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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成20年3月12日 文教委員会

①百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録について
②中学校における武道教育について

◆水ノ上 委員  皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上で す。今、池尻委員より、すばらしいお話を聞かせていただきました。知覧は私も小学校6年生のとき、12歳のときに、今から32年前ですけれども、親に連れ られて行きました。今はどうなってるかわかりませんけれども、あのときの印象が非常に強く今でも残っています。今の私があるのは、あのとき12歳のとき に、あの特攻記念館に行ったことが大いに影響があるのではないかなと、このように思っています。
 きょうの題でもありますけれども、郷土を愛する、国を愛する、このことが本当に切実な時代でございました。今、我々はそういうことを忘れ て、本当に、ぬるま湯の中で生きてるわけですけれども、しかし、日本の置かれてる環境、そういう国際的な地位その他は決して楽観できるものではなくて、今 から若い者を中心に、国を愛するとはどういうことか、郷土を愛することはどういうことか、こういうことをもう一度考えていかなければならない、このように 思うわけでございます。
 本日は2点について皆様方にご質問をさせていただきたいと思います。まず1点目が、郷土を愛する教育についてでございます。
 教育基本法が改正されまして、第2条に、ご存じのとおり、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともにとい うのがございます。国を愛する心ということで、今まで国歌・国旗の話ということを質問させていただきましたが、本日はちょっと観点を変えて、我々堺に住ん でるわけですから、その堺を愛するにはどうしたらいいかということを考えていきたいなというふうに思ってます。
 ちょうど、堺市は百舌鳥・古市古墳群を世界遺産に登録しようということで、今進めています。堺市だけではなく、大阪府、藤井寺市、羽曳野 市、そろって世界遺産にこれを登録しようとしているわけですが、このことを通じて、もう一度、堺に誇りを持つ、堺に対して愛情を持つというような教育につ いてご質問したいと思います。
 まず最初に、百舌鳥・古市古墳群の中でも最も象徴的で、また堺にあります世界最大級の古墳である仁徳天皇陵について、教育現場ではどのように取り扱いをされていますか、また呼称はどのようにされているでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
 

◎ 山之口 教務担当課長  仁徳天皇陵につきましては、社会科の授業で教科書や副読本を活用しまして、作業的・体験的な活動も取り入れるなど、創意工夫を生 かして指導しております。また、一般的に使用されております仁徳天皇陵という呼称については、学術用語としては未確定であることから、小学校の教科書では 大仙(仁徳陵古墳)、中学校の教科書では大仙古墳と表記しております。以上でございます。

水ノ上  委員  今ご答弁の中に、仁徳天皇陵という呼称については、学術用語として未確定ということがございましたが、しかし、宮内庁は仁徳天皇陵ということを正 式に使っておりますし、また、その子孫でいらっしゃいます天皇陛下、皇室の方々、仁徳天皇陵にお参りするわけでございます。そういう状況を見て、土地の名 前を使った大仙古墳としか使わないというのも、堺に住んでる者として違和感があるわけでございますが、今ご紹介いただきました教科書、これは堺市の教育委 員会がつくっている副読本ですが、わたしたちのまち堺、この小学校の副読本、中学校では、わたしたちの堺という副読本がございます。まず、この副読本はど のような観点からつくられているもので、また、改訂というのはね、どのような機関で改訂されるんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

 ◎ 山之口 教務担当課長  副読本についてですが、本市の諸先輩の先生方のご努力あるいはご支援を長きにわたっていただきまして、作成・配布をしておりま す。本市副読本の作成のねらいというご質問ですが、子どもたちが生活している地域社会をよりよく理解して、身近な地域の将来について考えることは非常に重 要な学習であるということ、また、本市の歴史や伝統を継承し、さらに発展させるべく、みずから学んでいく力を身につけること、さらに子どもたちが将来にわ たって地域社会の一員として子どもたちの学習に役立つようにと、そういった願いを込めて副読本を作成しております。以上でございます。

