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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

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堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成20年3月12日 20年度予算審査特別委員会 ・文教分科会

学力向上について

水ノ上 委員  皆さん、お疲れさまです。私の方からは、1点ご質問をさせていただきます。
 学力向上についてでございます。学力の低下が堺市においても非常に大きな問題とされております。昨年の全国一斉学力テストにおいてもそう ですし、さまざまな場面で学力低下が叫ばれておりまして、それを受けまして、新学習指導要領では、ゆとり教育の路線から脱却して、授業時間がふえるという ことになってきました。今回、堺市の予算におきましても、学力向上を推進するという意味から、学力向上推進事業として1億400万円の予算が新たにつけら れております。そのことについて、少々詳しくご説明いただきたいと思います。
 まず最初に、学力向上重点校の取り組み計画と期待できる効果についてどのようにお考えでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

◎ 山之口 教務担当課長  学力向上重点校におきましては、授業改善による学力向上を主なねらいとしまして、指導力のある中学校教員を学力向上推進リーダー と位置づけ、9年間を見通したカリキュラムの作成、小中一貫した学習指導や生徒指導に取り組んでまいります。また、学力向上重点校の小・中学校30校程度 には、大学生や教員OB等の学力向上推進サポーターを配置し、教科指導におけるチーム・ティーチング、放課後学習や宿題指導等の学習支援を行ってまいりま す。このような取り組みによりまして、重点校の小・中学校すべての教員が義務教育9年間に責任を持ち、目標と課題を共有化し、指導内容の重点化や発達段階 に応じた指導を効果的に行うことができると考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  この事業において核となるのは、ご答弁にもありましたが、学力向上推進リーダーの役割でございます。この推進リーダーは10校に10人、選出とい いますか、選ばれて、その方々が小学校、中学校の中でいろいろ役割をしていただくということですが、その核となる学力向上推進リーダーの具体的な役割はど のようなものでしょうか、お答えいただけますでしょうか。 

◎ 山之口 教務担当課長  学力向上推進リーダーにつきましては、中学校区内の小学校で授業を行うほか、教員の相互派遣をコーディネートし、小・中学校教員 が協力して取り組む授業や小・中教員合同の授業研究、子ども同士の交流等を計画・立案をいたします。また、中学校区の学力向上推進委員会を企画・運営しま して、子どもの実態把握に基づく指導方法の工夫改善や学習規律の確立に取り組み、また大学教員の指導のもと、小・中学校の指導の充実を図ってまいる計画で ございます。以上でございます。 

水ノ上  委員  この学力向上推進事業は、対象となるのは今年度、今年度というか来年度、10校を予定しております。10中学校区ですね。それで、10中学校区を 今から選定をして、そこにこの授業をしていくと、その後、この事業をどのように発展させていくのか、そういうことについての方向性というものをお聞きした いんですが、お願いいたします。

◎ 山之口 教務担当課長  学力向上推進事業につきましては、すべての中学校区において取り組みを進めてまいりますが、特に10中学校区を中心に小・中連携 の取り組みを進めまして、小・中9年間を見通した指導の実践的な研究を行ってまいります。各学校の取り組み内容や成果につきましては、教育フォーラムでの 発表や教育情報ネットワークを活用して全市に広く発信するとともに、本市独自の授業づくりに生かす学力調査の実施や独自の教材作成等とあわせまして、各学 校の総合的な取り組みに生かしてまいります。以上でございます。

水ノ上  委員  学力低下にはいろんな原因があると思います。大きく分ければ、学校の教師の問題、また家庭の親の問題、そして生徒自身の問題、その中で、この学力 向上推進事業は、指導力を高めるという意味で学校の教師に焦点をあてた事業かなと、このように思います。この事業を1年間やってみて、どれだけ効果があっ たか。すなわち、これは学力向上を考えての事業ですから、どれだけ学力がこの事業を推進することによって向上したかということは、何をもって皆様方は検証 といいますか、把握することができるでしょうか。お願いします。

◎ 山之口 教務担当課長  事業の効果検証というお尋ねだと思いますが、1つは全国学力調査、また先ほど申し上げました本市独自の授業づくりに生かす学力調 査を実施しております。こういった調査を一定効果測定にも活用していくということ、さらには教員同士の交流というふうなことで、これはなかなか具体に見え にくい部分ではありますが、各学校の授業改善をめざす校内の取り組み、こういったことを具体的に指導主事のヒアリング、学校訪問等を通して見きわめていき たいと、このように考えております。以上でございます。

水ノ上  委員  今おっしゃっていただいた、先ほどの答弁でもありました、本市独自の授業づくりに生かす学力調査の実施ということ、それを一つの検証課題、検証の 方法として、これをしていくということですが、平成4年までは中学校に堺市共通テストというのがありまして、それをもってどれだけの学力があったかどうか というのを調査することができました。現在は、そういうのがなくて、独自で学力調査を実施してるわけですけれども、この実施してる学力調査について、取り 組みの状況と、その対象の範囲、また今後の取り組み計画についてお答えいただけますでしょうか。

