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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和4年6月6日 大綱質疑

①教育委員会の不祥事事案について
②百舌鳥古墳群を中心としたコロナ後の観光政策について
③堺区の都市部と西区の沿岸部をつなぐまちづくりについて
④誇りある歴史認識を持つための教育について

○議長(裏山正利君) ただいま議題となっております日程第一及び第二に日程第三、一般質問を加え、日程第一から第三までを一括して議題といたします。

 通告がありますので、順次発言を許します。34番水ノ上成彰議員。(拍手)

◆34番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、おはようございます。大阪維新の会堺市会議員団の水ノ上成彰です。会派を代表いたしまして大綱質疑、一般質問を行います。

 私は平成15年4月、初当選して以来、5期19年堺市議会議員を務めてまいりました。本日の大綱質疑は、通算27回目となります。よろしくお願いいたします。

 本日の大綱質疑は4項目についてお聞きする予定です。

 まず最初に、教育委員会の不祥事事案について、特に市立中学校で起きたいじめの重大事態について、しっかりと質疑をしたいと思います。

 2番目が観光政策について、百舌鳥古墳群を中心としたコロナ後の観光政策についてお聞きしたいと思います。

 3番目が堺区の都市部と西区の沿岸部をつなぐまちづくりについて

 そして最後に、誇りある歴史認識を持つための教育について。

 時間は1時間の予定ですが、初めのいじめの問題については少々時間を要するため、他の項目については、予定より簡略化した質問になる可能性があることをあらかじめ申し上げておきます。質問は一問一答で行います。

 それでは、教育委員会の不祥事事案についてのうち、市立学校におけるいじめ重大事態について質問をいたします。

 この事案は、堺市の市立中学校において、主に部活動内でいじめが発生し、女子生徒が約1年の不登校の状態が続き、自殺を図り、死亡した事件です。報道でも何度か取り上げられています。

 私は、令和2年の秋頃から亡くなった生徒の保護者から相談を受けて今に至っております。

 さて、事件は平成30年、夏休み以降、部活内でいじめが発生し、平成30年10月以降、不登校に陥り、3学期からは全く学校に行けていない。2年生に進級しても学校に行けない状態が続きます。不登校になって約1年後、令和元年10月、夜中12時頃、自宅近くのマンションから転落、自殺を図ったということです。令和1年11月に転落後、数日して死亡されました。大変痛ましい事件です。この事件に関して第三者委員会が設置され、令和2年10月に調査報告書が、令和3年10月に追加調査報告書が答申をされました。そして、令和4年3月17日に公表されたわけでございます。

 この2つの調査報告書を基に質問を進めてまいります。

 それでは、まず最初に、先日公表されました、いじめ重大事態報告書による事案の概要についてお答えいただきたいと思います。これで一旦降壇いたします。

   (上村太一副議長、裏山正利議長に替わり議長席に着く)

○副議長(上村太一君) これより答弁を求めます。  

◎教育監(長山秀基君) 本件は、市立中学校の当該生徒が人間関係のもつれが原因で不登校状態に陥り、その後、長期欠席が改善することなく、不登校状態が1年以上継続していた中で、当該生徒が亡くなったと、当該生徒の保護者から連絡があった事案でございます。

 報告書では、4つの事実につきまして、いずれもいじめ防止対策推進法上のいじめに当たるものとされ、認定された一連のいじめ行為が不登校のきっかけとなったことが認められております。

 一方で、認定したいじめと当該生徒の死亡との間の因果関係につきましては、明らかとなった事実関係から認められなかったものでございます。以上でございます。

  ◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) いじめと当該生徒の死亡との因果関係はないということでしたけれども、これはゆっくりと議論したいと思います。

 まず、答申された報告書なんですけれども、令和2年10月に出されたものを原報告書、そして追加報告書が令和3年10月に出されています。この2点、スクリーンをお願いしたいと思うんですが、③-1、③-2、2-1の順番で映してもらえますでしょうか。

 これが③-1です。10ページから11ページの、これは原報告書のほうですね。次のページ、12ページから13ページ、③-2、これは認定できる事実、長期欠勤まで出る事実なんですけれども、それについては、ほとんど黒塗りですね。

 次は、追加報告書の②-1を見てください。これについても、このように黒塗りがずっとされてるというわけでございます。

 さて、再発防止のためには、いじめの内容等が公表されなければならないと考えますが、この報告書は御覧いただいたとおり、黒塗りが圧倒的に多いということです。その黒塗りが多い理由についてお答えいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 調査結果の公表につきまして、国のガイドラインでは、事案の内容や重大性、被害児童・生徒、保護者の意向、公表した場合の児童・生徒への影響等を総合的に勘案して適切に判断することと示されており、さらに個人情報につきましては、地方公共団体の情報公開条例等に照らして適切に判断することとされてございます。

 本件につきましては、被害生徒が既に亡くなられているという事案の重大性や、本件に関わる様々な事情を鑑み、関係当事者に不利益が及ばないよう、配慮を尽くした上で国のガイドライン、さらには本市の個人情報保護条例を踏まえ、情報を開示するか否かの判断を行ったものでございます。

