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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

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堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

令和5年9月14日 決算審査特別委員会

南海トラフ巨大地震への対策について
百舌鳥古墳群の世界への発信について

◆水ノ上成彰 委員  皆さん、お疲れさまです。水ノ上成彰です。私からは、総括質疑2問をさせていただきます。2問とも大綱質疑でお伺いした点、それについての決算について議論したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず最初に、南海トラフ巨大地震への対策について。

 これは40年以内に90%の確率で起こる。また、30年以内には70から80%ということで、必ず起こると言われています。マグニチュード9クラスの地震が起これば、想定被害は甚大で、経済的、人的な大きな被害が予想されます。

 堺におきましても、地震、津波におきまして、想定死者数は、全体で約6,000人、堺市堺区で3,600人、西区で2,400人というふうに想定されております。これを前提に議論をしていきたいと思います。

 まず防災対策費のうち、危機管理体制整備事業及び防災備蓄等整備事業及び防災・減災対策推進事業について、令和4年度決算額と主な内容を示していただきたいと思います。

◎小山 防災課長  令和4年度の防災対策費における各事業の内容と決算額につきましては、防災行政無線の整備や総合防災訓練の実施等を行った危機管理体制整備事業で1億8,507万2,790円、備蓄食糧や資機材の購入を行った防災備蓄等整備事業で1億5,539万5,714円、堺市地域防災計画の改定などを行った防災・減災対策推進事業で883万5,289円となっております。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  防災対策費として、今御答弁いただきました。合計で約3億5,000万の決算額が計上されております。まず、そのうち防災備蓄等整備事業についてお伺いしたいと思います。

 地震や津波の発生に備えて、発生後、被災者支援のため、食糧等の備蓄が重要となります。それにより津波関連死の減少にもなり得ます。堺市がどのように取り組んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎小山 防災課長  本市では、大阪府と連携して、上町断層帯地震や南海トラフ巨大地震をはじめ、大規模災害に対して、被災者支援のために特に必要とする食糧、おかゆなどの高齢者用食、毛布、乳児用ミルク、哺乳瓶、乳児・小児用おむつ、大人用おむつ、生理用品、トイレ、トイレットペーパー、マスクの11品目を重要物資として位置づけ、各区役所や162か所の指定避難所に設置しています備蓄倉庫に備蓄をしております。

 食糧等は、使用期限が5年や7年のものがあるため、期限到来分を新たに令和4年度に更新したほか、マンホールトイレの上屋の更新を行っております。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  災害に対する備蓄については、徐々に整備されているというふうに思います。ただ南海トラフ巨大地震では、津波関連死が相当出ると予想されている中、備蓄資機材を活用するには、津波関連死を減少するには避難が確実に確実に行われていかなければなりません。先日の大綱質疑でも、水平避難の重要性に加え、垂直避難の必要性についても触れましたが、改めて、津波発生時の避難の考え方と市の取組をお示しいただきたいと思います。

◎小山 防災課長  津波避難の考え方は、地震発生後、津波が内陸部に到達するまでの約100分間に、JR阪和線を目標に、東の高いところへ徒歩で避難すること。また、逃げ遅れた方や、遠くまで逃げることが困難な避難行動要支援者の方などは、緊急一時的に、津波避難ビル等の高いところへ避難することとしております。

 本市では、避難方法を示す津波ハザードマップをとじております堺区・西区の防災マップを配布、配架しております。本市の施設はもとより、郵便局やコンビニエンスストア、自動車販売店などの店舗でも配布、配架してもらい、民間施設の協力も得て、市民の方へ周知啓発を行っております。

 また、例年11月に実施しております近畿地方整備局・堺市合同総合防災訓練におきましては、津波率先避難等協力事業所や津波浸水想定区域内の小・中学校と連携し、水平避難に係る訓練を実施するほか、地域主体で津波避難訓練が実施されるなど、本市では、日頃から津波避難の意識が醸成されるよう、様々な取組を行っております。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  津波に対する防災意識の醸成は、避難訓練等々通じて、沿岸部の自治体とか、そういうことでされております。この取組は評価をいたしますけれども、自力で避難できない人、これ必ずいるわけです。こういう自力で避難できない人に対して、誰がどのように避難させるのか、それについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

◎小山 防災課長  本市におきましては、避難行動要支援者の方に対しまして、個別避難計画の策定を進めておりまして、発災時、避難が必要になった際の避難先でありますとか、支援者の明記をしておる計画に基づきまして、発災時は対応していくことを考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  個別避難計画につきましても、対象となる方が全部が網羅しているわけではないと聞いております。そういうことで、そういう取組をこれからはしっかりと進めていただきたい。

 高知県とか和歌山県、三重県、静岡県などは、地震発生から津波が来るまで5分から10分程度と言われています。そういうところとは違って、堺市では地震発生から津波が来るまで、最大4.9メートルの津波が来るまで約100分ある。100分の猶予の中で、自力で避難できない。ほっておけば命が危機にさらされる方を助ける取組をぜひ進めていただきたいと思います。

