◆水ノ上成彰 委員 皆さん、お疲れさまです。水ノ上です。 私からは、今日は2問質問をさせていただきます。 1問目は、商店街の支援事業について、具体的には、安全・安心な商店街づくり支援事業及びがんばる商店街支援事業です。 私は、堺東商店街の近くで生まれ育ちました。昭和40年代、50年代の堺東商店街はすごい活気がありました。毎日とは言いませんけれども、よく父や母に連れて行ってもらって、本当に楽しみにしていました。 その商店街も今や堺東だけじゃなくて、もう見る影もなく疲弊をしております。それは、大規模店ができてきたこと、また昨今では、コロナ禍で多くのお店がやめていく、堺市の商店街数は71あると聞いておりますけれども、ただ実際に稼働しているのは、その約半分ぐらいだと聞いています。 商店街の加盟する店舗数も、現在は1,410店舗、10年前の平成25年は1,857店舗あったということですから、ここ10年で約25%の店舗が撤退、閉店しているという状況です。 地域の商店街が疲弊しますと活力が失われ、そしてその地域の活力も失われていく、そういう状況にあるのではないかなというふうに思っています。そういうことを前提に、今日は堺市が行っている支援を中心に議論していきたいというふうに思っております。 まず、令和4年度に実施されました安全・安心な商店街づくり支援事業及びがんばる商店街支援事業について、概要と決算額をお聞かせいただきたいと思います。 ◎名和 地域産業課参事 お答えいたします。 安全・安心な商店街づくり支援事業、こちらではアーケード等の商業振興上有益な共同施設を維持管理するための費用や、商店街が維持管理している地域の防犯機能、これを果たします街路灯の電気料金の一部を支援するなど、主にハード面に対する支援を実施しております。 令和4年度の決算額は1,352万1,770円でした。 また、がんばる商店街支援事業につきましては、商店街等が実施するイベント事業などの地域の住民やコミュニティのニーズに応えるために、商店街が取り組みます自主的なソフト事業に対する支援ですとか、テナントミックス事業に対する支援などを行っております。 なお、令和4年度におきましては、堺市商店連合会におきます電子商品券、こういった事業にも支援を行いました。 令和4年度の決算額は5,034万3,970円となっております。以上です。 ◆水ノ上成彰 委員 安全・安心な商店街づくり支援事業は主にハード面、そしてがんばる商店街支援事業については主にソフト面の支援をされているということです。この2つの事業は、今までも、そして今も継続して行われているということですが、これらの事業についてそれぞれどのような成果があったのかお答えいただきたいと思います。 ◎名和 地域産業課参事 お答えいたします。 まず、商店街からの声といたしましては、電気料金等物価高騰が続く中で防犯機能を果たす街路灯への電気料金の支援、これについては感謝の声が寄せられておるような状況です。 コロナ禍に伴いまして商店街でやりたくてもできていなかった、中止していたイベント、これらを再開したところ地域住民の方から喜びの反響が大きく、商店街としてイベント事業などの地域に根差した活動、これをすることの意義とか重要性を再認識したといった声をいただいております。 これらの支援によりまして、地域住民の買物環境の利便性や安全性の向上への寄与、それから商店街が地域のリアルな交流を支える場であるといったような商店街の強みの再認識にも寄与したものと認識しております。 また、アフターコロナの社会を見据えまして、電子商品券事業を実施したことについても、商店街事業のデジタル化への第一歩にも大きく寄与したのではないかと考えております。以上です。 ◆水ノ上成彰 委員 もともと疲弊している上に、コロナで多くの商店街のイベントが中止になりました。再開しているところもあるとはいえ、もうコロナで2年間、イベントが行われなかったので、これ以降はもう行わないというところも出てきて、だんだんそういう活力が失われている状況です。その中で、ハード、ソフト面で支援することによって、利用者からは喜びの声もあるということですね。 また、商店街というのは、今はもうネットが中心ですけれども、商店街はリアルな交流、面と面、顔と顔を合わせてやると、特にお年寄りは商店街を利用されることが多いんですけれども、コロナでもう外に出られなかったので、もうお年寄りの交流の場がなくなる、そういうことから、非常に疲弊しているというところから、皆様方の御支援は心強いというところもあると。