◎ 山之口 教務担当課長  本市独自の学力調査は、授業づくりに生かすことを主眼に置きまして、小学校1年生から中学校3年生までを対象に実施しておりま す。対象の範囲ですが、一応小学校から中学校全学年ということで昨年度まで実施しております。来年度については、この対象者を8,000人にふやす予定で すが、今後さらに各学校の授業改善により効果的に生かす観点から、授業の実施方法、内容の検討を行っておるところでございます。以上です。

水ノ上 委員  この独自の学力調査というのは、希望する学校にされてるということですが、希望すれば、どの学校もこれを受けることができるんでしょうか。

◎ 山之口 教務担当課長  昨年度の実績からいいますと、希望しても、この調査の対象にならなかった学校がございます。ですから、いわゆる学力調査のみを実 施する学校と、調査後抽出して集計の対象にする学校と、そういったことも今後分けていく必要があろうかというふうに考えております。以上です。

水ノ上 委員  ちょっとわかりにくいんですが、学校側が学力調査を希望するのに、それが通らない場合もあるということですか。 

◎山之口 教務担当課長  昨年度までそういったことがありましたので、できるだけ希望する学校に実施できるような方法を今後検討してまいりたいと考えております。 

水ノ上  委員  今回が対象者8,000人ということで、本年度よりも倍増するということをお聞きしておりますので、その範囲がふえるということは喜ばしいことだ と思います。しかし、小学校1年生から中学校3年生までの堺市の生徒数は6万8,640人おりまして、8,000人といえども、ごく一部、割合にして 12%しか対象にしていません。先ほど申し上げたとおり、何か事業をやる。それがどれだけ効果が出るか、特に学力向上をめざしてる以上、学力がどれだけ上 がったかということを検証することが必要になってくると思います。
 経営でよくPlan・Do・Check・Actionということを言いますが、計画をする。実行する。つまりこの事業を計画をして実行す るのはするんですが、その後、1年間たって、それがどれだけ効果を上げたか、それを検証して、それを翌年、どうやってつなげていくか、ここのところが私は 今まで皆さん方とおつき合いさせていただいて、弱いのかなと思います。というのは、事業をやっても、どれだけ効果が上がっているかわからない。それで、1 年間やってみて、こういうことがありましたという報告はありますけれども、具体的にどれだけの効果が上がったかということをしていく作業が必要になってい くだろう。そのためにも、これは子どもたちの学力はどれだけ到達してるか、競争させるということではなくて、どれだけ到達しているかという観点から、でき るだけ多くの生徒に共通の一斉のテストを受けていただいて、それを参考に皆様方がいろいろ事業を展開していく。そういうことが必要だろうと思います。
 そういうことがなければ、例えばある事業をした。僕は、この間の大綱質疑でも米飯、給食の米飯を、今堺市は5日のうち2回ですけれども、 2回から3回にすれば学力が上がるんじゃないか、こういうふうに申し上げました。たとえ、これを2回から3回にしても、学力の、今までのそういう基礎デー タ、基礎データといいますか、そういう情報がなければ、どれだけ効果があったかわからない。何でもそうだと思うんですね。皆様方、堺の学力、子どもたちの 学力を心配されています。だから、いろんなことをやっていきたいということがあると思います。しかし、その事業がどれだけ効果があったかということを検証 することがなければ、それはやったところで効果というのは半減するだろうというふうに思います。
 前に聞いた中では、小学校から中学校への連携を非常に重視されていて、中学校1年生、2年生で学力ががたんと落ちるということが統計的に あるようですので、そういうことから、小学校4年生から中学校2年生までを対象に学力調査をした場合、全生徒を対象に学力テストした場合を試算していただ きましたら、3,000万円かかるというふうにお答えをいただきました。小学校1年生から3年生もやるかどうかは別として、これを小学校1年生から中学校 3年生まで広げても、恐らく5,000万円ぐらいの予算で済むだろうと思います。それを9年間毎年ですね、そういうテストを1回、堺独自の観点から受け る。それをデータをずっと積み上げていく。子ども1人にいろんな事象、家庭の問題、環境の問題、いじめの問題、いろんなことがあります。しかし、出てくる 現象というか、そういうのは成績にやっぱりあらわれてくると思う。ずっとよかった子が突然悪くなった、何かあったんだろうというところで手を打てるかもわ からない。そういうところから、そういう情報の収集は必要だと思います。
 それと、そういう面と、子どもたちの方に目を向けますと、年に1回、そういう学力テストがあるということになれば、やはりそれに向けて、 ちょっとやっぱり頑張ろうかなという子が出てくると思います。そういう、みずから勉強すると、みずから机に向かうという効果が出てくると思います。そうい うことも含めましてね、今回は堺独自の学力調査の対象を2倍ですか、8,000人にふやすということですが、それをさらにふやして、全校生徒を対象とし た、このような調査をしていただきたい。全国学力調査は、ことしも、またずっと続くと思います。これは小学校6年生と中学校3年生でしたか、されるのは。 されますけれども、それとは別に、また同じような観点からする必要はないと思います。また違う、堺独自の観点から、そういう学力調査をつくっていただい て、そういうのを進めていただくこともこれから必要ではないかなと思います。
 今回の学力向上推進事業も、私は期待しておりますが、この効果がはっきりと身にわかる上でも、こういうこともあわせて考えていただきたい、このことをご要望申し上げて、私の質問を終わります。

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