◆34番(水ノ上成彰君) (登壇)お疲れさまです。大阪維新の会堺市会議員団の水ノ上成彰です。議員団を代表いたしまして、4巡目の大綱質疑を行います。本日は3項目にて質問いたします。よろしくお願いをいたします。 まず、永藤市長には堺市長就任3カ月たちましたけれども、改めて市長就任をお祝い申し上げます。ぜひとも大胆な堺市政の刷新を期待をしています。 さて、1問目は、堺市長選挙について、公職選挙法に照らして質問をしたいと思います。 そもそも6月9日に堺市長選挙が行われたのは、竹山前市長の辞職に伴うものでありました。竹山前市長は、平成31年2月に発覚し、その後、ふえ続けた政治資金収支報告書の多額未記載問題の責任をとり、4月末に辞職をいたしました。不記載総額は前代未聞の2億3,000万円を超え、しかも会計帳簿をつけていなかったことも明らかになりました。竹山前市長退職までの経緯を改めておさらいしたいと思います。 2月6日、竹山市長の後援会の政治資金収支報告書に615万円の寄附金の未記載が報道されました。2月12日に本会議において前市長に対して各会派が緊急質問をいたしました。3月12日、議員総会が開催されましたが、新たな不記載が指摘されるなど、到底、真相解明には至りませんでした。4月15日、調査結果報告資料が再提出されましたが、平成25年から29年にかけて、後援会、資金管理団体、確認団体の政治資金収支報告書の不記載額は2億3,000万円を超え、しかもマスコミから政治資金と選挙運動費用収支報告書に177万円の二重計上があることが指摘され報道されました。4月18日に調査結果報告資料を再度訂正し提出されました。4月23日の議員総会の場で前市長は説明責任を果たすと意気込んでいましたが、前日の4月22日に突然市長の辞職を表明をいたしました。4月22日の議員総会前日に辞職を表明すれば議員総会が中止になる可能性はわかっていたはずです。4月23日の議員総会で説明責任を果たした上で辞職表明をする方法もあったはずです。4月22日の議運で、多数決により予想どおり議員総会は開催されなくなりました。これで竹山前市長の公の場での説明の機会はなくなりました。これが狙いだったのかとも疑います。明らかに説明責任を果たすことから逃げたと言えます。 4月26日の市長辞職の記者会見では、市民に不信を与え信頼を失墜したことはまことに申しわけない。あらゆる機会で一生かけて説明したいと言っていましたが、全て後の祭りで公の場での説明の機会はなくなりました。これで真相はやぶの中かと市民の落胆は大きく、市民の皆様方は真相解明が第一という思いでございました。4月26日に臨時会を招集し、市長の退職が許可され、4月30日をもって竹山前市長は退職をいたしました。 さて、竹山前市長の政治資金収支報告書の不記載の問題は、市民の間でも明らかにしてほしい、逃げ得は許さないというような要望が市役所等に多く寄せられて、市民の関心は全く衰えていないことから、大阪維新の会が百条委員会の設置を提案をいたしました。 令和元年6月21日に召集されました臨時会において、竹山修身前市長の選挙資金問題等調査特別委員会、いわゆる百条委員会の設置が全会一致で可決されました。調査事項は堺市長選挙にかかわる選挙運動に関する収入及び支出の報告に関する事項でございます。 8月21日の百条委員会において、竹山前市長の選挙資金収支の実態を解明するため、竹山前市長を証人として出頭を求めることが全会一致で決定し、竹山前市長にその旨を通知し、日程調整を行っておりますが、竹山前市長からは弁護士を通じて出頭しない旨の陳情書が三宅議長宛てに送られてまいりました。陳情書は全議員に配布されているため読まれたというふうに思いますが、私はそれを読んで愕然といたしました。公人であった前市長が、市民を代表する議会の求めに応じず、日程調整にすら応じないことは、明らかに議会軽視ではないか、そのように憤る方々も多いのではないかと思います。 その陳情書の内容については、百条委員会において検討されることからここでは詳しくは申し上げませんが、真相解明を強く求める多くの市民の思いがあり、竹山前市長は市長辞職時に一生かけて説明をすると述べられたことが本当の気持ちならば、逃げないで百条委員会においてしっかりと説明責任を果たすべきです。 さきに申し上げたとおり、4月23日の議員総会は、前日に辞職表明をすることで議員総会を回避し、説明責任を果たそうとせず、また堺市議会で全会一致で設置された百条委員会で委員全員で決定をいたしました証人としての出頭要請に応じず、説明責任を果たそうとしない、すなわち竹山前市長は、政治資金収支報告書に対する疑問にも、選挙運動費用収支報告書に対する疑問にも一切答えようとしない、このような態度では市民の納得は到底得られるものではありません。これが9年7カ月も84万堺市民の代表の堺市長だった人のとる態度かと全く失望を禁じ得ません。 さて、竹山修身前市長の選挙資金問題等調査特別委員会は、選挙資金の収入と支出を調査するものであるので、直接の対象は平成29年の選挙運動費用収支報告書となります。そこで、選挙管理委員会にお尋ねいたしますが、選挙運動費用収支報告書に記載しなければならない収入、支出についてはどのように公職選挙法に定められているのかお答えをください。 ここで一旦降壇をいたします。 (三宅達也議長、大林健二副議長にかわり議長席に着く) ○議長(三宅達也君) これより答弁を求めます。 ◎選挙管理委員会事務局長(長田純一君) 選挙運動費用収支報告書に記載しなければならない費用につきましてお答えします。 公職選挙法第185条に、出納責任者は、会計帳簿を備え、選挙運動に関する全ての寄附及びその他の収入、支出を記載しなければならないと定められております。なお、選挙運動に関する支出とは、直接選挙運動となるような行為のほか、選挙運動や立候補の準備行為についての費用も含まれるものと定められています。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたように、選挙運動及び立候補準備運動について、全ての寄附及びその他の収入、支出を記載しなければならないと記載されています。