◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、お疲れさまです。水ノ上成彰です。永藤市長2期目の初めての大綱質疑です。6月21日の臨時議会におきまして、永藤市長は所信表明をされましたが、その所信表明に関連して本日の大綱質疑を行います。本日は2問質問いたします。理事者各位には簡潔明瞭な御答弁をお願いいたします。 それでは最初に、南海トラフ巨大地震への対応について質問いたします。 市長の所信表明で安心して暮らし続ける堺として、南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模災害や6月2日の大雨のように近年発生頻度が増している災害リスクから市民の皆様や市内で過ごされる方々の命と暮らしを守るため、堺市総合防災センターの効果的な活用や避難所の充実を図りますと述べられました。簡単に言えば、南海トラフ巨大地震などの災害については市民の命と暮らしを守るため避難所の充実を図る、このように言っておられます。 今年令和5年3月4日・5日、NHKスペシャルで南海トラフ巨大地震のドラマ、ドキュメンタリーが2日間にわたって放映されました。マグニチュード8.9の想定で、地震被害もさることながら、半割れというマグニチュード8から9の巨大地震が2度にわたって西日本から東海地方の太平洋沿岸を襲い、今までの予想をはるかに超える津波被害が広範囲に広がる様がリアルに映像として流されました。非常に衝撃的なドラマでした。多くの方々が御覧になられたと思います。 南海トラフ巨大地震は政府の地震調査委員会により最新の発生確率が公表され、今後40年以内にマグニチュード8から9の地震が発生する確率を前年の80%から90%程度に引き上げました。30年以内には70から80%の発生確率として前年のまま据え置いています。つまりマグニチュード8から9クラスの地震が起こるか起こらないかではなく、いつ起こるかという段階です。そして、地震が起これば津波被害が確実に発生します。 そこでお尋ねいたします。南海トラフ巨大地震の国、大阪府、堺市のそれぞれの被害想定についてお答えください。 これで一旦降壇します。 ○議長(的場慎一君) これより答弁を求めます。 ◎危機管理監(豊川清雄君) 被害想定についてお答えします。 内閣府では平成25年5月に南海トラフ巨大地震による最大震度・津波高また被害想定などを公表しております。 その想定では、地震の規模を示すマグニチュードは9.0、関東から九州の広い範囲で震度6強以上の地震が観測され、沿岸部では最大で30メートルの津波が押し寄せるとされています。最悪の場合、関東から九州にかけての30の都府県で合わせて約32万3,000人が死亡するとされています。 また、大阪府では内閣府の想定の下に大阪府域の詳細な地盤データや防波堤の機能検証等を実施し、大阪府内の被害が最大になるケースの被害想定を平成26年1月に公表しています。大阪府域では南部で最大震度6強を観測し、府内の大部分で震度6弱と想定されており、沿岸部において最大で5.1メートルの津波が押し寄せるとされています。最悪の場合、府内で約13万4,000人が死亡するとされており、そのうち約13万3,000人は津波による死者でございます。 本市では大阪府が公表した被害想定を採用いたしまして、平成26年の堺市地域防災計画の改正に合わせて公表しております。市内の大部分で震度6弱を観測し、最大で堺区4.2メートル、西区4.9メートルの津波が押し寄せ、死者数は6,103人、そのうち津波による死者は6,032人と想定されます。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁によれば、堺市内で6,000人を超える津波による死者が出るというふうに想定されています。 特に堺市内では堺区及び西区に集中すると思いますので、堺区及び西区の津波による想定死者数をお答えください。 ◎危機管理監(豊川清雄君) 津波における想定死者数6,032人のうち堺区につきましては3,627人、西区におきましては2,405人でございます。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) スクリーン2をお願いいたします。 御答弁では、堺区では3,600人超、西区では2,400人超と。