁させていただきましたが、こういう時代の中で先生方はできることを、授業改善ということで日々
努力をされております。そういった中では、今、委員がお示しのように、もちろんその中でも先生方、改善・改革していっていただけるものと信じてございま
す。以上です。
◆水ノ上 委員 要はね、統合しなければ改革できないものなのか、単独でも改革できるような、今ポテンシャルがあると私は思うんですけれども、教育委員
会事務局、堺市立工業は単体では高校では改革は無理だ、統合しなければならない。そこのところをもう1回お答えいただけますか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 先ほど、1つの専門学科ではなくて複数の専門科目、専門教育を融合・統合して1つの学校としていくという、そ
ういったお答えをさせていただきました。今回、私どもは、そういった方向性に沿いまして、単独改編ではなく、そういった1つの専門科目をただ深くではなく
て、複数の学科をもって、そしてさらにその中では工業・商業、こういった時代でございますので、ものづくりから流通まで、そういったものを見通した、いわ
ゆる融合科目あるいは1年生、2年生のうちに商業・工業の基礎を学べる、そういったことをしながら進めたいと考えてございます。それにはどうしても伝統あ
る工業高校、商業高校の教育資源が必要であったと、そういった意味でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 そのためにね、私は3つの最初、改革の方向性があるのかなと思って、1つ目は進学希望にこたえるため、2つ目は専門を深化させる目的の
ため、もう一つが今おっしゃった、そういう幅広いというのは、これね、私が考えるには、3つ目の理由ですよ。ほかの2つ、進学希望というのは、これを見ま
したら、立派な進学成績も残しております。また、資格・試験、そういう専門的な分野も非常に優秀だ。この方向で改革をしていけば、必ず、この高校というの
はできるはずなんです。おっしゃってるのは、統合しなきゃできないところは、学科間、工業科、商業科の中で専門分野を、取りたいものが取れるとか、そんな
範囲だけでですね、そしたらそのためにアンケートでもとられたのかって聞いたら、別にお答えにならなかった。だから、本当に子どもたち、生徒たちのニーズ
に従っての発展的な改革なのか、これが大きな疑問に思うわけです。
さらにね、先ほどお答えいただいた中には2つの教育資源を有効に活用すると、このようにおっしゃっておりますけれども、2つの教育資源、市立商業高校、
市立工業高校という教育資源2つを1つにして、確かに有効的に活用できるのかどうか。例えば2つの会社を合併します。経営資源が全然違う会社を合併したと
ころで、うまくいかない例なんかたくさんあります。1つの例を挙げましたら、市立商業高校、堺商は女生徒は約8割でしたですね。逆に、市立工業高校は男子
生徒が8割ぐらいいらっしゃるということで、教育環境も全然違う。堺商の女の子を持つお母さんに聞きましたら、堺商というのは、たくさんの女の子が行って
るから、うちの子どもは引っ込み思案やけれども、行かせやすい。そういう方もいらっしゃる。そういうニーズもあるんです。別にエリートにならなくてもい
い、商業でしっかり勉強して、そこから就職するなりやっていってくれればいいと、そういうお母さんというか、生徒たちもいるわけです。そういうふうなニー
ズもあるわけですね。そのような方々が商業高校に入って工業の学科をとりたいかといったら、必ずしもそうでもないだろうし、それよりも、本当に社会に出
て、即戦力になるような学問なり専門性を身につけさせる方が有用だと、このようなことを思うわけです。
もう一つ申し上げたいのは、今回の堺市高校教育改革推進会議が出しましたこの報告書ですが、このカリキュラムについて、現場の先生方とも少し話をいたし
ました。これは一体どうだと、これは今から改革すればいいことですから、ここでどうのこうのということではありませんけれども、しかし、これを見てです
ね、今の資格なり専門性なりというのは、かなり後退するだろうと、1年生、2年生の間で専門的分野をしっかりしなければ、3年生になって選択科目でいろい
