水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

◆水ノ上成彰　委員　　皆さんおはようございます。日本保守党の水ノ上成彰でございます。

　今年は久しぶりに市民人権委員会にお世話になることになります。どうか１年間よろしくお願いいたします。

　本日は、私は２問質問する予定です。まず１問は市長にも御答弁いただく堺市男女共同参画センターにおける堺市女性団体協議会の占有問題について。もう１問が一般質問ですけれども、南海トラフ巨大地震と防災についてを質問する予定でございますので、よろしくお願いいたします。

　まず最初の質問ですが、堺市立男女共同参画センターにおいて、堺市女性団体協議会が１階連絡室を堺市長の許可を得ず占有している状況にあると聞いています。

　令和５年２月に堺市長が堺市女性団体協議会を提訴するに至った趣旨と経緯をお示しください。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　堺市立男女共同参画センターの１階連絡室部分につきまして、堺市女性団体協議会に対し、明渡しを求め、また不当利得返還請求としまして、令和５年１月１日から対象物件の明渡し済みに至るまでの占有に係る金員の支払いを求める訴えを令和５年２月に提起したものです。

　提訴に至った経緯としましては、堺市女性団体協議会から提出のありました連絡室に係る令和４年４月から令和５年３月までの行政財産目的外使用許可申請書に対しまして、令和４年４月から１２月までは、行政財産目的外使用許可書を交付し、令和５年１月から３月につきましては、行政財産目的外使用不許可決定書を交付いたしました。

　これを受けまして、令和４年６月に当該団体から審査請求書が届き、令和４年１２月に諮問機関であります議会に諮問を行いました結果、棄却裁決相当付帯決議ありと議決がなされました。

　本市からは、当該団体に対しまして、対象物件の明渡しにつきまして複数回催告文書を送付し、速やかな退去とそれに伴う退去計画の提出を求めてまいりましたが、退去や退去計画書の提出につきまして、実行されなかったことから、令和５年２月に市議会の同意を得て、提訴に至ったものです。以上でございます。

◆水ノ上成彰　委員　　御答弁をいただきましたが、今の御答弁を受けましてね、確認をしたいと思いますが、令和５年１月１日から現在に至るまでの約１年半、堺市女性団体協議会は市長の使用許可がないにもかかわらず、市の行政財産である堺市立男女共同参画センターの１室を占拠している状況が続いているという認識でよろしいでしょうか。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　そのとおりでございます。以上です。

◆水ノ上成彰　委員　　さらにもう１点確認しますが、堺市が複数回明渡しの催告の文書を送付し、退去を求めたにもかかわらず退去せず、永藤市長が市議会の同意を得た上で明渡しの提訴をしたにもかかわらず、現在まで占拠している状況が続いているという認識でよろしいでしょうか。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　こちらのほうにつきましても、そのとおりでございます。以上であります。 

◆水ノ上成彰　委員　　財産活用課に確認しましたところ、記憶する限りはこのような前例はなく、前代未聞の出来事が起こっているという見解でございました。

　堺市女性団体協議会のこの一連の行為は、コンプライアンス違反だと思いますが、当局の見解はいかがですか。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　センター連絡室につきまして、不法に占有される状態となっております。以上でございます。

◆水ノ上成彰　委員　　不法に占有、また占拠されている状況ということは、法令遵守がされていないと。コンプライアンス違反という状態が続いているということだと思います。

　男女共同参画センターの所管はダイバーシティ企画課とのことですが、令和５年４月１日から予定していた男女共同参画センターの指定管理業務において、現在、堺市女性団体協議会が不法に占有している１階連絡室を使って新たにどんな事業を展開しようと予定していたのかお答えいただきたいと思います。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　センター１階連絡室部分につきましては、令和５年４月から指定管理業務といたしまして、男女共同参画に関する情報図書・テレワークチャレンジコーナーを実施する予定でございました。情報図書コーナーでは、市民が男女共同参画への理解を深め、自ら学ぶことのできる場を提供し、地域におきまして男女共同参画を推進する市民の主体的な学習や活動を支援するものであります。

　また、新型コロナウイルス感染症の拡大が契機となり、テレワークの導入やオンラインの活用が進み、多様で柔軟な働き方に関する新たな可能性がもたらされており、テレワークの活用を一層促進し、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を着実に推進することが求められていることから、テレワークチャレンジコーナーの設置を予定しておるものでございます。以上です。