水ノ上 委員  それには、郷土を愛するという観点もあるんでしょうか 

◎山之口 教務担当課長  当然、その観点はございます。以上です。

水ノ上  委員  その副読本の中で、どういうふうに仁徳陵が紹介されているかといいますと、大仙古墳(仁徳陵)として、大仙古墳は世界一大きなお墓です。これは小 学校の副読本です。中学校では、大仙古墳は、もう少し細かいデータとともに紹介されております。しかし、この仁徳陵にどなたが埋葬されているかは全く書か れておりません。そういうことから、ちょっとお聞きしたいんですが、仁徳天皇陵を初め、堺には履中天皇陵、反正天皇陵という3つの御陵がございます。それ を初め、また文化遺産もありますし、堺には偉人という方もたくさんいらっしゃいます。こういうことを教育の現場でどのように扱っているのでしょうか、お答 えいただけますでしょうか。

◎ 山之口 教務担当課長  社会科の教科書におきましては、千利休、与謝野晶子、また副読本では行基、呂宋助左衛門、河口慧海、こういった人物を取り上げて おります。また、仁徳天皇については、古事記や日本書紀の学習の中で関連づけて指導をしております。以上でございます。

水ノ上 委員  そういうふうに扱われてるわけですが、そもそも、そういう文化遺産や偉人を扱うことについての意義についてはどのようにお考えですか。

◎ 山之口 教務担当課長  教育委員会としましては、地域に対する愛情あるいは理解を深めるという観点から、子どもたちが文化遺産を大切にする態度を身につ け、歴史上の人物を学ぶことについては、郷土を愛する心を育てるという観点からも、また主体的に社会の形成に参画する態度を養う上でも重要であると認識し ております。以上です。

水ノ上  委員  先ほど、どういう堺の人が偉人として、この教科書に扱われているかということをご説明いただきました。小学校では、そういう人物を対象にはしてな いんですが、中学校では、今ご紹介ありました千利休、与謝野晶子、行基、呂宋助左衛門、河口慧海、またフランシスコ・ザビエルなども詳しく書かれています が、一方、仁徳天皇については、人物的な功績などについては一言も書いていらっしゃいません。それについては、今ご答弁がございましたように、神話や伝書 の記録などまとめた古事記や日本書紀の学習の中で、学校によってされてるだろうということですが、私の感覚では、小学生は仁徳天皇というのはほとんど知り ません。そういう功績も全く知らないですね。
 仁徳天皇というのは、皆様、よくご存じのとおり、御製で、「高き屋にのぼりて見れば煙立つつめる民のかまどはにぎはひにけ り」というような歌がございます。今までこれを、内容を説明するまでもありませんけれども、そういうことで、仁徳天皇というのは非常に徳の高い天皇である と、いい政治をしたようで、後世に残されていて、それが今の天皇家にも引き継がれている。日本の天皇家というのは、ほかの王室、中国とかヨーロッパに比べ て非常に質素でずっと一緒、質素だった。それは仁徳天皇の治世というのをよくご存じだったから、そういうことをしない。今の天皇もそうですし、昭和天皇も そうだと聞いております。であることからこそ、仁徳天皇というのは民に慕われて、あれほど大きな巨大な古墳になっていったんだろうというふうに想像できる わけでございます。
 そういうところから、私は堺市が百舌鳥・古市古墳群を世界遺産にするにあたって、ぜひともそういうことを教育の現場に、堺の 郷土を愛する、誇りを持つという観点から入れていっていただきたい、このように思うわけですが、充実が必要と思うんですが、それについてご意見がありまし たら、お答えください。