ろやったところでもう遅いんだと、このような意見がございましたが、そういうふうなことも含めて、現場の教員の先生らと議論したことございますか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 お示しの報告書でございますが、この報告書は1月の半ばに案として公表・提示をいたしました。高等学校の先生
方には1月の末に4校に参りまして、ご報告させていただくともども、ご意見を伺いました。以上でございます。
◆水ノ上 委員 このカリキュラムにつきましてはね、平成20年開校ということですから、それまでに悪いところは変えたらいいと、そういうことで参考に
だけしていただいたらいいですけれども、もっと現場の先生らとコミュニケーションとってやっていただきたい。聞くところによりますと、何か一方的にこうし
ます、ああしますと言うだけというふうに聞いておりますのでね。その点、ご指摘させていただきたいと思います。
続いてご質問したいんですが、昨年の9月に高校教育改革というふうにして決定されたわけですが、4校の統合を決定されるまで、今まで10年間なら10年
間でも結構です。この市立商業高校、市立工業高校について、どのような改革を教育委員会みずからしてきたのか、お答えください。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 教育委員会では、市立高等学校に対しましては、やはり生徒の成長を願いまして、教育環境の充実、そういったさ
まざまな問題点につきまして、窓口となる校長先生を通じまして、教職員の方々とも連携をとりまして、教育施策を進めてきてございます。月に1回開かれる校
長会とか、あるいは教育課程のヒアリング等々におきまして、学校の状況もお知らせをしていただいてございます。私ども、そういった意味から、今回の高等学
校のさらなる、高校教育のさらなる充実に向けて必要とされる、そういった教育を施してまいる決意でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 この統合に至るまでの議論というのは、非常に、言うたら2カ月間しかなかったわけで、唐突感が否めなかった。今まで何か改革した後で、
もうどうしようもないから統合するというのであれば納得しますけれども、そういうことが本当にあったのかどうか、具体的に市立商業高校、堺商に対してです
ね、こういう改革をしなさいというような具体的な指導とか、そういう意見とか、今までされたことはありませんか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 改革という言葉は、先ほど少し申し上げましたように、私ども、やはり枠組み、根本的なところから変えるとい
う、そういったことと理解してございます。そういった意味では、小さな授業改善も小さな改革になるかもしれませんけれども、そういったものにつきまして
は、教育委員会と学校と協力しながら進めております。以上です。
◆水ノ上 委員 10年ほど前になりますが、これもお勤めの先生から聞いた話ですが、堺商の側から改革として学科制を導入してほしいというふうな申し入れが教育委員会にあったと聞いておりますが、その点ご存じでしょうか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 覚えておりません。私、記録でも見たことございません。以上でございます。
◆水ノ上 委員 これは複数の教員の方から聞いた話ですが、現場サイドで専門の深化を図るため、また資格・検定取得のため、また進学希望のそういう希望
にこたえるために、例えば総合学科、会計学科、また情報処理学科というような学科制をしいて改革したいという申し入れが堺商の方から教育委員会にあったと
聞いたんですが、ご存じないですか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 私、存じ上げておりません。以上でございます。
◆水ノ上 委員 これ以上言っても仕方ないんですけれども、私の聞いた範囲内ではね、学科制をしくことによって、より専門化ができる。しかし、そのため
には加配が必要だというところから、教育委員会の方に却下されたというふうに聞いております。これ、ご存じのある方、どなたかいらっしゃいませんか、そう
いう10年ほど前、ちょうど堺商が建て替わったときに、そういう申し入れが堺商の方から教育委員会にあったというふうに聞いておるんで、複数の先生が聞い
ておるんですけれども、ご記憶のある方、いらっしゃいませんでしょうか。