◆水ノ上成彰　委員　　御答弁いただきましたが、占拠されている連絡室を使用して情報図書コーナー及びテレワークチャレンジコーナーを設置運営する予定だったという答弁でした。

　令和５年４月から今月、令和６年６月までの１年２か月、堺市民の皆さんへ当該サービスが届けられていないということになります。その損失はどれだけになるのか、それは分かりません。また、これからこの状況がどれだけの期間続くのかも分かりません。つまり、堺市女性団体協議会の不法占拠によって、堺市民の利益が不当に阻害されているということです。

　現在裁判中ですが、裁判の中身には触れません。堺市女性団体協議会にも言い分はあるでしょうが、私は堺市の立場、堺市議会の立場から、堺市のスタンスについて以後質問し、答弁を求めていきたいと思っております。

　さて、ダイバーシティ企画課が所管している審議会の中に、堺市人権施策推進審議会があります。その審議会の委員の中に、女性団体協議会運営委員の方がいます。審議会委員の任期は令和５年９月１日から令和７年８月３１日であり、令和５年２月に堺市長が堺市女性団体協議会を提訴しましたが、２月の提訴以降の訴訟中であるにもかかわらず、堺市女性団体協議会所属の委員を堺市長は再任しております。

　私は、訴訟の相手方である女性団体協議会に審議会の委員をお願いするのは問題があると思いますが、当局の見解をお聞きしたいと思います。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　男女共同参画センターに関して、訴訟中である堺市女性団体協議会から審議会等の委員の推薦を受け、選任することにつきまして、訴訟担当弁護士に確認をいたしましたが、法的に問題ないとのことでありました。

　堺市人権施策推進審議会は、人権施策の推進に関する重要事項を調査審議するため、各人権問題の分野を専門とする学識経験の方や団体に委員の推薦を依頼しております。

　堺市女性団体協議会は、女性の地位向上と社会参画をめざし、地域に根差した活動を続けている公共的団体であり、団体の構成員には実践的な活動を通じて様々な知見を得た人材が多数在籍しております。審議会におきましては、有益な意見聴取が可能と考えられるため、堺市女性団体協議会に委員の推薦を依頼したものでございます。以上です。

◆水ノ上成彰　委員　　今、御答弁の中に法的に問題がないという答弁がありましたが、私は法的に問題がなくてもね、道義的に問題があるのではないかと思っています。

　また、答弁では堺市女性団体協議会は社会参画をめざし、地域に根差した活動を続けている公共団体との説明がありましたが、本当にそうでしょうか。先ほど申し上げたとおり、今、前代未聞の事件を起こしている団体です。堺市女性団体協議会は自分たちの団体の利益を優先して、堺市の行政財産を不法占拠し、堺市民の利益を阻害している状況を１年半も続けています。また、これからいつまで続くかも分かりません。このような状況を鑑みて、堺市女性団体協議会に堺市の人権を語る資格はないと私は思っております。

　続きまして、ダイバーシティ企画課が所管している他の審議会に堺市男女平等推進審議会があります。この審議会委員にも、堺市女性団体協議会の委員が現在任命されております。この審議会の委員の任期は、令和４年１０月１日から令和６年９月３０日であり、新しい任期は令和６年１０月１日から始まります。これに当たり、これから次回の委員の選任に当たると思いますが、引き続き堺市女性団体協議会に委員の推薦を依頼するのか、当局の見解をお聞きしたいと思います。

◎脇田　ダイバーシティ企画課長　　堺市男女平等推進審議会では、男女平等推進施策等を推進するための基本計画及び男女平等社会の形成の推進に関する重要事項を調査審議するため、男女共同参画等の分野を専門とする学識経験者や団体に委員の推薦を依頼しております。

　堺市男女平等推進審議会の設置目的を踏まえ、識見や経験を有する人材を選任いたします。現段階におきましては、堺市女性団体協議会も含め、いずれの団体に推薦を依頼するかは未定であります。以上です。

◆水ノ上成彰　委員　　御答弁では、推薦を依頼するかは未定ということでしたけれども、私はせめて、今行われている裁判が終わるまでは、審議会委員の任命は見合わせるべきだと思います。そのことを申し上げておきます。

　さて、今、堺市人権施策推進審議会及び堺市男女平等推進審議会について、任命の話をお聞きいたしましたが、訴訟中の堺市女性団体協議会から推薦を受けた人物を審議会委員に任命すべきではないと私は考えますが、これらの審議会を所管している当局のトップであるダイバーシティ推進監の見解をお聞かせいただきたいと思います。

