◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)皆さん、お疲れさまです。このたび日本保守党の所属議員となりました水ノ上成彰です。よろしくお願いいたします。 まず、本年1月1日に発生いたしました能登半島地震において、図らずも無念にも命を落とされた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた全ての方々にお見舞いを申し上げます。 また、地震発災直後より、消防局をはじめ堺市の職員の方々が被災地に派遣され、極寒の中、また多くの困難の中、様々な支援をされたことに心から敬意を表したいと思います。 堺市は南海トラフ巨大地震に備えなければなりません。今まで何度も議論してまいりましたが、今回の能登半島地震から多くを学び、堺市民の生命、財産を守る議論へとつないでいかなければならないと思います。我々に課された責任は大変重いものがあります。これからもしっかりと議論をしていきたいと思います。 さて本日は、その他大綱質疑として4つの質問をする予定です。的確で簡潔な御答弁をお願いいたします。 まず最初に国歌君が代の指導について質問いたしますが、その前に、昨年の12月議会の産業環境委員会で大浜武道館に国旗が掲揚されていないことを指摘し、早急に剣道場、柔道場の正面に国旗を設置するよう要望いたしました。 資料1をお願いします。 2月11日に大浜武道館で少年剣道大会があり、これは開会式の模様ですが、正面に国旗が掲揚されていました。早速対応していただきましたことをお礼申し上げたいと思います。私以外の関係者も大変喜んでおります。 また、資料2お願いします。 隣の柔道場もしかりで、これも開会式ですが、今まで魂のなかった武道場に魂が入った気がいたします。改めて武道場には国旗への敬意が必要だと思いました。まずは御報告をしておきます。 さて、本来の国歌君が代の指導についてですが、12月議会では、学習指導要領の小学校音楽では、資料3をお願いします。国歌君が代は、いずれの学年においても歌えるよう指導をすることとなっております。つまり小学校1年生から6年生まで全ての学年で歌えるよう指導することとなっているにもかかわらず、市内スポーツ大会などの開会式で国歌斉唱時、小・中学生はほとんど歌わない、歌えない状況が散見され、私が直接確認した十数校の小学生6年生は今まで一度も学校で国歌君が代を教わったことがないということでした。 実態を調査してくれと頼みましたが、各学校から学習指導要領どおりの指導をしているとの回答を得ているので改めて調査はしないということでした。ただ、今後も学習指導要領を踏まえ適切に指導するよう引き続き全校に指導していくとの答弁でした。 資料4をお願いします。 これは今年1月17日の産経新聞朝刊の1面で大きく取り上げられた記事です。国立大学法人奈良教育大附属小学校で学習指導要領に沿わない不適切な指導が長期間にわたって行われていたことが明るみに出て問題となったものです。 幾つかの指摘事項がありますが、その1つが音楽の授業で全学年で義務づけられている国歌の指導が6年生以外の学年に実施していないことが分かったとあり、つまり1年生から5年生まで国歌の指導をせず、卒業式の前だけ教えて終わりというようなことが常態化していたようです。 これは堺市の小学校で長年行われていたことと同じことであり、いや堺市のほうが複数校に上るため悪質かもしれませんが、私が把握しているだけで十数校、もしかしたら小学校92校全てで学習指導要領に基づかない教育が行われてきた可能性があると私は思っています。 そこでお伺いいたしますが、12月議会で質疑を行った後、教育委員会がどのような対応をしてきたのか、お答えください。 これで一旦降壇いたします。 ○副議長(木畑匡君) これより答弁を求めます。 ◎教育監(長山秀基君) 国歌の指導につきましては、令和6年2月2日に子どもに国旗及び国歌の意義を十分理解させるなど指導の充実に努めること等について全学校園に通知をいたしました。また、2月8日に全小学校長に対し、学習指導要領において全学年で国歌の指導を実施するよう示されていることから、各校の指導状況を確認し、年度内に指導するよう指導助言を行ったところでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、2月2日に指導の充実に努めることを通知した、また国歌の指導について2月8日の校長会で、年度内に、つまり3学期中に学習指導要領どおり国歌の指導をするよう指導助言を行ったとのことですが、そこでお伺いいたしますが、これらの指導により、今後小学校92校全校で学習指導要領どおり全ての学年で音楽の時間に国歌君が代の教育がされるとの認識でいいのか、御答弁いただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 今議員がおっしゃられたとおりの認識で我々もそのように認識をしてございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁ありがとうございます。