◆水ノ上 委員 皆さん、お疲れさまです。プロジェクト堺の水ノ上成彰でございます。本日はプロジェクト堺を代表いたしまして総括質疑をさせていただきます。今回は2点にわたって、2点の観点からご質問いたします。
昨年の6月、全国の自治体に衝撃が走りました。なぜかといいますと、夕張市が財政再建団体の申請をした。実質上、破産をいたしました。昨
年の6月でございました。この理由といいますのは、炭鉱のまちから観光のまちへということで、大型投資、テーマパークや、またスキー場などの大型施設を建
設し、その建設の需要予測が非常に甘かった。また、やみ起債などのことによって粉飾まがいの決算をして赤字を黒字と見せて、わずか1万3,000人の市民
で標準財政規模が44億にもかかわらず、630億の起債残高、借金残高を残して返済ができなくなり、財政再建団体へとなったわけでございました。
大型箱物の投資に対する甘い需要予測、そのツケが、非常に重いツケがついてまいりまして、日本の中で最低の行政サービスしか保障されな
い。再建には20年以上かかるそうでございますが、例えば市長の給料は86万2,000円から25万9,000円と落ちたと聞きますし、助役も24万
9,000円、教育長も23万9,000円になったと聞きます。また、市会議員も18名が9名に削減され、月額の歳費も18万円となったと聞いておりま
す。その議員とか市長とか、それぞれも重い負担を負うんですが、市民はさらに厳しい20年間を過ごさなければならない、こういう状況。この夕張市にかかわ
らず、全国にも非常に財政上厳しい市がございまして、放漫経営のツケというのは、市民を非常に厳しい生活に押し込むんだということを思い知らされたわけで
ございます。
さて、堺市でございますが、起債残高は、10年前は約4,500億円、現在は臨時財政対策債を含めまして約6,000億円ございます。こ
の10年間で1,500億円の起債残高がふえました。この内訳は主に下水道で1,000億円の増加がございまして、また美原町との合併によって222億円
を引き継ぎましたので、そのほかの起債残高を見ますと、ほぼ横ばいか、そういうようなことでございますが、堺市の税収はといいますと、平成9年の
1,396億円を頂点に減少傾向にございまして、平成18年の決算見込みでは1,224億円、平成19年度予算では1,292億円となっておりまして、約
68億円の今回の予算では増加が見込まれておりますが、68億円のうち60億円が個人市民税の増加、個人市民税の増加がなぜ起こってるかといいますと、決
して個人の給料がふえたわけではなくて、税源移譲と、また所得税の増税による追随した法人市民税の増加によって60億円がふえてるわけでございます。
堺市の景気は回復してないという証左は、法人市民税を見たらわかるんですが、昨年、平成18年度の決算見込みでは、124億円の法人市民
税でございますが、今期予算に計上されております法人市民税は122億円と、逆に若干減っております。法人税については、そういう増税、減税とか、特に大
きなものはございませんでしたので、去年と比較して、そういう横ばいと、若干減る状況。また、市民の総所得、市民の方々が給与所得や年金所得、譲渡所得、
要は懐に入った課税所得の総合計は、例えば平成13年度、5年前では1兆1,315億円ありましたのが、平成18年度は、これは美原も含めてですが、1兆
1,123億円となりました。この減った理由は、高齢化が進んで給与所得者が減り、年金所得者がふえたことであろうと思いますが、そういうことから、今ま
で申し上げたことから、決して堺の財政状況は良好なものではなくて脆弱と、ここで先ほどの議論にもありましたけれども、人口減少、高齢化が進む中、これを
何とか歯どめをかけなければならない。こういう状況の中で、今回の予算がくまれてるわけでございます。
さて、こういう予算、こういう財政状況を前提といたしまして、さきに箱物行政というか、大型投資についてご質問させていただきたいと思っております。昨日来、いろいろと議論がございましたが、できるだけ重複は避けて議論をさせていただきます。
《LRTについて》
まず、LRTについてでございます。LRTは、平成19年4月、この4月ですが、事業者は決定して基本計画を策定し、国の事業認可をされると、平成22年の開業をめざしていると聞いております。
まず最初にお聞きしたいのは、このLRTの早期開業区間、堺駅と堺東駅の1.7キロにわたる総工費、いわば事業というのは大体幾らぐらいになるのか、また、その詳細についてはいつごろ明らかになるのかお答えください。