 こちらのほうの取組が非常に弱いということは、私は問題だと思っておりまして、ですから、避難タワーを建設してくれとか、そういう個別計画をしっかり充実してくれということを申し上げております。ぜひとも今回のこの決算におきましては、そういう点はあまり見られませんけれども、令和6年度以降の決算におきましては、6,000人の命を守る、そういう意識の中で予算をしっかり組んでいただきたい。令和6年の予算については、思いますので、よろしくお願いいたします。以上でこの項の質問を終わります。

 続きまして、百舌鳥古墳群の世界への発信についてお伺いします。

 これにつきましても大綱質疑でお伺いをいたしました。百舌鳥古墳群の中の仁徳天皇陵は世界最大、誰に遠慮することなく、世界最大の墳墓であるということを申し上げたい。仁徳天皇陵、来客者の中で、そのほとんどはビジターセンターに行き、それで拝所にお伺いするということになっているというふうに聞いておりますけれども。

 そこで、令和4年度、百舌鳥古墳群ビジターセンター管理運営等事業の決算額とその内訳を示していただきたいと思います。

◎土井 世界遺産課長  失礼いたしました。世界遺産百舌鳥・古市古墳群の価値や魅力を来訪者へ伝える施設でございます、百舌鳥古墳群ビジターセンターの管理運営等事業費の令和4年度決算額は1,234万7,635円でございます。その内訳は、光熱水費など需用費251万1,905円、管理運営や清掃、警備など委託料972万630円、役務費7万5,100円、備品購入費4万円でございます。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  百舌鳥古墳群ビジターセンターは、世界遺産百舌鳥・古市古墳群の入り口の施設として来館いただいた方々に、古墳群の価値や魅力を体感いただける施設として整備されたと思っています。また、目玉として8Kという高精細で迫力ある映像を無料で視聴できるシアター設備を備えているのが特徴とも言えます。

 では、令和4年度のビジターセンター入館者数とシアター映像などの視聴者の感想を示していただきたいと思います。

◎土井 世界遺産課長  令和4年度の入館者は9万1,102人で、多くの方にこのシアター映像をお楽しみいただけたと考えております。御覧になられた方からは、映像がすばらしいや、外国人の方からは、とてもよかったなど、御好評をいただいております。

 一方で、内容がマニアック過ぎるといった感想もお寄せいただいております。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  私は何回も行ってるんですけど、質問するに当たりまして、先週の土曜日に久しぶりにお伺いしました。これがビジターセンターの入ってすぐの写真ですけれども、がらんとして、何か物足りなさを感じる。しかも、真ん中に2つの島がありますけれども、古市古墳群、百舌鳥古墳群の写真が上からあって、その周りに小さく、いろいろ古墳群などの説明をしているということで、もともと小さな小規模の施設に、しかも展示も小規模で、記載も少し見にくい。全く世界に発信するという意気込みは感じられない。そういう施設だと私は思っています。

 私もこの施設は、10人程度は知り合いを連れていっておりますけれども、今の答弁では評判がええということでしたけれども、私の知り合いは、あまり好評ではなかった。また、展示以外の映像につきましても、確かに迫力のある映像なんですけれども。知的好奇心を満たされるかと言えば、そうではない。歴史的なことが全く感じられないような映像です。

 そこで、私はそういうことを鑑みて、世界最大の仁徳天皇陵の横にあるビジターセンターとして、もっと世界に発信できるような展示をリニューアルをしてやるべきじゃないか。そして、映像につきましても、今ある映像もいいんですけれども、それ以外にもう1本、歴史的な価値、知的好奇心を満足できるような映像をもう1本つくるべきではないかというふうに思いますが、お考えはいかがでしょうか。

◎土井 世界遺産課長  百舌鳥古墳群ビジターセンターは、開館してから2年半が経過しましたが、その大半はコロナ禍にございました。したがいまして、展示内容、そしてシアター映像を多くの方に御覧いただけたかというと、まだまだ十分ではないというのが、率直な思いでございます。

 シアター映像につきましては、その案内を屋外掲示板や出入口などに貼り出す、掲出するなどして、来館者に視聴を促す、そういう取組をしてございます。

 展示につきましては、古墳に対する興味をかき立てられるよう、今後もその内容充実に取り組んでまいります。

 映像の制作につきましては、多額の費用を要することもございまして、現在のものを活用することで、堺市博物館への誘導をはじめ、堺の文化や産業を物語る鉄砲鍛冶屋や堺伝匠館、そして民間施設の自転車博物館との連携を深め、より魅力的なビジターセンターとなるよう工夫を重ねてまいります。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  もう1本映像をつくったらいかがかというふうに、私は聞いているんですけど、それについてはお答えありませんでしたけれど、部長いかがですか。

◎上田 歴史遺産活用部長  シアター映像、もう1本どうかということでございますが、今、課長からも少し答弁させてもらいましたが、やはり開館以来、コロナ禍にあったというのは事実でございまして、まだまだ多くの方にこういった、施設の内容もそうですけれども、シアター映像を見ていただきたいという思いを持っております。

