◆水ノ上 委員 おはようございます。大阪維新の会の水ノ上です。私のほうからは1点、質問をいたします。今日についても中学校歴史教科書の採択についてです。 令和3年から使用される中学校教科書が8月17日の教育委員会の定例会で採択が決定をいたしました。歴史教科書につきましては、帝国書院の中学生の歴史が決定をいたしました。私はこの3月の文教委員会、そして6月8日の大綱質疑におきましても、この教科書採択については議論をしてまいりました。そこでまず、今回の教科書採択の流れについてお答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 本市では、法令に基づき5月14日の教育委員会定例会において、大阪府教育委員会の方針を踏まえ、採択基本方針及び採択基準を策定いたしました。その後、教育委員会事務局の指導主事及び堺市立学校の教員から成る調査員88名が学習指導要領、本市採択基本方針、採択基準に基づき、調査研究を行ってまいりました。7月上旬に行われた選定委員会において、保護者の代表や学校の校長、教頭及び教諭、教育委員会事務局の職員と選定委員14名が調査員の調査報告を受けて協議の上、意見書を作成し、教育長に提出いたしました。各教育委員は選定委員会から提出された意見書や教科書展示会における市民等からの意見を参考に、独自研究を行い、7月の13日、20日、29日の意見交換会を経て、8月17日の教育委員会定例会において協議の上、教科書の採択を議決いたしました。以上が流れでございます。 ◆水ノ上 委員 私は、学習指導要領に基づき、我が国の歴史に対する愛情を育むという観点を考慮した上でも選定を行うように今まで要望してまいりました。簡単に言えば、日本が好きになる教科書を選んでくれということです。それに対して教育長は、歴史教育については学習指導要領にのっとり、我が国の歴史に対する愛情を育むとともに、伝統や文化を尊重する態度を養うことが重要と考えている。選定委員会や市民の方の意見など、より広い視野からの意見を踏まえ、最もふさわしい教科書の採択に努めると答弁いただきました。 そこでお伺いしますが、私が先ほど申し上げた歴史教科書選定の上での要望に対して、今回の採択においてどのように反映されたのかお答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 教科書の記述内容の表現の適否につきましては、法令の定めるところにより、文部科学省の権限において審議され、検定を行うものであることから、教育委員会としては、適否が審議された検定済みの教科書のうちから、教育課程の基準として公示された学習指導要領及び本市の基本方針等に基づき調査研究を行いました。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 それではお伺いします。歴史的事実の記載の内容について、具体的な比較検討はされましたか。 ◎後藤 学校指導課長 調査の段階においては、比較のほうさせていただいたところでございます。 ◆水ノ上 委員 先ほど冒頭で御答弁いただきました中で、調査員の調査報告書、また選定委員会の意見書、そして、8月17日の教育委員会定例会の、私は傍聴しましたけど、それぞれを拝見、また傍聴した中で、全くそういう歴史的事実の記載内容についての比較検討は行っておられませんでした。それを指摘しておきます。そういうのは見受けられなかった。したとはおっしゃるけれども、そういうことは全く見受けられなかった。 私はかねてから記載内容こそ、教科書が7社あって、それぞれ歴史事実に対していろいろ解釈の仕方がある。それによって記載内容も違う。ですから、それについてどれが一番最もふさわしいかということについて検討してくれということをしてたんですけれども、表に出てる資料等々では全くそれが見受けられない。 こういう検定に当たり、市民の皆さんからも意見を募集されてました。要望書等々ね。私もこの今回の教科書7社、1社はちょっと学び舎の教科書については、あまりにも偏向しているので除外した中で、6社について比較検討して、9枚に詳述し、総括として4枚のレポートを教育委員会に提出をいたしました。その内容は、学習指導要領に基づいているか否か、特に我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚という観点から、適切な基準、記述がなされているのか、15項目について比較検討をした意見書でした。 そこでお伺いしますが、このような要望書、意見書についてはどのような取り扱いをされたでしょうか。 ◎後藤 学校指導課長 まず愛情を育むという調査研究におきましては、我が国の歴史に対する愛情については、歴史的事象についての多面的・多角的な考察や深い理解を通して育成することが重要であることから、資料活用がしやすいか、興味関心が高められるかなどの視点で、歴史上の人物や文化遺産など様々な観点で調査研究を行ったものでございます。また、頂きました要望書等におきましては、市民、団体等から提出されました意見書及び要望書につきましては、意見交換会において教育委員が閲覧いたしました。教育委員長等から各調査員、選定委員が閲覧し、より広い視野からの御意見や御要望などを確認しながら、調査研究や協議の参考としたことを説明いたしました。また、これまでの議会において、複数回、議論があったことについても説明いたしました。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 教育長、私のレポート、意見書は、お読みいただきましたでしょうか。 ◎中谷 教育長 水ノ上委員からの私のレポートを読んだのかということですけども、水ノ上委員のレポートだけではなしに、全ての市民の方々、関係団体からの要望書、全てに目を通させていただきました。