◎原田 教育政策担当部長 ご質問の件につきまして、私もちょっと記憶はないんでございますけれども、ちょうど10年ほど前といいますと、平成8年、9
年、10年あたりになるんかなと思うんですけれども、ちょうど平成10年と申しますと、堺市の教育委員会でさまざまな高校教育を含めて教育の抜本的な改革
をしようということで、教育改革審議会というのを立ち上げた時期のころか、もしくは少し前かというふうに、今お聞きをしたんですけれども、当然、そういう
ご意見が仮に現場からあったとすれば、当時から高校現場においても大きな課題があるという現場もそういう認識を持っておられたと、それに向けて教育委員会
として、そういった審議会を立ち上げながら、抜本的な改革をするために、その時点からさまざまな議論が始まったというふうなことで、今回の活性化プランで
お示しをしたような中身につながっていくものだろうと、このように今お聞きをさせていただきました。以上です。
◆水ノ上 委員 それは、たしか1994年から95年にかけての話だと聞いております。進学希望にこたえたい。子どもたちの資格、そういうものに何とか
後押ししたいということから、学科制を申し上げたけれども、教育委員会には取り上げてもらえなかった。そのために現在のこのコース制というのがあるわけで
す。総合コース、情報コース、簿記コース、こういう形でやってるわけですね。学科制が認められなかったから、今のこういうコース制がされたというふうに私
は聞いております。
10年前に、もしこの学科制が、一方的な話で皆さんは記憶にないという前提で進めても仕方ないんですが、もし、学科制ということが教育委員会に提案され
て、それが通っておれば、今の堺商、市立工業高校もそうかもわかりませんが、もっと発展し、優秀な成績をおさめておったんじゃないか、また現在、こういう
形で廃校にして統合するというような議論にならなかったんじゃないだろうか、このように思うわけです。
10年ということでね、去年の9月22日の朝刊を見ますと、21日、教育委員会があって、それで決定された次の日の朝刊ですが、高橋教育長はこのように
コメントされています。商業・工業の枠では、生徒の希望にも産業界の要望にもこたえられない時代になっている。10年後では遅く、今改革が必要と判断し
た。また、阪之上委員長もこのようにコメントされています。反対意見は尊重しなければならないが、10年先を考えると、現状を放置できないと、このよう
に。
10年前に実際、現場から本当は改革してくれという声があったかもわからない。それを放置して今の状況で10年後、堺商の存続が危ぶまれるから、今やら
なければならないということでね、本来ならば、現場と皆さんが一体的にやったら、こういう事態にはならなかったんじゃないかなと私は思うんです。
そこで、こういうコメントをされておりますが、10年後では遅くと書かれておるんですが、そういう根拠というものが何かありましたら、今のままではだめだ、10年後にはこのままではだめだというような根拠がありましたら、お答えください。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 改革の経過を見てみますと、少子化が1つ挙げられます。私ども市立高校も府立高校の一員としまして協調して進
んできておりますけれども、全体でそういったもの、生徒の収容にもわたっている。そういった少子化の中で時代も大きく変わったというところからの改革でご
ざいます。今、10年間というそういうところでございますけれども、10年前と、あと10年ということになりますと、時代の変化が非常に予測がつきませ
ん。そういった意味で現状、一番、今ですけれども、先ほど委員のお示しのように、今現在、学校の方もまだ元気でございます。そしてまた、そういったところ
で、先ほどお話のありましたように、より多様な、私ども単独の生徒ではない、より多様な生徒をこの学校に入れて、そして進学するなら進学対応の科目をつけ
ていこうと、就職するなら就職対応の科目も多く、今までより以上に多くとれるようにしていこう。そういった意味からの改革でございますので、ご理解いただ
きますようお願いします。以上です。
◆水ノ上 委員 例えば新しい高校に移るときに、今の商業高校では5クラスあります。200人の定員の中で100人以下になるでしょう。100人以下、