スクリーンに映し出しているのは、全国では32万3,000人、大阪府内では13万3,000人、堺市内では6,032人、堺区では3,627人、堺市西区では2,405人という膨大な数の津波による犠牲者が想定されているわけであります。 地震発生から堺市西区には約100分で4.9メートルの津波が、堺区には約110分で4.2メートルの津波が到達します。健常者は命の危険のないところまで避難できます。津波による犠牲者のほとんどは高齢者、体の不自由な方、目の不自由な方、寝たきりの方、車椅子の方など、100分でも逃げることができない方と推測できます。まちじゅうが大混乱に陥り、固定電話も携帯電話もほとんど不通となり、安否確認も行えない状況です。 私は西区浜寺に住んでおりますので、西区の話をいたしますと、西区の津波による2,400人の想定犠牲者は全て浜寺地区の方です。浜寺校区、浜寺昭和校区、浜寺石津校区、浜寺東校区の4校区、私はそのど真ん中に住んでいて、4.9メートルの津波が来れば、我が家も1階が浸水します。 津波避難訓練は浜寺4校区で毎年熱心に開催されています。訓練による津波に対する避難意識の醸成は大変重要ですけれども、逃げ遅れた人を救助する訓練は行っていません。 特徴的なのは、津波による犠牲者は逃げ遅れる方なので、誰が逃げ遅れるか、ある程度予測できます。 例えば今巨大地震が来れば、津波による犠牲者の顔が浮かびます。日頃付き合いのある体の不自由な方、そういう方々が恐らく犠牲になるのかと思えば心が痛みます。知り合いが犠牲になるのであれば、何としても命を助けたいと思うのが議員の役目。NHKスペシャルはこれ半年前ですけれども、見たお年寄りは、あんな津波が来たら私らは死ぬしかない、悲しいがそういう思いです。 そういうことがないためにも、津波による死者数をゼロにすることを目標に対策を立てていかなければならないと思いますが、現在津波避難対策について堺市でどのような対策を講じているのか、お伺いしたいと思います。 ◎危機管理監(豊川清雄君) 本市では国や府による被害想定を踏まえまして、津波避難の基本的な考え方や津波災害から住民等が生命と安全を確保するために迅速かつ適切に避難するための避難目標や避難路、情報伝達手段、校区ごとのカルテなどを取りまとめた堺市津波避難計画を平成26年度に策定しております。
同計画における津波避難の考え方は、地震発生後、津波が内陸部に到達するまでの約100分間にJR阪和線を目標に東の高いところへ徒歩で避難すること、また逃げ遅れた方や遠くまで逃げることが困難な避難行動要支援者の方などは、緊急一時的に津波避難ビル等の高いところへ避難することとしております。 また、同計画に基づき、津波避難対策として防災マップ等を活用した津波避難対策の周知啓発、校区による津波訓練等の促進、民間事業者と連携した津波率先避難等協力事業所の登録や津波避難ビルの指定の拡大に取り組んでおります。 津波避難ビルは現在148の施設を指定しており、12万84人の一時避難が可能でございます。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 少しピッチを上げて御答弁いただければと思います。すみません。 今では2つの方針がお話がありました。1つは100分以内にJR阪和線を目標に徒歩で避難をする。もう一つが、避難できない方は一時的に津波避難ビルに避難をする。 これで果たして死者がゼロになるのか、私はゼロには到底ならないというふうに思います。 まず、津波避難ビルまでたどり着けない人はどうするのか。寝たきり、高齢者、体の不自由な方、逃げ遅れる方の命をどこまで守れるのか。水平避難が基本で、垂直避難は指定した津波避難ビルに緊急一時避難することで対応し、1万2,000人余りの避難が可能といいますが、マンション3階以上の一時避難は廊下や階段への避難が多く、体の不自由な人がたどり着くのかどうか分かりません。 また、仮に一時的に津波から避難ができ、命が助かったとしても、次の問題があります。それは津波関連死の問題です。津波関連死は、東日本大震災では3,789人だと言われています。南海トラフ巨大地震では、その約20倍の7万6,300人ほどが津波関連死すると予想されています。一旦命が助かっても、その後の避難生活において命を失う方が相当な数に上ります。 津波関連死については大阪府、堺市でどの程度の死者が出るか、明らかになっていませんが、高齢者、体の不自由な方にとっては、津波から命を守ったとしても、その後の避難所生活で命の危険にさらされます。