○水ノ上委員 皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上でございます。改選後、初めての文教委員会、改選して、また皆様方のご期待に沿うように帰ってまいりましたので、またこれからもよろしくお願いいたします。
常任委員会が6つある中で、5年連続の文教委員会でお世話になることになります。といいますのも、教育こそ、この堺のこれからの活性化、発展を担うもの
であるという信念からですね、私は教育に特に力を入れてやってまいりました。また、これからもそういう観点で皆様方とともに議論をし、また行動して、より
よい教育行政に努めたいと、このように思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げます。
きょうは2点、通告どおりのご質問をさせていただきます。まず1点目ですが、中学校の安全管理についてご質問をいたします。
皆様方もご記憶がございますように、平成13年池田事件がございました。小学校の中に侵入者が入って児童を殺傷したと、非常に痛ましい事件がございまし
て、その後すぐに堺市の方ではセンサーつきカメラ等が設置されました。また、平成15年、16年度には全幼稚園、また全小学校の校門がオートロック化され
て、外部の侵入を生徒たちが勉強してる、学習している間、外部の侵入者を排除しようということで、されました。
中学校の安全管理をお聞きする前に、まず、このような取り組みをされたことにつきまして、ハード面のことですが、どのような効果がございましたか、お答えください。
○降井生徒指導担当課長 ハード面の整備でございますけれども、監視カメラの設置、門のオートロック化によって、すべての門が施錠できるようになり、学校
園の安全性が高まりました。その結果、子どもたちが安心して学習や活動に取り組むことができております。また、来校園者を門の外で確認するとともに、職員
室から門の開錠が可能となり、安全の確保と学校園の業務の円滑化が図られております。以上でございます。
○水ノ上委員 それに対して中学校の施錠状況といいますか、監視カメラも含めて、どのようなことになっておりますでしょうか、お答えください。
○降井生徒指導担当課長 中学校におきましては、モニターつきインターホンが設置されております。監視カメラの設置や門のオートロック化はしていません。
結果としまして、多くの学校では来校者の門につきましては、閉めてはいるものの施錠はしていない状況でございます。以上です。
○水ノ上委員 侵入者は幼稚園、小学生を対象にするだけではなく、中には中学生を、また中学校を対象にして来る人もいるでしょう。そういう安全管理の面か
らは、少々問題があるなと、このように思うんですが、今おっしゃった閉めているけれども施錠をしてない学校も多いと。逆にですね、すべての門を施錠してい
る学校では、どのような課題があるのかお答えいただけますでしょうか。
○降井生徒指導担当課長 中学校の一部では門を施錠している学校もありますけれども、来校者のあるたびに教職員が開錠のために門に出向いているという状況もございます。以上でございます。
○水ノ上委員 施錠をすべてした場合は、来校者があるたびに職員が門まで、場合によっては職員室から門まで遠いところを走っていってあけると。その中では
職員室が一時的に無人化、無人になるときもあるというふうに聞いておりますし、そういう意味から安全管理上の問題もあるのではないかと。また、施錠してな
ければ、校門というのは1カ所、1カ所か2カ所かわかりませんけれども、必ずどこかあいてて侵入者が自由に入ることができる。そういう問題もあると思うん
ですね。
また、生徒指導上もですね、中学校は必ずしも、すべての学校が安定している、落ちついてるわけじゃなくて、学校によれば授業時間中も校門をあけて外に出
ていく、たばこを吸う、もうそういう事例もあると聞いております。そういうところから中学校、もちろん安全管理が第一義的にはあるんですが、そういう生
徒、小学校、幼稚園で実績が証明されているように、非常に安全管理上は重要ですが、それ以外にもですね、中学校においては例えば遅刻生徒の確認ができた
り、勝手に開錠して生徒が校外に出入りする、自由に出入りすることをオートロックすることによって抑止したり、センサーや監視カメラがあればですね、どの
子どもたちが出て行ったかということも管理できるわけですから、生徒指導上も非常に有効かなと、このように思います。
そういうことでオートロック化を私は小学校では、幼稚園、小学校だけではなく、中学校も安全管理上、また生徒指導上も進めてほしいと思うんですけれど
も、ただ、これ予算もかかることですから、その予算のこともちょっとお聞きしたいんですが、例えばオートロックを43校に、全部の中学校に設置しようとし
たら、どのくらいの工事費がかかるでしょうか、お答えください。
○岸本施設課長 校門へのオートロック設置の費用についてですが、学校によって多少の差はございますが、設置工事費といたしましては概算でございますけど
も、1カ所当たり100万円弱必要かと考えております。したがいまして、仮に全部の中学校に設置しますと、単純計算では約4,300万必要かと思います。
以上です。
○水ノ上委員 100万、大体100万弱、これに監視カメラ、モニターを入れれば、1.5倍するんでしょうかね。ということは、4,300万で、そういう監視カメラを入れたら6,000万から7,000万かかってくると、非常に大きな予算がかかるわけです。