◎伊藤 鉄軌道推進担当課長 現在行っている公募によりまして、4月末には経営予定者が決定いたします。その後、この経営予定者と軌道施設の仕様、数量などにつきまして協議をして、概算事業費を算定し、市民の皆様にお示しいたします。以上でございます。
◆水ノ上
委員 今のところ、概算の事業費も公にできないということでしょうけれども、仮にいろいろうわさを聞いた中で、妥当な線であろうと思うのは、大体総工費
100億円ぐらいといたしまして、総工費100億円と仮にした場合、その負担というのはどのようなことになるのか、事業スキーム、公設民営について改めて
説明いただくとともに、お答えいただけますでしょうか。
◎伊藤 鉄軌道推進担当課長 国庫補助金といたしましては、対象施設によりまして、補助率が2分の1、3分の1、4分の1とございます。今後も国との協議を進め、市の負担が少なくなるよう努めてまいります。
◎
田村 鉄軌道企画担当課長 公設民営方式というご質問でございますが、公設民営方式とは、公共が施設の建設・保有を行い、民間事業者が運営をするという
もので、効率的・効果的な建設・運営を行えるものと考えております。また事業費につきましては、先ほどに申し上げましたように、その削減を図ることはもと
より、国等の財源確保につきましても、効果的に国の制度を活用いたしまして、本市の負担、すなわち市民の皆様への負担軽減に努めてまいります。以上です。
◆水ノ上 委員 仮に100億円とした場合ですね、大体どのくらいの堺市の負担になるのか、お答えはいただけませんでしょうか、どうですか。
◎
山野 鉄軌道担当部長 先ほど課長が申しましたように、これから経営予定者、それと市民の皆様のご意見を伺って事業費を決めるわけですが、委員ご指摘の
100億という金額は、我々もまだ想定してございません。それとあと、国の補助金でございますが、この19年度にも新たな制度の拡充が行われております。
それらも協議によりまして、これから、今後ですね、国と詰めていきたいと考えてございます。
◆水ノ上
委員 お答えは、もう仕方ないといたしまして、補助金等々によって3割ぐらいは負担していただける。堺市の負担は7割ぐらいかなと、私はいろんなことか
ら思ってるわけですが、後でこの議論を少ししたいと思いますけれども、先にですね、この公設民営を前提として軌道経営を民間事業者に任すわけですけれど
も、採算性についてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
◎
田村 鉄軌道企画担当課長 早期開業区間の需要収支につきましては、先ほどから申し上げてるとおり、公設民営方式でありますので、建設費の償還が伴いま
せん。シャトルバスとほぼ同様のサービス水準で、現在の南海堺シャトルバスとほぼ同様の利用者であります1日5,000人から6,000人程度の需要があ
れば運営の収支均衡が図れるものと考えております。また経営に関しましても、公設民営の事業スキームを前提としていることから、運賃収入で事業者が独立採
算で行っていただくこととしております。さらに、民間の経営ノウハウを生かして、将来的にも安定した健全経営を行っていただけるものと考えております。以
上です。
◆水ノ上
委員 今、シャトルバスとほぼ同様の水準で5,000人から6,000人ということでしたね。シャトルバスが5,000人から6,000人であれば、今
やってるんですけれども、それであれば収支とんとん、均衡が図れるということですけれども、ここで問題にしたいのはね、最初におっしゃってた建設費の償還
は行わないということですが、これに仮に民間の企業が全部やった場合は、この建設費というのはすべて自分ところで償還していくわけですね。こういう公共が
やるから、すべて起債をすることによって建設をすると。あとの経営については、その事業と見合うだけのことをやると、事業費と見合うだけの収入さえあれ
ば、収支均衡するという議論ですが、そういうことをやっていけば、例えば先ほど言った100億あって70億のものがもしあれば、70億がすべて堺市民がす
べて負担するわけであります。
それで、この1.7キロの間の区間の鉄軌道ですが、これが堺市民全部で負担すべきものなのかどうかということを一度議論する必要があるの
ではないかと、この建設にかかわる数十億円というものは、受益者負担、乗った人が幾らかでも返済、借金の返済、起債の返済に回していくようにすべきではな
いのかと、このように思います。そういうことでないと、なかなか借金は減らない。先ほど需要見込みという話をいたしましたが、需要見込みが落ち込めば、す
ぐに赤字になる。そういうことではなくて、ある程度、建設費の償還も含めた上で料金の設定が必要になるんではないかなと、このように思います。
例えば、このLRTが1日1万人の利用者がいたといたしましたら、もし償還として50円上乗せしたといたしましたら、年間で1億