この津波関連死対策については市長の所信表明で述べられた避難所の充実に左右されるものであり、今後も議論していかなければならない重要な課題です。 さて、国、大阪府と被害想定を公表してから10年が経過しておりますが、今般想定の見直しが行われているとの報道がありました。国、大阪府の被害想定の見直し状況と堺市の対応をお伺いしたいと思います。 ◎危機管理監(豊川清雄君) 内閣府では、南海トラフ巨大地震の被害想定見直しに向け、令和5年2月に南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会を、また令和5年4月に南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループをそれぞれ立ち上げました。現在地震モデル等の見直しや新たな被害想定について検討されています。 大阪府におきましては、これまでの対策の成果や人口構造等の社会情勢の変化を踏まえまして、現在公表している被害想定を見直すため、令和5年6月に地震津波災害対策等検討部会を設置いたしまして、津波浸水想定及び被害想定を検討しております。 本市におきましては、国・府の動向を見極めまして、津波避難計画を適切に推進してまいります。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 国・府の動向を見極め、津波避難計画を適切に推進するということですけれども、国・府の被害想定の見直しを待たずに堺市でできることはないか。 徒歩で自力で避難困難な高齢者、体の不自由な方の多くは、津波避難ビルの避難スペースはマンションの廊下や階段など室外が指定されているところが多い。 スクリーン3を出してください。 八戸市や静岡県、高知県などで整備される居住型避難スペースと備蓄品を備えた津波避難タワーも津波関連死を防ぐという観点からも必要と思います。これが今八戸のほうで建てられている津波避難タワーで、900人弱がここに避難できるということですけれども、このようなタワーも検討する必要があると思いますけれども、市の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎危機管理監(豊川清雄君) 本市の津波避難対策は、津波の到達までの一定時間があると想定されているため、津波の浸水想定区域外への避難を基本といたしまして、緊急一時的には津波避難ビルなど高い場所へ避難することとしております。 そのため、引き続き津波避難の方法について市民へ周知を図りつつ、浸水区域内に新規建設されるマンションや事業所等について積極的に協力を求め、津波避難ビルに指定し、緊急一時避難場所を増やしたいと思っています。 今後もより確実な津波避難の方法について国等の情報に注視してまいります。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 残念ながら津波避難タワーについての言及はありませんでした。2つの方針の繰り返しの御答弁でした。 実は大阪湾岸の自治体のどこも建設に前向きではありません。しかし、津波避難タワーの建設により助かる命が必ずあります。タワーまで逃げれば助かるという安心感があります。慣れない避難所生活で命を落とす津波関連死も減らすことが確実にできます。 市長は所信表明で避難所の充実を図ると明確に表明されているわけですから、津波避難タワーについても検討されることを要望しておきます。 また、昨日、今日と大綱質疑において複数の議員から、災害時に避難所となる小・中学校の体育館に早期にエアコンを設置するよう要望がありました。小・中学校135校中、津波避難所になる小・中学校の体育館から優先的にエアコンの設置ができないか、こういうことも御検討いただきたいというふうに思います。 さらに要望がございます。津波自力避難困難者のリストをぜひ作成していただきたい。堺区・西区沿岸部の避難困難者のリストの作成は決して難しいことではありません。そしてそういうリストを毎年更新をしていく。いざとなったら誰を助けたらいいのか明確になる、それを今からリスト化していくことが必要だと思います。そしてリスト作成とともに個別避難計画の作成、避難困難者の命を助けるためには地域の方の協力も必要です。ぜひ早急に個別避難計画を作成することを要望しておきます。 南海トラフ巨大地震、それに伴う巨大津波から1人でも多くの堺市民の命を守る。