竹山前市長の平成29年選挙運動費用収支報告書には、全ての収入と支出が過不足なく記載されているのか、我々が調査いたしましたところ、未記載の項目が明らかに存在すると思われます。また、形式上の誤りも見受けられます。正確な選挙運動費用収支報告書が作成されたとは言いがたい状況です。公選法に照らしてしっかりと検討し、詳細は百条委員会で議論していきたいと思います。 竹山前市長は、一生かけても市民に説明すると言った以上は、説明責任を果たすべく証人として百条委員会に出頭することを強く望みます。百条委員会が出頭の日程調整の回答の期限としたのは、本日9月4日であります。しかし、既に議長宛ての回答書では、出頭の日程調整は留保すると返答されておりますが、竹山前市長、もし今、この議論をネットでごらんになっているのであれば、心変わりをして、市民の皆様に対して説明責任を果たすべく、本日中に証人として出頭する旨の返答をするようお待ちしております。 続いて、令和元年6月9日施行の堺市長選挙に関連して議論したいと思います。 竹山前市長の辞任に伴い、6月9日に市長選挙が行われ、事実上、永藤市長と野村友昭堺市議会議員との一騎打ちとなりました。新聞などのメディアによれば、当初の予想を覆す接戦となり、永藤市長が約1万4,000票差で接戦を制しました。 さて、選挙後、驚いたのは、野村友昭候補の陣営から、米谷文克元堺市議と山根健元堺市議のお2人が公職選挙法違反、具体的には事前運動、法定外文書頒布の疑いで書類送検されたことです。竹山前市長の政治資金収支報告書の未記載に疑義が持たれる中、反維新の候補として出馬した野村陣営から元市議会議員が2人も書類送検されたということはゆゆしき事態です。中でも米谷文克元市議は、4月末まで議会運営委員会委員長を務められた方であり、その方が堺市長選挙直後に公職選挙法違反の疑いで書類送検されるなどということは、前代未聞のことであります。竹山前市長の政治資金収支報告書の多額不記載問題とともに、堺市民から堺市長選挙の公正性について大きく信用を失墜した事案と言えると思います。 ここで、スクリーンを、一体どういうものが問題となっていたかということをお示ししたいと思いますが、まず1をお示しください。これはそのときに郵送された封筒でございます。泉陽高校出身、チーム堺、野村友昭事務所となっております。 2番、お願いをいたします。これが公職選挙法違反と疑われる文書でありまして、ここにはこういうふうに書いておられます。泉陽高校OB・OGの皆様。謹啓、緑がまぶしい季節となりました。突然のお便りで恐れ入ります。私は泉陽高校出身の野村友昭と申します。このたび私は堺市議会議員の職を辞し、堺の将来を決める重要な戦いにみずから臨む決意を固めましたこと、同窓の皆様に御報告いたします。 与謝野晶子さんを初めとする数々の偉人を輩出した歴史と文化のまち堺をよりよいまちとすべく、これまでの8年間活動をしてまいりました。決断に至るまでの間、堺のまちを守って、都構想はあかんでという多数の声に奮い立ち、また野村君が立ち上がってくれという声を光栄に感じる一方、すさまじい重圧をも感じてきました。誰かがやらなければならない、その一心での決断でした。政党の支援のない私にとって、相手となる大阪維新の会は強大な組織です。厳しい戦いとなることは承知の上ですが、決死の覚悟で戦いに挑んでまいります。 同窓の御縁が頼りです。どうか泉陽高校の同窓の皆様、野村友昭のことを知ってください。そして、同封の市政報告を御一読いただき、支援の輪を広げていただけないでしょうか。心からお願い申し上げます。 風薫る日々、どうか健やかにお過ごしください。敬白。 そして自筆の署名がされております。野村友昭と。ただ、これは本人が自分で書いていない、ほかに書いておったものを流用されたというふうにもおっしゃっております。 ここで選挙管理委員会にお聞きしたいと思いますが、令和元年6月9日執行の堺市長選挙に関して、公職選挙法違反の疑いで出納責任者らが書類送検されたということでありますが、選挙管理委員会としては、今読み上げた文書のどの部分が、またどんな行為が公職選挙法に抵触したと考えているのかお答えいただきたいと思います。 ◎選挙管理委員会事務局長(長田純一君) 選挙管理委員会は、取り締まり権限がなく、個別具体例の違法性につきましては、捜査当局の判断によるものであるため、コメントは差し控えさせていただきます。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) コメントは差し控える、捜査当局、書類送検されているから仕方ないと思いますが、それではちょっと質問の方向を変えまして、一般的なことをお聞かせいただきたいと思います。 公職選挙法上、事前運動による違反とはどのようなことなのか、また市長選挙で頒布できる文書・図画とはどのようなものなのかお答えください。 ◎選挙管理委員会事務局長(長田純一君) 公職選挙法第129条において、立候補の届け出をした日からでなければ、選挙運動をすることができないとされており、それ以前に選挙運動をすることを事前運動として禁止しています。なお、一般的に選挙運動とは、特定の選挙に特定の候補者の当選を目的として投票依頼を行うこととされています。また、指定都市の長の選挙において頒布することが可能な文書・図画としましては、公職選挙法142条第1項に規定する通常はがき3万5,000枚と、選挙管理委員会に届け出た2種類のビラ7万枚となっています。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 御答弁によりましたら、選挙運動とは特定の選挙に特定の候補者の当選を目的として投票依頼を行うことであり、それを立候補届の前にすれば事前運動になるということでした。また、市長選挙で頒布できる文書・図画は選挙はがき3万5,000枚、またチラシ7万枚ということでありました。 先ほどの2番のスクリーンお願いしたいと思いますが、これ17日に野村元議員は堺市長選挙に出馬をすると立候補の表明をしております。そして、この文書が郵送されたのが23日。当然、ここにある、私は堺市議会議員の職を辞し、堺の将来を決める重要な戦いにみずから決意を固めましたというのは、堺市長選挙、6月9日の堺市長選挙であることは明らかです。