ただ、今現存する商店街、また会員さんには、そういう支援をしているんですけれども、それだけではどんどんどんどんの会員数が減っていく一方だと。 一方、新たに商店街に店舗を構えたい、新しいことをしたい、そういうインセンティブがなければ、これからの商店街の発展はないというふうに思っております。 そういうところから、新たに商店街に店を開こうとか、商店街を中心に何かをしようというような方に対する支援もこれから進めていくということが大事だというふうに思いますけれども、市として今後の商店街支援として、どのような方向で進めていくとお考えなのかお答えいただきたいと思います。 ◎名和 地域産業課参事 今後の支援の方向性についてお答えいたします。 まず、国の地域の持続可能な発展に向けた政策の在り方研究会というものがございまして、こちらによりますと、地域の住民やコミュニティにとっての商店街の位置づけ、こういったものが買物の場ということから多世代が共に暮らし、働き、交流する場へと変化しておる。商店街はその強みを生かし、地域の住民やコミュニティが期待する多様なニーズに応える場への自己変革が必要というふうに国のほうではされております。 このような考え方に基づきまして、本市においても、例えば、堺東の商店街内におけます創業間もない企業をターゲットにしたシェアオフィス事業、ラセントというシェアオフィスをつくったのですが、そういった整備事業ですとか、美原本通商店街振興組合の地域の農業ですとか、福祉団体と連携した空き店舗を活用した事業等、商店街等が地域のニーズに応える事業に対して支援に取り組んでまいりました。 このほか、市内商店街におきましては、地元農芸高校とコラボしたイベント事業ですとか、就労継続支援B型事業所とeスポーツ、これを組み合わせた事業など、地域ニーズを反映した自主的な取組も見られるところです。 今後とも従来から実施している支援、これはもちろんなんですけれども、それに加えまして地域住民やコミュニティのニーズを積極的に捉え、商店街の複合化する役割に応えようとする、こういった商店街に対しても、より重点的に支援を行う必要があると考えております。以上です。 ◆水ノ上成彰 委員 今、御答弁にありました商店街の役割、位置づけが従来の買物の場から、多世代が共に暮らし、働き、交流する場へと変化すると、ここの変化を捉えるのは非常に大事だというふうに思います。 かつてあったような堺東商店街のようなあの活気、人がたくさん来るというのはもう今は見込めない。しかし、商店街で中心に暮らす方はたくさんいらっしゃる。そういうところを活性化するためには、方針というか、切り替えをして、地域の交流する場やと、そういう意味でかじを切るというのは非常に大事だというふうに思います。 先ほどおっしゃったラセントや美原の商店組合の取組、またeスポーツと組み合わせた事業など、非常におもしろいというふうに思います。 複合化する役割というのを的確に捉えて、これからも御支援いただきたいというふうに思います。 あともう1点、要望がありますので、これはまた次の質問が終わってから併せて要望したいと思います。 以上で、1つ目の項目を終わります。 2問目が、堺茶の湯まちづくり事業について御質問したいと思います。 平成30年に堺茶の湯まちづくり条例が作られて、10月1日に施行されました。議会も協力をしまして、堺茶の湯まちづくり条例が作られた。堺市の都市魅力の向上ということを眼点に置いて、茶の湯で堺の魅力を発信しようということです。 市長の所信表明では、堺は千利休が生まれた地でもあります。現在の日本人の精神性や美意識にもつながる茶の湯文化を広め、堺の魅力を高めますと、こうなっております。 そういうところで、堺茶の湯まちづくり条例の名称を冠にした堺茶の湯まちづくり事業というのはどういうものなのか、また、その決算額についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎花木 文化課長 令和4年度の堺茶の湯まちづくり事業の決算額は、堺おもてなし茶会実施に要した経費17万344円であり、主な内訳は、三千家の方に向けた謝礼金6万円、主菓子、抹茶等を購入するために要した食料費5万78円となっております。以上でございます。 ◆水ノ上成彰 委員 私は決算書をずっと見ておりまして、堺茶の湯まちづくり事業17万円と見て、えっ、少なと思ったんですよ。堺茶の湯まちづくり条例をつくっておいて、その冠を頂く事業が17万円かと。堺茶の湯まちづくり事業が平成31年から始まりまして、最初は予算が307万9,000円、決算額は151万3,360円、これは備品とか、そういう購入があったというところからこれだけの予算、決算額がありました。