これがこの4年間、私に課せられた課題であると肝に銘じて議員として使命を果たしたいというふうに思っています。 今後も様々な形で議論をしていきますので、安心・安全な堺を共につくる、そういう思いで今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 以上でこの項の質問を終わります。 続きまして、仁徳天皇陵古墳の世界への発信について御質問したいと思います。 これも6月21日、市長の所信表明の中で歴史文化の魅力あふれる堺として、1600年の時を超えて守り続けられてきた世界遺産百舌鳥・古市古墳群を次の世代に確実に引き継ぐため、その価値や魅力を広く発信し、保全に力を注ぎます。 また、今年10月にはG7大阪・堺貿易大臣会合が、2年後には2025年大阪・関西万博が開催されます。これらの絶好の機会に堺の魅力を国内外に広く発信し、堺の都市魅力や都市ブランド力の向上をめざしますとあります。 堺の魅力の1番は何でしょうか。私は世界最大の仁徳天皇陵古墳があることだというふうに思っています。日本の中で、なかなか世界最大はありません。その世界最大のものがこの堺にはある。百舌鳥・古市古墳群の価値や魅力といいますが、世界的に見て世界最大の仁徳天皇陵が最も価値、魅力があるのではないでしょうか。 仁徳天皇陵古墳の魅力はほかに前方後円墳であるということ、これは日本のオリジナルの形状である。また、周濠がある。墓を堀で囲む。これも日本独特の世界に類例がありません。堀を含めた最大長は仁徳天皇陵は840メートルで、最大幅が654メートルです。3重の堀を墓を構成するとした場合、その巨大さは他を圧倒します。 そこでお伺いいたしますけれども、百舌鳥古墳群は堺が世界に誇る歴史遺産であり、仁徳天皇陵古墳について本市ではホームページ、観光用パンフレットなどでどのように紹介しているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎文化観光局長(浦部喜行君) 仁徳天皇陵古墳の紹介でございますけれども、本市ではパンフレットや冊子、ホームページ、百舌鳥古墳群ビジターセンターや堺市博物館におきまして、日本最大の前方後円墳や前方後円墳という形の世界で一番大きい古墳、またクフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界最大墳墓の1つなどと紹介してございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 堺市ホームページで世界三大墳墓の大きさ比較をしています。 スクリーン4をお願いします。 御覧になられた方も多いと思いますけれども、こういう形で比較をしています。 ただ、世界三大墳墓って誰が言い出したんでしょうか。エジプト人や中国人はこんなことを言ってないと思うんですね。日本人、特に堺から発信したのかも分かりません。クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵、仁徳天皇陵、これは墳墓だけですけれども、その墳墓だけ比べても仁徳天皇陵が最大だということを表しています。 そしてスクリーン5をお願いします 仁徳天皇陵がどのような言葉で紹介されているか。大体こういう形で、こういう言葉が使われています。日本最大、世界三大墳墓の1つ、世界最大級の墳墓と。でも、世界三大墳墓の1つと言われた場合、ぴんとくるのは3番目かなということなんですね。トップだったらこんな言い方しません。世界最大級の墳墓、級をつける。級をつけた場合はどう思うか。世界最大ではないんだなと逆に思う。世界最大だったらこんな言い方はしない。 英語の記載を御覧いただいたら分かります。 スクリーン6をお願いします。 英語の記載ではこうなってます。大体こうなってます。One оf the largest burial mounds in the world、世界の中で最大の古墳の1つ、これもさっきと同じように最大ではないという裏返しかも分かりません。どれもすごく遠慮がちな記載が並ぶわけであります。 仁徳天皇陵は認知度では他の2つに比べて圧倒的に低い。欧米人は日本に世界最大の墓があることをほとんど知られていません。世界最大のアピール不足と言っても過言ではありません。しかし、世界最大の墳墓であることは間違いありません。 そこで、日本は極東の島国であり、同時的に世界的な同時代のローマ帝国や秦・漢帝国に比べて圧倒的に小さな国です。