また、相手となる大阪維新の会と書いてあるのは永藤市長、また同窓の御縁が頼りです。支援の輪を広げていただけないでしょうか。これは直接的な投票依頼はしておりませんが、支援の輪を広げてほしい、支援してほしいというのは投票依頼と解されても仕方ない。そういうところから明らかに事前活動ではないかなと、事前運動ではないかなと思います。 また、自筆の署名、これは本人は否定しますけれども、受け取った者は本人が署名したと疑わないと思います。そういうところからも、非常に違反性は高い文書だというふうに思います。この文書は5月26日の告示の3日前の23日に郵送したと報道では書かれております。1万人の有権者に届いたのは24日から25日、告示は26日、直前です。聞くところによると、告示後に届いたという方もあったと聞きます。 そして何よりも我々が驚きましたのは、5月17日に出馬を表明して以降、わずか6日後の5月23日に1万通が郵送されているということです。その間、たった5日間、この5日間でまず泉陽高校の卒業生の堺市在住の名簿1万人分を集める。また、1万人の名簿をパソコンに入力して、1万人分のタックシールを出力し、1万通の封筒を用意し、1万通の封筒に1万枚のタックシールを張り、1万枚の先ほどお見せした違反文書を印刷し、1万枚の文書を三つ折りし、チラシ、市政報告とともに1万通の封入作業をした。これ1万通といいますと、大体90センチぐらいになりますから、コピー用紙。そして、それを郵便局に持ち込んだと。これ米谷元市議は発送したが中身は知らなかったと言っておりまして、それと山根元市議、これ出納責任者だったそうですが、1人でわずか5日間で1万通のこれだけの作業をして郵送したのだろうかと。たった5日間で。1人でやったとはとても思えない。これはすさまじい組織力だったのではないかというふうに思います。組織的に公職選挙法違反と疑われる行為が行われていたのではないかと疑問に思います。 なぜ、公職選挙法で事前活動や法定外広告物の頒布が禁止されているのか。それは特定の候補者のみがそれを行えば、絶大な効果があるからです。事実、泉陽高校の卒業生には、効果絶大であっただろうと想像されます。1万人の泉陽高校卒業生に出馬表明直後、告示日直前に投票依頼と思われるような書類が、しかも直筆入りで届く、このような公職選挙法違反と疑われる行為があった結果としての接戦だったのではないかというふうに思います。現在2人は検察に書類送検されており、刑事処分はまだ出ておりませんが、検察がしっかり調査してくれるものと期待しております。 このように竹山市長の政治資金に疑問を持たれたことに引き続き、堺市長選挙で市民の疑惑が持たれることが起こっていることは非常に残念なことです。野村候補の選挙運動費用収支報告書は、堺市選管にまだ提出されていないと聞いています。なぜなら警察に資料が多数押収されているからというふうに聞いています。野村候補の選挙運動費用収支報告書は、竹山前市長の選挙運動費用収支報告書及び政治資金収支報告書と比較するという意味からも非常に興味があるところです。竹山市長が御自身が招いた疑惑に対して全く説明責任を果たそうとしないこと、また6月9日の市長選挙で公選法違反の疑いで2人の元市議会議員が書類送検されていることにより、市民の政治への信頼は大きく失墜していると言えます。政治不信は選挙の投票率の低下を招くことは明らかです。我々議会議員は幾度となく選挙に携わる身でありますから、いずれの選挙においても公職選挙法に照らして違反のない公正な選挙をしていかなければなりません。まして、このようないろいろな不正な事案が続いた後には、それをしっかりと守って行っていかなければなりません。それが市民の皆様方の信頼の回復につながるというふうに思います。そのことを強く申し上げまして、第1問目の質問を終わります。 続きまして、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産について御質問したいと思います。 7月6日に百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録されました。世界遺産登録を推進してきました1人として本当に喜ばしく思います。これから日本のみならず、世界中に百舌鳥・古市古墳群の価値と魅力を発信し、同時に、古墳群の交通の整備等、進めていかなければならないというふうに思います。 そこでまずお尋ねするんですけれども、今、私も価値と魅力というふうに申し上げましたけれども、初日の大綱質疑から、局長からは古墳群の価値と魅力を伝えると、何度もそういう発言がありました。しかし、古墳群の価値と魅力というものがどういうものか、それが明らかにされていなかったように思います。そこでまず最初に、古墳群の価値と魅力とはどのようなものと考えているのかお答えいただきたいと思います。 ◎文化観光局長(宮前誠君) まず、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産としての価値について御答弁申し上げます。 有力者の地位など当時の政治、社会構造をさまざまな形、大きさで築かれた古墳で示しているという点にあろうかと思います。また、古墳は日本列島各地にございまして、16万基以上ということを言われておりますが、百舌鳥・古市古墳群はその古墳時代の文化を代表し、類いまれな物証を示すものでございます。加えまして、世界遺産委員会では、1600年の長きにわたり守られ、現代でも市街化が進む中でも守り伝えられてきたことなども高く評価されたところでございます。 一方、百舌鳥古墳群の魅力でございますが、これは世界遺産であるか否かは別といたしまして、日本最大の前方後円墳であり、世界的に見ますとクフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の一つである仁徳天皇陵古墳を初めとする古墳群の雄大さにあると考えております。現地で古墳を間近に見ていただくことで、当時の時代背景でありますとか、古墳へのロマンに思いをはせていただくことも魅力であるというふうに考えております。