◆水ノ上 委員 お疲れさまです。大阪維新の会堺市会議員団の水ノ上成彰でございます。私のほうからきょうは2点御質問いたします。短い時間ですので、テンポよく行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、特別支援教育についてお伺いいたします。 教育委員会はそれぞれの世界に羽ばたく堺っ子を目標とする子ども像として、様々な取り組みを行っております。全ての子どもたちや保護者が堺で育って、また堺で育ててよかったと思えるような堺の教育であってほしいと思いますし、また市教委の皆様方も同じ思いだというふうに思います。 とりわけ障害のある子どもたちへの教育、特別支援教育は大変重要なものであると考えています。本日は、まず本市の特別支援教育の全体的なことについて議論をしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 まずお聞きいたしますが、特別支援教育とはどのようなものか、お答えください。 ◎川島 支援教育課長 特別支援教育は障害のある子どもの自立や社会参加に向けて一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため適切な指導及び必要な支援を行うものでございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 特別支援教育の目的は、障害のある子どもの自立や社会参加していく力を高めていくことにあるとありました。 障害のある子どもたちにとって自立、社会参加は、まさに身につける必要な力であると思います。そのためにも一人一人の教育的ニーズを的確に把握することが不可欠になってきます。 それでは、本市の障害のある子どもたちの現在の状況はどのようなものか、お答えください。 ◎川島 支援教育課長 様々な学びの場で学ぶ子どもたちの人数は、いずれも令和元年5月1日現在で支援学級は小学校1,973名、中学校732名で合わせて2,705名、通級指導教室を利用する児童・生徒は616名、支援学校は上神谷支援学校169名、百舌鳥支援学校163名、百舌鳥支援学校分校2名で合わせて334名です。 また、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童・生徒については、平成24年の文部科学省調査での割合約6.5%を本市に当てはめますと、約4,000名が在籍する可能性があります。幼稚園でも少数でありますが、療育手帳等を所持している幼児が在籍しています。 なお、小・中学校全体の在籍数は減少傾向の中、支援学級在籍数は5年前に比べて約1,000人増加している状況があります。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁いただきましたが、支援学級、通級指導教室、支援学校合わせて3,665名、それに通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童・生徒、計算上は約4,000名ということで、それぞれの学びの場で学ぶ特別支援を必要とする児童・生徒数は合計で7,600名から7,700名になるということです。小・中の支援学校の総在籍数は約6万5,000名ですから、特別支援を必要とする児童・生徒は小・中・支援学校全体の1割以上を占めているということになります。 午前中の議論にもありましたけれども、小・中学校の全体の在籍数は減少傾向にあるにもかかわらず、特別支援を必要とする児童・生徒は増えています。人数もさることながら、さきの答弁にあったとおり、一人一人の教育的ニーズを把握して指導、支援を行うことは、かなりの専門性が必要であるというふうに考えております。 そこでお伺いいたしますが、本市の特別支援教育の課題についてお答えください。 ◎川島 支援教育課長 子どもの障害の状況や必要な指導、支援のあり方は様々でございますけれども、主な課題として今委員御指摘のとおり、指導を行う教員の専門性や指導力の向上、学びの場である支援学級や通級指導教室、支援学校での基礎的環境整備の充実を進めること、また支援学校中学部生徒の主な進路先である府立支援学校高等部との円滑な接続などなどが検討すべき課題であると捉えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁では3つの課題をいただきました。それぞれの課題については今までも取り組まれていることは承知しておりますが、どの課題も障害のある子どもたちにとっては切実なものであると思います。 それでは、今御答弁いただきました3つの課題に対して、課題解決のため、さらにどのような取り組みを行っていくのか、お答えいただきたいと思います。 ◎川島 支援教育課長 現在の特別支援教育環境整備事業等を継続して実施するとともに、研修の内容をより具体化し、知識だけでなくグループワーク等を取り入れることにより実戦的な研修を行い、教員の専門性の向上を図ってまいりたいと考えております。 あわせて、介助員や看護師等の人的支援の充実や障害の状況に応じた施設改修を行うとともに、大阪府と連携し、府立支援学校教員による小・中学校教員への指導助言を行う地域支援の体制構築に取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 現在特別支援に係る3つの事業、すなわち特別支援教育環境整備事業、特別支援教育推進事業、そしてユニバーサルデザインスクール事業などの現在の各事業の充実は当然進めていただきたいというふうに思います。 