 非公開とした部分につきましては、被害生徒保護者に1か所、1か所御確認をいただいた上で同意を得ているものでございます。以上でございます。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 御答弁の中で保護者の意向を勘案したとありましたけれども、保護者に聞きますと、本人の名前と家族に関する記載以外は全て公表してもらってもいいと言ってるということですね。

 そして今、御答弁ありましたが、関係当事者に不利益が及ばないように配慮をする。ですから、この黒塗りのほとんどは、被害者の利益ではなくて、加害者及び学校関係者、その利益を守るために、このように黒塗りになったのではないかと、このように思うわけですけれども、この報告書で、この黒塗りの報告書で一体何を明らかにしたいと思っているのかお答えいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 本来、公表につきましては、同じようなことを繰り返さないようにというような趣旨がございます。ただ、先ほど申し上げたような理由によりまして、全てを公表するということではなく、関係した人たちに不利益が及ばないようにするということも1つ大事なことであるというふうには考えてございます。以上でございます。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 被害の保護者から聞きますと、市教委、もしくは第三者委員会と話しているときも、常に加害者や学校関係者の利益を守っていると感じていると、そのような発言もありました。

 また、この黒塗りの同意を得ているといった答弁もありましたけれども、保護者には、黒塗り部分の内容把握の時間と機会は十分に与えられなかった。また、これはプライバシーを守るための規則であるということで、有無を言わさず同意を求められたというふうに聞いています。

 それでは、この原報告書のことでお伺いしたいと思いますが、まずこのスクリーンのほうの1をお出しください。

 原報告書の中で、7ページにこうあるんですね、本件をいじめ防止対策推進法第28条1項2号に定める重大事態として取り扱うこととしと、ですから、28条1項2号に定め調査をするということなんです。そしたら、この28条1項1号、2号とは何ぞやということで、今書いておりますけれども、いじめ防止対策推進法第28条1項の本文は飛ばしますが、1号で、いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命・心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。2号が、いじめにより、当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。こういうときには、事実関係を明確にするための調査を行いというのがこの条文の趣旨です。

 そこで、この被害の女性は亡くなっているにもかかわらず、なぜ2号の不登校の調査がされたのか。この点についてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 調査開始時、第三者委員会と保護者の方との話合いの中で、自殺と判断できる情報がなく、保護者同意の上で、いじめによる不登校の調査をすることとなったということでございます。以上でございます。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) ここでね、また保護者同意の上でというふうにあるんですけれども、保護者の方は動揺されていて、これで進めますねと言われて同意したと。内容については、詳しくは理解していなかったということです。

 そして、先ほど御答弁の中では、自殺と判断できる情報がなくというふうにありましたけれども、本当にそうなんでしょうかね。この女子生徒は、1年前にいじめを受けた、これは皆さんが知ってる。そして、その後1年間、ずっと不登校だった。その女子生徒が夜中、家を出ていって、マンションから転落をして命が亡くなったと。真っ先に考えるのは、これは自殺だということだと思うんです。そして、その当時の多くの方が彼女の死を自殺だというふうに思っていました。それにもかかわらず、この調査報告書は転落死、事故死という言葉しか出てきません。その上で、不登校の調査をしている。それに対して非常に違和感を持ちますし、何か、これで幕を引こうというような意図が、非常に思うわけです。

 そして、令和2年の秋頃に、この保護者の方が私のところに、この報告書、原報告書ですね、黒塗りではありません、全く保護者に出された報告書を一度見てほしいということで、私のほうに来られました。そして、私は全て読みました。その中で、自殺と容易に想像できるにもかかわらず、事故死または転落死と書き、原報告書で幕引きを図っているのではないかというふうに強く思ったわけです。

 さて、そこから原報告書から、今度追加報告書、追加の調査報告書ということに移るわけですけども、原報告書ではなくて、追加で自殺に関する調査をすることになったのはなぜか、その点についてお答えいただきたいと思います。 

◎教育監(長山秀基君) 第三者委員会は、令和2年11月4日に教育委員会に対し、いじめ重大事態調査報告書を答申いたしましたが、その後、保護者から事案に関する新たな資料が提出されるとともに、当該生徒の死亡原因が自殺であったのか、自殺であったとすれば、いじめと被害生徒の自殺との間に因果関係があるのかの2点につきまして、追加で調査をしてほしい旨の要望がなされるに至りました。

 保護者から新たに提出された資料が当該生徒の死亡に関する重要な資料であったことから、保護者と相談の上、教育委員会は第三者委員会に対し、いじめと被害生徒の死亡との因果関係について、追加で調査するよう、再度の諮問を行ったところでございます。

