◆47番(水ノ上成彰君) (登壇)おはようございます。日本保守党、水ノ上成彰です。通告に従い、大綱質疑、一般質問を行います。本日は中学校の歴史教科書の採択について1項目です。よろしくお願いいたします。 今年は中学校の教科書採択の年です。4年ごとに中学校の教科書採択が行われますが、その都度質問していますので、今回で6回目の質問となります。 中学校の歴史教科書の採択については毎回全国的に話題となりますが、今回は前回の7社の検定合格教科書から9社へと増加し、4年前にも増して注目をされています。 どれも文科省の検定を合格した教科書ですが、その書きぶりは一様ではありません。3月議会でも議論しましたが、教育長が関教育長に交代されたこともあり、教科書採択は各自治体の教育長を中心とする教育委員により決定されることから、3月議会と多少重複する議論もありますが、議論を進めていきたいと思います。 さて、なぜ私が中学校の歴史教科書の採択にこだわるのか。 アメリカの歴史教科書で学ぶと、子どもたちはみんなアメリカが好きになるといいます。中国の歴史教科書で学ぶと、子どもたちは中国が好きになる。韓国の歴史教科書で学ぶと子どもたちは韓国が好きになる。これは当たり前です。世界中のどこの国も自国の歴史をすばらしいものと教科書に書き、教師が子どもたちにいかに自分たちの国はすばらしいかを教えます。 一方日本はどうか。日本の歴史教科書で学ぶと、日本の子どもたちは日本を好きになるでしょうか。自分の国の歴史に好感を持たない日本の子どもたちがあまりにも多い。無関心な生徒も多い。様々なアンケート結果がありますが、日本はいずれも低い状況です。 私は世界の国と同じように、1年間学校で歴史を勉強すれば、子どもたちが日本が好きになり、日本はすばらしい国だと目を輝かせるようになるような状況が望ましいと思います。そのために日本のことが好きになるようなバランスの取れた歴史教科書を届けたい、その思いです。 しかし残念ながら、教育基本法は我が国と郷土を愛することを教育の目的として掲げているにもかかわらず、真逆の教育が行われているから、自分の国の歴史に誇りを持たず、好感を持たず、無関心なのではないかと思わざるを得ません。 少し歴史をひもとくと、日本はさきの大戦の敗戦により、昭和20年8月15日から昭和27年4月28日のサンフランシスコ平和条約の発効による日本の独立回復までの6年8か月の期間、アメリカを中心とするGHQにより占領されていました。 その間、GHQによる教科書への干渉は周知の事実です。文部省は終戦直後の1945年の9月に、GHQの意向を先取りする形で終戦に伴う教科用図書取扱い方に関する件という通達を出し、これにより、これまで使っていた教科書の不都合な箇所を児童・生徒が墨で塗るという教科書の墨塗りを行いました。 その翌年、GHQは教科書を抜本的に改めるため、教科書検閲基準の制定を行いました。検閲事項は、天皇に関する用語、愛国心につながる用語、日本国の神話や起源、楠木正成、東郷平八郎のような英雄、道義的人物としての皇族、神道や祭祀、神社に関する言及等これらの検閲は徹底したもので、日本にとって誇らしい歴史の事象は何も書けなかった。 最近の研究で存在が確認されていますGHQによるウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム、戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画と言われますが、その残滓により、日本の独立回復後は、我が国の教育の回復を図ることができたにもかかわらず、自己検閲からの網から抜け出せず、いまだに後遺症が残っています。 また、戦後設立された日教組は昭和26年、さきの大戦の反省を踏まえ、教え子を再び戦場に送るなというスローガンを採択しました。 日教組路線の根底には、戦前の歴史と公の精神の否定や階級闘争史観の推進というものがありました。政治的には反米を標榜していますが、GHQが推進してきた路線を日本独立後も継承し、今日に至るまで、教育現場を含め、教科書の検定・採択にも大きな影響を及ぼしていると言われています。 また、昭和57年、高校の教科書で、日本軍による中国への侵略を進出に書き直させたという教科書検定誤報事件が起こり、書き直させた事実がなかったにもかかわらず報道が独り歩きし、中国と韓国から抗議を受け、日本政府は両政府に謝罪し、検定基準に近現代史の歴史記述に必要な配慮を行うという近隣諸国条項を追加するに至りました。この事件により、中韓両国による我が国への教科書干渉が恒常化することとなりました。 これらの事由により、日本の歴史教科書は自虐色の濃いものとなり、このような状況が20年ほど続きました。 