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) お答えいただきましたが、まず世界遺産に登録するに当たっての顕著な普遍的価値を述べられました。さらに魅力というのはどこにあるのか、先日も局長の御答弁にありましたけれども、1600年の長きにわたり守られとありました。守ってきたのは市民かもわかりません、潰さなくてですね。しかし、1600年間守ってきたというのは、これは天皇の御陵ですから、皇統が125代およそ1800年から2000年間途切れることなく続いてきた、このことによってこの古墳群が壊されることなく今に伝わっていると、このように思うんですね。この皇統の維持をなくして今はない。例えば王朝が変わっていて、もしも織田信長王朝というのがかわりにあったら、ひょっとしたら前の王朝の古墳を潰していたかもわかりません。今あるのはそういう価値があるからではないかなというふうに思っています。
そして、世界三大墳墓の一つということですが、世界最大墳墓といっても、大きさからいったら仁徳天皇陵が断トツ1位ということで、世界最大であります。通常484メートルですか、480(「6」と呼ぶ者あり) 486メートルと言われておりますけれども、しかし墳丘の長さは、しかし堀とか全部入れたら840メートルになるわけですから、840メートルの長さを持つ古墳というのは、世界最大であります。そのような魅力を備えておるんですけれども、それでは、世界遺産に登録してから多くの方々が堺に来られ、また古墳に訪れるということですけれども、来訪者は何を求めて堺に来るのか、古墳に来るのか、そして満足して帰っていただいているのか、この点いかがでしょうか。 ◎文化観光局長(宮前誠君) 来訪者の多くは、古墳群が世界遺産になったということもございまして、先ほど申し上げました日本最大の前方後円墳である仁徳天皇陵古墳を初めとする古墳群の雄大さを体感するために来られている方が多いというふうに考えております。そういう方々に満足していただくために、現在、堺観光の冊子でありますとか、ホームページにおきまして、各古墳の魅力でありますとか撮影スポットを初め、古墳めぐりのモデルコースなどを掲載し発信しているところでございます。また、仁徳天皇陵古墳や市役所21階の展望ロビーなどで、観光ボランティアガイドの皆さんが古墳がつくられた背景などもわかりやすく案内していただいておりまして、加えて、ガイドつきの古墳めぐりツアーなども開催していただいております。さらに私どもで百舌鳥古墳群の周遊支援アプリなども配信しまして、古墳群の周遊を楽しんでいただけるような取り組みを進めております。こうした取り組みを通じまして、百舌鳥古墳群の魅力を国内外の方にお伝えすることはもちろん、古墳群以外の堺の伝統文化資源を活用した周遊コンテンツの充実も図りまして、来訪者の方に堺全体の魅力を知っていただきたいというふうに考えています。以上です ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) たくさんの方々が来訪されて、ほとんど全てが大仙公園及び仁徳天皇陵古墳には行かれます。しかし、その後、ほかの古墳に周遊しているのかどうかというのは、なかなか難しいというふうに聞いておりますし、今の局長の御答弁ではいろいろ工夫はされているというふうに思いますけれども、そのあたりはなかなか難しいというふうに思います。また、満足して帰っていただいているのかということに関しても、古墳の魅力を見て、ああ、よかったなと思う以外は、思ってるよりは、古墳に行った後、堺の観光をしてよかったというのが多いんじゃないかなということも聞いています。 前にも申し上げましたけれども、堺にはがっかり名所というのが3つありまして、毎回言われている、私も言いましたけれども、1つが大浜の灯台、行ってみて、写真とかきれいなんですけれども、行ってみたら、小さくてがっかりする。また利休の井戸、これも行ってみたらぽつんと、大分整備されてましになったんですけどね、あれも宣伝よりは行ってみたらがっかりすると。そして、3つ目が仁徳天皇陵、これは余りにも大き過ぎて、皆さんが鍵穴のイメージをどうしても持ってくるもんですから、それを見れると思って来ても、全く見れない、大き過ぎて。そういうところから、がっかり名所というふうに言われているらしいんですけれどもね。そういうがっかりとしないような、そういう仕組みがこれから大切だろうというふうに思っています。 先ほど第1問目の価値と魅力を聞きましたけれども、私は今までの話を聞いていまして、ハード面、古墳がどれだけ大きいとか形がどれだけどういう形をしているとか、大きい、小さいも含めて、ハード面は非常に宣伝をするけれども、ソフト面、特に歴史というものについてスポットライトが当たっていないということを前々から申し上げております。そういう歴史ということにも光を当てれば、もっと多くの方々がこの古墳群を楽しめるんじゃないかなというふうに思っております。 もう少し進んでから休憩をとりたいと思いますけれども、もう1問(「議長ちがうねんから」と呼ぶ者あり) すみません。昨日以来、質問、答弁では、古墳を上空から見る、気球を上げて見るという話がありました。多くの方々が上から見たいというのはわかりますし、私もヘリコプターでかつて視察で見たときには、大変感動いたしました。多くの方があの雄大さが見れればいいかなというふうに思いますが、ただし、気球に乗る人は限られておりますし、多くの方が見れません。また、天候にも左右されます。そういう中で、雨だったら、なんだとがっかりして帰られるよりは、雨の日に来ても、天候が悪い日に来ても、来てよかったと言えるような仕組みが必要だというふうに思います。VRですか、そういうこともされておりますけれども、その1つに、私は築造当時の姿に復元整備する古墳が1つでもあれば、より身近に感じれるのではないかなというふうに思っています。 6、7、8、9と少しスクリーンに上げてください。6番はこれは五色塚古墳、神戸市にあるんですけれども、明石海峡の近くです。これは復元されて、きれいに復元をされています。葺石をされて。