さらに今御答弁いただきました3つの課題に対する具体的な取り組みとして、グループワークなどを取り入れた実践的な研修、基礎的環境整備のために人的支援だけでなく障害の状況に応じた施設の改修、大阪府との連携、すなわち府立支援学校教員による小・中学校教員への指導助言を行う地域支援の体制構築、これもこういった意味では大変大事だというふうに思います。これについてはいずれも評価をしたいと思います。 その一方で、特別支援教育にはほかにも多岐にわたる課題があるため、特別支援教育の専門家はもちろんでありますけれども、他の分野の有識者にも助言をもらって、様々な角度から検討することも必要ではないかと思いますが、市教委の見解を聞きたいと思います。 ◎川島 支援教育課長 他分野の有識者等の方々から広く御意見をいただくことは、様々な課題に対応するために有意義であると捉えております。本市の発達障害を含めた支援を必要とする子どもたちの状況に即して、自立と社会参加に向けた特別支援教育の新たなあり方を様々な角度から検討していくことができると考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁いただきました。ここまで特別支援教育についての全体像と今後のあり方について、るる議論をしてまいりました。本市の障害のある子どもたちの自立と社会参加の力を育むためどのような取り組みがよいのか、また子どもたちにとって一番よい方法は何かについて十分検討をしながら、また先ほどの答弁では特別支援教育の新たなあり方も検討されるということですので、そういうことも十分に考えた上で本市の特別支援教育をさらに充実させていただくことを要望いたしまして、この質問を終了したいと思います。 続きまして2つ目なんですが、2つ目は東京書籍歴史教科書の記載について御質問したいと思います。 これは中学校の歴史教科書のことなんですけれども、4年に一度、教科書の採択がされます。そして令和2年採択されて、令和3年から使用されるということですので、私はこれまで何度もこの歴史教科書については皆様方と議論をしてまいりました。今日も時間がありませんけれども、1問に絞って議論をしたいというふうに思います。 その1問、1つの課題というのは、南京事件についてでございます。 南京事件というのは、御存じのとおり1937年12月、日本軍が南京を占領し、このとき日本軍によって中国の軍民に多数の死傷者が出たとされる事件です。これについての東京書籍の歴史教科書の記載について議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 まず、南京事件について堺市の学校ではどのように教えているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 小・中学校ともに、日本軍が首都南京を占領したこと、多くの中国人が殺害されたこと、被害者の数については諸説あり確定していないことなどを指導しております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁にありました多くの中国人が殺害されたと。これにつきましてもいろんな諸説がありまして、例えば中華人民共和国政府は日本軍が南京を攻略するに当たり、南京の住民を30万人以上殺したと主張しています。これに対しては、市民の虐殺は一部あったという主張や市民の虐殺は全くなかったという主張も根強く、いまだに決着はついておりません。 そういう中で、現在堺市の中学校で使用されている東京書籍の教科書では、南京事件についてどのように記載されているのか、教科書に基づいて御答弁いただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 中学校で使用している教科書では、本文では、日本軍は1937年末に首都の南京を占領し、その過程で女性や子どもなど一般の人々や捕虜を含む多数の中国人を殺害しました。(南京事件)と記載されています。 また、脚注の解説で、この事件は南京大虐殺とも呼ばれます。被害者の数については、様々な調査や研究が行われていますが、いまだに確定していませんと記載されております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 スクリーンを御覧いただきたいと思います。 これは東京書籍歴史の教科書の220ページのところです。今御答弁いただいたとおり、この中には、日本軍は1937年末に首都の南京を占領し、その過程で女性や子どもなど一般の人々や捕虜を含む多数の中国人を殺害しましたと断定的に書かれております。先ほど申し上げたとおり、いろんな諸説あるにもかかわらずです。 私は、このような学説の極端に分かれた事件は、本来は義務教育の教科書では教えることを控えることが常識ではないかというふうに考えております。 この記述、女性や子どもなど一般の人々を殺害した、日本軍が。日本軍というのは我々の祖先、言ってみればおじいちゃんの時代です、我々から見たらね。そのおじいちゃんがこのような明らかな戦争犯罪を犯していた、この教科書は断定をしているわけです。中学生は約1学年7,000人、教科書が採択されれば、4年間で約3万人がこの教科書でこの部分を習うわけです。