8,000万円ぐらいの金額が計上されます。LRTという車体は税務上は耐用年数20年、恐らく20年だと思うんですけれども、その軌道、線路は耐用年数
は約15年です。ですから、普通の企業であれば、15年から20年でこれを償還するんですね。例えば50円の上乗せをして、20年間、これを毎年続けてい
けば、約35億円の金額が乗った人からいただける。先ほど言ったのは、もし100億円投資をして、そのうち30%は補助金で賄ってもらって、堺市の負担が
70億円、すべて公共で持つんではなくて、市民が負担するのではなくて、そのうちの半分でも乗った人が負担をするというような料金設定をすると、そうすれ
ば、20年後には35億円浮いてくるわけですから、それで次の投資ができると、これが民間の発想ですけれども、そういう発想を持っていただきたいと思うん
です。
需要予測というのは変動します。そこで、そういうふうな料金設定をした上で、例えば100円の区間を150円にする。それでも1万人以上
が乗っていただけるというような予測を立てた上でこの建設に着手をすると、そこまで読み込んでやらなければ、バスと同じぐらいの乗客数で収支均衡しますか
ら、これでいいですわとなったら、需要が落ちれば、即座に赤字がふえていくと、こういうふうになります。ですから、その点を気をつけていただきたい、そう
いう面も含めて需要予測をしっかりした上で、こういう建設をしていただきたいと、このように思うわけであります。
続きまして、同じそういう大型投資の一つとしてナショナルトレーニングセンターについてお聞きをいたします。
これも昨日来、いろんな方のご質問にあったんですが、整備事業費は19年度から約25億円、債務負担行為が42億円ということで、総額が
67億円となっております。この事業の内訳について改めてお答えください。また、堺市が負担する金額としてはどのくらいになるのか、あわせてお答えくださ
い。
◎
倉 企画部参事 今、委員の方がご指摘ございました総額67億ということでございますが、その内訳につきましては、市民が多様なスポーツやレクリエー
ション活動を楽しめる拠点を創造するために、サイクリング、ウオーキングコース、また屋根つきスポーツ広場、多目的スポーツ広場をナショナルトレーニング
センターと一体的に整備をしていくと、こういう考え方のもと、19年度の当初予算、また債務負担行為の計上をさせていただいているものでございます。
本市の費用負担ということでございますが、大阪府は、19年度の当初予算で本事業に対して6億円の補助金を計上していただいてございま
す。そのほかにつきましては、これまでの協議経過を踏まえまして、今後細部の調整を行っていくということでございますが、本市は必然的にそれらの差額にな
るということであろうと思います。今後、設計・入札等により、その金額については変動するものであるということについてご理解をお願いしたいと思います。
以上です。
◆水ノ上 委員 その負担については起債で対応するんですか。
◎倉 企画部参事 ご指摘のとおりでございます。起債を効果的に活用し、運用してまいりたいと思います。以上です。
◆水ノ上 委員 恐らく67億円のサッカー場と附帯設備を含めてですね、投資のうち、堺市が負担するのは50億円は下らないと思います。これも先ほどと同じ議論なんですけれども、ナショナルトレーニングセンターの採算性についてはどのようにお考えでしょうか。
◎
倉 企画部参事 ナショナルトレーニングセンターの採算見込みということでございますが、平成17年度におけます民間シンクタンクの資産等によります
と、同じ、ほぼ同様の規模を誇りますJヴィレッジ福島の運営状況、またそれに加えまして、年間3,000試合を行うことや、また代表チームの合宿利用、さ
らに物品販売であり、またその他の施設利用の収入などによりますと、ほぼ収支は均衡が保てるものと、このように考えております。これに加えまして、民間企
業の広告収入や協賛のあり方、さらには効果的なPR等についても検討を加え、さらに経営努力を図ってまいりたいと、このように考えております。以上です。
◆水ノ上
委員 今のお答えの中で、収支、ほぼ均衡が保てる予測とございました。これからやろうという時点で、収支がほぼ均衡できるということでは、心もとないん
ですね。今の段階では、収支均衡というよりも、予想というかね、かなり収入が多いというような予測でなければ、需要予測というのは、公共がやれば、必ず、
最初はよくて、だんだん下がっていくんですね。そういうことが多いと思いますので、ちょっと心もとないと思います。