7番もお願いします。これは後円部から見た図です。後ろに見えるのが明石海峡大橋です。次、8番、これは八尾にある心合寺山古墳、これもきれいに復元をされて、半分ですけど、復元をされて、当時の姿がしのばれます。また9番、これは前方部から後円部を見た姿ですけれども、埴輪も並べられています。 このような、バーチャルでは堺の博物館にもありますけれども、実際見て、このような姿だったんだなと、仁徳天皇陵も1600年前は葺石でふかれて、このような姿がずっと続いていたんだなというような姿を見せれば、より興味が湧くというふうに思います。 そこで、質問をしたいと思いますが、築造当時の姿に復元整備すれば、来訪者に古墳の歴史的な価値をより深く御理解いただけるのではないか、百舌鳥古墳群の復元整備についてどのように考えているのかお答えください。 ◎文化観光局長(宮前誠君) 議員お示しのとおり、一般的に我が国の古墳整備では、築造当時の姿に復元される例というものは多く見受けられております。これは目に見える形でその本質的な価値の理解を深められるということから、活用手法の一つとして有効であるというふうに考えており、本市でも百舌鳥古墳群の整備基本計画を策定する中で、それも検討しておりました。しかし、百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産の構成資産となったことから、この復元整備につきましては、世界遺産条約に定めます資産の真実性を保持するということからできないということになっております。私どもとしましたら、その構成資産以外の古墳も含めまして、有識者から御意見を頂戴しながら、先ほど申し上げました整備基本計画を改めて策定し直しまして、整備手法を慎重に検討していきます。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 世界遺産登録になった以上、登録された古墳群を当時の姿に復元することは無理です。また、それ以外の古墳についてもなかなか難しいと思いますが、史跡指定するとかいうところから難しいと思いますけれども、⑤のスクリーンお願いいたします。 これ仁徳天皇陵と履中天皇陵の間、ほぼ履中天皇陵の近くに七観山古墳群、今は展望台、築山となって展望台になっているんですが、七観山古墳というのがあります。私はここにも行ってみたんですが、写真はありませんけれども、この遺跡を、築山をリニューアルして、かつて履中天皇陵古墳の陪塚であった古墳、葺石を敷き詰めて蘇らせてはどうかというふうに思っています。そうすれば、仁徳天皇陵に来た方々が、あそこに行けば履中天皇陵のそばにそのような復元された古墳がある。それとともに、視点場も、履中天皇陵の視点場もありますので、そこにも行く。昔の姿をしのぶことができる。そういうことから、この七観山古墳跡をリニューアルするということはどうかというふうに思っています。 ここであれば、堺市の判断だけでできます。ただし、堺市の単費ということになりますけれども、そういうこともしっかりと皆様方で一度御検討いただきたい、このように思っております。 最後に、歴史的なことを話したいんですけれども、ここを話すと少し長くなりますので、議長、もしよろしければ。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員の質疑の途中でありますが、議長の権限でもって、午後3時35分まで休憩いたします。 〇午後3時1分休憩 〇午後3時35分再開 ○議長(三宅達也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 水ノ上成彰議員の質疑を継続いたします。34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 引き続き質問をさせていただきます。 世界遺産についてですけれども、先ほどより世界遺産の価値、これからどうやって多くの方々にその魅力を発信していくのか、また来ていただいた方に喜んでいただくのか、そういうことをお話しいたしました。ただ、来ていただいた方に、何を目的に来たか、そして御満足いただけたかというアンケートはとっていないというふうに聞いております。ですから、ぜひ近いうちに、お越しいただいた方が何を目的に来られたのか、それは物なのか、それとも歴史なのか、どういうことを期待して来たのか、そして古墳を見た後どのような満足があったのか、それとも不満があったのか、そういうことを実際に聞き取りしていただきたいというふうに思います。生の声を聞いて、それに生かしていくことが必要だというふうに思います。 それでは、これから、最後に発信のほうについてお聞かせいただきたいというふうに思います。 古墳そのものの形や大きさといったようなハード面だけではなくて、ソフト面での魅力が発信がないというふうに思っています。ソフト面の魅力というのは、私は日本の悠久の歴史、それが凝縮されているのが、ある意味この百舌鳥・古市古墳群ではないかなというふうに思っておりますしね。来年は日本書紀編さん1300年となります。後から見せます百舌鳥・古市古墳群にある数々の天皇陵、それは全て日本書紀、また古事記に書かれている方々ばかり、そういったような歴史に触れるという方も多くいらっしゃるというふうに思います。これまで皇統が継がれてきたから陵墓も守られている。それは先ほど申し上げました。百舌鳥・古市古墳群で天皇の墓とされるのは10基あります。皇后も含めると12基、そしてさらにヤマトタケルノミコト、これは仲哀天皇の父上でありますけれども、よく御存じのヤマトタケルノミコト、これはまさしく皇統の血を引く方です。そういった方の関係性を記載しているのは見当たりません。そういった古代天皇の事績など、ストーリー性を持って発信していくことがこれから重要であると思いますが、当局のお考えを聞かせていただきたいと思います。 ◎市長公室長(柴信君) これまで百舌鳥古墳群の情報発信に当たりましては、世界遺産登録に向けた機運醸成を図るため、まず古墳そのものに興味、関心を持っていただけるよう、古墳群の全体像や築造された時代背景、特徴などといった情報をウエブ上で広く発信してきました。