本文へスキップ

水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和5年12月7日 大綱質疑

学校教育上の課題について

 ①国歌君が代の指導について
 ②国旗日の丸について
 ③国旗日の丸について
 ④学力向上について

連続立体交差事業について

◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、おはようございます。47番水ノ上成彰です。通告に従い大綱質疑、一般質問を行います。

 初めに、学校教育上の課題について、まず国歌君が代の指導についてお伺いいたします。

 国旗国歌法は平成11年8月に制定され、国旗は日章旗とする、国歌は君が代とすると定められました。

 法律制定から20年以上の月日がたち、堺市の教育において国旗・国歌に対する正しい理解と指導が行われているのかと考えると大いに疑問な事象が散見されます。

 学習指導要領の小学校音楽科では国歌君が代について、いずれの学年においても歌えるように指導することとなっていて、学習指導要領解説では、児童が将来国際社会において尊敬され信頼される日本人として成長するためには、国歌を尊重する態度を養うようにすることが大切である、入学式や卒業式など必要なときには、児童がいつでも歌えるようにしておかなければならない、国歌の指導に当たっては、国歌君が代は日本国憲法の下において、日本国民の総意に基づき、天皇を日本国及び日本国統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であることを理解できるようにする必要があるとされています。

 つまり、小学校1年生から歌えるように、毎年歌えるように、また必要なときには児童がいつでも歌えるようにしておかなければならないとなっています。

 私は堺市内の少年剣道に携わっており、競技大会の開会式では国歌斉唱をすることが多いですが、十数年来様々な大会に参加しておりますが、ほとんどの児童・生徒は君が代を歌わない、歌えない。

 毎年9月の敬老の日に堺市長杯争奪少年剣道選手権大会が開催されます。堺市及び堺市教育委員会の後援をいただき、市内の小・中学生約300名が集まります。今年は長山教育監、浦部文化観光局長に御来賓として大会開会式に御臨席いただきましたが、国歌斉唱では、やはりほとんどの生徒が歌っておりませんでした。教育監にはその状況を御覧いただいたと思います。

 私は大会役員の1人として開会式の挨拶で、ほとんどの選手は国歌を歌っていなかったが学校で国歌君が代を習った人はと手を挙げさせましたが、2割から3割の児童・生徒が手を挙げるにとどまりました。この光景は本当に情けない光景で、国際的に見ても異常な光景と言えます。

 国歌を歌う場面で自国の国歌をしっかり歌うのは世界の常識。この大会に限らず、堺市の大会ではまず児童・生徒は国歌を歌っていない。そんな場面を見た方も多いのではないかと思います。

 開会式後、何人かの小学生高学年の児童に、君たちは学校で君が代を習ったかと聞いたら、ほとんどが学校で習ったことはないと、だから歌えないと言ってました。

 私は少年剣道の団体の長として剣道の指導をしておりますが、現在小学校6年生が7名おり、4つの小学校から通っています。その6年生に学校で国歌君が代について習ったことがあるか、歌えるかと聞いたら、7人とも小学校で一度も習ったことがないから歌えないと言います。その他個人的に別の小学校2校の6年生2名に同じことを聞いたところ、習ったことがないと言います。少なくとも私の知る限り、6つの小学校の子どもたちは1年から6年生の2学期まで教わっていなかった。もちろん私がしっかりと歌詞の意味を教えて歌えるようになりましたけれども、初めて習ったと喜んでいました。

 このような状況を前提にお伺いをいたします。

 小学校では国歌君が代及び国旗日の丸についてどのように指導しているのか。教師の指導の現状についてどのように把握しているのか、お答えください。

 これで一旦降壇いたします。

  (木畑匡副議長、的場慎一議長に替わり議長席に着く)

○副議長(木畑匡君) これより答弁を求めます。

◎教育監(長山秀基君) 学習指導要領におきまして、小学校音楽科では国歌君が代をいずれの学年においても歌えるよう指導することと示されており、小学校社会科では我が国の国旗と国歌の意義を理解し、これを尊重する態度を養うとともに諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を養うよう配慮することが示されています。

 また、小学校、中学校の特別活動では、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導することが示されてございます。

 学校に対しましては、学習指導要領に示されている指導事項を確実に指導するよう研修会等において指導助言を行っているところでございます。また毎年、入学式や卒業式の前には、子どもに国旗及び国歌の意義を十分に理解させるなど指導の充実に努めること等について通知をしてございます。