これを読んで子どもたちはどういうふうな印象を持つか。 そこでお伺いしたいんですけれども、教科書のこの記述、特に日本軍が女性や子どもの多数を殺害したということについて市教委の見解を問いたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 女性や子どもなど殺害したというところでございますが、政府見解のとおり、非戦闘員の殺害については否定できないというふうに考えております。教科書については文部科学省の検定済みであるということ、また学説状況等に照らして記述の欠陥はなかったものというふうに認識しております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 この教科書をもって子どもたちが習うわけです。皆様教師の方々は実際学校の現場で中学生にこれを教えるわけですね。今指導課長のほうからありましたけれども、本当に我々のおじいちゃんの世代が中国に行って女性や子どもを殺害したのか、それも多数、組織的に。それを子どもたちに何の疑いもなく教えているのか。私は市教委の認識として、この記述は本当にあったと思っているのかどうか、お聞きしたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 先ほどの答弁と重なるところは多々ございますが、現在使用している教科書につきましては、文部科学省における検定審査に合格した教科書の中から教育委員会において採択しているものでございます。教科書の記載内容についても日本政府において先ほど申し上げたように、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為があったということは否定できないこと、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてもどれが正しい数かを認定することは困難であることとの見解が示されておるところでございます。 政府見解に準じた内容となっているものでございますので、注意に注意を重ねた中で学校現場では指導しているところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 私の質問は皆さんがそれを信じているかどうかということなんです。いかがですか。 ◎後藤 学校指導課長 その時代に生きてはおりませんので、なかなか具体的にどうだったのかと言うことはできませんが、文科省が示している、日本政府が示しているそれらの資料の中で読み解くのが今の現状かというふうに思っております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 政府は先ほど答弁ありましたけれども、非戦闘員の殺害はあったと、女性や子どもというのは具体的に書いてないわけですね。この教科書にはそういうふうに書いてある。これは日本にとって非常に不名誉なことなんですね。子どもたちからしたら、自分のひいおじいちゃんの時代にはそういうことをしたということが断定的にこれは書かれている。 そして先ほど冒頭申し上げたとおり、これについては諸説ありまして、中国が言うような30万人を殺したという説もあれば、全くそういう虐殺はなかったとされる説まであります。そういう中で、私はこの教科書に書かれているような断定的な表現で子どもに教えるということは非常にこれは慎むべきものではないかというふうに思っています。そしてもしこういうことを続けていくのであれば、この事実について子どもたちに教えるに当たって、皆様自身が客観的な証拠を持ってやるべきだというふうに思います。 そこでお聞きしたいんですけれども、私はこの事実、日本軍が女性や子どもを多数殺害したという事実について市教委に客観的な証拠資料を調査した上で明示していただきたいと思いますが、いかがですか。 ◎後藤 学校指導課長 繰り返しの答弁になるんですけれども、私たちは多くの歴史的な書物の中から学ぶところしかございません。また、政府が示すところ、学習指導要領にのっとった形で学習するという形になっておりますので、来年度採択される教科書においても、その辺のところも委員の御意見真摯に受けとめながら、きっちりと採択の方、していきたいというふうに考えております。 ◆水ノ上 委員 私は、この教科書をもって4年間、約3万人の子どもたちに教育がされるということで、私は市民の代表としてこれは聞いてるんです。ですから、この3万人を教えるに当たって正確な確かな証拠を明示してほしい。
例えば政府見解でそうあるんでしたら、政府に聞いて客観的な証拠を聞いてほしい。また東京書籍が断定的に書くのであれば、東京書籍に言って、こういう議論があったと、客観的な証拠があるから東京書籍はこのような記述をしてるんだ、ですから東京書籍に客観的な証拠を出すようにというようなね、また皆様は皆様方で調査したらいいと思う、子どもたちに教えるんですから。ここでこういう議論をしてるんですから、しっかりと調査した上で私に、また堺の市民の皆さんに明示してほしい、明らかにしてほしいと思いますが、教育部長、いかがですか。 ◎松下 学校教育部長 委員御指摘の部分につきまして、次年度、令和2年度教科書の採択が中学校ございます。この教科書につきましては、全ての児童・生徒の学校における授業や家庭における学習活動において重要な役割を果たすものであることは委員と同じ気持ちでございます。