このような状況に対して、2006年12月、第1次安倍内閣の下、教育基本法が全面改正され、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛すると明記され、戦後レジームの脱却の一環として、教育の正常化、教科書の正常化の流れができ、正常な歴史教科書が文科省の検定を通り採択され出しました。 しかし、いまだに歴史教科書の中にはGHQの教科書検閲基準を色濃く残している歴史教科書もありますし、一方GHQの教科書検閲基準を脱却している教科書もあります。歴史教科書を採択するということは、その辺りを見極め、日本の子どもたちが素直に日本のことが好きになり、先人に感謝し、日本はすばらしい国だと思える教科書を選ぶことだと思います。 安倍元首相は戦後レジームからの脱却をめざしたが、道半ばで凶弾に倒れました。教育の正常化も道半ばです。 GHQによる日本弱体化政策の一環として偏向歴史教科書があり、戦後レジームからの脱却の1つが教育基本法の目的に最も合致する教科書の採択であると思っています。 今回の大綱質疑でも中学校の歴史教科書の採択について議論するのは私1人だけですが、日本保守党の強い思いである日本ほどすばらしい国はないという思いに基づき、歴史教科書の採択の議論を進めていきたいと思います。 さて、今回採択される教科書は、令和7年から令和10年までの4年間使用されます。堺市の中学生は1学年約6,700人から6,800人であり、4年で約2万7,000人の中学生が今回採択される歴史教科書を手にすることになります。 2万7,000人の生徒が1年間歴史を学んだ後、日本はすばらしい国だ、日本に生まれてよかったとなったら、堺がまた日本が変わるのではないか。少なくとも日本は最低、日本を嫌いとか無関心になるより、よっぽど堺の未来に夢が持てると思います。 だから採択される教科書は非常に重要となります。私が終始一貫して要望しているのは、最も学習指導要領の目標に合致する教科書を選んでほしいということです。本日もこの観点から議論を進めたいと思います。 少々前置きが長くなりましたが、質問に入ります。 まず、中学校の歴史的分野を学ぶ目的についてどのような見解を持っているのか、お伺いいたします。 これで降壇をいたします。 ○議長(田渕和夫君) これより答弁を求めます。 ◎教育監(富岡重幸君) 中学校で歴史的分野を学ぶ目的ということで答弁させていただきます。 中学校学習指導要領の歴史的分野におきましては、広い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎の育成をめざすとしております。 そのため、我が国の歴史の大きな流れを理解し、様々な情報を調べまとめる技能を身につけるようにすることや、多面的・多角的に考察したり公正に選択・判断したりする力等を養うこと、また、学習を通して涵養される我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を尊重しようとすることの大切さについての自覚などを深め、国際協調の精神を養うこととしております。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたが、まずスクリーン2をお願いします。 これは教育基本法の第2条、教育の目標ですけれども、第2条教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。となっておりまして、5番目に伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。となっております。 スクリーン3をお願いします。 スクリーン3は学習指導要領解説です。 今御答弁いただきました中に、その歴史的分野の目標がありまして、我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、国家及び社会並びに文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現代に伝わる文化遺産を尊重しようとすることとなっております。つまり教育基本法の目標である5番目の目標を達成するためには、学習指導要領の解説の歴史的分野の目標の3番、これを達成することが必要だということになるということですね。まずそこを押さえておきたいと思います。 それでは次に質問を続けますけれども、次に続きまして教科書の採択の流れについてお聞きしたいと思います。 教育委員による教科書の採択までは日数が限られており、非常にタイトなスケジュールの中で採択が行われます。そこでお伺いいたしますが、教科書採択の流れについてお答えください。 ◎教育監(富岡重幸君) 本市では法令に基づきまして、5月13日の教育委員会定例会におきまして、大阪府教育委員会の方針を踏まえ、採択基本方針及び採択基準を策定いたしました。 