その認識を続けてほしいと思います。 国立奈良大附属小学校で問題となったことと同じことが堺市でも起こっているという問題意識を持って徹底的に調査、改善すべきだと思います。 そこでさらにお伺いいたしますが、教育委員会が各学校に学習指導要領どおりの指導を求めているにもかかわらず、学習指導要領どおりの教育がされない場合、教員が職責を果たしていないということで処分の対象になると私は思いますが、教育委員会の御見解はいかがですか。 ◎教育監(長山秀基君) 教員が学習指導要領に基づかない指導を是正しない場合、処分の対象となり得ることとなりますが、実際の処分につきましては個別具体のケースに応じて総合的に判断をしてまいります。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 教員が学習指導要領に基づかない指導を是正しない場合、処分の対象となるとの御答弁でした。今後適時に実態を調査してもらいたいと思いますが、この手の調査は特に難しい調査ではなく、前にも申し上げましたが、小学校に出向いて、小学生に向かって、音楽の時間で君が代を習ったかと聞くだけでいいです。子どもは習ったか習っていないか正直に言います。うそは言いません。私は今年の4月以降、様々な機会に君が代は習ったかと小学生に聞いていきたいなと思っています。 なお先週、私が剣道を教えている6年生2人が私のところに来て、先生、今週初めて君が代習ったと嬉しそうに報告がありました。私は、歌詞の意味の説明はあったかと聞くと、2人とも、歌詞の意味の説明はなかったということでした。どう思いますか。卒業式に向けて格好つけるだけの指導になってないか。 先ほど教育監の御答弁では、国歌の意義を十分に理解させ、指導の充実に努めるよう通知したと御答弁いただきましたが、そこまでなされていないというのが実態みたいです。これも学習指導要領に沿った教育とは言えないと思います。君が代の歌詞の意味も含めて適切な指導をしてもらいたい、こういう点も再度各学校に指導していただきたいと思います。 教育委員会が全ての学校に適切に指導したと言う以上、今までは小学校名は一切出してきませんでしたが、今後は不適切な指導をする小学校は学校名を挙げて改善を要求していきたいなと思っております。 音楽の学習指導要領解説では、スクリーン3をもう一度お願いします。資料3をお願いします。 この下段に、児童が将来国際社会において尊敬され信頼される日本人として成長するためには、国歌を尊重する態度を養うようにすることが大切であるとなっています。私は一日も早く堺の全ての小学校で学習指導要領どおりの国歌君が代の指導が行われることを願い、まためざしたいと思います。 以上でこの項の質問は終わります。 続きまして、中学校教科書採択についてお聞きいたします。 今年は中学校の教科書採択の年です。昨年は小学校でした。4年に一度行われます。4年前の令和2年のときも本会議、大綱質疑また文教委員会で議論をいたしました。 特に中学校の歴史教科書の採択は毎回全国的にも物議を醸すこともあり、どの教科書が中学生にふさわしいかは、それぞれの立場から意見の分かれるところです。私が終始一貫して要望しているのは、最も学習指導要領の目標に合致する教科書を選んでほしいということです。本日もこの点から議論を進めたいと思います。 議論の最初に、教科書採択の流れについてお聞きしたいと思います。 教育委員による教科書の採択までは日数が限られており、非常にタイトなスケジュールの中で採択が行われます。 そこでお伺いいたしますが、教科書採択の流れについてお答えいただきたいと思います ◎教育監(長山秀基君) 本市では法令に基づき、5月中旬の教育委員会定例会において、大阪府教育委員会の方針を踏まえ、採択基本方針及び採択基準を策定しております。その後、教育委員会事務局の指導主事及び堺市立学校の教諭から成る調査員が学習指導要領や本市の採択基本方針、採択基準に基づき調査研究を行います。7月上旬の選定委員会において、保護者の代表や学校の校長、教頭及び教諭、教育委員会事務局の職員等の選定委員が調査員の調査報告を受け、協議の上、意見書を作成し、教育長に提出いたします。 