 教育委員会におきましては、毎年度末に学習指導要領に示された指導すべき内容について全ての学校で指導していることの報告を受けており、国旗・国歌についても各校において指導しているものというふうに認識をしてございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では全ての小学校から毎年、学習指導要領に示された指導すべき内容は全て指導したとの報告を受けているので、国旗・国歌についても学習指導要領どおり指導していると考えているということですが、つまり分かりやすく言えばこうです。堺市の全ての小学校では、国歌君が代は学習指導要領どおり毎年1年生から6年生まで音楽の授業で歌えるように指導しており、市教委に報告されているということ。

 これ本当ですか。先ほどお示ししたとおり、多くの6年生の児童が国歌について小学校では一度も習ったことがなく歌えないと言っています。習ったけど覚えていないではなく、全く習っていないと言っているんです。どちらかがうそをついている。どちらだと思いますか。小学生が1年生から6年生まで毎年音楽の時間に君が代を習っていたとしたら、歌えるはずです。一度も習ったことがないなんてうそをつく必要がありません。そう思いませんか。

 小学校6年生にもなって世界一短い国歌君が代を歌えないのは、1年生から6年生まで学習指導要領どおり学校が教えていないからにほかなりません。

 そこでお伺いいたしますが、6年生になっても国歌を歌えない小学生が多数いると予想されていますが、この状況について教育委員会は把握していますか。イエス・ノーで結構ですのでお答えください。

◎教育監(長山秀基君) 指導を受けて必ず全ての児童・生徒がきちっと歌えるようになっているかということについては、私は把握をしてございません。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 教育監は剣道大会に来ていただいて、歌わない子どもたちを見てると思うんですね。そして習ったかと手を挙げるように言ったら手を挙げてない子が7割、8割いた。その状況を御覧になっていると思います。子どもたちは多く習ってない。

 私はこのような状況を鑑みて、教育課程課長に小学校全校の調査をしてほしいと要望いたしました。その調査は全校生徒を対象とした大規模なアンケートみたいなものではなく、私がやったように各小学校6年生、二、三名で結構ですので、今まで君が代、日の丸は習ったことがあるかと聞くだけでいい。そしたら課長からは、小学校を飛ばしてというか超えて市教委が直接児童に聞いたりすることは適切ではないのでできないということでした。

 ちょっと待てと。6年生の児童は今まで一度も君が代を習ったことがなく歌えないと言ってるんだから、その声を直に聞いたらどうだと言ってるんですが、小学校から学習指導要領どおり全ての指導を行っていると報告されているので、それを尊重するという立場。これが堺市教育委員会の体質ではないかと思います。子ども目線ではなくて大人の事情を優先し、学習指導要領どおり指導してこなかったにもかかわらず、その実態を明らかにしようとしない。これでは問題の解決にはなりません。

 さて、今まで申し上げたことを前提に、国旗・国歌の指導についてこれから徹底するために市教委として今後どのような対応をしていくのか、お伺いしたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 子どもに国旗及び国歌について正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てることは、国を愛する心を育て、子どもが国際社会において互いの文化を認め合う態度を育成する上で重要と考えてございます。

 国旗及び国歌の指導に当たりましては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、適切に指導するよう引き続き研修会等の機会を捉え、全校に指導助言を行ってまいります。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では学習指導要領の趣旨を踏まえ適切に指導すると、また助言をしていくということですけれども、それでは恐らく今の状況は変わらないと思います。

 現状は卒業式の前のみ教えている状況です。私は学習指導要領どおり教えてほしいと言っているにすぎません。教育監、まず現状把握が何よりも大事です。そこから始めてほしい。

 教育委員会ができないのなら私がやってもいいと思います。簡単なことです。少年剣道大会はしょっちゅうあります。その都度6年生にどこの小学校か、国歌君が代は学校で習ったか、歌えるか、それだけで済みます。もちろん私はこれからもそういう問いを続けていこうと思いますけれども、ぜひ直に子どもの声を聞いてほしいと思います。

 私は先ほど話した6校に限らず、堺市の92の小学校のほとんどが国旗・国歌の指導において学習指導要領どおりの指導はしていないと思っています。実態を把握した上で適切な指導が必要だと思います。本気でやれば、その効果はすぐに現れます。世界一短い歌詞です。

 来年の堺市長杯少年剣道大会には、また御来賓としてぜひお越しいただきたい。そして、そのときには全員選手が大きな声で国歌斉唱をしている姿を共に見たいなというふうに思います。今まで歌ってこなかった国歌を歌うということは、日本人としての誇りを子どもたちの胸に刻むということです。どうか子どもたちの未来のために真剣に取り組んでほしい。