今後指導主事及び教員から成る調査員が学習指導要領や採択基本方針、採択基準に基づき調査研究を行います。 7月上旬には、保護者の代表や教職員、教育委員会事務局職員から成る選定委員会におきまして、調査員の調査報告を受け、協議の上、意見書を作成いたします。8月中旬に予定をしております教育委員会定例会におきまして、当該意見書や教科用図書の展示会における市民等からの御意見も参考に協議を行い、教科用図書の採択を議決いたします。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁いただきましたとおり、8月中旬に教育委員会定例会において決まるということですから、この議会において質問をするしかない、次の9月議会ではもう終わっているということですので、本日質問してるわけですけれども、教科書採択の流れについては3月議会でも御答弁いただいております。要は教育委員会に提出される調査員の調査報告書と調査報告書をまとめた意見書、これが非常に重要になってくるということですが、これについてはまた後ほど言及したいと思います。 御答弁にありました。教科書については市民等からの意見を参考にするとありましたけれども、期間を定めて教科書の展示を行っているというようですが、教科書展示会の開催状況についてどうなっているのか、お答えください。 ◎教育監(富岡重幸君) 教科書展示会でございますが、教育関係者の教科書研究の便宜を図り、一般公開を通じて多くの方々に教科用図書に触れていただくための取組でございます。 令和6年度の展示につきましては、5月20日から24日まで鳳中学校及び原山台中学校で実施し、6月18日から7月12日まで堺市教育文化センター、中図書館、中央図書館で実施いたします。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、5月20日から24日までの分はもう終わっていると、次には6月18日から7月12日まで堺市教育文化センター、中図書館、これはいずれも中区ですけれども、これは隣接しております。さらに中央図書館で実施するということですが、交通の便があまりよくないところで実施されていると。 より多くの市民の皆さんに採択される教科書を見ていただく、また意見をいただくというのであれば、この堺東本庁のどこかにそういう一室を設けてそういう展示会を開くべきだというふうに思いますが、そういうお考えありませんか。 ◎教育監(富岡重幸君) 今教科書展示会の開催方法につきまして御意見をいただいたのかなと思いますけれども、これにつきましては、また来年度多くの方々に触れていただけるよう、開催方法については検討していきたいと思っております。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 以前よりも1か所増えていると聞いておるんですけれども、ただ多くの人の意見を聞くというのであれば、今回無理なら次回からでも、ぜひとも今回してほしいんですけどね、そういう展示会をこの本庁、堺東近辺、できれば本庁で開いていただくことを要望しておきます。 続きまして、歴史教育の目標の中で最も大切な柱は、教育基本法の目標の1つになっております我が国の歴史に対する愛情であると思いますが、教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。 ◎教育監(富岡重幸君) 学校教育では長年生きる力の育成をめざしておりまして、教育課程全体を通して、生きて働く知識・技能の習得、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成、学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性等の涵養の3つの柱に整理されました。 我が国の歴史に対する愛情につきましては、歴史的分野の学習を通じて育成する学びに向かう力、人間性等に関わりまして、歴史教育の目標の1つであると認識しております。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では、我が国の歴史に対する愛情については歴史教育の目標の1つであるということでしたけれども、私はそんな弱いものではないなと思っています。 というのは、先ほど掲げました教育基本法の目標の5番目を達成するためには、この歴史教育の中で子どもたちに興味を持たせる、また愛情を育てる、そこがなかったら教育基本法の目標が達成できないのであるから、これを最もやっぱり大切にしていく必要があるというふうに思っております。 次の質問に行きますけれども、学習指導要領による先ほどお見せいたしました中学校歴史分野の目標は3つありますが、その3つ目の中で、またスクリーン3を挙げてください。