◆水ノ上 委員 皆様、お疲れさまです。私のほうからは、市長に対して2問御質問する予定ですが、1問につきましては、場合によっては市長の御答弁をいただかない場合もございますので、その点、最初に申し上げておきます。
最初に、朝鮮学校への補助金について議論をしていきたいと思います。
民主党が昨年の秋に政権交代いたしまして、そのマニフェストの重点施策の一つに高校無償化がございました。その中で、その高校に朝鮮高校も含まれるのかどうか、議論がそれ以降されました。
我々大阪維新の会は、朝鮮高校の無償化には反対の立場でございまして、それは8月議会での意見書も提出しておりますし、それは賛成少数で否決をされましたが、論点は2点でございました。
1点は、朝鮮学校には本国の北朝鮮が強く関与しており、また、純粋な教育機関ではなく、北朝鮮の体制を支えるためのイデオロギー学校、対
日工作機関である疑いがあるというところから、認めるのは難しい。もう1点が拉致事件との関係で、北朝鮮の拉致問題が未解決であり、北朝鮮が解決に向けて
何ら誠実な対応を見せない中、この問題の解決に向け、日本政府として経済制裁を行っていながら北朝鮮の公民教育を担う学校の授業料に日本の税金を投入する
ことは、金正日総書記に拉致問題が進展しなくても日本から支援を確保できたと誤った政治的メッセージを認識させることになり、拉致の解決がさらに遠のくの
は間違いなく、はかり知れない禍根を残すことになる。こういう観点から意見書を出しましたけれども、賛成少数で否決をされました。
全国でも、この朝鮮高校の無償化については反対の意見が多数ございまして、そういう中にもかかわらず、11月上旬に文科省は事実上、朝鮮
高校の無償化を決定をいたしました。その決定に関しては、外交上の配慮は行わない。純粋に教育上の問題として取り上げた結果ということでしたが、皆さん御
記憶のとおり、11月23日に北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃をいたしまして、民間人を含め死傷者が出たわけでございますが、その砲撃後、直ちに政府は高校無
償化の手続を停止をいたしました。まさに外交上の配慮によって、高校の無償化が停止されたわけであります。
拉致事件は現在進行形の北朝鮮による国家犯罪でございまして、現在、本館の1階でも拉致事件の写真展が開催されておりまして、市長も先日ごらんいただいたというふうに聞いておりますが、そこには横田めぐみさん、有本恵子さんほか、多数の写真が掲げられております。
そういう国家犯罪があるにもかかわらず、外交上の配慮から高校の無償化はする。しかし、韓国の延坪島砲撃は外交上の配慮で高校の無償化は
停止をしたということで、この民主党の政権を見ていますと、どこに軸足があるのか、延坪島砲撃よりも拉致事件のほうが扱いが小さい、このように強く憤りを
感じたことでございました。
前置きはこのくらいにしておきまして、このような高校無償化問題をきっかけにいたしまして、朝鮮初級・中級学校の教育問題が取りざたをされ、地方自治体が朝鮮学校に支出している補助金にも疑問の目が強く注がれております。
文科省の内部資料によりますと、平成21年度で全国で約8億円の補助金が支出されております。そのうち約2億円が大阪府が支出しておりま
す。堺市もかつて朝鮮初級学校がございまして、補助金を支給しておりましたが、平成15年の末に休校となり、現在に至っております。堺市から他市の朝鮮学
校に通う生徒に対しては、その後も教育的配慮から補助金が支給され続けているわけでございますが、そこで、まず最初に御質問をいたします。朝鮮学校に対す
る堺市の補助金について、現在までの経緯を御説明ください。
◎
松下 教育委員会総務課長 堺市朝鮮学校の補助金につきまして、昭和59年度から堺朝鮮初級学校に対し運営補助といたしまして、支給を開始してきたとこ
ろでございますが、児童数の減少に伴い、平成15年度末で休校になったと。これを受けまして、平成16年度の補助金につきましては、執行を留保したところ
でございます。翌平成17年度から市外の朝鮮学校に通います本市在住の子どもたちに対します学習支援を行うということで、在籍をいたします朝鮮学校に対
し、教育環境の整備及び充実を図ることを目的といたしまして、補助金支給を開始したものでございます。
補助金の支給額につきましては、補助開始当時、昭和59年当時で18万円、執行留保をいたしました平成15年度で280万円ということと