令和2年、令和3年度の予算額は43万円、41万1,000円でした。しかし、コロナで事業が全く行われず、決算額はゼロ、令和4年に初めて今回事業を行って、初めてというか、令和2年、3年を休憩しておりましたけれども、令和4年に再開をして、17万345円、今御答弁ありました。予算額も39万円ということで、茶の湯まちづくり事業が予算も少ないし、決算額も非常に少ないということなんですけれども、そこで、今御答弁ありました決算額、令和4年度に実施した堺茶の湯まちづくり事業の概要についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎花木 文化課長 本事業では、平成30年10月に堺茶の湯まちづくり条例が制定されたことを契機に、市民の方に気軽に茶の湯を楽しんでもらうため、本庁舎や各区役所を会場とした堺おもてなし茶会を令和元年度から実施しております。 令和2年度、3年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で中止をいたしましたが、令和4年度につきましては本庁舎、南区役所、西区役所で開催いたしまして、合計120名の方に参加をいただきました。 また、茶の湯を市民の方に広めるために、庁内を対象としまして茶道具の貸出しを行っておりまして、お茶の先生の紹介や抹茶、和菓子の購入先など、茶会の開催についても幅広く相談に応じております。 このほか、文化課では、各地域文化会館におきましても、茶の湯に関する事業を開催しておりまして、東文化会館では、親子で一緒に楽しめる茶道体験、西文化会館では、堺キッズお茶マイスターになろうといった各館が工夫を凝らし、茶の湯の普及に努めておるところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上成彰 委員 御答弁いただきましたとおり、本庁舎、各区役所を会場におもてなし茶会をしていると。 聞くところによりますと、来られた方は大変喜んでおられるということで、効果はあるんだろうというふうに思いますが、ただ、本庁舎は毎年すると、御答弁になかったですけど、毎年すると、各区役所は、今、令和4年度は南区、西区役所でしたけれども、2つずつ、区役所をやっていくということは、本庁舎は毎年おもてなし茶会やるけれども、区役所は3年に1回しかやらないということなんですね。 これではもともとの茶の湯条例では、茶の湯の文化が息づくまちをめざしてこの条例を制定するとか、市民の豊かな心の醸成及び都市魅力の向上に寄与することを目的とすると、茶の湯条例ではそうなっているんですけれども、そのような今申し上げたぐらいの茶の湯体験で、果たして目的が達成できるのか。私はせめて、本庁は毎年お茶会をやるということですけれども、各区役所でも毎年1回は、おもてなし茶会をすべきではないかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。 ◎花木 文化課長 おもてなし茶会のスキームにつきましては、表千家、裏千家、武者小路千家の各先生方に1回ずつ御協力をいただくということで、年3回の実施ということでスタートし、現在も実施しております。 現在、市民の皆様にお茶を振る舞う前に、各千家の先生の皆様方にお点前を披露いただく等、三千家の先生方と調整をしておりまして、先生方の意向もございますけれども回数も含めまして事業の質の向上を今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。 ◆水ノ上成彰 委員 御覧いただいたとおり、予算的には大したものではありません。あとは条例に基づいて市民の皆さんに喜んでいただく、また市民の豊かな心の醸成や都市魅力の向上ということを考えれば、三千家の方々とは、いろいろ交渉することはあるんでしょうけれども、本庁、2つの区役所だけではなくて、せめて毎年どこかでやると、今年もおもてなしのお茶の季節だなと言われるように、市民の方が楽しみになるように、毎年、そういうふうな仕組みをつくってほしいなというふうに思います。ぜひ、これは茶の湯条例がつくられて、我々も協力した以上、強く要望しておきたいというふうに思っております。 茶の湯文化を広げるためには、この事業を所管している文化課だけじゃなくて、教育や観光、様々な分野でこのお茶の事業を展開する必要があると思いますけれども、今現在、どのような取組をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎花木 文化課長 堺茶の湯まちづくり条例は、茶の湯の文化を振興することにより市民の豊かな心の醸成と都市魅力の向上を図ることを目的としてございます。