サッカー練習場はこれからも各地で整備がされるということが予想されておりますし、オープン当初は別として、長期的な視点から、10年、20年の視点から採算維持は本当にできるのかについてお答えいただけますでしょうか。
◎
宮脇 財政局理事兼企画部長 今後の採算維持という点でございますけれども、ナショナルトレーニングセンターにつきましては、今後、工事が始まるという
ことになりますけれども、それとあわせまして、早期に管理運営主体を決定するということ、また日本サッカー協会や民間のノウハウを活用しまして、リピー
ターの確保、また多様なスポーツを利用できるための集客の取り組みというのを早期に進めてまいりたいということを考えておりまして、中・長期の運営の安定
化を図るということとともに、将来的には人工芝と再投資も必要でございますし、委員おっしゃるような建設費の償還もできるような形で運営の効率化には努め
てまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◆水ノ上
委員 ぜひ、50億円以上の負担が堺市に見込まれるわけですから、今、部長がおっしゃった償還も含めて料金体系等を考えていただきたい。私はLRTにつ
いても、このナショナルトレーニングセンターにしても、反対の立場ではありません。しかし、先ほど冒頭申し上げたとおり、夕張市とか、ほかの例えば神戸市
なんかもそうなんですけれども、神戸市は非常に借金地獄といいますか、そういうふうに借金地獄と言っておりますけれども、借金で非常に苦しんでる。なぜ
か、昨年オープンいたしました神戸空港が、当初の需要予測では、右肩上がりの予測をしておったんですけれども、最初はなるほど予想を超えて乗客がふえてお
りましたが、一転右肩下がりの乗客しか来ないということで、非常に厳しい対応をされている。
需要予測というのはこういうものでして、最初は、LRTにしても珍しいから乗るでしょう。ナショナルトレーニングセンターについても、き
れいなところですから、やるでしょう。でも、それをずっと続けていくということは非常に難しい。そういうことも含めて、しっかり需要予測をした上で、しか
も投資した施設の資金については、ある程度を受益者から回収するというような考えを持ってやっていただきたい。そうしなければ、ほかの市でもありますよう
に、非常に大きな債務が市民の負担となっていく。もし、このような需要予測、採算性、そういうのを含めてできないのであれば、もう一度原点に戻って考える
ということが必要だと思います。その点、重々お考えいただきたいと思います。
さて、ナショナルトレーニングセンターにつきましては、追加で1問ご質問させていただきたいと思います。昨年の10月の市長のプレス発表
におきまして、北京オリンピックの際には、堺のナショナルトレーニングセンターで日本代表が練習し、北京オリンピックに出発するというように説明されてお
りました。この予算が通れば、そういうふうになっていくんでしょうけれども、スケジュール的に間に合うのでしょうか。また、工事発注の予定時期とあわせて
お聞きしたいと思います。またあわせて、日本代表が練習するには、どのような施設が要るとお考えでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
◎
倉 企画部参事 北京オリンピックの件でございますが、当然北京オリンピックにつきましては、サッカー界にとりまして、それに出場するということになり
ますと、大きなエポックの一つになるものと、このように考えてございます。北京オリンピックへの代表の利用も視野に入れまして、段階的に今後整備を進めて
まいりたいと、このように考えております。
なお、代表が練習をするということになりました場合につきましては、その必要な施設として我々想定しておりますのは、メインとなります天
然芝のピッチ、また雨天でも練習ができますような、いわゆるフットサルの兼用ピッチ、またクラブハウス等があるのではないかと、このように考えておりま
す。以上でございます。
(西村委員長、島副委員長にかわり委員長席に着く)
◆水ノ上 委員 今回の予算案が可決されれば、速やかに建設への準備へと進んでいくというふうに考えてよろしいでしょうか。
◎倉 企画部参事 できるだけ早く工事発注ができますように、鋭意取り組んでまいりたいと思います。以上です。
◆水ノ上
委員 日本代表チームがですね、北京オリンピック直前の練習を堺のナショナルトレーニングセンターで実施するということになれば、絶好のPRとなります
ので、その後の利用増進にもプラスになると思います。私はこのナショナルトレーニングセンターに対しては、もろ手を挙げて賛成するものではありませんけれ