 ただ、今後、やはりたくさんの方に来訪いただきまして、ビジターセンターにも入館していただく。シアターも御覧いただく。リピーターも増えていくというふうなことの中で、例えば、来られた方のアンケートなんかも取っておりますけれども、例えば、同じ映像を自分はずっと見ているけども、違う映像も見たいであったりとか、もっと違う魅力も知りたいなとか、そういった御意見なんかも参考にしながら、今後の映像もそうなんですけれども、展示も含めて、充実に努めていきたいなと、このように考えております。以上です。

◆水ノ上成彰 委員  今の映像を否定しているわけではありません。今の映像は、映像でいいんですけれど、魅力の一面しか私は表してない。ですから、もう1本、皆さんが喜んでくれるような、1本より2本のほうが絶対喜んでいただけるというふうに思いますんで、ぜひ検討してください。

 質問を続けますが、仁徳天皇陵の西隣に旧大阪女子大跡地があります。令和4年度の旧大阪女子大跡地管理事業費の決算額とその内訳を示していただきたいと思います。また、旧大阪女子大跡地に、今後どのような活用の予定があるのか、お伺いしたいと思います。

◎土井 世界遺産課長  令和4年度、旧大阪女子大学跡地管理事業費の決算額は541万4,125円でございます。

 その内訳は、除草や樹木剪定など委託料296万3,180円、西門改修工事請負費240万6,800円のほか、需用費4万4,145円でございます。

 この旧大阪女子大学跡地は、令和2年3月に公表しました堺・世界遺産魅力創造ロードマップにおきまして、中長期的な展望として、博物館や美術館などの機能を併せ持つ、(仮称)堺ミュージアムの候補地としてございます。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  この旧大阪女子大跡地は、竹山前市長が百舌鳥古墳群ガイダンス施設のために、10億円をもって大阪府から取得し、解体費3億5,000万、合計13億5,000万かかりました。そして、20億円の予算でガイダンス施設を建設予定でしたけれども、永藤市長はそれを止められた。そこには、15メートルの天望デッキを造る予定もあったということなんですね。私はそういうところから、そういうことも考えて、今進められている気球も再開のめどが立たない。そういうところから、あの辺りが旧女子大跡地で、あの辺りにガイダンス施設を造る予定だったんですけれども、私は木造の展望台、展望デッキを造ることがふさわしいんじゃないかというふうに思っています。しかも、木造というのは、1年半後に大阪・関西万博が行われますけれども、大阪万博では、大屋根、リングがあります。世界最大級の木造建築が、今建てられております。

 その木造建築も終われば再利用されるので、私は、その大屋根を閉幕後ここに持ってきて、木造の展望デッキを造る、そういうことを提案したいと思いますが、いかがでしょう。

◎浦部 文化観光局長  委員お示しいただきました大阪女子大跡地というのは、委員も触れていただきましたけれども、映像にも映っておりますが、前方と後墳という、この陵線が見えるという非常にすばらしいロケーションということもございまして、百舌鳥古墳群に関連する施設の建設を目的として、大阪府から取得したものでございます。

 現在は、堺・世界遺産魅力創造ロードマップというもので、大仙公園周辺エリアの将来像やコンセプト、またその実現に向けた中長期の主な取組の方向性を示させていただいているところです。そこにおきましても、この辺りに、先ほど課長が答弁いたしました堺ミュージアムの整備を検討してございます。この整備とかというような中におきましても、どういう形がいいかということをできるだけ早くお示ししたいなということで、現在作業を進めております。

 御提案いただきました大屋根の材木の活用でございますけれども、令和5年4月に日本国際博覧会協会が示した持続可能な大阪・関西万博開催にむけた行動計画(第1版)において、資源有効活用の取組の1つとして、木材等再生可能な資源の利用が上げられてございます。こちらのほうの材木の活用につきましても、万博閉幕後の大屋根の再利用について、具体化に向けた検討が重ねられると思いますので、今後また情報を収集しまして、そういうふうな活用もまた考えてまいりたいと思います。以上でございます。

◆水ノ上成彰 委員  局長から御答弁いただきました。今スクリーンに映っているのが、大阪万博の大屋根、リングです。この高さは12メートルあります。

 一方、仁徳天皇陵の横は、風致地区制限がかかっておりますので、15メートル以上の建物は建てれません。ですから、ちょうどいい高さなんですね。ですから、これを持ってきて、ビジターセンターで全体の外観を見てもらう。拝所に行ってもらう。その後、こちらのデッキのほうから稜線を眺める。そういう流れをつくるというのも1つですし、将来的に堺ミュージアムを造るということであれば、堺ミュージアムと相反するものではありません。私は堺ミュージアムに反対しているわけではありません。共存できるものだというふうに思っておりますので、これも遅くなってはあかん。万博が終わるまでに、堺が手を挙げて、終わった後には。

○西川良平 副委員長  水ノ上委員、発言時間が超過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

◆水ノ上成彰 委員  終わった後には、堺のほうに、再利用として、このような木造の建築をするということを御提案いただきたいというふうに思います。

 あとは討論のほうで申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。以上で総括質疑を終わります。

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