ただ、全部の学校に同時に入れる必要があるのかどうかということは、また議論する必要があると思いますけれども、特にそういうのが目立つところなどは優
先的にですね、オートロック化を進める。それの効果を見て、それをほかの学校にも進めていく、こういうことも必要かなと思います。その点、またいろいろご
検討いただいて、予算も伴うことですけれども、中学校の安全管理、また生徒指導上の観点からも一度ご検討いただいて進めていただきたいと思います。
これに関連いたしましてですね、最近は中学校で特にガラスの割られる事件が多発をしております。夜間、未明、だれかが学校内に侵入して割られると、最近
特に多いように思いますけれども、最近の中学校のガラスの、中学校に限りませんが、ガラスの損壊状況についてお答え願えますでしょうか。
○降井生徒指導担当課長 最近のガラスの損壊状況ですけれども、6月7日に福泉中学校で51枚、鳳中学校で6枚、6月9日には若松台中学校で32枚損壊さ
れております。さらに6月10日にも若松台中学校で19枚、東百舌鳥中学校で7枚、6月11日は宮山台中学校で56枚損壊されております。以上でございま
す。
○水ノ上委員 立て続けにこの6月に入ってガラスの被害が多いんですけれども、そういう報道がありますので連鎖的なことがあるのかもわかりませんが、こと
しに入って非常に多い。ちなみに昨年度、平成18年度はどのぐらいのガラスの損壊状況がありましたでしょうか、お答え願いますでしょうか。
○降井生徒指導担当課長 昨年18年度の教育委員会に報告されておりますガラスの損壊状況ですけれども、合計74件で613枚のガラスが損壊し、被害額といたしましては約393万円となっております。以上でございます。
○水ノ上委員 非常に多くの枚数が割られて、損害額も大きい。ただ聞くところによりますと、今年度、平成19年度は4月、5月、6月のこの時期におきまし
て、もう既に300枚以上が割られてるというふうに聞いております。このままいけば1年間で1,000枚、1,000数百枚割られてですね、被害総額も
1,000万を超えるかもわからない。そういう状況になってるわけですね。
現場の先生方に聞いたら、割られた先生方も非常に心が痛む。自分の学校が、自分たちの、生徒がやってるかどうかわかりませんけれども、自分の学校がガラ
スを割られる。生徒たちに対して、その学校で学ぶ生徒たちにも心に傷を持つ。うちの学校で勉強したいのに、きょうガラス割られた。また割られるん違うかな
と、嫌な思いをする。そういう状況があると思うんです。
こういう被害を防ぐ必要があると思うんですけれども、何か対策等お考えでしょうか、お答えください。
○降井生徒指導担当課長 被害を受けた学校では、警察に巡回強化を依頼するとともに、警備会社には巡回時間の設定変更などを依頼しております。また、教職
員で夜間の校内巡回体制を組んだり、PTAや防犯委員など地域ボランティアと連携した地域パトロールなど未然防止に向けた取り組みを行っております。しか
しながら、犯行時間帯が深夜から未明であることから、犯人を特定するまでには至っておりません。以上でございます。
○水ノ上委員 今ご答弁いただいたとおり、地域の方、また教職員の方々には大変なご苦労をされておられます。自分たちの学校を守るということで、本来教師
は教育を、教えるだけ、教えるだけと言ったら失礼ですが、教えることが本分であるのに、夜間まで行って学校を守る必要も出てくる。非常にご苦労されておら
れる。また地域の方も熱心な方が多うございますので、そういう方もご苦労されておられます。
そういう状況をかんがみて、ただ、そういう状況で皆さんご苦労されているんですけれども、犯人特定にまで至ることがほとんどなくて、被害を受ければ、そ
れを修理するだけということがずっと続いております。こういう状況をなくすためには、犯人を挙げて、挙げてといいますか、犯人を捕まえて、その犯人を特定
してですね、弁償させると、そういうことがなければ、なかなかこういう事件はなくなっていかないだろうと。
そのためには私は、例えば特に多いところでは、学校では監視カメラをつけてですね、今、監視カメラも非常に優秀な監視カメラがあるそうで、温度センサー
で、ずっとだれかがおったら、ずっと追尾するような分もあるとは聞いております。どのぐらいの金額がするか、私はわかりませんけれども、そういうのを人目
のつかないところとか、入りやすいところとかにつけてですね、犯人を特定する。そうすれば抑止力になって、やれば、悪いことをすれば、つかまるんだという
ようなことを徹底する必要があるのではないかと。
中学生がやってるとは思いたくはありませんけれども、子どもたちのことは疑いたくはありませんが、しかし、現実にこう何百枚も割られてる現状を考えます
と、ほかの子どもたちの心の影響というのも非常に多いと思いますので、そういう点もかんがみて、そういうハードの面もしっかりと、先ほどの校門のオート
ロック化もそうです。ハードの面もしっかりと予算をつけていただいて、教育のその健全な環境を守るという意味で頑張っていただきたいと思います。以上で1
つ目の質問を終わります。
続きまして、中学校の修学旅行についてお尋ねいたします。
中学校の修学旅行は、ほとんどこの5月、6月に集中をしておりまして、多くの方が飛行機に乗ったりして行くわけです。この質問は以前にも一度お伺いしたこ
とがございますので、きょうはもう簡単に、またご要望を中心にさせていただきたいと思いますが、まず堺市内の中学校の修学旅行の実施状況についてお答えく