◎ 山之口 教務担当課長  本市におきましては、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録をめざし、文化庁に提案書を提出しているところでございます。今後、 さらに堺市博物館の活用や堺市観光ボランティア協会との連携等を通しまして、指導の充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  今度、この中学校の副読本が改訂されるときには、ぜひ、そういう仁徳天皇の功績などを入れていただく、また先ほど紹介した歌なども紹介していただ くことも必要かなというふうに思います。天皇の御陵は、全国47都道府県のうち8都府県にしかありません。市でいいますと、約15市程度でございまして、 その中で、100年祭とかありましたら、天皇皇后両陛下が行幸されるということです。最近でいいましたら、大綱質疑のときでも申し上げましたけれども、 1999年に仁徳天皇崩御1600年ということで、天皇皇后両陛下が堺に来られましたし、履中天皇の1600年祭ということで、2005年にはまた天皇皇 后両陛下が堺に行幸されました。こういう、今の特に天皇皇后両陛下は、こういう100年祭というのを重要視してるみたいでして、全国、そういうことがあれ ば行かれるそうですが、そういうのを1600年前の天皇を1600年後の天皇がお参りにくるという、そういうこと自体が普遍的な価値があるということで、 その一つに堺市があるということは、我々はもっと考えていかなければならないのではないかなと、このように思います。
 世界遺産になるにあたって、堺市の子どもが仁徳天皇とはだれでしょうと、わからないということではなくて、仁徳天皇というのは、こういう神話伝承の中かもしれないけれども、こういう業績があったということを言えるような子どもたちになってほしいと思います。
 2010年、平成22年、2年後ですが、2年後は反正天皇の1600年祭があります。また、応神天皇の1700年祭の年でもあります。も し、天皇皇后両陛下が体がご健康であれば、2年後にはまた行幸される可能性があります。そういうときは、堺市の子どもたちがそろって、そういうことをお迎 えできるような雰囲気をつくっていただくと、そういうためにも、そういう教育が必要かなというふうに思います。
 そういうことにきょうは絞りましたけれども、郷土を愛する心というのは、やはりそのもの、何か大きな建物があるというよりも、歴史的な重 みがあるということが、やはり子どもたちにとって、大人もそうですが、誇りを持つということにつながると思いますので、そういう点もよくご検討いただいた 上で、今後の教育に生かしていただきたいと、このように思います。
 以上申し上げて、この質問は終わります。
 続きまして、これも大綱質疑で取り上げました。中学校における武道教育についてご質問いたします。
 ご案内のとおり、平成24年4月から武道が中学校で必修科目となります。中学校新学習指導要領案では、そうなったわけでございますが、まず、武道を必修にすることになった、その理由についてどのようにお考えか、お答えいただけますでしょうか。

◎ 降井 生徒指導担当課長  武道が必修となる理由ですけれども、生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現する観点から、多くの領域の学習を十分に生徒に体 験させ、さらにみずからが探究したい運動を選択できるようにすることの重要性をかんがみて改善されました。このため、中学校1・2年生で、これまで選択履 修であった武道とダンスを含め、すべての領域が必修となり、3年生では、これを踏まえ、領域別に選択することになっております。以上でございます。

水ノ上  委員  今のご答弁では、豊かなスポーツライフを実現、多くの領域の学習を十分に体験させるということでございました。先日の大綱質疑のご答弁では、武道 というのは、我が国固有の文化として伝統的に継承されてきており、みずからを律し、相手を尊重するなどの人間性を培い、礼儀作法を養うことができるなどの 効果が期待できるからというご答弁をいただきました。両方とも、この武道が導入される、必修となる理由になると、このように私は思っておりますが、さて、 武道が必修になるにあたりまして、具体的には、中学校でどういう扱いとなるのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

◎ 降井 生徒指導担当課長  中学校新学習指導要領案におきまして、武道の取り扱いですけれども、体育授業において指導する武道として、柔道、剣道、相撲の 3種類が例示され、これらのうち1つを選択して履修することができること。なお、地域や学校の実態に応じて、なぎなたなどのその他の武道を指導してもよい こととなっております。履修学年につきましては、男女とも1年生か2年生で必修、3年生は選択となっております。また、授業時数につきましては、各学校の 実情に応じて実施することとなっております。以上でございます。