また、日本書紀に記載されております仁徳天皇の事績など、古墳に関する歴史的な事柄についても、堺動画チャンネルやPR冊子Sakaistを通じて紹介してきました。世界遺産となり百舌鳥古墳群にお越しになる方がふえています。今後、継続して来訪者をふやしていくためには、百舌鳥古墳群により深く興味・関心を持っていただけるような情報発信を行っていくことが重要と認識しております。 そうした考えのもと、これまでの手法に加え、新たにハニワ部長によるPR活動や、メディア発信を通じて百舌鳥古墳群とその歴史的なストーリーを情報発信するなど、より効果的な情報発信に努めていきます。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 先ほど申し上げたとおり、ハード面だけではなくて、ソフト面をしっかりとアピールしていく、それが必要だというふうに思います。今回、永藤市長は、ガイダンス施設の建設を中止しました。私はかねてよりガイダンス施設については反対でした。これは多額の予算が要るだけではなくて、展示内容がハード、物の大きさとかそういうものに終始をして、全く日本が古来から持っている古事記、日本書紀、また神話の世界、そういう天皇とかそういう事績が全くなかった。そういうふうなガイダンス施設では来てもおもしろくない、そういう意味からもガイダンス施設には反対をしておりました。 今、ガイダンス施設を中止をして、昨日以来のお考えでは、レストハウスと博物館を使用するということですけれども、その中でも僕はレストハウスのほうはハード面をしっかりとアピールしていく。しかし、ソフト面、初代神武天皇から今までの今上陛下までつながる皇統の中の一部を、百舌鳥・古市古墳群の天皇というのがいらっしゃって、そこを事績を紹介する。そのようなことも博物館で行ってはどうかというふうに思っております。 スクリーン4番お願いいたします。これも前に見せたかと思うんですけどね、これ百舌鳥・古市古墳群の天皇陵、名前のある陵ですね。まず一番上がヤマトタケルノミコトです。このお父さんは景行天皇です、12代景行天皇。ヤマトタケルノミコトの息子が仲哀天皇、14代、その息子15代が応神天皇、16代が仁徳天皇、17、18、履中天皇、反正天皇となって、19が允恭天皇。允恭天皇の息子が雄略天皇で、その息子が清寧天皇と。履中天皇の孫が仁賢天皇で、そして、安閑天皇と、これは仁徳天皇の血を引かずに、応神天皇の血を引くんですけれども、こういったように百舌鳥・古市古墳群の天皇陵というのは1つの系譜でほぼまとまってきます。こういうふうな系譜をもとに古墳を紹介をする、そうすれば、より身近になるんじゃないか。 2012年に古事記1300年が、編さん1300年祭があって、来年が日本書紀編さん1300年となって、古事記、日本書紀が静かなブームになっているわけです。そして、来年が日本書紀1300年ですから、それに合わせてこの天皇の方々、天皇は、日本書紀に書かれている方々ばかりですので、こういう方をしっかりと事績を紹介をしていく。そして先ほどの、もう一度お願いします。この水色が羽曳野の天皇陵です。黄色が堺の天皇陵、赤いのが藤井寺の天皇陵ですよね。親子関係はこういうふうにあるわけですから、百舌鳥・古市、これは10キロほど離れておりますけれども、その間に周遊をする、行ってみようというのは、歴史でしか僕はつながらないというふうに思っています。 例えば仁徳天皇のお父さんがどういう方だったか、応神天皇、それを伝えることによって、そうしたら古市に行ってみよう。また古市行った方々が、逆に応神天皇の息子は仁徳天皇、行ってみようと。このような関係を知らせることが、この百舌鳥・古市古墳群を一体として魅力とする方法だというふうに思っております。 堺は、仁徳天皇のことは割と知られています。民のかまどがありますし、小学校の授業でもこれから取り上げられるようになると聞いておりますしね。ただ、履中天皇、反正天皇については、ほとんどの方が御存じありません。これも急な質問になりますけれども、履中天皇、反正天皇について、何かエピソード御存じですか。御存じでしたらお答えいただきたいと思いますけれども。 ◎文化観光局長(宮前誠君) ちょっと今、手元に資料がございませんが、お2人とも、在任期間はかなり短かったということを覚えております。また、履中天皇陵については、土木工事とかをされて、そういう民のためにいろいろ頑張ったということも書かれていたというふうに記憶しております。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 少し歴史の話をしたいというふうに思います。ソフトとはこういうもんだということをお話ししたいと思うんですが、先ほどの系図を出してください。仁徳天皇の息子は4人いらっしゃいました、皇位継承の。履中天皇、反正天皇、允恭天皇以外に、履中天皇と反正天皇の間に住吉仲皇子という方がいらっしゃいまして、仁徳天皇が崩御した後、住吉仲皇子が、普通ならば皇位継承は履中天皇なんですけれども、反乱を起こします。自分が天皇になろうということで、履中天皇がいらっしゃった難波宮を攻めて焼きます。履中天皇は部下とともに辛くも逃げると。逃げた先が奈良県の石上神宮に逃げるわけです。石上神宮に逃げた履中天皇のところに、反正天皇がやってまいります。反正天皇が来たんですけれども、履中天皇は反正天皇と会いません。住吉仲皇子が反乱を起こした。おまえも反乱を起こす一味じゃないかということで会わない。それで、もし信用してほしかったら、住吉仲皇子を成敗してこいと履中天皇は言います。反正天皇は、いろいろ策を講じて自分の実の兄、1つ上の兄の住吉仲皇子を成敗します。ですから、反正天皇は履中天皇の正当性、そして秩序を守るために、自分のすぐ上の兄を成敗したということになるんですね。 その功績から、履中天皇は自分に子どもがあったにもかかわらず、弟の反正天皇に皇位を継承いたします。これで史上初めて、今までずっと親子から天皇が皇位は継承されてきたんですけれども、それが初めてきょうだいに移るようになった。そして、反正天皇の反正なんですけれども、これは正しさに反するじゃなくて、これは正しさに変えるという意味だそうです。