各教育委員は採択基本方針等を策定後、独自研究を行っており、選定委員会から提出された意見書や教科書展示会における市民等からの意見も参考に、8月中旬の教育委員会定例会において協議の上、教科書の採択を議決するものでございます。このような流れで採択を行ってございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 中学校の科目は15科目あり、全ての教科書の冊数は70冊から80冊にも及ぶと思います。仕事をお持ちの教育委員が全ての教科書の隅々まで目を通し、比較検討することは物理的に困難です。そこで、教育委員の判断をサポートする必要がある。 資料5をお願いします。 御答弁にあったとおり、調査員が幾つかの観点を設けて調査研究を行った上、調査報告書を提出します。教科書選定委員は調査報告書を受けて意見書を提出します。教育委員は調査員の調査報告書及び選定委員の意見書を基に、御自分の調査も踏まえ、最終的に8月の定例会で採択を議決します。 このような流れを考えると、調査員による調査報告書が決定的に重要となり、どのような観点で調査されたかが鍵となります。 全ての歴史教科書は、文科省の検定を通っているとはいえ、書かれている内容は同じではなく、それぞれ特徴があります。 そこでお伺いいたします。令和2年度の教科書採択における中学校社会科歴史的分野の調査員の調査研究の観点についてお答えいただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 教科書の採択におきましては、文部科学省及び大阪府教育委員会の指導助言の下、本市の基本方針を考慮しながら調査研究の観点を設定してございます。 令和2年度の中学校社会科歴史的分野の調査研究の観点につきましては、歴史的分野の目標を達成するために適切な内容が取り上げられているか、人権尊重の観点から、文章、写真、挿絵、図、資料などが適切に取り扱われているか、生徒の発達段階を考慮した内容になっているか、各分野の目標や内容を踏まえて、他分野及び教科等横断的な視点も含め効果的な指導が行われるよう組織・配列されているか、社会的事象の歴史的な見方、考え方を働かせ、主体的・対話的で深い学びが実現するよう工夫されているか、学習した内容を確実に習得できるよう補充したり、社会に見られる課題の解決に向けて主体的に関わったりできるよう配慮されているかの6観点で研究を行ったものでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 資料6をお願いします。 このスクリーンに映した資料は、今教育監が申された6つの観点です。 私は、この6つの観点のうち最も重要なのは1番の学習指導要領、歴史的分野の目標を達成するということにあると思っています。 中学校の歴史的分野の目標は3つありまして、1つは簡単に言いますけれども、我が国の歴史の大きな流れを理解すること、2番目が多面的・多角的に考察する力を養うこと、そして3つ目がですね、スクリーンに資料7を映してください。前略、後略ありますが、その肝となるところは、我が国の歴史に対する愛情を育むこと、国民としての自覚、そして略して国家及び社会に尽くした歴史上の人物を尊重すること。 これについて私はしっかりと歴史的な教科書の研究をすべきだというふうに思いますが、これらの観点については、先ほど6つの観点を申されましたけれども、含まれていると思われるか、この観点から調査されたと考えているのかどうか、お答えいただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 学習指導要領におきまして歴史的分野の目標に、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を尊重しようとすることの大切さについての自覚などを深め、国際協調の精神を養うと示されており、我が国の歴史に対する愛情を育むことについては、観点の1つである歴史的分野の目標を達成するために適切な内容が取り上げられているかに含んでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 先ほど私が申し上げた3つの目標については含まれているという御見識ですけれども、それではその先ほど3つの目標について調査員が調査検討した痕跡はあるかどうか、それについてお答えいただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 調査員が調査研究をしたものにつきましては全て当然提出をされるものでございまして、その中にもちろん痕跡としては残っておるというものでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員 ◆47番(水ノ上成彰君) 私は令和2年度の調査員の調査報告書をつぶさに拝見いたしました。その中には先ほど申し上げた我が国の歴史に対する愛情を育む、国民としての自覚、国家及び社会に尽くした歴史上の人物を尊重する、これについて検討された痕跡は全くありません。何も書いてない。1行も書いてない。全ての教科書に関して。それだけではなくて、選定委員の意見書の中にもそういう検討をした結果がない。