 本日の議論の確認のため、来年の12月議会でも、この大綱質疑で同じ質問をしたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 続いて、国旗日の丸についてお伺いをいたします。

 国歌君が代、国旗日の丸について、学習指導要領では小学校3年生・4年生・5年生で社会の時間にその意義や歴史について習うとなっていますが、私が児童に直接聞く限り、多くの子どもたちが国歌と同様、まともな指導はされていることはありません。問題点は先ほどの国歌と同じところにあるので、ここではそのことは議論せず善処を求めることにとどめ、ここでは国旗の掲揚状況について議論したいと思います。

 そこでお伺いいたします。堺市内の小学校、中学校には国旗、学校旗の掲揚のポールが設置されています。小学校、中学校において国旗の掲揚と降納はどのようにされているのか、お答えいただきたいと思います。

◎教育次長(山嵜久樹君) 本市の学校施設における国旗掲揚につきましては、国旗・市旗掲揚マニュアルに沿いまして、学校休業日を除く平日に国旗を掲揚することとしております。

 なお、国旗の掲揚・降納につきましては、公益財団法人シルバー人材センターや地域のNPO法人等で従事する学校施設安全管理員などが行っております。以上です。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、平日学校が開校されているときは国旗は掲揚されているということです。

 私は堺区、西区の小・中学校約15校の学校を見回りました。時間的な関係で15校のみだったんですけれども、国旗が掲揚されていたのは半数程度でした。それをもって掲揚されていない学校が毎日掲揚していないとは断言いたしませんが、少なくとも全校に国旗掲揚が徹底されていないのは明らかです。全校に国旗掲揚を徹底するように指導していただきたいなというふうに思います。

 御答弁では学校施設安全管理員の方が国旗掲揚・降納をしているということですが、私が聞いた範囲では児童・生徒自ら国旗掲揚及び降納している学校もあると聞きます。

 国旗を尊重し誇りを持つという意味から、その姿が望ましいと思います。国旗を児童・生徒自ら掲揚・降納するということは、それをすること自体が名誉なことであるという認識を児童・生徒に持たせることにもなり、自国の国旗を尊重する気持ちが醸成されるだけではなく、他の国の国旗についても大切にするという国際感覚を養うためにも望ましいことだと思います。

 実際に児童・生徒が毎日国旗の掲揚・降納をしている事例もあることから、児童・生徒による国旗の掲揚及び降納をする小学校、中学校を増やしていただきたいということを要望して、この質問を終わります。

 続きまして、修学旅行について、特に小学校の修学旅行についてお尋ねいたします。

 昔は堺市の小学校の修学旅行といえば、ほとんどが伊勢でした。そして必ず伊勢神宮を訪れたものです。私の小学校のアルバムにも伊勢神宮での集合写真が残っています。

 令和5年度堺市の小学校の修学旅行先を教育委員会の資料を基に調べたところ、小学校92校中約70校が伊勢方面に行き、宿泊もしています。その中で伊勢神宮を訪れた小学校は何校だったと思いますか。たったの3校です。一体伊勢に何をしに行ってるのかと疑問に思いませんか。中には伊勢神宮の横の内宮の横のおかげ横丁には行くが、伊勢神宮には行かない小学校もあるようです。まさにお笑いです。

 伊勢に行く値打ちは伊勢神宮を訪れることにあります。伊勢神宮は1,000年以上前から日本人が大切にしてきた社です。現在は毎年800万人以上の人が訪れていますが、江戸時代、人口が約3,000万人だったにもかかわらず、毎年約600万人が訪れたと伝えられています。

 また、年間10万人以上の多くの外国人観光客が宗教に関係なく、仏教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教などの宗教を信じるにもかかわらず、日本の文化を体験しようと伊勢神宮を訪問します。平成28年には伊勢志摩サミットが行われ、G7の首脳が伊勢神宮内宮をそろって表敬訪問され、集合写真が撮られたことを多くの日本人が記憶しています。

 伊勢神宮は世界中の人が認める最も日本的な聖地であり、江戸時代まで一生に一度はお伊勢参りと日本人にとって憧れの地であります。修学旅行の目的地としてもふさわしい。志摩スペイン村、鳥羽水族館、信楽焼もいいですけれども、まず伊勢神宮だろうと。私も6年生の保護者から、堺市の小学校は伊勢に行くのになぜ伊勢神宮に訪れないのか、子どもたちにぜひ伊勢神宮に行かせてほしいと要望されています。