なってございます。改めて実施をいたしました平成17年度は、3校23人に対しまして、96万4,000円の補助を行いましたが、年々、児童・生徒数の減
少がございまして、平成21年度では60万1,000円の支給をいたしたところでございます。補助金の累計金額については3,914万円となってございま
す。以上でございます。
◆水ノ上
委員 ざっと26年間で3,914万円、4,000万円弱の補助金が堺市から支給されているわけでございます。最近は休校ということで、ほかの市に通う
子どもたちに補助金が支給されているので、若干額は小さいということでございますが、ここで額の大小よりも、その性質のほうが問題と思っておりますので、
それについてさらに議論を進めたいと思いますが、現在、補助金支給されておるわけですけれども、その根拠について、積算根拠も含めてお答えいただけますで
しょうか。
◎
松下 教育委員会総務課長 学校法人大阪朝鮮学校が設置をいたします朝鮮初級・中級学校は、学校教育法第134条の規定いたしますところの各種学校でご
ざいまして、私立学校振興助成法第10条、堺市朝鮮学校補助金交付要綱に基づきまして、設置者に対し補助金の交付を行っておるところでございます。
補助金の積算についてでございますが、堺市立の小・中学校におけます児童・生徒に要する1人当たりの経費相当額というものを算定いたしま
して、各朝鮮学校に在籍をいたします本市在住の児童・生徒の人数を乗じた金額を補助という形で交付をしてございます。平成21年度の補助金につきまして
は、3校15人に対しまして60万1,000円を交付をいたしております。以上でございます。
◆水ノ上
委員 今の御答弁では、その根拠といたしまして、私立学校振興助成法第10条に基づいて補助金を交付していると。その10条を読みますと、国又は地方公
共団体は、学校法人に対し、補助金を支出し、又は通常の条件よりも有利な条件で、貸付金をし、その他の財産を譲渡し、若しくは貸し付けることができる。と
いう条文ですが、これに基づいて、堺市立小学校・中学校における児童・生徒に要する1人当たりの経費相当額を算定したということになっております。
この条文でいきますと、堺市在住の児童・生徒で私立小学校・中学校に通う者に対しても補助金を支給することができますが、堺
市立の小学校、中学校における児童・生徒に要する1人当たりの経費相当額を補助金として支給することができると思うんですが、堺市はこのような私立の小・
中学校に通う子どもたちに対する何か補助的なものはやっていることはあるのでしょうか。
◎松下 教育委員会総務課長 現在ですが、私立の小・中学校に対しまして堺市教育委員会が実施しております補助制度は、残念ながらございません。以上でございます。
◆水ノ上
委員 私立に通う堺市の小学校の生徒には堺市からの補助はないということですね。これも考えてみたらおかしな話で、朝鮮学校に通う朝鮮人児童・生徒には
補助金を支給して、私立の小学校、中学校に通う児童・生徒に対しては補助金は支給されていない。これは整合性がつかないというふうに思いますが、このこと
について何か理由はあるんでしょうか。
◎
松下 教育委員会総務課長 私立の学校につきましては、学校教育法第1条に規定をされます学校といたしまして、国や都道府県からの補助を受けておりま
す。しかしながら、朝鮮学校は同法134条に規定をいたします各種学校であるために、朝鮮学校には府の補助はございますが、国の補助は一切ないという状況
となってございます。これらを考慮しまして、朝鮮学校に補助を行っているというものでございます。以上でございます。
◆水ノ上
委員 国の補助がないから堺市がかわって補助をする。これはちょっと考えてみたらおかしな話でして、民族学校というのは、母国が面倒を見るといいます
か、やるべきもので、日本の国がやらなければ、まずは母国、この場合は北朝鮮ですけれども、それが支援するのが当たり前。これはもう以前、1年前も何年か
前も議論したことでございますけれども、当たり前。それに対して堺市が補助をする。それはちょっとおかしいというふうに思いますけれども、日本人学校、各
国にありますけれども、私の知る限りは、日本人学校でその先の国から補助金をいただいているというところは知りません。日本の国が補助をするか、もしくは
企業等が補助をして日本人学校を経営しております。その国が補助金を出すということは聞いておりません。
そういう点から、先ほど申し上げたとおり、堺市が朝鮮学校に何らかの援助をするのであれば、私立の学校にも援助をすべきだと