あわせて、いろんな項目の中での比較検討ということでも、御指摘ございましたけども、私は全ての教科書について記述の比較については御指摘いただいているような部分、いろんな部分については比較検討をさせていただいたということを申し上げます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 その中で、私の帝国書院の評価はどういうものであったか御記憶ございますか。 ◎中谷 教育長 すみません、今ここでは詳細には記憶してございません。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 幾つか論点があったんですけど、その中でも特に沖縄戦について、この教科書は特に記述がひどいということを書いてます。私のレポートではこう書いてます。特に帝国書院は日本軍が住民の食料を奪ったり、軍が住民を安全な壕から追い出したり、琉球方言を使用した住民を軍人が殺害したなどと詳述に記述していると。とことん日本軍を悪者扱いしているというふうに書いてます。 これは250ページの下の欄なんですけど、時間の関係でこれを読んでいただく時間がないんですけど、これまた昼から議論させてもらいますけどね。特に今読んでもらったら分かるように、非常にひどい内容、沖縄戦が沖縄の県民を多く殺害したのは日本人だというような、そういう書き方です。 そこで、そういう書き方があるから、この教科書は私は最も選んではならない教科書だと、そういう教科書の一つであるというふうに思っておりました。しかし、教育委員の4人が全会一致でこの教科書を選んだということです。時間の関係で詳細についてはまた昼からの議論にしたいと思いますけれどもね。 そこで調査員の調査報告書、選定委員会の意見書、8月17日の教育委員会の議論を見た上で、我が国歴史に対する愛情を育むという観点からの各社の教科書の記載内容を比較検討するということは、表面上全くなかったと思いますけれども、そういう比較検討されないのはなぜなんでしょうか。 ◎後藤 学校指導課長 先ほども申し上げましたように、内容におきましては、文部科学省のほうで検定が行われているということを受けまして、本市において内容の表記等に踏み込んだ調査のほうはしていない状況でございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 これも前から答弁していただいている内容なんです。先ほども申し上げたとおり、教科書というのは歴史事実の積み重ねであって、それについてはいろいろな解釈、評価のしようがある。各7社があったら7社とも違う。 そこで以前からわたしは南京事件とか建国の物語とか、そして沖縄戦、第二次世界大戦の扱われ方とか、これについて本当に日本人が悪いような書き方をするところもあれば、そうでない、その中でも日本人は必死に頑張って今の世界を築いたというような肯定的な表現をすることとか、その一つ一つについて考察をした上で教科書を選んでほしいということをかねてから申し上げてきました。 にもかかわらず、今回の採択においても、今、指導課長のほうから御答弁いただいたとおり、文部科学省も検定しているから、その記載内容についてはもう触れない。触れているのは、資料の豊富さとか、またイラストの多さとか、そういうことだけで決めている。最も肝腎なところを抜けた上で、この選定が行われているのではないか。子どもたちに最もふさわしい教科書を届ける上で、教育委員及び教育委員会事務局は責任を放棄しているのではないかと、このように思って仕方ありません。17日の教育委員会の定例会の傍聴をしておりましてね。その他委員会、意見書、調査報告書を見てです。 そこで、最後に市長にお伺いしたいと思います。教育委員長任命者である市長、今の議論をお聞きいただきまして、市長も教科書採択については、いろいろ御見解を今まで聞いておりますけれども、今回の採択、今の議論を聞いて、市長の御所見をお伺いしたいと思います。 ◎永藤 市長 私たちの国の歴史に対する愛情を育むこと、これ本当に重要だと考えています。それを踏まえた中で、教科書選定には様々な視点から検討されて、その上で総合的に最もふさわしいと結論づけられたものと認識をしております。この教科書というのが全て完璧であればいいんですけど、複数種類があって、その中から総合的にこれがふさわしいということでありますが、それを補うものとしては教科書以外にも、例えば副教材、資料等ありますので、選定はされましたが、これからも子どもたちの学習にとって何が最もふさわしかという視点で充実させていただきたいと思っています。 ◆水ノ上 委員 市長には御答弁ありがとうございました。これ選定されたものを今から幾ら批判したところで変わらない。これから考えることは、4年に一度、これ採択していくことであるわけですね。この教科書が真に内容、記載内容が堺市の子どもたちが学ぶ上でふさわしいのかどうか、そしてこの教科書で学んだ後、日本っていい国だな、日本って好きになったなと言えるかどうか、そういう教科書を選んでこそ、皆様方の責任が晴れるというふうに思います。 今回の選定の中には、後ほども議論しますけれども、そういう歴史的事実の記載内容についての比較検討がほとんどされていないことについては、私は甚だ遺憾です。その上でのこの選定というのは、果たしてこれがいいのかどうか、これはもっと議論していかなきゃならない、このように思います。 今後の議論をもっと活性化していくということを含めまして、私の今日の市長質問を終了したいと思います。ありがとうございました。 |
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