200人の半分にしてしまい、多様性も何もない。本来なら、ふやして多様な学校にするというんならいいですよ。6クラスに分けて、今の総合学科、情報処理
学科、簿記学科、この3つをつけて2クラスずつにして、それの中でいろいろな多様性のある学習をしようというならわかりますけれども、2クラスにして1つ
の学科しかない。マネジメント学科でしたか、しかない。その中でどうやって多様性が生きてきますか。少ない人数で多様性、一人一人じゃなくて200人、今
の200人、もっとふやして240人、6クラスにして多様性を持たせる。堺市の子どもたちが通う高校ですから、そういうふうな方向性になぜ進まなかったの
か。考える方向性、ベクトルが違います。私はもっと専門化したりして、すぐに社会に役に立つ、また進学に役に立つ、今の優秀な成績をおさめてるのをもっと
さらに発展させる。このような方向に進むべきところを、人数を減らして、多様性に対処させるといったところで、ぴんとこないわけであります。そういうよう
なところから、非常にこの統合には疑問がある。
さらに、最後の質問ですけれども、商業高校の跡地についてですが、先日、大綱質疑で私どもの会派の三宅議員が質問をいたしました。そのお答えに、商業高
校の跡地については、大学等の高等教育機関を誘致するというふうにご答弁されました。しかし、今、教育委員会の皆様方が所管し、任されているのは商業高
校、工業高校2つ含めてなんです。それをみずから、1つを統合することによって、みずからは閉鎖し、それに対して、そこを民間の学校ですか、そういうもの
に任せる。これは、文字どおり取れば、本来、皆様方が2つの高校を改革すべきだったのに、2つを1つにして、1つ余ったから民間に任せますよと、教育の放
棄になりませんか、責任を放棄してることになりませんか、いかがですか。
◎三浦 教育改革推進課高校改革担当課長 市立商業高校の跡地につきましては、市長部局と教育委員会が連携し、大学等高等教育機関の誘致を進めていくこ
とにしております。商業高校の跡地、校地を大学等が活用することにつきましては、市域における総合的な教育力の向上、さらに都市活力の向上につながること
になる、そのように考えており、教育環境の向上・充実をも期待できる。そういうものと考えております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 私はね、皆さん、みずから改革に取り組んでほしいんです。それは、2つを1つにして、1つ余ったから、ほかの民間のだれかに任せるとい
うことではなくて、皆様方は任されているんですから、教育委員会みずからが堺市の教育をどうするかということを考え、手を打ってほしい。そうでないと、現
場の先生方の士気は下がります。要は、商業高校に限ったら、規模を半分以下にされるわけです。先生も半分以下にされる。なぜか、それで商業高校の跡地には
民間の大学が来たところで、そこで働く人の先生方の士気は下がる。このように思います。他人任せとか、そういうことでなくて、本当は皆様方に知恵を振り
絞っていただいて、お金はかかりますよ、20億円、今回の予算も20億円超かかってますかね、かかります。しかし、前々から私はこの場で申し上げてる。苦
しいときこそ、教育にお金かけなければならない。例えば20億円が半分の10億円になったところで、堺市の子どもたちの学ぶ場が、行きたいという子が半分
になれば、それは将来、毎年、卒業生は200人、何百人と出てくるわけです。今の卒業生も2万人、2万人超えるんです。これが半分になったら、将来的に堺
市の経済に大きな陰りができるのではないか。跡地にどんな大学が来るかもしれません、どんな高等教育機関が来るかもわかりません。しかし、皆さんはみずか
らね、改革をするんだという気概がなければ、何も成功することはない、このように思います。
最後に、高橋教育長にお聞きいたしたい。高橋教育長のもとで、この高校教育改革が進められてまいりました。私は今まで議論してきたことから、このまま堺
商が廃校され、4校が1校に統合されるようなことがあれば、今まで議論したとおり、禍根を残すのではないかと非常に心配しております。皆様方の新しい高校
1校にかける意気込みはわからないでもないですが、規模的なことからもそう思います。間違いなく、それは将来的に客観的な数字としてあらわれてきます。進
学率もそう、また競技会による成績、その他の資格の検定とか試験とか、そういう具体的な数字にもあらわれてきます。