また、最終の教科書採択の教育委員会の定例会の議事録を見ても、その点については全く触れられていない。つまり、歴史教科書を採択する上で、先ほど申し上げた目標の1つ、我が国の歴史に対する愛情を育むこと、国民としての自覚、国家及び社会に尽くした歴史上の人物を尊重することなど、これらの観点からの検討はされずに採択されているとしか思えない状況です。 私はそういう中で歴史教科書が採択されるというのは非常に憂慮しております。 そこで、令和6年のこの調査員の調査研究の観点に、今お示しいたしました3つの目標、再度申し上げますけれども、我が国の歴史に対する愛情を育むこと、国民としての自覚、国家及び社会に尽くした歴史上の人物を尊重することを加えるべきだと思いますが、教育委員会の御見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 令和2年度の採択における我が国の歴史に対する愛情を育むことについては、先ほどお伝えしたとおり、歴史的分野の目標を達成するために適切な内容が取り上げられているかという観点に含んでいるものと考えてございます。 令和6年度の教科書の採択におきましては、堺市の教育方針や子どもの実態等を踏まえながら、学習指導要領の目標を達成するための調査研究の観点を検討してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 含んでいるかも分かりませんけれども、報告書として全く触れていないというのは検討をしたとは思えないと私は思います。ですから、教育基本法の2番目でしたかね、目標の1つにもなっている我が国を愛する心とかそういうことを育むのは歴史教科書しかないんですから、そういう点を堺市の教育委員会として取り上げてほしいと思います。 令和2年度の観点の1つに、6つある観点の中でSDGsに関してこの教科書はどうなっているかというのがありました。SDGsも大事でしょうけれども、SDGsは別に学習指導要領に書いてるわけではありません。ですから、それよりももっと大事なそういうものをしっかりと観点に入れてもらって、この令和6年度の教科書採択に臨んでほしいと思います。 その結果、令和2年度なんですけれども、今申し上げた調査、また採択の結果選ばれたのがここにある帝国書院の歴史教科書です。この歴史教科書について、若干時間がありませんので1つの例だけ取り上げて、どんな特徴があるのか、お知らせしたいと思います。 1つの例として日本の建国について考えたいと思います。 日本の建国は、初代神武天皇が樫原宮で即位されたことをもって建国としており、その記念日が2月11日、建国記念の日で国民の祝日となっています。令和2年度の歴史教科書を読み比べましたが、丁寧に説明している教科書もあれば全く触れていない教科書もあります。 そこでお伺いいたしますが、本市中学校で使用されている帝国書院の教科書において、日本の建国についてどのように記載されているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎教育監(長山秀基君) 本市採択の教科書には神話に関するコラムが掲載されておりまして、国生みの神話におきましては、2人の神、イザナギとイザナミは結婚して8つの島々、日本を生みましたと示されております。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたけれども、これは神話を少し紹介してるだけで日本の建国とは直接関係がない記述です。つまり、現在堺の中学生が使っている帝国書院の歴史教科書には日本の建国が全く説明されていません。 資料1をお願いします。 先ほどお見せした剣道大会の開会式の写真ですが、この日はちょうど2月11日と建国記念の日ということから、私は開会式で日本の子どもたちに日本の建国について知っているか、学校で習ったかと聞いてみました。さきの君が代と同じく直接生徒・児童に聞いてみるのが一番分かりやすい。 そうしますとね、誰も手を挙げません。みんなぽかんとした顔してます。中学校の歴史教科書には日本の建国に説明がないし、学校で多分教わってないんでしょう。知るはずもない。これが現実です。堺の子どもたちは学校で日本の建国について習っていません。