 そこでお伺いいたします。伊勢方面に修学旅行に行くにもかかわらず伊勢神宮に訪れないのはなぜか、お聞かせください。

◎教育監(長山秀基君) 修学旅行につきましては、学習指導要領において、見聞を広め自然や文化などに親しむことや、よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方、公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすることが示されてございます。この趣旨や児童の実態等を踏まえ、各校での狙いに基づき、その環境でしか実施できない教育活動を豊富に取り入れるように工夫して行き先を決定しているものと認識をしてございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、各学校に任せているということです。

 なぜ伊勢方面に修学旅行に行くにもかかわらず、伊勢神宮を訪れないのかの理由は示されませんでした。

 ただ答弁より、見聞を広め自然や文化などに親しみ、公衆道徳の体験を積む。それが目的ならば、伊勢神宮というのはぴったりではないかなというふうにも思っています。

 仄聞するところによりますと、一部の保護者に宗教上の理由で強硬に反対されたため譲歩して、伊勢には行くが伊勢神宮には参拝しない小学校もあるようです。

 一方、伊勢神宮に参拝する学校は、同じ理由で反対する保護者に対して丁寧に説明をして納得していただいた上で伊勢神宮に行くところもあるようです。

 修学旅行で伊勢方面に行き伊勢神宮に行くか行かないかは、結局は校長が児童に修学旅行で何を教育したいのかという思い1つではないかと思います。今後伊勢方面に修学旅行に行く小学校の多くが日本文化を学ぶという目的で伊勢神宮に訪問していただきたいなというふうに思っています。

 さて、ここまでの話で教育長にお伺いしたいと思います。

 これまでの議論で堺市の教育の中の国旗・国歌の問題、小学校の修学旅行の問題についてお話しいたしましたが、私はこの2つは根底にあるのは同じではないかなと考えています。それは堺市の教育には日本人としてのアイデンティティーを育むということが欠如していると感じています。

 日本の公教育の求めるところは立派な日本人をつくることにあるのではないか。日本に生まれてよかった。日本人であることを誇りに思う。児童がそう思うことが大切ではないかと考えます。

 そこで、堺市の教育には日本人としてのアイデンティティーを育む教育が重要と考えるが、教育長の御所見をお伺いしたいと思います。

◎教育長(粟井明彦君) これからの予測困難で変化の激しい時代におきましては、新たな知識が次々と発生し、断片的なある時点の知識だけでは通用しない時代となっております。

 子どもたちが先哲や他人の英知から過去の事象の成り立ちや移り変わりを理解すれば、将来はこうなるだろうと予測し、次の行動に移すことができる可能性が高まります。そのような教育を施してまいりたいと思います。

 また、子どもたちが自分の生まれ育った国の歴史や文化を知り理解を高めることは、国際社会において互いの文化を尊重し合う態度を育成することにつながるものと考えております。

 本市の子どもたちを取り巻く状況を踏まえて、様々な観点から子どもたちの学びの充実に向け、より一層取り組んでまいります。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 教育長から御答弁いただきました。

 今の教育長のお話の中でなるほどなと思うんですけれども、あと一歩私が思うことは、我が国の歴史や文化を知り理解を深めるだけでは国際人になれないと思います。そこには自国に対する強烈なリスペクト、そして誇りが大事です。大切だと思います。それを醸成する教育、ぜひともそのような教育をめざしてほしいということを要望いたしまして、この項の質問を終わりたいというふうに思います。

 続いて学力向上についてお伺いをいたします。

 令和5年度全国学力・学習状況調査の結果は実に憂慮するものです。

 スクリーンお願いします。

 堺市の小・中学校の国語と算数・数学の成績は、いずれも令和4年度の成績を下回り、全国平均及び大阪府の平均を下回っています。赤印で矢印を書いておりますけれども、全て右肩下がり。国立教育政策研究所がホームページで公開している資料によれば、政令指定都市20市中、堺市は小・中学校ともに最下位クラスです。ちなみに小・中学校とも政令指定都市中、最上位クラスはさいたま市でした。