にもかかわらず、なぜ百舌鳥の地に世界最大の巨大な大王の墓が築かれたのか。諸説あると思いますが、市の見解をお伺いしたいと思います。 ◎文化観光局長(浦部喜行君) 仁徳天皇陵をはじめとする百舌鳥古墳群は、大阪湾を望む大地に築かれたのが特徴の1つです。このなぜかということにつきましては見解は幾つかございますが、当時、東アジア諸国との交流ルートであった大阪湾から視覚的なインパクトをもって当時の日本である倭を率いる王の力を示すために、海からよく見える大地に巨大な古墳を築いたと本市では紹介してございます。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 海からよく見える大地に巨大な古墳を築いた、倭を率いる王の力を示すためにと。それにしてもでか過ぎます。 スクリーン7をお願いします。 スクリーン7では、各天皇陵と三大古墳の墳丘の長さの比較をしております。 まず一番長いのが486メートルの仁徳天皇陵、しかし今実際は525メートルだと言われています。次に墳丘の全長が長いのが応神天皇陵425メートル、次に長いのが履中天皇陵365メートル、やっと次に秦の始皇帝陵350メートルで、その下がクフ王のピラミッド230メートルなんですね。世界三大墳墓といいますけれども、これ墳丘だけですから、堀まで入れたら圧倒的に履中天皇陵なんかも秦の始皇帝陵よりも大きいわけですね。 ですから世界三大墳墓といった場合は、これから仁徳天皇陵、応神天皇陵、履中天皇陵と言い換えたほうが僕はいいと思うんですけれども、この仁徳天皇陵は5世紀前半から半ば、応神天皇陵は5世紀初頭、履中天皇陵も5世紀初頭に造られたと言われています。つまり400年から450年ぐらいの間に、僅か50年ぐらいの間に、この世界に誇る三大墳墓が築造されたということ。 仁徳天皇陵は、試算では毎日2,000人の方が働いて16年間かかっただろう、延べ680万人が従事したと言われています。3陵合わせて50年で恐らく延べ1,500万人以上の人が陵墓建設に従事している計算になります。すさまじいエネルギー。 このエネルギーはどこから来たのか。これは諸説あります。ここからは私の私的な考え方ですけれども、私は国威発揚だと思います。つまり中国大陸の王朝秦・漢帝国、その後の当時は宋ですけれども、冊封体制の中に日本はあった。宗主国に対する従属国の関係から脱却をめざした。日本が、倭と呼ばれてたんでしょうけれども、それが独立、自由自治を求めてそのような冊封体制から独立する。そのために世界最大、この当時の人がピラミッドや秦の始皇帝を見たわけではないと思いますけれども、中国のそのときの宋の時代の王墓よりも大きなものを築造した。そして独立の声を上げた。そういう思いがあると思うんですね。 冊封体制から脱却したのは、仁徳天皇の孫である第21代の雄略天皇だと言われています。倭の五王の武ですね、これ以降は朝貢はしていません。 私は仁徳天皇陵の拝所の前に立ちますと、1,600年前の日本国民が国家独立を挙国一致でめざした息吹を感じる、そのように思います。 さて、このようなことを念頭に置きまして、日本最大や世界三大墳墓の1つではインパクトが弱い。世界最大墳墓のトップスリーは日本にあり、そのうちの仁徳天皇陵と履中天皇陵は堺市にあります。そこで、堺には世界最大の古墳が存在することや仁徳天皇が聖帝と言われる事績を積極的に世界にPRすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎文化観光局長(浦部喜行君) 墳丘の長さで見れば世界最大の古墳が堺にあることを世界に向けて発信することで、子どもたちを含めて堺に住む方々が自分たちの暮らす堺に世界最大の古墳があるんやなということを知って、これが郷土愛を育むことにつながると考えてございます。 現在堺市博物館の展示パネルにおいて、仁徳天皇陵古墳を前方後円墳という形の世界で一番大きい古墳と紹介してございます。また、百舌鳥古墳群ビジターセンターでは、古事記や日本書紀に記される民のかまどや自らの墓を築いた説話など仁徳天皇の事績を紹介してございます。 今後も引き続き来訪者をはじめ国内外の多くの皆様の関心を高め、百舌鳥古墳群の周遊につなげていきます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。