というのは、正当な皇位継承者の履中天皇を守るために反乱を起こした実の兄を成敗する、この正しさに変えるというのを評価されて反正天皇というふうに名前がついたというふうに言われています。 というように、こういう話を知れば、興味が出てくると思うんですね。履中天皇はどんな天皇で、反正天皇がどんな天皇で、仁徳天皇陵に行った。そうしたら、そういう話があるんだったら履中天皇陵に行ってみよう。また、反正天皇陵に行ってみようという気が出てくると思うんです。幾らハードの面、これだけ大きかった、履中天皇が3番目とか、そういうことを言っても、一番大きいのを見たら、もうそれでいいだろうというのが、そういう人が多分多いと思います。そうではなくて、本当に周遊をしてもらうというのであれば、そういう歴史的なこと、古事記、日本書紀は日本の国史ですから、そういうものから多くの人にアピールしていく、そういうことが大事ではないかなというふうに思っています。 世界遺産は、これ天皇陵を世界遺産にしたんです。皇室財産である天皇陵を世界遺産にしたんです。天皇陵を世界遺産に登録したという責務があるというふうに思います。堺市も藤井寺市も羽曳野市もね。それはその責務というのは、どういう天皇だったか、これは古事記、日本書紀に書いてあるんですから、そういうことを多くの人に知らしめる。これは豊かな歴史を知らしめるということで、非常に有効な方法だというふうに思います。世界遺産魅力創造チームがつくられたと聞いております。そういう中でぜひともこういう点からも魅力を発信をしていく、御検討いただきたいというふうに思います。 そして、系譜を見ていただきましたら、下の21代雄略天皇、清寧天皇、24代仁賢天皇、27代安閑天皇にバツ印をつけておりますが、実はこの4つの天皇陵は世界遺産登録の対象になっておりません。いつの時期か忘れましたけれども、ある時期に外されました。それは時代が合わないからとか、そういう学識的なことから外されたと聞いています。しかし、先ほど申し上げたとおり、これはもう長い歴史の中で、皇統の中で育まれた守られてきた天皇陵である以上、この4つの天皇陵についても、堺の天皇陵ではありませんが、これを入れて世界遺産とすべきだというふうに思います。 先日、文化庁の世界遺産登録の担当係長とお会いしまして、この点を話しましたら、今、世界遺産登録したので、すぐにはそれはできないと。少なくとも、五、六年はかかるというふうにおっしゃっておりました。しかしですね、堺の中にある資産ではありませんけれども、ぜひとも永藤市長、私もお手伝いさせてもらいますけれども、旗振り役になって、全ての天皇陵がこの百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録されるように、そういう運動、運動といいますか、奮闘していただきたい、このように思っています。 せっかくなった世界遺産、これをどのように発信をしていくかということは、これから皆様方の手腕にかかっています。無味乾燥なハードだけではなくて、日本には豊かな歴史があります。その歴史を前面的に出して子どもたちに教える、またこういう話も文教委員会等々でしたいとは思いますけれども、ぜひともそういう点からも発信をしていただきたいことを申し上げまして、この項の質問を終わります。 最後に、公共交通、特に阪堺電気軌道について御質問したいというふうに思います。 これは何度も取り上げてまいりました。しかし、市長がかわりまして、市長のお考えを聞きたいということもありまして取り上げました。まず最初に、阪堺電気軌道に対して本市から支援を行っていますが、支援を行うに至った経緯をお示しください。 ◎建築都市局長(窪園伸一君) 阪堺線につきましては、堺市内区間が廃止の危機を迎えていたことから、平成21年に阪堺電気軌道より本市に対し、抜本的な支援がなければ、堺市内区間の存続は不可能であるとの要請がありました。そうした中で、本市は阪堺線は必要な交通機関であると位置づけ、堺市内区間の存続を目的に、平成22年10月から10年間にわたる国費を含めた総額約50億円の支援を実施してきました。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 当時、阪堺電気軌道は累積赤字が多くて、堺区間は特に経営難に陥っていたと。そういうところから、この堺区間については存続が不可能と。ですから支援を要請した。竹山市長のときにその支援をしたんですけれども、この支援の目的というのは、堺市内区間の存続というのとともに、これは30年の、去年の3月の定例会で建築都市局長が答弁されている中では、阪堺線堺市内区間の自立再生を図るためというふうにおっしゃっています、支援の開始したのはね。この自立再生というのはどうもキーワードだと思うんですけれども、そういうこともなったかどうか、後で検証したいというふうに思います。 まず、次に阪堺電気軌道に実施してきました主な支援内容をお答えください。 ◎建築都市局長(窪園伸一君) 阪堺電気軌道に対する支援の内容としまして、毎年2億円を上限とする利用者拡大及び堺市内の施設の保守・保安等への補助と、10年間で国費を含め約30億円を上限とする老朽化対策及び施設高度化への補助となっています。このうち利用者拡大策に対する支援につきましては、2区間運賃290円と1区間運賃210円だったものを、210円とする運賃均一化への補助、1乗車100円とする高齢者利用割引きに対する補助、ゾーンチケット発行に対する補助を実施しています。また、低床式車両堺トラムの導入や石津北停留所の新設、宿院停留所の改修等に対し国費を含めた補助も実施してきました。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) それでは、それだけの支援を行った結果、阪堺線の利用者及び収支はこの9年間ですかね、どのように改善されてきたのかお示しください。 ◎建築都市局長(窪園伸一君) 阪堺線堺市内区間の年間利用者数は、支援開始前の平成21年度が約146万人、平成30年度が約230万人となっており、約84万人増加しています。