そのことを踏まえて、しっかりとこの採択、調査研究に当たりましては、しっかりとその部分を踏まえまして採択を実行してまいりたいと思います。 一方、国の法律の中では、教科書の使用義務というのが明示されてございます。その部分には、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書を使用するものということが示されております。このことも踏まえ、しっかりと教育委員会として責任を果たしてまいりたいとこのように考えてございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 私が求めているのは、この部分について市教委なりにしっかり調査してほしいということなんですね、子どもたちに教えるんですから。全てこの教科書が正しいということではなくて、ここでこういう議論をしてるわけですからね、東京書籍に聞くなり政府に聞くなり、いろんな学者に聞くなり、客観的な証拠をもって示してほしい。そうであれば、私はあったかなかったかということを聞いてるんじゃなくて、皆さん方がこの教科書を使う上は、そのようなことをしっかり担保した上で使ってほしいと言うてるわけです。ですから調査した上で、5月・6月議会でも結構ですよ、議論をして明らかにしてほしいと思いますが、いかがですか。 ◎松下 学校教育部長 今委員お示しの部分につきましては、今後の採択につきまして調査研究ということの中で、しっかりと採択をしてまいりたいとこのように考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 私は調査をしてくれと言うてるんですけれども、採択のときに云々かんぬんじゃないんですよ。 ちょっと視点を変えて聞きます。 教科書採択の観点、特に歴史分野の教科書採択の観点についてお答えください。 ◎後藤 学校指導課長 前回になりますが、平成27年度の中学校教科書採択におきましては、文部科学省の検定に合格した社会、歴史的分野の教科書について、歴史的事象を多面的、多角的に考察し、公正に判断できる態度や能力を養う内容となっているのか、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を養い、国際社会に生きる平和で民主的な国家、社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養うことができる内容になっているかなど、8つの観点に基づき調査研究を行ったところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁にありましたとおり、歴史に対する理解と愛情を深めるということが大きなポイントなんですね。自分たちのおじいちゃんが中国に行って女性や子どもを殺害していたという教科書をもって子どもたちが愛情が深まるか。そしてそれを事実として、教科書にまさかうそが書いてると思ってないから、みんなそれが本当だと思うわけですよ。ですから、そこのところ、これ議論してるわけですからね、市教委の責任において調査してほしいと思います。 最後に教育監にお聞きしたいと思います。 先ほど教育監はニイルの言葉を持ち出されて、最もよい教師は子どもとともに笑う教師であって、最もよくない教師は子どもを笑う教師だというふうに言われました。私は子どもにうそを教える教師というのも、また祖先をおとしめる教育というのも私は厳に慎むべきだというふうに思いますし、悪い教師だというふうに思います。これが正しいかどうか、まずそれを確かめた上で教育をしてほしい。そういうところから、客観的な証拠資料を明示した上でさらに議論を進めたいと思いますが、教育監の御意見を聞かせていただきたいと思います。 ◎中谷 教育長 今、水ノ上委員のほうからいろいろと、るる御指摘いただいているところですけども、私ども教育委員会としましては、学校で使用する教科書の採択については全て文科省、いわゆる国が検定した、中身の内容を検定したものを使用しているというところの中での教科書を使用していると。その記載をもって子どもたちに教えているというところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 教育長、今までの話聞いてたんですかと僕は思うね、そういう答弁いただいたら。 僕はもう時間来てるから置きますけどね、この教科書については、きょうは南京事件だけを取り上げましたけど、ほかにもたくさん議論したいことがあります。その中で、子どもたちが本当に日本のことを愛するか、好きになるか、そういう教科書を選んでほしい、そして日本をおとしめるような記述については調べてほしい、そのことをお願いしてるんです。そして調べた上で次の採択を考えてほしいと、その1点なんですよ。 時間が来ましたので、もうこれで止めますけれども、今年が採択の年ですので、ぜひとも子どもたちに日本に対する愛情が深まるような教科書を選んでほしいと思います。 最後になりましたが、小宅教育監、本当に御苦労さまでございました。
次期教育監、まだまだこれから議論していきますから、どうぞよろしくお願い申し上げまして、私の質問といたします。 |
Mail info@mizunoue.com
【水ノ上成彰 事務所】
〒592-8348
堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2
TEL 072-263-0333
FAX 072-263-0334