◆47番(水ノ上成彰君) 局長から、自分たちが暮らす堺に世界最大の古墳があることを知り郷土愛を育むことにつながると考えるとありました。 実は私は小学校のとき仁徳天皇陵が世界最大だと教わって、何かすごく誇らしげな気持ちになったことを覚えています。世界一、世界最大というのは特別に心に響く。堺の子どもたちが世界に羽ばたいたとき、堺はどんなところだと言われたときに真っ先に世界最大の墓があるところだ、そしてその墓の主は民のかまどの逸話のように非常に優れた君主であった、そういうことを世界に発信すれば誇らしげでありますし、世界の人も納得いただける、そういうことを一つ一つ積み上げていくことだというふうに思っています。 ぜひとも今おっしゃった世界最大であるということと民のかまどの話は、私は何度もしておりますけれども、発信していただきたいと思います。 さて、仁徳天皇陵のPRにおきまして、期待しておりましたガス気球ですけれども、5月8日にガス漏れをいたしまして、いまだ原因が究明されておらず、再開のめどは立っていないというふうに聞いています。 ぜひとも再開をめざして、空から世界最大の古墳を見ていただく、そういう機会をつくっていくべきだというふうに思います。そのときもちろんPRとしては、世界最大の古墳を空から見ようということをPRしてほしいと思います。 さて、最後に市長に御質問したいというふうに思います。 市長は所信表明におきまして、冒頭も申し上げましたけれども、世界遺産百舌鳥・古市古墳群を次の世代にも確実に引き継ぐため、その価値や魅力を広く発信すること、G7大阪・堺貿易大臣会合や2025大阪・関西万博という絶好の機会に堺の魅力を国内外に広く発信することを述べられました。 G7大阪・堺貿易大臣会合では、仁徳天皇陵の拝所前での記念撮影を提案しているとも聞いております。G7の大臣クラスがもしその拝所前で記念撮影することがあれば、ぜひともここが世界最大の墳墓だということを発信し、広めていただきたいというふうに思っています。そのときに間違ってもエジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の1つなどと言わずに、世界最大とずばり言ってほしいなと思います。 そこで市長にお伺いいたします。仁徳天皇陵古墳は世界最大の古墳であり、世界最大の古墳が堺にあることを世界に発信すべきと考えますが、市長の御見解をお伺いしたいと思います。 ◎市長(永藤英機君) 世界遺産百舌鳥・古市古墳群を次の世代に確実に引き継ぐためには、その価値や魅力を効果的に発信することが重要です。 この間、継続して実施をしている古墳サミットや10月に開催されるG7大阪・堺貿易大臣会合、そして2025年の大阪・関西万博をはじめ様々な機会を通じて国内外への発信に引き続き力を注ぎます。 議員お示しの世界最大の古墳という表現も発信を効果的にするための御提案と受け止めております。より魅力や価値が伝わる発信に向けて広く検討して取組を進めたいと考えています。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(的場慎一君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 世界最大の古墳という表現を私の御提案と受け止めるだけではなく、ぜひとも積極的に発信をしていただきたいというふうに思います。 冒頭申し上げたとおり、仁徳天皇陵の紹介にはいろんな記載がされております。日本最大の前方後円墳、世界三大墳墓の1つ、世界最大級とかですね。ただ、そういうばらばらな表現ではなくて、1つに統一して世界最大で、間違いなく世界最大であるわけですから、何の遠慮もなく世界最大と発信していただきたいというふうに思います。 私は仁徳天皇陵が世界最大の古墳であることは日本人の誇りであり、もちろん堺の誇りでもあると思います。市長には遠慮せず堂々と、何度も言いますけれども、仁徳天皇陵は世界最大とPRしていただきたい。そしていろいろな紹介のパンフレットについても徐々にその表現を変えて、堺市民が堺市をもっと好きになる、そして堺市民一人一人が世界に向かってPRできる、そういう発信をしていただきたいことをお願い申し上げまして、私の大綱質疑を終わります。 |
Mail info@mizunoue.com
【水ノ上成彰 事務所】
〒592-8348
堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2
TEL 072-263-0333
FAX 072-263-0334