 堺市は平成18年に政令指定都市になり17年がたちます。大阪府から権限と財源が移譲され、教育立市をめざすも低迷しています。とはいえ、よい時期もありました。

 スクリーンを見ていただいたら分かりますけれども、小学校の算数は平成29年に全国平均を大幅に上回り、政令指定都市の中でも上位クラスでありました。国語も平成30年以降しばらくは全国平均を上回りました。にもかかわらず、それ以降は下落を続け、ついに全て全国平均を下回っています。

 そこでお伺いいたします。令和5年度全国学力・学習状況調査の堺市の学力の状況をどのように認識しているのか、また、この現状から今後の取組についてお答えいただきたいと思います。

◎教育監(長山秀基君) 令和5年度全国学力・学習状況調査の結果におきまして、全国の平均正答率を100とした場合、本市の小学校6年生は国語が96.7ポイント、算数が99.2ポイントでございました。中学校3年生は全国の平均正答率を100とした場合、国語が96.0ポイント、数学が98.0ポイント、英語が100.9ポイントでございました。

 本市の課題は全国と比べて学力低位層の割合が多く、小学校1年段階からのつまずきに対する授業改善や個々の子どもが学び直す仕組みが必要であると考えてございます。

 そのために、教育委員会は課題のあった問題につきまして、小学校1年から中学校3年までの関連する学習内容とそれぞれの指導ポイントに関する資料を作成し、学校園はその資料を活用して授業改善に取り組んでございます。

 また、学習支援コンテンツを活用することで子ども自身が計画的に個別に学び直す取組ができるようにするなど、教員が子どものことを把握しながら個々の子どもが学び直す取組を行ってございます。

 加えまして、教育委員会が全国学力・学習状況調査の設問と小学校におけるドリルコンテンツの問題の関連について取りまとめた資料を各学校に提供してございます。個々の子どもは、その資料を基に自身の課題に対応した箇所を学習をしている状況でございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 私は、政令指定都市になって17年、教育立市をめざした本市の小・中学生が国語、算数、数学において、かくも低迷していることはゆゆしき事態だというふうに考えています。

 今御答弁いただいて、いろいろ課題がある、またそれに対する取組もしている、しかし結果が出ていない。堺市の児童・生徒の能力、学力が低いというのは、つまりは堺市の行政及び堺市教育委員会の能力が低いためにこのような成績に甘んじている、私はそう思います。あなた方の責任です。

 市長も教育長も本当に危機感を持っているでしょうか。現在の堺市の児童・生徒の学力の成績、これを知り、子育て世代が好んで堺市に移り住むことは考えられない。学力低位層に的を絞った施策が必要なのは言うまでもありません。

 かつてマイスタディや堺市独自の学力・学習調査堺市「子どもがのびる」学びの診断など、予算は削られていきました。私はこの低迷した学力からの向上のため、令和6年度予算が教育にどれだけの予算を振り向けるのか注目をしています。他の政令市と比べて教育に対する予算のかけ方が違うとも仄聞しています。掛け声だけでは学力は伸びません。しっかり教育に予算を割り振れと申し上げておきます。

 英語教育について質問する予定でしたけれども、時間的余裕がないため割愛をいたします。

 一言言っておきたいのは、小学校、中学校の国語、算数、数学の学力が低迷する中、英語に力を入れるのは本末転倒です。そんな時間とお金があれば、国語、算数、数学にまず力を入れてほしい。

 さらに一言、10年連続増え続ける不登校生徒・児童については私も危惧しております。この件についてはまたの機会に議論したいと思います。

 以上申し上げて、教育の課題については終えて次の質問に移りたいと思います。

 連続立体交差事業についてお伺いをいたします。

 連続立体交差事業は鉄道の高架化による交通の円滑化や市街地の発展などの多くの整備効果があり、都市の活性化には必要不可欠な事業です。

 本市は現在南海本線と高野線の2つの路線で連続立体交差事業を進めていますが、それぞれの進捗状況をお示しください。

◎建設局長(西川哲夫君) まず、南海本線連続立体交差事業の進捗状況でございますが、用地取得がほぼ完了しており、鉄道工事に着手しております。令和4年度に隣接する高石市域の連続立体交差事業との接続部を除き、仮上り線への切替えが完了しており、現在は残る高石市域仮上り線への切替えと仮下り線への切替え工事を進めながら、高架構造物の築造工事も並行して進めております。