思いますし、私立の学校に援助、補助をしないのであれば、朝鮮学校にも援助しない、補助しないというのが整合性がつくことであろうと、このように思います
けれども、私立の学校との比較に関してはその程度にとめ置きまして、その点も疑問ですけれども、さらに疑問なのは、この学校の中でどういう教育が行われて
いるかということでございます。
それは、最近、産経新聞が精力的に問題提起をしてくれておりまして、12月12日、12月14日と紙面で朝鮮学校のことにつ
いて触れられております。その内容はといいますと、今まで高校の歴史教科書が変更されていた。小学校はそうでもなかったと思われていたのが、実は小学校用
の歴史教科書にも大変歴史の歪曲があるという記事でございます。
例えば朝鮮歴史では、日本統治からの解放について、朝鮮人民革命軍は1945年8月9日、総攻撃を開始した。対日戦争に参加
した朝鮮人民革命軍とソ連軍の激しい攻撃に日帝は8月15日、無条件降伏したという記述をしているということで、まさに歴史の歪曲、自分の国が戦勝国とい
うふうになっているのはおかしいということは、ここにいらっしゃる方はどなたもお感じになると思います。
また、同じ14日の記事に朝鮮学校に忠誠強要という見出しで記事がございまして、これは朝鮮総連が将軍様に、金正日総書記に
忠誠を誓う信念の祝電を送るように小・中学校に細かい指示を命じているという記事でございます。このように、朝鮮学校というのは朝鮮総連の非常に強い関与
のもとにあるということでございます。さらに12月12日については、高校の無償化が暗礁に乗り上げた。それとは別個、小・中学校の補助金を死守するよう
にという朝鮮総連からの圧力といいますか、そういうものがあると、そういう記事がございます。いかにもこういう内容で我々の税金がこういう朝鮮学校に支出
されていいのか、大きな問題だと思います。
これに対して、大阪維新の会の代表である橋下知事は、大阪方式で教育内容を問えということで、以前ですけれども、大阪府の有
識者会議が開かれまして、故金日成主席、金正日総書記父子の崇拝教育見直しなど改善を求める提言を公表し、また橋下知事は、提言が受け入れられない限り、
補助金を支給しないと明言したということでありました。
その中で注目されるのは、教科書や教育活動が日本の学習指導要領に準じているのかのほか、政治的中立性が遵守されているかを
明記したこと。教科ごとに検討を加え、国語や社会科などで敬愛なる将軍様といった特定の政治指導者に対する敬称があると指摘し、改善を求めた。その改善が
ない限り、補助金は支給しないということを名言をいたしまして、これはいわゆる大阪方式というふうにされておるわけでございます。
先ほど申し上げた私立との関係、そして今申し上げた教育内容、そして朝鮮総連との関与、こういうあたりを総合いたしまして、私は強い政治的判断が必要になってこようかなというふうに思います。
堺市からの補助金は、先ほどの御答弁のとおり、60万円程度ということでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、金額
の多寡ではなくて、その内容、性質によって判断すべきだというふうに思いますので、ここで市長に御答弁いただきたいと思いますが、今までの私の議論を聞い
ていただきまして、朝鮮学校への補助金の是非についてどういうお考えでしょうか。
◎竹山 市長 朝鮮学校に対する助成につきましては、委員お示しのとおり、金額の多寡ではなく、その性格の問題であるというふうに認識しております。
現在、国のほうは、高校無償化の対象校とする決定を行った後、現在、無償化の申請の受理、そして審査について停止しているところであると
いうふうにお伺いしています。大阪府も今現在、委員お示しのように、高級学校、中級、初級学校に対する補助金の支給を停止しているところでございます。
私自身このような状況の中で、今、大阪府が教育内容の状況についてチェックすると、そしてまた、学校のほうもそういうふうな改善措置について報告するというふうに伺っております。その動向を十分注視しながら慎重に判断していきたいというふうに思っております。
◆水ノ上
委員 今の御答弁ですけれども、慎重に判断ということは、私は皆さんに大阪府みたいな第三者委員会をつくって、それで独自に朝鮮学校の教育内容を、また
向こうに行ってその肖像画を見ると、そこまでは要求しておりません。ただ、大阪府は橋下知事の政治的判断で先ほどみたいな大阪方式をやられて、それで教育
委員会も動いております。そういうことに呼応して、堺市も教育、向こうからの報告を受けて堺市も考えていくと。慎重に判断するのはもちろんなんですけれど