世界の国々で子どもたちが歴史を学ぶとき、自国の建国を教えない国はありません。 なぜこのような教科書が選ばれたのか。調査の観点に先ほどから申し上げている3つ目の目標が入っていないからではないだろうか。入っていたらこのような教科書は選ばれなかったのではないかと思ってしまいます。 私は日本の再興は教育からだと思っています。その基本は、まず子どもたちが日本国民としての自覚を持つこと、その後に我が国の歴史に対する愛情が芽生えると思います。日本国民としての自覚は、国旗・国歌を敬い、祖国の建国の意義を理解することが出発点だと思っています。特別なことではありません。世界中の子どもたちが普通にやっていることであり、学習指導要領に基づけば自然とそうなります。 永藤市長はよく国際理解、子どもたちに国際理解、国際感覚を持ち、広い視野を養ってほしいということを言われますが、国歌を知らない日本の建国を知らないそんな堺の児童・生徒が国際理解、国際感覚を持ち得るのか。永藤市長は英語教育に大変熱心ですけれども、英語を学べば国際感覚、国際理解ができるというものでもないと思います。世界中の人が大切にしている国旗・国歌、建国のことを日本の子どもたちも大切にして初めて人の国の大切さが分かる、国際理解、国際感覚につながると私は思います。 私は日本保守党の所属議員として、この点を徹底的にこれからも追求していきたいなと思っています。令和6年度の検定教科書は9社になる可能性があります。その中から最も学習指導要領の目標に合致する教科書が採択されることを望んでいます。 5月議会では引き続き歴史教科書の採択について取り上げることを申し上げて、この項の質問を終わります。 続きまして、百舌鳥・古市古墳群の発信についてお伺いいたします。 1月26日、G7大阪・堺貿易大臣会合開催記念古墳サミットがフェニーチェ堺で開催されました。800人近い方が来場されたと聞きます。多くの方が関心があるとうれしく思いました。 午前中に世界遺産百舌鳥・古市古墳群魅力発信推進議員連盟が開催されたため、堺市議会議員のみならず、羽曳野市議会議員、藤井寺市議会議員の方も多く参加されたことだと思います。私は最後まで参加しておりました。 様々なプログラムの中でも、世界の中の百舌鳥・古市古墳群と題して岡山大学教授の清家章氏の講演に注目をしました。世界の中の百舌鳥・古市古墳群、どんな壮大な話をしてくれるんだろうと期待していました。 果たして話の内容は。うんと少し首をひねる内容でした。 講演の中で、こう大学教授はおっしゃいました。中国漢の時代は文明社会で、儒教が浸透していたから皇帝の墓は大きさは決められており、同じ規模の皇帝陵が造られ続けられた。韓半島でも同じ。日本は大王家が複数あり、大きさを競い合っていたから巨大になっていったということだった。 本当だろうか。何か我々が今まで考えてきたことと違うぞと思いました。 当日配られた資料では、こう書かれていました。資料8をお願いします。 倭国と中国皇帝陵、韓半島の王墓の違いは、1つにはその国家の成熟度が関係すると考えられる。あるいはその国の安定度とも関わると考えられる。5世紀段階の倭国は初期国家段階あるいは国家成立期と理解されるか、国家あるいは王位継承の制度が未成熟であった。そのため王族は自らの正当性を示すためにも巨大な墳墓を築造したのであると結ばれています。つまり、中華帝国や韓半島の王朝は成熟し安定していたから大きな陵墓を造らず、日本は国家として未熟で安定していなかったから、権力争いの結果、世界最大の陵墓が建設された、そのような言いぶり。民はいい迷惑だったとでも言いたような、こんなことは言ってませんでしたけれども、そのような内容でした。中国や韓半島の皇帝陵や王陵が巨大化しないのは成熟した国家で、墳墓が巨大化した日本は王位を争う未成熟な国家だったという説明でした。 本当にそうなのか。 4世紀から5世紀は、中国や朝鮮半島は戦乱が多く、多くの渡来人が日本に移住してきたと堺市の中学生が使っている帝国書院の歴史教科書には書いてあります。乱れていたのは中国や韓半島で、日本は安定していた。実際5世紀の中国大陸は分裂状態、朝鮮半島は三国時代で不安定な時代。対して倭国である大和朝廷だけが安定的な国家だった。前方後円墳が造られるようになってから、日本列島では大規模な戦争を示す証拠は全く発掘されていません。国家として成熟し安定していたからこそ、国家の意思として君民一体となった空前絶後の世界最大の陵墓が建設されたのではないかと思います。 きょうだいげんかや権力争いの末、たまたま世界最大の墓ができたわけではありません。日本の国力を侮り、天皇の権威を矮小化したい、そんな感じがします。 