水ノ上 委員  4年後には必ずこの武道は必修となるわけでありまして、中学校の体育の中で105時間、今、割り当てありますが、その中のうち、1年生か2年生で最低何時間かは武道をしていかなければならない。これは決まってるわけであります。
 現在の堺市の状況はといいますと、大綱質疑の場でも取り上げましたが、堺市は43中学校がある中で、施設面ですが、武道場がある中学校は 6校、そのうち、6校のうち武道場として使ってるのは3校であります。同じ政令指定都市である大阪市、京都市、神戸市と比べますと、例えば京都市が76校 の中学校があるうち、29校で武道場がある。神戸市が83校中65校で武道場があります。大阪市は129校中117校に武道場があります。これと比べて も、堺市の武道場の設置率は非常に低い。大阪市が91%、神戸市が78%、京都市が38%に対して、堺市はわずか14%しか中学校に武道場が設置されてい ません。それに伴いまして、堺市の中学校における部活動の中で剣道、柔道を行われているのは、剣道は13校、柔道は5校と非常に少ないということです。
 そういう状況なんですが、このような現状を教育委員会はどのようにお考えでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
   (西井副委員長、辻委員長にかわり委員長席に着く)
 

◎ 降井 生徒指導担当課長  現在、本市中学校で武道を履修してる学校が、委員仰せのとおり、非常に少ない状況になっております。要因として考えられること は、保健体育教員に武道専門に指導できる指導者が少ないこと、また学習環境面での条件整備のおくれなどが考えられます。このことにつきましては、今後、改 善すべき重要な課題であると認識しております。以上でございます。

水ノ上 委員  4年後、武道が必修とされて、そのときには、武道が本当に根づくような教育をしていただきたいと思います。そのためには、施設面を充実させること、それと指導者面を充実すること、この2点が、これから4年間において充実していただく最大の問題だなと思います。
 先ほどご紹介したとおり、堺市の武道の認識は、他の政令市、ほかの全部の政令市は調べておりませんが、大阪市、京都市、神戸市などに比べて非常に低い、こういうところから、4年後には必修に向けていくわけですから、皆さんとともに頑張っていきたい、このように思います。
 さて、4年間で残り37校の施設をつくっていく、または改装していくことが必要だと思いますが、最後の質問ですが、中学校に おける武道の履修について、施設の整備の取り組みと、また教員の指導力の向上、指導者の確保についてはどのようなご見解をお持ちかお答えいただけますで しょうか。

◎降井 生徒指導担当課長  保健体育教員の指導力の向上を図った研修会の実施が何よりも重要であると考えております。全国学校体育指導者中央講習会に教員を派遣し、伝達講習会を開催する予定です。
 さらに、専門的な指導者の協力を得て武道研修の機会をふやし、個々の教員の指導力向上に取り組んでまいります。また、施設面におきましては、平成24年度の学習指導要領全面実施に向け、既存施設を改修するなど、施設整備について検討してまいります。以上でございます。

水ノ上  委員  指導者につきましては、専門性が非常に必要ですので、武道を教えるということは、今の現状の指導者では非常に心もとない、この4年間で今おっ しゃっていただいたとおり充実していただきたいと思います。それについては、教員を採用するという面でも、2年後でしたですか、採用するのは、堺市独自 で、来年からでしたか、ちょっと忘れましたが、採用するにあたって、武道を専門にできる方、そういう視野に入れていただきたいなと、このように思います。
 また、指導者の面ですが、堺は学校教育の場では、武道は盛んではありませんけれども、一歩外に出れば、剣道を愛好している方が非常に多い 土地でございます。そういうところから、外部の、そういう有段者、また指導者なんかも連携をとっていただいて、指導者の養成に進んでいただきたいと、この ように思います。
 また、施設面につきましては、武道をやる限りは、専用の武道場をつくっていただきたい。体育館を武道に使用するというのではなくて、独立 した戸建ての武道場までは必要ないとは思いますが、予算的にも非常にしんどいとは思いますが、今の空き教室を有効活用するなどして、独立した専用の武道場 をつくっていただきたい。4年以内にあと37校つくっていただかなければなりませんので、予算的にも非常に厳しいかと思いますが、4年後には必ず必修化さ れる教科ですので、それについてもよろしくお願いを申し上げます。
 以上を申し上げて私の質問を終わります。ありがとうございました。

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