また、阪堺電気の全路線の軌道事業収支についても、平成30年度は平成21年度と比べて約1億6,000万円改善しています。以上でございます。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたが、この利用者は非常に大きく伸びている。50%以上の伸びを示しているということで、非常に評価していいと思います。多くの方が阪堺線を利用すると。ただし、この収支なんですけれども、10番のスクリーンお願いします。見にくいんですが、数字を申し上げますと、平成21年度の収入は12億400万円でした。それが平成30年には12億9,700万円と9,300万円の増加、7.7%の増加です。支出は平成21年が15億4,300万、それが平成30年には14億7,600万と6,700万支出が減っている、経費削減がされています。これは主に人件費なんですけどね、4.3%減というところから、平成21年度は約3億4,000万円の赤字だったこの阪堺線が、1億7,800万、約1億8,000万の赤字まで減少をしているということなんですね。 ただ、あれを見てわかりますように、収入はふえた、または経費が減ってきたとはいえ、約2億円、1億8,000万から約2億円の赤字というのはどうしても消えない。この2億円の赤字というのは、2億円のランニングの補助をしているので、決算書上、阪堺電車の決算書上は消えているんですけれども、ただ、この2億円の補助がなければ、また1億7,000万、1億8,000万の赤字に転落するということなんです。 それで、さっきの話に戻るんですけれども、平成22年当時、堺市の支援は堺市内区間の自立再生をめざすというところでした。竹山前市長の目的はそこにありました。局長もそういう答弁をされています。しかし、あの表を見ますと、来年度も同じ程度の赤字幅になるんだろうというふうに思いますが、ついに10年間たっても自立再生はできなかったということが言えるというふうに思います。そして、令和2年、来年の9月にはこの堺市の支援は終わります。10年、50億の支援は終わります。そうすれば、また昔のようなこの赤字体質。そしてようやく決算書上は今プラスになっていますけれども、また累積赤字が積まれていって、いずれはまた経営難に陥るのではないかというふうに心配もいたします。 私はこの108年、明治44年にできましたこの阪堺線から数えますと108年目になるんですけれども、この阪堺線は堺の宝の1つでもありますし、これはできるだけ存続していきたい、このように思っています。そのためには、支援はなくなりますけれども、何とかこの阪堺線がこれからも運営できるようにしていきたいなと、していってほしいなと思うんですけれども、そこでお聞かせいただきたいと思います。市長にお聞かせいただきたいと思います。支援完了後については、市長はどのように考えておられるのか、特におでかけ応援制度の取り扱いや、阪堺線の東西への延伸を含め、東西交通との関係についてもお答えをお聞かせいただきたいと思います。
◎市長(永藤英機君) 私も支援終了後も阪堺線にはぜひとも存続をしていただきたいと考えています。ただし、これまでのように多額の公金を投入するということではなくて、民間の力も活用しながら、沿線の活性化に取り組んで、阪堺線にとって利用者がふえるようにサポート、取り組みをしていきたいと考えております。おでかけ応援制度につきましては、こちらは利用制度の存続というのはもちろんなんですが、それだけではなくて、利便性がさらに向上するように検討を進めてまいります。 そして、東西交通ですが、こちらも阪堺線と、存続ということに対しては大きな効果があると考えています。これから島田副市長をトップとして堺グランドデザイン2040策定をしていただきますが、その中でも交通インフラ、交通アクセスということは大きなテーマになります。沿線の活性化、そしてどのような手段で、どのようなルートを整備すればいいのか、そちらも念頭に置きながら、東西交通網の実現に向けて進めていきたいと考えております。 ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(三宅達也君) 34番水ノ上成彰議員。 ◆34番(水ノ上成彰君) 永藤市長から御答弁をいただきました。大きく見れば2040の中で、この阪堺線の活用ですね、民間活力の活用、または沿線の活性化を進める中で進めていく、これについては具体的な計画をいち早く示してほしいなというふうに思います。おでかけ応援制度につきましても存続するということで、市民の皆様方は安心するというふうに思います。 最後に、これは島田副市長とも、かつての前市長とも、もうさんざん議論してまいりましたけれども、東西への延伸というのはどうなのかなと。どうなのかなという、やればこれは需要が喚起できて存続にプラスになるんじゃないかと、公設民営で堺駅から堺東駅で相互乗り入れをする。それによって需要喚起をして乗降客数をふやす。また、関空からの玄関は、堺は堺駅、しかし堺で一番栄えているのは堺東と、堺駅と堺東間の結ぶ交通は今のところバスしかありません、公共交通はね。そういう面で、インバウンドでたくさん大阪に来る人を堺東、そして堺東から仁徳天皇陵を初め、そういうところに行っていただくためにも、この線をもっと活性化する必要がある。その中で、LRT化、東西への延伸もあるんじゃないかなというふうに思っています。ただし、これについては莫大なお金がかかりますし、十分な検討をした上で進めてほしいと思います。そして、3路線、3機種という話もありますし、いろんな選択肢があります。この堺が発展するためにはどういう方法が一番いいのか、またその中でこの阪堺線が存続するという意味も十分に大きな視点として考えていただいて、堺全体が活性化する、そのような計画を立てていただきたいというふうに思います。 これからこの議論についてはたびたびすることになるというふうに思いますので、きょうはこれでとどめますけれども、今後とも皆、前向きな議論をしていきたいということを申し上げまして、私の大綱質疑を終わります。 |
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