我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、国家及び社会に尽くした歴史上の人物を尊重すること等については前回の教科書採択において選定委員会の調査の観点にされたのか、お答えいただきたいと思います。 また、今回の教科書採択では採択での調査の観点にこれらが入っているのかどうか、併せてお答えください。 ◎教育監(富岡重幸君) 調査の観点の1つといたしまして歴史的分野の目標の達成を示しております。 学習指導要領の歴史的分野の目標におきまして、多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚などを含め、国際協調の精神を養うと示されていることから、当該観点には我が国の歴史に対する愛情も含まれております。
なお、今年度、令和7年度に使用します中学校使用教科用図書の調査研究に当たりましても、採択基本方針に即して調査の観点を設定し調査研究を進めております。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 御答弁では観点の中に我が国の歴史に対する愛情を含め、ほかの目標も入っているということですけれども、私は4年前の前回の調査員の調査報告書及び意見書をつぶさに拝見をさせていただきましたら、例えば子どもたちが歴史が好きかどうかとか、また愛情を持てるような項目があるかどうかとかそういう観点、先ほど目標に合わせたような観点からの考察は全く見受けられない。 例えば書式とか流れとかそういうことに終始して、肝腎な学習指導要領の目標、そういう3つの目標をクリアしてるかどうかというような考察が1つも見受けられない。意見書もそうです。 また、最終教育委員会で定例会で行われる採択のための議事録も読みましたけれども、教育委員会の定例会でもそういう教育委員の中での話はない。そういう中で前回の教科書採択が決まっていったという感があるんですね。 終わったことを幾ら言うても仕方ありませんので、大事なのは今から行われる採択です。今から行われる採択につきましても、御答弁では入ってる、その観点を設定していると言うているだけで、そのような観点から先ほど申し上げた3つの目標が達成できているかどうかの観点からの調査研究があるとかないとか全く御答弁がありませんでしたけれども、これについて再度御答弁いただきたいと思います。 ◎教育監(富岡重幸君) 今回の調査の件でございますけれども、現在採択期間中でございまして、静ひつな調査研究の環境の確保の点から、調査の詳細についてはお控えしたいと思います。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 調査の内容についてとやかく言うてるわけではないです。調査員がどのような観点から調査するか。 この調査報告書を見ますとね、前回7つの会社でしたけれども、7つの教科書があって、その比較検討しているわけですけれども、比較検討しているようで、同じようなものばかりが並んでて差がついていない。これが比較検討と言えるのかというような内容だったんですね。 しかもその中には、先ほど申し上げた学習指導要領解説の歴史的分野の目標の3つについてこの教科書が満たされているか、ここが足らん、ここがいいとか、そういうふうなものがなかったんですね。それが観点が示されてなかったから書きようがないと、その観点を決めるのは教育委員会事務局かと思いますけれどもね。 ですから私は、4年前の報告書の中ではそういうところが見受けられないので、今回の教科書採択については、この学習指導要領解説の歴史的分野の目標、これにのっとった最もふさわしい教科書を選んでほしいという立場から、ぜひともこのような観点、我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、歴史上の人物を尊重しているかどうか、それについて観点として入れて考察、調査してほしいという要望なんですけど、いかがでしょうか。 ◎教育監(富岡重幸君) 繰り返しの答弁になりますけれども、今現在行っております令和7年度に使用いたします中学校使用教科用図書の調査研究に当たりましても、採択基本方針に即しまして調査の観点を設定いたしまして調査研究を進めておるところでございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) このことは実は3月議会、2月27日の本会議でも申し上げたことでありまして、ぜひ子どもたちに歴史が好きになるそういう教科書を届けていただきたい、そういう思いをしっかりと伝えておきたいというふうに思います。 さて続きまして、各社の教科書を眺めておりますと、本市堺市の歴史に対して詳細に記載している教科書もあれば、堺を単なる地名の記載にとどまる教科書もあります。 