 第三者委員会は、再度の諮問を受け、さきに答申した報告書に付加する形で追加報告書を作成することとなったものでございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) まずね、お聞きしたいのは、この時点、この時点で市教委は当時、その女子生徒の死を自殺と思っていたのか、それとも事故死だと考えていたのか。まず、こちら、どのように思われていたのかお答えいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 報告書には自殺ということを確定するような記載もございませんでしたので、我々としては自殺ではないものという判断の下で話を進めてまいりました。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) もともとその認識が大きな間違いだと思いますね。女子生徒がいじめを受けて不登校に陥った。そして、マンションから転落をして亡くなった。明らかにこれは自殺ではないかと疑うのが当たり前。それを第三者委員会の報告書にそうないから、そういうふうに思ってなかったというのは詭弁でしかない。

 学校現場、後で校長先生の話もしますけどね、自殺だと思ってた節が十分あるんですね。それを皆さんは隠して、この報告書をもって終わらそうとしたんじゃないかなというふうに思います。

 そこで、先ほど答弁にありました新たな資料、新たに提出された資料が出てきたので、これは重要だということで、追加報告を出されたということですけれども、この新たに提出された資料というのは、どんな資料なのでしょうかお答えいただきたいと思います。

○副議長(上村太一君) どなたが答弁されますか。  

◎教育監(長山秀基君) 医師の作成した死亡診断書でございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 死体検案書ということですね、いわゆるね。それだけでしょうか。  

◎教育監(長山秀基君) 申し訳ございません。それにつきましては、この場でちょっと申し上げることは控えさせていただきたいと思います。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 答弁を控えるということですけどね、私のほうから言いますと、1つは死体検案書、もう一つは、飛び降りたマンションの写真です。そして、その死体検案書なんですけどね、私はこの保護者から聞いたところによると、実は令和2年の1月14日、第1回目の第三者委員会のヒアリングのときに、保護者はこの死体検案書を第三者委員会に見せながら、自殺というところに丸がしてある、そこを指さして説明をしたと言ってるんですね。しかし、そのとき、第三者委員会は特に興味を示さず、コピーを取ろうともしなかった。お母さんは不思議だなと思ったというふうに言っています。実は、もっと早くの段階で死体検案書を見せられてて、自殺だということが分かってたと思うんですね。これは保護者の証言ですから、そういうふうに言ってるということを申し上げておきます。

 そして、その飛び降りたマンションの写真ですけれども、これは実は私が撮りに行きました。保護者から言われまして、保護者の方はもうマンションにはよう行かないと。私が行って、マンションの写真を撮って、マンションの柵ですね、飛び降りた、その柵のメジャーを測ったら130センチありました。その亡くなった生徒は158センチでしたから、158センチの女の子が130センチの柵を越えること、誤って越えることは絶対ない、特に夜中にね。ですから、それをもって死のうと決意をしてそこによじ登って落ちたんだということを私はその場で確信をしたわけです。

 そういう状況の中で、この調査報告書がつくられているわけですけども、追加資料や、その前にこのお母さんが追加資料を出しましたけれども、それと一緒に市長に対して手紙を書いてるわけですね。この自分の子どもは自殺だと、だからいじめと自殺の間の調査をしてほしいと。それが市長のお手元に行って、市長からの指示もあって、この追加調査がなされたというふうにも仄聞をしております。

 そこで、市教委に聞きたいんですけれども、この追加資料や市長への手紙、指示がなければ、市教委も第三者委員会も転落事故死として、原報告書だけ、つまり不登校の調査だけで終わらせていたのではないかと思いますが、いかがですか。

◎教育監(長山秀基君) 議員おっしゃるとおり、追加の保護者からの要望でありますとかいうことがなければ、追加の諮問ということには至っておらなかったかと考えております。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 死体検案書はね、先ほど言ったとおり、まあ、いつ受け取ったか、見たかというのは、それは確実なことは分かりませんけれども、しかし、そこに持っていったのは事実だったと。亡くなっているにもかかわらず、不登校の事案として報告書で終わらそうとしたという、今の教育委員会の答弁は非常に無責任だと、自分たちの責任を一体どう考えているんだと、このように言わざるを得ないというふうに思います。

 スクリーンの②-3をお願いします。この中には、いじめと被害生徒との死亡との間に因果関係があったものと認めることはできないと結論をされてるわけです。なぜ、いじめと自殺の因果関係が認められないかについてお答えいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 追加報告書では、調査の結果、明らかとなった事実関係からは、いじめと被害生徒の死亡との間に因果関係があったものと認めることはできないと結論されてございます。

 ここに言う因果関係につきましては、当該生徒の死亡に影響を及ぼしたあらゆる事情を検討し、いじめがそのうちの1つとして認められるか否かといった検討をするのではなく、認定したいじめ行為そのものと、当該生徒の死亡との関連を検討し、当該いじめがなければ死亡することはなかったであろうと言える場合に認められるものと解すると、追加報告書で説明をされているものでございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 今の話を分かりやすく言っておれば、いじめがずっと継続してて、そのいじめから逃れるために自死をしたということがあれば因果関係がある。しかし、幾つかの要因があって、その1つ、いじめが1つだということであれば、それは因果関係はないということなんですけれども、いじめは自殺の1年前に実は終わってます。不登校になってからいじめはありません。しかし、この子はいじめを受けた場所に行けば、非常に不安がったりして、トラウマになっている。いじめが終わったとはいえ、心の傷が癒えたわけではありませんでした。そういう中で、当該いじめがなければ、死亡することはなかったであろうと言える場合、認められると。まさしく当該いじめがなければ、不登校に陥ることなく、そして死ぬことはなかったと。このように保護者の方も考えているわけです。