高橋教育長とは文教委員会でこのような議論を交わすのは、きょうが最後でございますので、いわば、高橋教育長の置き土産となるわけでございますが、私は
今まで議論してきたとおり、この統合には反対の立場をとっております。そこで、本日は堺商の関係者も多く傍聴にお越しになっております。高橋教育長からご
見解をお聞きしたいと思います。お願いいたします。
◎高橋 教育長 これからもこの高校改革については、それこそ、議会の皆様方とも挙げて議論をしていかなければなりませんので、これが最後ということに
してはならないわけでございますが、私は、お問いかけをいただきましたので、なぜ、この10年後では遅いのかということについてお答え申し上げたいと思い
ますが、これはもうご存じだと思いますけども、商業科あるいは工業科ですね、高校に進まれる児童・生徒の数値を見てみますと、昭和40年と比較をいたしま
して、商業科に進まれる子どもさんが30%になってるんですね。委員からもお示しのとおり、その大半が女性と、こういうことでもございます。工業科を見ま
すと、その40年と比べますと、約50%ぐらいになっておりまして、子どもの絶対数ももちろん減ってございます。70%ぐらいになってるんですが、比較に
ならないぐらいですね、商業科、工業科への進学者希望数が減っているというこういう現状、つまり子どもたち自身にとって、まだ自分の進路を考えるのに、結
論出すのは早いなという15歳のときに、いや、もうあなたは商業科で将来の道をこんなふうにしたらどうだろうか、そういう道がありますよというだけでは、
これはなかなか子どもたちのニーズに合わせていくことはできないんではないか、まずこれが1点です。
それからもう一つは社会が求めてるもの、これはもうきょうここでこれ以上議論をいたしませんが、少なくとも、工業や商業が100年前、80年前に設立さ
れたそのころと比べまして、社会が学校に求めるものというのはうんと違います。本当にこの工業と商業が果たしてきた堺にとって、もっと言えば、大阪、日本
の発展にとって果たした役割が大きければ大きいほど、私は余計にですね、今ここで改革をぜひ進めなければ、その歴史を私は本当に諸先輩が築き上げてこられ
たことについて、きちんと後世の私たちが引き継いでおこたえすることはできなくなるんではないかと、これは今の教職員の責任だとか、児童・生徒の皆さん方
の責任では全く残せない、つまり改革すべき課題が目の前にありながら、それに着手しなければ、その着手しなかった者の責任が問われる。それは私の教育委員
会ではないのかと、そういう不退転の決意で、この改革がそれにふさわしい内容かどうかについてのご議論、ご意見、これは今後とも賜ってまいりたい、このよ
うに思ってございます。以上です。
◆水ノ上 委員 もちろん、この高校改革については、私も議論してまいりたい。次も必ずここに戻ってきますので、ここで議論していきたいと思いますが、
今の教育長のお言葉をいただいて、非常に格調の高いお返事をいただいても、なぜ、この2つを統合しなければならないか、ここについては私はなかなか納得で
きない。今の商業高校、工業高校でほんまにできることがなかったのか、あるはずなんです。今の、私はここに至るまで、いろいろな商業高校の先生、工業高校
の先生にお会いしました。その一人一人の熱意、そういうことをもってしたら、必ずこの2つの学校で改革はできるはずなんです。いろいろ時代の流れと、それ
はあります。しかし、そんなものは、言いわけにするなら幾らでもできますけれども、それを乗り越えて改革できるものは必ずあるはずだ。それをまず統合あり
きで進んでるのではないか、行財政改革の一環として2つを1校にして、1校をどこかに貸すか譲るかにしてやるか、そういうことではないかなと、多くの人が
疑問に思ってるわけです。
なるほど、改革というのは耳ざわりはいいし、カリキュラムを見ましても、それなりのことは書いております。しかし、何度も申し上げるけれども、本当にも
う1回、この2つの高校で改革できないものか、それを、そういう思いで、こういう9万人を超える方々が請願を出され、我々も応援しているわけでございま
す。どうかそういうところをお酌み取りいただきまして、委員各位にもご配慮いただきますよう申し上げて、私の質問を終わります。以上です。
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