そこでお伺いいたしますが、百舌鳥・古市古墳群に世界最大の仁徳天皇陵など巨大な古墳が建造されたことについて市の見解をお伺いしたいと思います。 ◎文化観光局長(浦部喜行君) 古墳時代は様々な形や大きさの古墳を築くことで政治的、社会的な秩序を表した時代であり、古墳は有力者への権力の集中と古代王権を象徴するものと考えてございます。 中でも世界最大の仁徳天皇陵古墳をはじめとする巨大な古墳は、まさに日本の古代王権の最高位に立つ人の墓であり、秩序立った王権の存在と権力の大きさを視覚的に表現したものと考えてございます。 我々といたしましては、清家先生の見解につきましては先生の見解でございまして、市としましては、博物館の百舌鳥古墳群シアターなどにおきましても、議員が御紹介いただきました半島の戦乱、こうしたものを避けるための日本の平和を守るための象徴的な存在であったということを発信しておりますので、我々の見解はそういうことでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では秩序立った王権の存在と権力の大きさを表すものだという見解、また今るる局長から御説明がありました。今までの見解を踏襲していると理解をいたしました。
古墳サミットで開陳された一教授の研究結果は、あまりにも今までの堺市の見解とも相入れず違和感があったものであったので、確認の意味で質問をいたしました。もとより清家教授の研究の内容を詳細に検討したわけではありませんので、御見解としては尊重しながら今後の学会の動向も注視していきたいなというふうに思っています。そのことを申し上げてこの項の質問を終わりたいと思います。 さて、最後に少子化対策予算についてお伺いをしたいと思います。 時間が非常に中途半端になりましたが、簡単に申し上げますと、今回市長から提出された令和6年度の予算案、これについては特に少子化対策と銘打っての予算というものはなかったような気がいたします。 最近、日本全体で少子化のスピードが加速して、出生数が初めて100万人を割り込んだのは2016年でしたが、2022年には80万人を割り込み、このトレンドが続けば2060年頃には50万人を割り込むと予想されています。 堺も同じように大きなスピードで少子化が進み、そして人口は減少しています。こうした急速な少子化やそれに伴う人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済社会システムを維持することは難しく、その解決に向けて従来の子どもや子育て世代への支援だけではなく、若者の結婚の促進等にも目を向ける必要があると考えます。 現在の少子化の最大の原因は若者が結婚しない、また晩婚だと。その理由は様々あると思いますけれども、理由、原因を除去しなければ少子化は解消できない。 本市も同様の状況にあると認識しており、今後少子化対策や子育て支援、教育の充実等の取組を進めることが重要と考えますが、令和6年度当初予算案においてそれぞれどのような予算を計上しているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎財政局長(江口友之君) 令和6年度当初予算案では、子育て支援として産後ケアの拡充や認定こども園、保育園等における安全・安心な保育体制の強化等について新規拡充の取組として予算を計上しております。また、第2子以降の保育料無償化等についても継続して取組を進めます。 教育関係では、新規拡充する取組の予算として、子どもの総合的な学力向上の推進やオンライン英会話の推進、不登校の子どもへの支援、学校体育館の空調整備等を計上しております。また、学校給食の食材費高騰支援等についても継続して取組を進めます。以上です。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○副議長(木畑匡君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 今御答弁いただきましたのは、従来からの延長にある子育て支援策であり、そして子どもの総合的な学力向上など、そういう施策です。直接これをやったからといって少子化に歯止めをかけるものではありません。 私は、国に任せるだけではなく各地方自治体も少子化の原因となる未婚化そして晩婚化、ここにも予算を計上してしっかりと少子化対策をしていくべきだというふうに思います このことにつきましては、また内容については詳しく総括質疑等で議論したいと思いますので、以上をもちまして私の大綱質疑を終了いたします。ありがとうございました。 |
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