ども、やる限りは、この絶好の機会を逃さずにやっていただきたい。このことを進めるにあたって、先ほど議論いたしました点も十分に勘案した上で、鋭意努力
して進めていただきたいなと、このように思います。以上で1問目の質問を終わります。
《高校教育改革について》
次に、教育関係のご質問をさせていただきます。
文教委員会でも若干の議論はさせていただきましたが、きょうは、もう少し広い観点からお伺いさせていただきたい。教育費、当初予算額の過去3年間の推移と、それぞれの財源内訳について、まずご説明ください。
◎石田 教育委員会総務課長 ここ3年間の教育費の推移と、それぞれの財源についてのお尋ねでございます。平成17年度からご説明をいたします。
平成17年度、教育費当初予算額は243億169万8,000円で、財源のうち、国庫支出金、地方債等の特定財源は52億3,445万
8,000円でございます。次に平成18年度でございますが、教育費当初予算額は241億6,161万9,000円でございます。うち特定財源は47億
9,652万9,000円でございます。平成19年度当初予算案におけます教育費の額でございますが、243億9,247万5,000円で、特定財源は
40億322万7,000円でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 財源といたしまして、国庫支出金等の特定財源が大きく減少してる中、当初予算額はそれほど大きく変わってない。ということは、その分、一般財源として市税等を財源に充て、予算をつけたということだと思いますが、そうですか。
◎
石田 教育委員会総務課長 特に来年度教育費の当初予算におきましては、前年度と比較した場合、特定財源が約7億9,300万円の大幅減にもかかわら
ず、教育費の予算総額は、前年度から約2億3,100万円の増となっております。これは委員ご指摘のとおり、一般財源を充当し、教育予算を確保したという
ことでございます。以上でございます。
◆水ノ上
委員 特定財源が減少する中、一般財源を充当して教育費の予算総額を確保してるということを私は評価しております。教育に力を入れていただいてるんだな
と、このように思っております。その中で、文教委員会でも議論いたしましたが、私は疑問とするところがありまして、それは高校教育改革でございます。堺市
立商業高校、堺市立工業高校及び第二商業、第二工業のこの4校を1校に統合するという案でございますが、昨年の9月21日の教育委員会で高校教育改革案が
決定されて統合が決められた。統合に向けて手続が着々と進められていると聞いております。この議会にも、9万1,000人にも及ぶ署名により請願が出され
ておりまして、先日行われました文教委員会によっても審査されましたが、残念ながら否決をされました。
私は、堺商を初めとする市立高校の今回の統合の問題点は3つあると思っております。1つは、改革は現在の市立商業高校、工業
高校でも十分できるのではないかということ。そのポテンシャルは、潜在能力はあるだろうということです。2番目に、2つの敷地から1つにする。規模を縮小
するわけですが、規模を縮小すると同時に、そこに学ぶ生徒の数も縮小、半分にいたします。これは子どもたちの学習、教育の機会を奪うという非常に大きなデ
メリットであって、少々内容がよくなったからといって、人数が半分に減らして、そして発展的統合と言えるのか、これが大きな疑問の2つでございます。3つ
目が、堺商の統合した土地は、高等教育機関を誘致するということでした。それは、教育委員会は市立商業高校2つを任されているにもかかわらず、2つを1つ
にして、1つがあいたから、ほかの教育機関にそれを任せるというのは、教育の放棄にならないかということです。この3つが疑問でございました。その点、請
願の審査のときに十分議論いたしましたので、ここでは繰り返しはいたしません。
予算についてお聞きしたいんですが、現在の4校を新校1校にしたときの経費についてはどのようになるでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
◎
三浦 高校改革担当課長 市立高校4校を1校にしたときのという経費でございます。平成18年度の市立高校4校の当初の予算ベースでは、約21億
4,000万円となってございます。今回の計画によりまして、結果として現在の4校を1校にしていきますが、一定の経費効果を見込めるものと考えておりま
す。新高校の経費につきましては、統合により教育内容の充実を図るべく、外部人材の積極的な活用や多様な選択教科の設定などにより、新高校としてふさわし
い体制を確立する。そういったことなどを考えますと、結果といたしまして、現在の経費のおおよそ3分の2程度が必要になるものと考えてございます。以上で