 そこで聞きますけれども、いじめは自殺と無関係だと言えるでしょうか。市教委の御見解をお聞きしたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 追加報告書の結語の箇所におきまして、いじめがなくなった後も不登校状態が長期間にわたって続いたことによりまして、本人が孤独感を深め、追い詰められていったと記載されており、自殺に至る状況にいじめが原因となった不登校が何らかの影響を与えた可能性は否定していないものでございます。

 今後、その結語に示されております責任の重みはいささかも減じられるものではないという言葉を学校や教育委員会が深く受け止めまして、同種の事案の再発防止を全力で防ぐということが重要だというふうに考えてございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 自殺といじめとは無関係だと思うか、それについてお答えいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 先ほど申し上げましたですけれども、自殺に至る状況にいじめが原因となった不登校が何らか影響を与えた可能性はあるものというふうに考えてございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) ですから、いじめがあった、いじめによって不登校になった。そのことによって、孤独感を深め、追い詰められていったから自殺があった。そういう意味で、いじめと自殺については、やはり関係があると言わざるを得んというふうに思いますね。

 それでは、不登校の間、約1年間ですけれども、学校の対応についてはどうだったでしょうか。特に、この子が2年生になってから、学校の対応は十分だったと言えるでしょうか。その辺りについてお聞かせいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 当該生徒が不登校になって、2年生になってから、学校は当該生徒に対して十分な対応をしてこなかったというふうには判断してございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。 

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 私が聞いたところ、この2年生になってから、自ら命を絶つまで、担任から何度か電話は家にあったということですけれども、学年主任、また生徒指導主事、管理職、校長、教頭からは全くアプローチはなかったというふうに聞いています。また、いじめのアンケート調査というのがあるんですけれども、学期ごとに1回以上行うということですけれども、この子は不登校で学校を休んでおりましたから、アンケート調査を受けていない。家に持っていって受けさそうともしていない。全くノータッチだったということで、いじめは受けた、そして傷ついた。そして、その後の市教委、学校を含めて教員の対応が非常に冷たい、見捨てられたと言ってもいいと思う。この二重の苦しみの中で、彼女は先ほどおっしゃった孤独感と絶望感を持って、自らの命を絶ったんではないかなと、このように思うわけですね。

 資料が間に合いませんでしたので、こういうフリップを作ってきました。これはいじめと、この原報告書では、いじめと不登校はきっかけになったと、これははっきりしてます。そして、不登校が原因で孤独感を深め、追い詰められていった。その先に自殺があったと。しかし、いじめと自殺は因果関係は認められなかったと、報告書はこうなってるわけです。しかし、先ほど来言ってますけれども、いじめが全く無関係なはずがないわけです。いじめがなければ、不登校がない。不登校がなければ、自殺になっていない。そして、仮にいじめがあったとしても、不登校の間、学校の対応がもっと親身に、もっと寄り添って、この生徒に心を開くように、そして戻ってくるようにやれば、こんな事態には陥らなかった。まさに、このいじめと不登校、これが相まって、この子を死に追いやったと言っていいというふうに思います。

 そこで、最後に教育長にお聞きするんですけれども、その前に、この女子生徒のお通夜があり、お葬式がありました。そのときに、校長、教頭、指導主事、担任、部活の顧問などは行ってるわけですけれども、この女子生徒の祖父、祖母が激怒して、もう会わせなかった。中に入れなかった。しかし、お母さんがお通夜のときに、顔だけは見てくれということで、中に入れて、亡くなった子の顔を拝んだ。そのときに、校長は亡くなった子の顔を見ながら、もっとできることがありました。ごめんなさいと、手を合わせて謝っているんです。これはお母さんが隣で聞いてたから、よく覚えている。

 まさに校長の偽らざる気持ちだと思います。この子が自殺をし、そして自分にも責任がある。そう思っているからこそ、このような言葉が出たんだというふうに思います。しかし、この報告書では、そういうところがみじんも感じられない。

 そこで最後、教育長にお聞きしたいのは、いじめであれ、不登校であれ、市教委の責任は私は免れないと思いますが、生徒が自殺に至ったその責任についてどのようにお感じになっているのでしょうか、お答えいただきたいと思います。  

◎教育長(日渡円君) まず初めに、度重なる学校現場、教育委員会での不祥事につきまして、改めて議会の皆様、市民の皆様におわびを申し上げます。

 さて、本事案のお子様はいじめに遭い、そしてつらい状況に置かれて、相当の期間、学校を欠席することとなりました。当該校のいじめとしての認識が甘かった。そして、寄り添うことができなかったことが不登校のきっかけとなり、さらに対応不足もあり、不登校を長期化させたものであると認識をしております。改めてお子様及び御家族の方に深くおわびを申し上げます。