そのため、文化面だけではなく、教育・観光などの分野において、行政、市民、事業者等が協力・連携して取り組むこととしております。 教育面では、教育委員会が堺スタンダードの一環として茶の湯体験を実施することとしており、令和元年度におきましては、小中学校129校で実施しておりました。 新型コロナウイルス感染症対策を徹底しての体験が難しいなどの事情により、令和3年度には41校に減少いたしましたが、令和4年度は57校まで回復しているということです。 観光面では、さかい利晶の杜におきまして、茶の湯体験事業を実施しております。 新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、令和4年1月3日まで、茶の湯体験事業を中止しておりましたが、再開以降、令和4年度には、多数の方に茶の湯の体験をいただいておるところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上成彰 委員 御答弁いただいたとおり、文化課だけじゃなくて、その他のところでも、例えば、教育面では、各小中学校で、コロナの間はなかなか難しかったですけど、頑張っていただいていると、利晶の杜では、三千家が会してお茶会ができるような仕組みもあるということで、こちらのほう、お茶をする方にとっては人気があるというふうに聞いております。 さてそこで、その堺の茶の湯を広めていくためには、今後どのような取組を行っていくのか、その方針をお示しいただきたいと思います。 ◎花木 文化課長 千利休や多くの優れた茶人が生まれた堺では、現代においても茶の湯を楽しむ文化が受け継がれており、それを次世代に引き継ぎ、堺の魅力ある文化として発信する必要があると考えております。 そのためには、文化や教育、観光といった様々な分野において、茶の湯に係る事業を推進する、事業の実施に当たっては、庁内関係課だけではなくて、三千家をはじめとする茶道の関係者、お茶や観光に携わる事業者の皆様、様々な方と連携・協力を行いながら、実施することが重要であると考えております。 また、この4月から、文化国際部として文化課と国際課を再編したメリットを生かしまして、おもてなし茶会を開催した際には、英語圏と中国圏の国際交流員のフェイスブックやインスタグラム等で開催告知や茶の湯に関連する解説の英訳パネルを設置するなど、在住外国人の方も茶の湯の文化に親しんでいただけるように取り組んでおります。 今後、10月に開催されるG7大阪・堺貿易大臣会合や、2025年大阪・関西万博などの機会を捉え、堺が誇る茶の湯文化を世界に発信したいと考えております。以上でございます。 ◆水ノ上成彰 委員 世界に発信するというのは非常に大事だというふうに思います。ただ、お茶というのは世界中にあります。どこにでもお茶の文化というのはあります。その中で、日本の茶の湯を知ってもらうためには、その歴史をしっかり発信していく。特に、堺が発信していくためには、戦国時代とかの時代、信長、秀吉、家康時代にどんなお茶の文化があったか、また、それを引き継いできたか、歴史を語ることが大事だと思うし、またその高い精神性を発信していくことが国際的に受け入れられる、最も肝要なことだというふうに思いますので、そこを忘れずに茶の湯を広めていただきたいなというふうに思います。 最後に、要望を申し上げたいんですけれども、1問目で、商店街の話をいたしました。商店街の空き店舗がたくさんあって、活力が疲弊していると、そこで、私は提案といたしまして、この茶の湯の、今は利晶の杜が中心ですけれども、サテライト事務所みたいなものを堺東の空き店舗に作って、そこで気軽にお茶を飲んでいただく、そしてお土産物を置く、あそこに行けばお茶が飲める、またお土産も買えるというような、そういうことをすれば、商店街の活性化にもなりますし、茶の湯を広める、普及する大きな原動力になるというふうに思います。 例えば、ワンコインでお茶が飲めると、外国人が来たらそこに行ってお茶を飲んでもらうとか、そういう仕組みをぜひつくっていただきたい。これは産業振興局長と文化観光局長、お2人にお願いをして、ぜひとも茶の湯を中心に盛り上げていただきたいとお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 |
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