ございます。
◆水ノ上
委員 生徒の数を、極端に言えば半分にして削減される予算、経費は3分の1ということ、そういう点から、1人にかけるお金はその分ふえるんでしょうけれ
ども、それよりもたくさんの工業や商業を学ぶ生徒たちに道を開く方が私はいいのではないかと、その点、もう一度、これ条例改正までにはまだ時間があります
ので、これからもこういう議論をしていきたい。できることならば、先ほどの3つの問題点から、もう一度考えていただきたいと、このように思います。
最後に、教員のことについてお伺いをいたします。今回、予算で堺教師塾というものがつくられるということで、これは私が昨年の3月の文教
委員会で提案したことでございまして、それが早速こういう形でつくられたということは非常に高く評価をしております。それは、教師塾というのは、教師の質
を高めるという意味で効果があろうと期待をしておるわけですけれども、教師の質のほかに、やっぱり量というものが必要です。量も質も充実されて初めて教育
の質が上がっていくんだろうと思います。
そういうところからお聞きしたいんですが、小・中学校現場での教員をふやしたいとした場合、堺の市費によって独自に教員を採用し、学校現場での教員をふやすことができるのでしょうか、お答えください。
◎
登り山 教職員課長 現在、教員の配置につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び定数の標準に関する法律に基づきまして、大阪府教育委員会が定
めた基準に従って、府費負担教員として配置しております。このことを前提といたしまして、教員の任用という視点で考えますと、昨年度、市町村立学校給与負
担法が改正されまして、都道府県が配置する教員に加えまして、市町村が市の実情を踏まえまして、独自に市町村が給与を負担して教職員の任用ができるという
制度になっております。以上でございます。
◆水ノ上
委員 教員というのは堺市で任用してふやすことができるんだということです。教師塾ももちろん大事ですけれども、予算の中でしっかり確保していただい
て、特に問題のあるといいますか、重点的な学校については加配をして対応していただきたい。それが量も質も充実するという意味で非常に重要だと思います。
この点、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、堺市が持続的に発展していくためには、堺市が人口をふやしていく。先ほど本松委員の議論にもありましたけれども、20代、30代
の子育て世代、この堺に住んでみたいと、そういう魅力のある堺にしてもらう、それが大事。先ほど冒頭で申し上げたLRT、ナショナルトレーニングセン
ター、これをつくったところで、堺に魅力があるからといって堺に住みたいとはすぐには思わないと思いますね。経済的には潤うこともあるでしょう。しかし、
それがあるからといって堺に住みたいというのはちょっと飛躍してる。一方、20代、30代の方の最も大きな関心は、子育て世代の関心は教育でございます。
教育の量と質を兼ね備えることによって、義務教育ならば堺市だということをしっかり確立すれば、20代、30代の世代は堺に住もうといたします。
そういう点から、政令指定都市になったこの時期、確かに政令指定都市になったからということで、LRTやナショナルトレーニングセンター
という箱物ができれば、華々しく聞こえます。一方、教育というのは地味で効果が出るのには数年かかります。しかし、先ほど冒頭で申し上げたとおり、堺市の
財政状態は決して昔とは、政令都市前と後と比べてよくなってることではなくて、横ばいか、これからの先を見たら減少傾向にあるかもわからない。そういう状
況で大型な投資をするよりも、ハードにお金をかけるよりも、教育というソフトにお金をかけていく。必ずしもハードということに反対いたしませんけれども、
もしするのであれば、十分な計画を立てて、需要予測を立てて、採算がとれるということを確信した上でやっていただく。もう一方、教育にはしっかりお金をか
ける。そういうことによって堺のブランドイメージが上がって、住むなら堺市ということになると思うんです。
そういうことから、この予算につきましては、先ほど申し上げたとおり、特定財源が厳しい中、一般財源で教育予算をとっていただいていると
いうことから評価はいたしております。今後もこういう状態を続けていただくことをお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。ありがとうございま
した。
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