 言うまでもなく、いじめというものは極めて重大な人権侵害です。この問題は一日も早く学校や社会からなくす必要があります。教員のいじめに対する指導力の向上、先ほど対応というのがありましたけども、指導力の向上、そして何よりも子どもたちに対するいじめ防止のプログラム等を今後開発をしていかなければならないと考えております。

 今後もあらゆる手段を通じまして、いじめの根絶に向けて取り組んでまいります。以上です。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) この事件に関しては、今のところ、どなたも責任を取っていない。処分もされていない。そういうことです。今、これからの再発防止は分かりました。しかし、この事件について、どのような責任、処分をするつもりか、これについてお答えいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 関係者の処分につきましては、本報告書も踏まえまして、現在検討中でございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 今日、議論をしてまいりました。今日の議論の中で、今日は保護者の方が傍聴に来られています。それを聞いて、どう思ったかというのは分かりませんが、しかし、これでまだ解決されたわけではありません。この第三者委員会の報告書をもって私は免罪されているとは思わない。この辺りをよく考えていただきたいと思います。

 そして、生徒の保護者は再調査を依頼したいというふうに言っています。私は、今のこの第三者委員会、先ほど言いましたけれども、いろいろ問題があるというふうに思っています。第三者委員会の見解と保護者の見解がそごがある。そういうところも埋めた上で、もう一度再調査することも、保護者が望むのであれば検討すべきだというふうに思っております。それについては、今後十分に検討した上で結論を出していただきたいということを申し上げまして、この問題についての質問を終了いたします。

続きまして、同じく教育委員会の不祥事事案について2点あります。

 まず1点は、入学者選抜調査書評定の誤記載であります。いわゆる内申書。これは、まずは当該事案の概要についてお聞かせいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 市立中学校3校におきまして、令和4年度大阪府公立高等学校入学者選抜調査書の評定につきまして、生徒計75名の調査書に誤記載があったものでございます。いずれも、調査書を作成するに当たり、成績データを各中学校の調査書作成担当者が誤った内容で作成したことによるものでございます。

 調査書作成担当者がマニュアルに定められている手順を確認せず作業を行い、本来、作成した調査書を基となる資料と突合し、複数人で複数回、確認・点検すべきところを怠っていたことが原因であると考えてございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 今回、合否に影響が及んだ生徒もあり、結果の重大性に鑑み、第三者委員会を設置するということですけれども、第三者委員会の設置理由についてお聞かせいただきたいと思います。  

◎教育次長(山嵜久樹君) 今回の事案は、合否結果が変わるという重大な事態を招いた誤りでありまして、今回の事案以外にも平成29年度から6年間にわたり誤記載が発生しておりました。このことから、教育委員会としましては、単純な事務ミスという点のみならず、教育委員会や学校の組織運営や教職員の認識といった根本的なことも含めまして、徹底的な検証が必要だと認識しております。

 4月22日の記者会見でも私から発言させていただいたのですけども、本来は教育委員会自らが自浄作用を発揮して検証するものだという考えもあろうかと思いますと前置きした上で、今回は客観性と信頼性の確保も必要と考えまして、有識者などによる検証委員会を設置し、原因究明と再発防止策、そして組織運営などについて、様々な観点で検証していただくことにしました。

 あわせまして、教育委員会と市長部局職員で原因や課題を検証し、そして検証委員会の検証結果も踏まえまして、改善策を具体化するための対策チームも設置いたしました。以上です。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 話を伺いますと、この誤記載は今回だけにとどまらず、過去6年間にわたり発生していたということですが、これまでなぜ公表してこなかったのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。  

◎教育監(長山秀基君) 今まで合否への影響がある場合、公表するものとしていたことから、これまでは公表を行っておらなかったものでございます。

 しかしながら、これまでの公表における考え方につきましても、第三者委員会で検証していただきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) 合否に影響がないから公表してなかったということですけれども、合否にかかわらず、しっかりと公表すべきだったというふうに思います。

 先ほどのいじめの問題もそうですけれども、どうしても隠蔽を、隠そうという態度が見え隠れする。そういうことがないように、第三者委員会で検証してほしいというふうに思います。

 最後に、この関係教職員の処分について、どのように考えていらっしゃるでしょうか。  

◎教育監(長山秀基君) 入学者選抜調査書評定の誤記載につきましては、生徒の進路に影響する重大な事案であると考えてございます。そうした意味からも、関係教職員の処分につきましては、厳正に対応すべきであると考えてございまして、現在、事務を進めておるところでございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 皆さんはぜひ厳正に処分をして、二度とこのような誤りがないように努めてほしいと思います。