◎黒田　ダイバーシティ推進監　　委員お示しのとおり、現在も堺市立男女共同参画センターの連絡室に係ります件に関しまして訴訟中ではございますけれども、堺市女性団体協議会の活動自体は否定されるべきものではないというふうに考えてございます。訴訟中の団体であることと、審議会等委員の推薦依頼に適した団体であることについては、切り分けて考えているところでございます。以上でございます。

◆水ノ上成彰　委員　　ダイバーシティ推進監の御答弁いただきましたが、御答弁では女性団体協議会の活動自体は否定されるものではなくということでしたけれども、先ほど来申し上げているとおり、今現在、前代未聞の事件を起こしているわけです。市長が退去せよと提訴しているにもかかわらず、そこに居座って、市民の方の利益を阻害している。そういう団体に、私は審議会の委員のお願いをするのはいかがなもんかと思っている。また、監は今、それはそれ、訴訟は訴訟、また、審議会の委員の推薦依頼については、切り離して、切り分けて考えるとか言うておりましたけれども、それは役所目線です。市民目線ではありません。実際に不利益を受けている市民の目線からすれば、その不利益は誰の責任によるのか。それは女性団体協議会、その女性団体協議会に大切な審議会の委員をお願いするのか。それは市民の理解は得れないだろうと私は思います。

　繰り返しになりますが、堺市女性団体協議会は市長の許可を得ず、堺市の行政財産である堺市男女共同参画センターの１室を不法占拠している状況です。

　堺市女性団体協議会が不法占拠することによって、最も不利益を被っているのは堺市民です。堺市民の目線で考えるべきです。１年２か月にわたり堺市民の失った利益は大きなものとなるでしょうし、裁判の決着がつくまでこの状況は続くと考えます。

　そこで、市長にお伺いいたします。堺市長は、不法占拠に関して堺市女性団体協議会を提訴しているにもかかわらず、堺市人権施策推進審議会等において女性団体に推薦依頼をし、市長の名前で任命しています。本市と裁判中の相手方である堺市女性団体協議会に、なぜ審議会の委員を推薦を依頼し、委員に任命するのか、市長の御見解をお伺いしたいと思います。

◎永藤　市長　　審議会等の委員はそれぞれの設置目的等を踏まえて、識見や経験を有する人材を選任することとしています。全ての審議会等において、これまでの委員構成にかかわらず、推薦を依頼する理由や必要性を明確にした上で、広い視野を持って人材の推薦を依頼する団体を選定します。

◆水ノ上成彰　委員　　市長から答弁をいただきましたが、私が質問したことに対して的確な御答弁がなかったと思います。このような事件が起こってなければね、今の市長の御答弁でいいと思いますが、何度も言いますが、前代未聞の事件が起こっておって、だから永藤市長は女性団体に男女共同参画センターから出ていけと提訴して、それは市議会も同意をしたわけです。市長、この裁判を本気で勝つつもりでしょうか。市民の利益のために不法に占拠する堺市女性団体協議会に市長が提訴した。その提訴した相手に任期切れとなる審議会の委員をお願いをする。女性団体協議会からしたら、市長からこの場所を退去せえと言われているけれども、一方、市長から任期が来る審議会の委員について、また推薦をお願いできませんかと来たら、これほんまに裁判してるのという気になると思うんですね。それはおかしいのではないかという疑問です、私は。せめて、先ほども申し上げた、この裁判期間中は、仮に、今までもそういう実績はあったとしても、そういう審議会の委員を推薦する、また任命するということを控えるべきではないかというふうに思いますが、先ほど、市長から御答弁いただきましたが、先ほどの御答弁以上の御答弁がもしありましたら、再度御答弁をお願いしたいと思いますが、市長、いかがですか。

　市長座ってですね、それ以上の答弁はないという意思表示でしたので、これ以上議論を続けても、市長からの答弁はいただけないということです。前代未聞のことが起こってるわけです。市民目線で今の市長の、この女性団体協議会に対する審議会の委員の依頼、推薦、そして推薦の依頼、そして任命は理解を得られないところだと私は思います。通常と同じ対応でいいわけではないと思います。今日の質問はこれで終わりますけれども、この問題は根が深いと思っています。まだ問題は残されています。今後、機会があれば、さらに議論をしていきたいということを申し上げまして、私の市長質問を終わりたいと思います。以上です。