私はいろんな観点があるとは思いますけれども、本市の歴史を多く記載してくれている教科書が堺の子どもたちに望ましいのではないか、それも1つの選ぶ観点になるのではないかと思いますが、教育委員会の御見解を聞きたいと思います。 ◎教育監(富岡重幸君) 教科用図書採択につきましては、採択基本方針に基づきまして、選定委員会意見書や教科用図書展示会における市民等の御意見も参考に教育委員会定例会におきまして協議され、学習指導要領の趣旨に即して歴史的分野の目標を達成し、堺の子どもたちの実態に応じた最も適切な教科用図書が採択されるものと認識してございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 今の御答弁では御答弁になってない。 私は堺の子どもたちに最も適した教科書を選ぶ上で、堺の歴史に関して最も詳細に書いている教科書が、そういうところは配慮されるべきではないかという質問をしたつもりなんですけれども、再度お聞きいたしますが、この点についていかがですか。 ◎教育監(富岡重幸君) 繰り返しの答弁になるところなんですけども、今現在調査を行っておりまして、その点につきましても、堺の子どもたちの実態に応じた最も適切な教科用図書が採択される、そのように認識してございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 堺の子どもたちの実態に応じたとおっしゃるけど、何が実態に応じたのかなという中で、教科書の中には、9つもあれば堺のことを詳細に紹介しているところもあれば、地名だけを紹介しているところもあるので、そういうところも配慮すべきかなというふうに思って質問しているんですけれども、これ以上は聞きません。 ただね、各社が出してる教科書を見ますとね、こういう教科書もあるんです。名前は伏せますけれども、5の1を開けてください。 これはある教科書なんですけど、地域の歴史を調べる、5の1かな、堺市の歴史を調べようというページがあって、これ見開き4ページなんですね。A班は古墳を調査ということで仁徳天皇陵を調査する、B班は港を調査ということで堺港を調査する、C班は千利休の屋敷跡を調査ということで千利休屋敷跡の調査をする、D班は堺事件を調査するということで挙げています。 5の2を開けてください。 これは古墳を調査ということで仁徳天皇陵の全景が描かれて、大きさ等々が書かれています。地元の堺市の人たちも古くから仁徳さんと呼び、古墳は崇拝の対象となってきました。堺市は日本の古代史にとってもとても重要な土地だったことが分かったというようなコメントもある。 5の3をお願いします。 これは堺港のことですけれども、堺港の昔の地図と今の写真が並べて描かれてて、堺は明との貿易で盛んとなって、これが堺に巨万の利益をもたらしたというような言及をされている。 その下では、千利休の屋敷跡を調査ということで千利休の写真と環濠都市の遺跡の写真が載せられておりましてね。千利休については茶道を完成させた人として説明があり、秀吉から切腹を命じられたとか、堺は日本でも一、二を争う繁栄をした、自治都市、環濠都市として栄えた名残はその町並みなどに今でも残されているというようなことがあります。 最後4つ目ですけれども、D班は堺事件を調査。これびっくりしたのは、堺事件について言及している教科書が実はあるんですね。 堺事件って御存じの方は御存じだと思いますけれども、慶応4年、1868年、この年に明治元年となるんですけれども、堺で起こったフランス兵との小競り合いから銃撃戦となり多くの死傷者を出した事件です。1月3日に王政復古の大号令があって、その後、戊辰戦争が行われてその直後ですから、本来ならば幕府が警護するところを新政府軍の中の土佐藩が堺を警護していた。その土佐藩とフランス兵が小競り合いとなって土佐藩士が11人のフランス兵を射殺すると。その結果国際問題となって、堺の妙國寺で11人の土佐藩士が切腹されたという事件ですね。 これは毎年2月23日に今でも慰霊祭が行われて、11人のフランス兵、そして11人の切腹した土佐藩士の慰霊祭をしております。これについては、永藤市長は毎年2月23日の慰霊祭に出席されているということです。こういう今紹介いたしましたような教科書も中にはある。 また、これは聞き及ぶになるんですけれども、ある教科書では市町村歌を調べてみようというのがあって、堺市歌、堺市の歌を紹介している例があります。それも今の堺市歌ではなくて、1935年、昭和10年につくられた堺市歌なんですけれども、少し紹介します。 東に仰ぐ三陵の崇き御精神則として礎堅く建てなせる理想の都我が堺。2番、西に輝く茅海の波は世界に続くなる、ここ東洋のベニスとて栄えし昔君知るや。3番、伝統ここに1,000年、進取の気魄は伝わりて今近代の産業市躍進の意気君見ずや。4番、中世ここに鐘りて花と匂ひし芸文の精神を汲みて新しき時代の文化我樹てむ。 