 それでは次に、市立中学校で発生した不適切指導のことについてお聞きしたいと思います。

 いわゆる体罰事案ですけれども、この概要についてお聞かせください。

◎教育監(長山秀基君) 令和2年11月から令和3年12月にかけまして、当該校の教諭が生徒の胸ぐらをつかんで押すなどの不適切な指導を繰り返していたものでございます。また、本件につきましては、学校から市教委へ報告があったにもかかわらず、市教委担当者が上司への報告を怠っていたものでございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) これも答弁にあったように、市教委担当者が上司への報告を怠っていたと、そんなんが続くわけですよね。

 この体罰については、もう何度も議会でも話をしてきました。議論もしてまいりました。これが許されないというのは、もう当然分かっていることだけれども、なくならない。この被害生徒の処罰感情がどうか、そういうところはまだ明らかにはなっておりませんが、しかし、それにもかかわらず、決して許されないということから、この事件にも対処していくべきだというふうに思います。

この体罰というのは刑事事件と処理されてもおかしくない。そういう意味では、この本件当該教諭を告発するのか否か、そういう検討はいかがでしょうか。

◎教育監(長山秀基君) 体罰は重大な人権侵害であり、決して許されるものではないというふうに考えてございます。そうした意味からも、関係教職員の処分につきましては、厳正に対応すべきであると考えておりまして、現在、事務を進めておるところでございます。

 告発につきましては、リーガルチェック等を踏まえて判断をしてまいりたいというふうに考えございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 告発はリーガルチェックを踏まえて判断するとのことですが、社会に出て、このような行為を行えば、刑事事件として処理されるということを示すということも教育の1つではないかというふうに思います。

 それでは、最後に教育長にお聞かせいただきたいと思います。不祥事が多発する教育委員会ですけれども、このような状況の中で教育長としては、どのような御見解をお持ちでしょうか、お答えいただきたいと思います。  

◎教育長(日渡円君) 教育委員会や学校の対応に緩みがあったということは否めないというふうに考えております。教職員や教育委員会職員の個々の価値観から変えるべく、組織の在り方も含めて改善をしたいと思っております。長年の価値観や慣習等、積弊については全力で徹底的に改善に取り組みたいと考えております。

 今、堺の学校教育、教育行政は危機の状況にあると私は認識しております。市民の皆様の信頼を回復するために、教職員、教育委員会事務局の職員が一丸となって、新しい堺の学校教育と教育行政の創造に取り組んでいきたいと考えております。

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) 昨今、教育委員会絡みの不祥事があまりにも多いというふうに感じております。その分、何か教育委員会の中で気持ちのたるみとか、緩みとか、そういうのであるのではないか。また、ほかの仕事が忙しいから、なかなか本来やるべきところに手が回ってないのではないかということも感じられます。教育長には、私は大いに期待をしておりますので、ぜひともこれを機に、メスを入れるところは入れる、堺の教育をぴりっとさせていただいて、子どもたちが生き生きと教育現場で過ごせるような、そういう状況をつくっていただきたいと、このように思います。以上申し上げまして、この項の質問を終わります。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員の質疑の途中でありますが、この際、午後1時まで休憩いたします。

〇午前11時55分休憩

〇午後1時再開

○副議長(上村太一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 水ノ上成彰議員の質疑を継続いたします。34番水ノ上成彰議員。  

◆34番(水ノ上成彰君) 午前中に引き続き、よろしくお願いをいたします。

 3問残っておるんですけれども、残された時間は約15分ということなので、それぞれの質問に関しては、そのエッセンスを中心に、簡潔に質問していきたいと、このように思っています。

 まずは、観光政策、百舌鳥古墳群を中心としたコロナ後の観光政策についてお聞きしたいと思います。

 令和元年の7月6日に世界文化遺産登録がなりました。百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産登録になりました。しかし、コロナのおかげで3年間、なかなかそれをアピールすることもなく、また観光客が訪れるということもなかった。しかし、これからはコロナが収まって、多くの方が堺に訪れるだろうということを期待をして、ぜひとも、その観光客が満足して帰っていただけるような、そういう世界文化遺産になってほしいという思いで質問したいというふうに思います。

 今まで、永藤市長の下で、この世界文化遺産、仁徳天皇陵を中心とした百舌鳥古墳群の雄大さについて体験してもらおうと、いろいろの試みがなされています。

 スクリーンの5をお願いします。仁徳陵、これ僕が撮った写真なんですけれども、以前、ヘリコプターに乗って写した写真です。この雄大さを皆さんに体感してもらおう、それは物すごくいいと思います。気球もそうですし、またVRもあります。また、先日行われましたウォークラリーも2,200人の方が親子で参加されるということで、大変にぎわいありました。そういう雄大さを求める観光客もいらっしゃる。しかし、その一方、歴史的な知的好奇心を満たす、そのためにこの世界文化遺産に訪れる方もたくさんいらっしゃいます。誰が被葬者なのか、そしてどんな事績があったのか、クフ王のピラミッドや秦の始皇帝陵と並ぶ三大陵墓という限りには、どんな事績があったのか、そういうことを期待をして来る方も多くいらっしゃいます。しかし、残念ながら、今の堺市の博物館や、その他の施設を見ると、それに応えるような発信はなかなかしていない、私はそこをこれから充実すべきだというふうに思います。