ださい。
○山之口教務担当課長 修学旅行の平成19年度の実施状況についてでございますが、平和に関する学習を目的とした堺市立中学校の修学旅行につきましては、
沖縄方面が27校、続いて長崎方面が4校、その他の方面が12校となっております。沖縄・長崎方面の修学旅行におきましては、戦跡を訪問したり、戦争の経
験者から話を聞かせていただいたりして、平和に関する学習に取り組み、また集団生活のあり方や公衆道徳、旅行先の自然体験学習や歴史文化についても学習を
しております。以上でございます。
○水ノ上委員 このごろの修学旅行では、以前は東京とかディズニーランドが多かったような気がするんですが、最近は沖縄、長崎と、こういうところが行くの
が多いようですね。27校が沖縄で、長崎が4校、43校中31校がこういう戦争にかかわる、また平和学習ということを前提にした修学旅行にされているわけ
でございます。
それに関して私は決して悪いとは思っておりません。もちろん平和学習は大事ですし、そういう気持ちを実際そういうところに行って学ぶということも必要だ
と思っております。こういう修学旅行に行く前には必ず、必ずといいますか、多くの場合、事前学習ということをするんですが、そういう事前学習について、そ
の状況をお答えください。
○山之口教務担当課長 平和に関する学習等の事前学習についてでございますが、今年度25校で平和に関する映画やビデオを活用した学習を行っております。
また、戦争の体験者を招いて体験談をお聞きしたり、インターネットや書物を通じて調べ学習を行ったりしている学校も18校ございます。各学校におきまして
は、多様な視点から戦争を見つめ、また平和について考え、理解を深める取り組みを行っております。以上でございます。
○水ノ上委員 その場合に使われる教材等々は、だれが、どのような観点から選定されているのでしょうか、お答え願いますでしょうか。
○山之口教務担当課長 教材の選定につきましては、学習で活用する映画やビデオにつきましては、平和に関する学習の目的や生徒の実態に応じまして各学校で
選定をしております。選定にあたりましては、生徒一人一人が国際社会に生きる人間として文化や歴史を理解し、尊重しようとする態度を培うことができるよ
う、教材の選定あるいは指導方法について学年、学校全体で研究を進めることが重要であると、このように考えております。以上です。
○水ノ上委員 この教材の選定は、学校が独自で選定しているということでございました。映画やビデオ鑑賞などのことが多くてですね、例えば前回、3年前に
お話しした「GAMA-月桃の花」とかですね、最近は「さとうきび畑の唄」、これ明石家さんまさんが主演されてたと思うんですが、そういうのがはやりで、
こういうのを見せて沖縄戦がどういうことだったか、そういう思いを持って現地に行って、ああ、なるほどというふうな学習がされるわけです。
ただ、この物によってはインターネットでどういう内容の映画かなと調べたりするんですが、この月桃の花につきましてはですね、敵はアメリカ兵だけではな
かったと、そういうふうなことも書かれておりますし、そこにガマという鍾乳洞、大きな洞穴で子どもたち、いや、子どもたちだけじゃなくて住民が、住民と軍
人がそこに逃げるわけですね。その中でいろんなおぞましいことが起こったような映画らしいです。
私は見たことがないんですけれども、3年前にもこれが、これは上映会しかできません、ビデオでありませんので、そういう上映会をするときは、どこかの学
校で事前学習するとき私もぜひ見せてくれと言って、いまだにそれが実現してないんですけども、こういうビデオを見て現地に行く、非常にすり込みの強い学習
なんですね。ですから、それが本当にその子どもたち、中学生に見せていい映画なのかどうなのかということも確認する必要があるのではないか、現場任せでい
いのかということも含めて、やっていく必要があると思うんです。
失礼ですけれども、この中でこの「月桃の花」という映画をごらんになった方、いらっしゃるでしょうか。何もあてたりしませんので、もしいらっしゃったら、お手を挙げていただきたいんですが、いらっしゃらないということですね。
ですから、我々議員もこういう不勉強で、実際現場でどのような教育が行われているかということを身近に勉強する必要があると思っています。他の市に視察
に行く、そういうことももちろんいいとは思いますけれども、実際堺市でどのような教育がされているか、皆様方と一緒に勉強していく機会もふやしていく必要
があると思っています。この映画がいいか悪いか、これだけ見てもわかりません。ですから、来年度また沖縄に行く学校があれば、このようなビデオ、ほかにも
あるでしょう。そういう状況があると思います。そういうときにはぜひお声かけいただいて、また議員の方々も、有志の方々もそろってですね、そういう映画を
見て議論をして、本当にこれがいいのか、これだったら大丈夫だというようなことをしていきたいと思います。
質問は以上でございますけれども、特に私は皆様方と議論するにあたって、現場を見た上でいろいろ対応していきたい、このように思います。特にこの1年間
は、いろいろさまざまなことが、問題が中学校などで起こっていると聞いております。そういうところに赴いて、皆様方とともに教育を向上するために頑張って
いきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
|