このような堺市歌なんですけれども、今から89年前に制定されたらしく、これ私も知りませんでしたけどね、この作者は安西冬衛さんです。皆さん御存じの方もいらっしゃると思うけど、てふてふが1匹韃靼海峡を渡っていったという1行詩、有名な1行詩ですけれども、堺出身のこの安西冬衛さんが書いた市歌を教科書に載せて、市町村歌を調べてみようというような教科書も今回出てきていると。 そういうところから、その一方、今使ってる堺市の歴史教科書では、堺市はもう地名しか載ってない。与謝野晶子は堺で生まれましたとかね、千利休は堺出身ですとか、堺の商人の出だとかそんな話しか出てないと。 私は堺の先ほど申し上げたとおり2万7,000人の子どもたちが手に取る教科書ですから、堺のことを詳しく書いている教科書もそれが1つの採択の理由になるのではないかなというふうに思って紹介をいたしました。ぜひこの点も御検討いただきたいと思います。 さて、最後に教育長にお聞きしたいと思います。 歴史教育は、とどのつまり日本の歴史って面白い、日本が好きになったと興味を持つようにすることに尽きるのではないかと思います。テレビでもいろいろと歴史番組が放映されていますが、そのほとんどが日本人の苦労話や道を切り開いて世界に飛躍していった話、夢を持つような話が多い、日本人が元気になるような内容が多いと思います。 歴史分野の教科書の採択に当たり、子どもたちが歴史を好きになるような教科書を採択することが肝要と思いますが、教育長の御見識をお伺いしたいと思います。 ◎教育長(関百合子君) お答え申し上げます。 歴史的分野では、歴史の大きな流れの理解や多面的・多角的な考察などの学びを通して、子どもたちが歴史に関心を持って学習に取り組み、我が国の歴史に対する愛情、国民としての自覚、歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を尊重しようとすることの大切さについての自覚などを深め、国際協調の精神が養われるものと考えております。 教育委員会としましては、教科書採択に当たり、採択基本方針に基づき十分な研究及び協議を行い、本市の子どもたちにとって最も適切なものを採択できるよう公正かつ適正に行ってまいります。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) 教育長から御答弁いただきました。 先ほどの学習指導要領解説の3つの目標に加えて、子どもたちの歴史への関心が高まりというところが入ったということで、まさしく子どもたちの歴史への関心が高まるような教科書を選んでほしいと思いますし、そのための調査もするように指示をしていただきたいというふうに思います。 まだ少し時間がありますので、併せて教育長に1問お聞きしたいことがありまして、前回の議会でも詳しくお伺いしたんですけどね、簡単な質問です。 日本の建国についてです。堺の中学生は日本の建国について知っている人はほとんどおりません。 そこで教育長にお伺いしたいと思いますが、日本の建国について、日本はいつ誰によってどのように建国されたのか、教育長の御見識をお伺いしたいと思います。 ◎教育監(富岡重幸君) すみません。教育長へのということでございますけども、私のほうで代わりに答えさせていただきます。 現在の教科用図書の中では神話に関するコラムということで掲載されておりまして、国生みの神話といたしまして、2人の神イザナギとイザナミは結婚して8つの島々日本を生みましたというふうに示されてございます。以上でございます。 ◆47番(水ノ上成彰君) 議長。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員。 ◆47番(水ノ上成彰君) もう時間がありませんのでね。日本の建国ではありません、それは。 日本の建国は、紀元前660年、神武天皇が橿原宮で即位された、それをもって建国とすると。 なぜ聞いたかといいますと、今回9つの教科書がありますけれども、その3つには建国のことが書いてありますけれども、6つの図書には書かれていない。 前回申し上げたけれども、自分の国の建国を知るのは世界中当たり前。しかし、それを知らない国民が多い。 ○議長(田渕和夫君) 47番水ノ上成彰議員に申し上げます。発言時間が超過しております。簡潔にお願いします。 ◆47番(水ノ上成彰君) その中でぜひとも建国のことを記述している教科書を選んでいただくことをお願い申し上げて、私の大綱質疑といたします。以上です |
Mail info@mizunoue.com
【水ノ上成彰 事務所】
〒592-8348
堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2
TEL 072-263-0333
FAX 072-263-0334