 我が国には、古墳時代の書いてる古事記や日本書紀というような文物があります。古墳の被葬者にまつわる歴史等を紹介し、国内外の来訪者の知的好奇心を満たすことこそ、おもてなしだというふうに考えます。歴史のまち堺と言いながら、中世以降の歴史は非常に詳しいんですけれども、古墳時代の歴史の発信が弱いというふうに思います。その辺りを充実して、多くの観光客に満足をしていただける施策が必要だというふうに思いますが、市長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。  

◎市長(永藤英機君) 世界遺産百舌鳥・古市古墳群の価値を訪れた方に、より多くの方に深く知っていただくためには、様々な視点から発信をすることが必要だと考えておりまして、その中でもストーリーが重要だと認識をしております。

 被葬者のことが記載された古事記や日本書紀という8世紀前半の貴重な歴史書もございますので、それらに記された逸話を世界遺産の価値に合わせて御案内をすることは、来訪者の知的好奇心を満たすという意味でも効果があると考えております。

 本日を含め、これまで議員から御指摘いただいた観点を取り入れながら、世界遺産百舌鳥・古市古墳群の歴史や価値を多くの方に伝え、次の世代にも引き継いでいくことができるように取組を進めます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) 市長とは何度もこの議論をしてまいりました。その思いは1つだというふうに思っておりますので、ぜひそういう方向性で進んでいただきたいと思います。

 また、私は関西広域連合の議員として2年間議論をしてまいりましてね、その中でも、堺市とか大阪府だけじゃなくて、関西広域で、そういう古墳を中心とした歴史を、ストーリーのある発信をしていこうということを言っておりまして、その中心に、この堺がなってほしいと思うんですね。世界最大の古墳がある以上、この堺を中心となって、関西全体が古墳の歴史を発信する、ぜひともそういう観点から観光客に発信していただきたい、このことをお願いを申し上げまして、この項の質問を終わります。

 続きまして、都心部と西区沿岸部をつなぐまちづくりについてお聞かせいただきたいと思います。

 西区、堺区にまたがるこの都心部、沿岸部ですけれども、これについても、私は何度か議会でも質問をしてまいりました。そこで、最後の質問ということで、西区には浜寺公園があり、その近傍では南海本線の高架工事が進められています。高架工事に伴って阪堺線が移設され、南海本線と阪堺線の乗り継ぎが便利になります。阪堺線の存続にも大きく関わってきます。

 また、SMIプロジェクトによって、堺駅と大小路、また堺東が結ばれ、特に大小路では結節点となって、多くの乗り継ぎ改善が図られると。

 このように、南海本線、阪堺線、SMIがつながると、トライアングルができ、沿岸部、これスクリーンをお願いします。5でしたかね。ちょっと分かりにくいですけれどもね。この浜寺公園から諏訪ノ森駅、堺駅、そして大小路、堺東、このような大きな三角形が交通の乗り継ぎをすることによって、この地域が栄えていくだろうと、そういう期待を込めまして、この沿岸部と都心部の回遊性が大きく高まり、一体となってまちづくりを進めるべきだというふうに考えますが、当局の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

◎建築都市局長(澤中健君) 都心の活性化に向けましては、周辺エリアからの来街を促すことも必要と考えております。SMIプロジェクトでは、大小路交差点について、阪堺線とSMI都心ラインの乗り継ぎ利便性の向上を図ることに加え、人が交流し、にぎわいを創出する空間の形成により、交通結節機能の充実や、周辺も含めた拠点化をめざしており、回遊性の向上に寄与するものと考えております。

 今後、都心部が有する類いまれな歴史文化資源等の地域資源を最大限に生かすとともに、都市アセットの活用やSMIプロジェクト等を通じて堺が持つイノベーション精神を発揮しながら、未来を見据えて挑戦することで、新たな都市ブランドを確立し、堺都心部を中心に多くの人材、企業、投資を引きつけ、新たな価値を創造し続ける堺を実現します。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。  

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) ぜひとも、堺の成長・発展のためには、今のような論点が必要ですので、進めてほしいと思います。

 堺の発展を牽引する都心の活性化を図るためには、その周辺エリアも含めてまちづくりと交通の両面から、面的に取組を進めることが重要です。また、連続立体交差事業は、多大な費用が必要となりますが、一体的な地域の発展のために大きな効果がありますので、将来を見据えて、計画どおりに進めるよう、しっかりと取り組んでほしいと思います。

 今後、2025年の大阪・関西万博、2027年度の南海本線高架化完成、2031年のなにわ筋線の開業、2040年の南海高野線の高架化等の契機を捉え、活性化に向けた取組を着実に進めていただくことをお願いを申し上げまして、この項の質問を終わります。