 また、事業に伴う阪堺線の移設につきましては、今年度中に阪堺電気軌道株式会社と基本協定を締結予定でございます。

 次に、南海高野線連続立体交差事業の進捗状況は、令和4年度から事業着手しており、測量や物件調査を行いながら事業に必要となる用地取得を現在進めております。

 本年10月31日に南海電気鉄道株式会社と費用負担や役割分担などを定める基本協定を締結し、令和6年度から鉄道工事に着手する予定でございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 両事業とも長期に及ぶ事業であるため、計画どおり進まない事象も多いと思います。

 南海高野線は事業が始まったばかりであり、まずは権利者の事情に配慮して丁寧に進めてほしいと思います。

 南海本線は仮線切替えと高架構造物築造を並行して進めているとのことですけれども、令和9年度事業完了予定だったと記憶しておりますが、計画どおりに進んでいるのか、御答弁いただきたいと思います。

◎建設局長(西川哲夫君) 南海本線連続立体交差事業は事業認可期間である令和9年度末の事業完了に向けて現在工事を進めておりますが、これまで用地取得に時間を要したこと、耐震基準の変更により基礎ぐいの本数が増加したこと、隣接する高石市域の連続立体交差事業の工程変更などによって現在影響が出ております。

 これらの影響受けながらも、工程を短縮できるよう調整してまいりましたが、計画している期間内の完成は極めて難しい状況であるため、今後さらに効率的に工事を進める手法を検討して精査してまいります。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 先日かなり進んできたということで、石津川から諏訪ノ森そして浜寺公園と現場視察をさせていただきました。今の御答弁では令和9年度事業完了が困難との認識でありますけれども、それではいつ頃事業完了の見込みなのか。南海本線沿線の地域住民の最大の関心事は、いつできるのか、それだけであります。そのことが最も関心が高いということで、いつこれが事業完了するのか見込みをお知らせいただきたいと思います。

◎建設局長(西川哲夫君) 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、今後さらに効率的に工事を進める手法を検討して、現在精査しておりますし、今後もしっかりと精査してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) なかなか時期は答弁としては難しいと思いますけれども、住民の皆様方は早く完成してほしい。なぜならば、そのことによって交通の利便性は高まる、まちも活性化する。何よりも南海トラフ大地震が来たときの、今は逃げるときには今の鉄道、南海本線が障害となって逃げ遅れる方々も予想される。そういう意味も含めて一刻も早く完成してほしいという声が大変大きい。ですから、ある程度のところが来たら、いついつに完成するという時期を示してほしいと思います。

 昨今2025年の万博で取り沙汰されておりますけれども、物価高騰などにより多くの事業で費用面での影響が出ていると聞きます。両事業への影響はどのように考えているのか、お答えください。

◎建設局長(西川哲夫君) 連続立体交差事業は長期にわたる事業でもあり、物価高騰や社会情勢の変化なども発生し得るものであるというふうに認識をしております。

 これらに対する影響が明確になった段階で事業費の精査を行いまして、議論をしっかりと深めた上で必要な変更を行っていくというふうになろうかということでございます。以上でございます。 

◆47番(水ノ上成彰君) 議長。

○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。

◆47番(水ノ上成彰君) 南海本線の連続立体交差事業の総事業費は423億円です。そしてそのうちの堺市の負担は175億円と聞いております。

 ただ、万博の状況を見ますと、資材の高騰、物価の高騰などによって、これが大きく膨れ上がるのではないかという危惧もしております。その点ぜひ低く抑える努力もしながら、早急にこの事業を完了してほしいなというふうに思います。

 最後に要望を申し上げますけれども、私の地元が南海本線事業のまさに真っただ中であるということから、この成り行きをずっと見続けてまいりました。いよいよ高架構造物が形になっており、いよいよ来たなという感じがいたします。

 連続立体交差事業は多くの整備効果があり、市域だけでなく大阪府全体にも影響が及びスケールの大きな事業です。物価高騰などの影響で事業費の増加も出てくるでしょうけれども、できるだけ低く抑えた上で、これは浜寺地域、西区のみならず市のさらなる発展のためにも必要不可欠な事業ですので、邁進してほしいと思います。

 南海本線は完成まで、まだまだ時間がかかりそうですけれども、あと何年でできるのか。令和9年が無理ならば令和何年なのか。地域住民は早期完成を熱望しております。工程短縮に不断の努力を行いながらも、着実に事故のないように事業を進め、早期完成していただくことを期待申し上げまして、本日の私の大綱質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。

バナースペース

水ノ上成彰 事務所

Mail  info@mizunoue.com

【水ノ上成彰 事務所】 
〒592-8348
堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2
TEL 072-263-0333
FAX 072-263-0334