 最後に、誇りある歴史認識を持つための教育についてお聞かせいただきたいと思います。質問いたします。

 私は、市会議員になってから、子どもたちが日本に生まれてよかった、日本を誇りに思う、世界に出ていくときも、そのような思いで日本から巣立ってほしいと、そういう思いでいろいろと教育改革に力を注いでまいりました。しかし、堺もそうですけれども、日本中でまだまだ子どもたちが自分の国に誇りを持っているということは感じられない。何が問題なのか、1つではありませんけれども、その1つが、私は第二次世界大戦、大東亜戦争、太平洋戦争とも呼ばれておりますが、この国家の総力挙げて戦った戦争をいまだに侵略戦争という負のレッテルを貼られ、それに対して自信が持てない。そこに大きな問題があるのではないかと、このように考えております。今までも、文教委員会等々で歴史教科書をひもとき、そういう話もしてまいりました。

 そこで、最後に、この点について御見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。第二次世界大戦、太平洋戦争、大東亜戦争について、どのように教えているのかについてお答えいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 学習指導要領解説におきまして、小学校社会科では、我が国が戦時体制に移行したこと、我が国がアジア・太平洋地域において連合国と戦って敗れたこと、国内各地への空襲、沖縄戦、広島・長崎への原子爆弾の投下など、国民が大きな被害を受けたこと、これらの戦争において、我が国が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大な損害を与えたことについても、触れることが大切であると示されております。

 また、中学校社会の歴史的分野では、軍部が台頭して大陸での勢力を拡張したこと、中国との戦争が長期化したこと、国際連盟を脱退した日本が、やがてドイツ、イタリアと三国同盟を結び、アメリカ合衆国、イギリス、そして終戦直前に参戦したソビエト連邦などとの大戦になったことを扱うようにする。また、我が国が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害を与えたこと、各地への空襲、沖縄戦、広島・長崎への原子爆弾の投下など、我が国の国民が大きな戦禍を被ったことなどから、大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解できるようにして、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気づくことができるようにすると示されております。

 これらを踏まえ、各小・中学校において指導を行っておるところでございます。以上でございます。  

◆34番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(上村太一君) 34番水ノ上成彰議員。

◆34番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたとおり、小学校、中学校におきましても、学習指導要領解説において、我が国が多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害を与えたことについても触れよと、このようになっているわけです。ですから、幾ら地方自治体で日本がこの戦争の結果、多くのアジアの諸国が独立していった、そういう誇りもあるんだということを教えても、この学習指導要領解説でこうなっている以上は、なかなかそれができない。学習、その教科書も、なかなかそれに沿った教科書が採択されないということになっているわけですね。ですから、これは、そやけど一方的な見方でありまして、違う見方もたくさんあります。スクリーンの6をお願いします。

 これは、オランダ、アムステルダム市長が平成3年に日本から来た人たちの前に演説した内容ですけれども、一部ですが、植民地や属領にされて、長い間、奴隷的に酷使されていた東亜民族を解放し、共に繁栄しようと、遠大にして崇高な理想を掲げて、大東亜共栄圏という旗印で立ち上がったのが日本だったはずだろう。本当に悪いのは、侵略して権力を振るっていた西洋人のほうだ。日本は敗戦したが、東亜の解放は実現した。すなわち、日本軍は戦勝国の全てを追放して終わった。その結果、アジア諸民族は、おのおの独立を達成した。日本の功績は偉大です。血を流して戦ったあなた方こそ、最高の功労者です。自分を蔑むのをやめて、堂々と胸を張って、その誇りを取り戻すべきですと、このように言っています。

7をお願いします。これはビル・トッテン、米国の経済学者ですけれども、実業家です。この方もこういうふうに言ってます。大東亜戦争によって、アジアのみならず、アフリカ諸国まで、ようやく独立した。世界史の大転換であり、幾ら評価してもし過ぎることはない。その中で、まだ独立していない国が1つだけ残っている。その未独立の国は外国製の憲法を今もありがたがっている。隣国から教科書の書き直しを要求されたら、おたおたしながら従っている。日本にとって、最も神聖な靖国神社だが、首相が参るべきか否かをめぐって、内輪げんかをしている。第一、国家の総力を挙げて戦った自国の戦争に侵略のラベルを貼り、それを首相談話に盛り込み、教科書まで書き連ねている。こんな国が世界のどこにあるのか。

 2つだけ紹介いたしましたが、このような外国人から見た日本の評価というのは、たくさん、枚挙にいとまがないほどたくさんあります。歴史的なことですから、一方的なことを、語るのではなくて、いろんな意見を集約した中、また取り入れた中、我々の日本人の子どもたちに、どのような認識で歴史を教えていくのか。これを真剣に考えていかなければならないというふうに思います。

 学習指導要領及び学習指導要領解説がこのようになっている以上、皆様方にこのような歴史観から子どもに教えろというのは難しいかも分かりません。そのためには、国自体が変わって、誇りのある日本人を育てる、そういう教育に移行していかなければならないと、このように思っています。しかし、心の中では、我々一人一人がそういう思いを持ち続けることが大事だというふうに思います。そのことを申し上げまして、この項の質問を終わりたいと思います。

 以上をもちまして、私の市議会議員としての最後の大綱質疑となります。御清聴ありがとうございました。

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