も、大阪府とともに歩調を合わせるという姿勢が大事かなというふうに思うんですが、その点、市長いかがでしょうか。
◎
竹山 市長 大阪府のほうも教育委員会で有識者会議を組織しまして、そのチェックをしているところでございます。また、学校からの措置も回答されると、
その結果を待って決定していくということでございますので、私どもで有識を組織するというわけではございません。その議論を十分見ていって、私は大阪府と
同じような判断をしたいなというふうに思っております。
◆水ノ上 委員 市長が大阪府と同じような判断をしたいということは、私はそれで結構かなというふうに思います。
この問題については、東京都の石原都知事と大阪府の橋下知事が特に積極的な見直しを打ち出しておりまして、そのほか埼玉県、
神奈川県、宮城県、そして横浜市なども留保、見直しを打ち出しております。私は何も補助金を出すなと言っているわけではなくて、補助金を出すに当たって、
その大阪府方式でちゃんとした教育内容について正常化をしろ、政治的な場にするな、そういう条件をつけて、その条件がクリアできれば、私は先ほどの私立の
ことはございますけれども、過去のことから考えて、ある一定は出しても民族教育という意味からもいいかなというふうに思いますけれども、それをクリアしな
い限りは、いったら一円たりともそういう支出をするべきではないと。それは、まさに先ほど市長がおっしゃった大阪府と歩調を合わせるといいますか、大阪府
の動向を見るということにつながると思います。
我々大阪維新の会といたしましても、代表の橋下知事の方針に全面的に賛同しておりまして、またその中で、竹山市長の政治的判
断にも期待をしております。金額が少ないからといって軽々に支出をするのではなくて、現在も補助金申請が朝鮮学校から来ているというふうには聞いておりま
すけれども、動向をよく見て、また大阪府と歩調を合わせて、この問題を処理、対応していただきたい、このように思います。
市長のそういう答弁がございましたので、教育委員会のほうにつきましては、市長の政治的判断を受けて今後の処理をしていただきたいと思いまして、以後の質問は割愛をさせていただきます。
続きまして、女性センターにおける男女共同参画市民啓発講座についての御質問をさせていただきます。
現在は女性大学と言っておりますが、来年度には名前が変わるそうで、男女共同参画市民啓発講座ということになるんでしょう
か。ちょうど1年前の12月議会で、この文教委員会で女性大学について市長を交えて議論をいたしました。その中で問題になったのは主に2点だったと記憶し
ておりまして、30年間1者随契されていたわけですけれども、それについては問題ではないだろうか。また、個人的な趣味の延長とも言えるコース別講座につ
いては、受益者負担を考えるべきではないかということを議論したと思います。
来年度の予算編成に当たりまして、1者随契ではなくて、プロポーザル方式を採用する、また、コース別講座については受益者負担を導入するというふうに変わりまして、そういう点、率直に私は評価をしております。
それで、現在インターネット上で公開されております予算要求シートを見ますと、来年度予算の予算要求額が5,900万円と、
委託料が5,900万円と従来の予算額、大体5,200万円前後だったんですけれども、それより700万円ほど増加をした予算要求額となっております。本
来なら、プロポーザルをする以上、コスト削減を考え、その中で効率的、効果的な事業を考えるのが筋だろうと思いますけれども、この点、予算要求額が増加し
た点についてはどのような内容でしょうか。
◎
瀧口 女性センター館長 男女共同参画市民啓発講座等企画運営業務については、より効果的な事業実施を図るため、事業内容を検討いたしました。新たに地
域的な広がりを持たせるため、堺区以外でのサテライト講座を開講し、また、地域社会への還元をめざすために地域社会リーダー養成実践コースを新設いたしま
した。そのための経費として約700万円と見込んでおり、今後、関係部局と調整してまいります。
◆水ノ上
委員 御答弁にありましたとおり、女性大学事業に加えて新規講座、コースを新設するということで、現在ちょうどプロポーザルが行われておりまして、あす
それが実施されるということですので、この点につきましてはその結果を待ってということですので、これ以上の議論は割愛させていただきたいと思います。
続きまして、受益者負担の考え方について、いろいろとお伺いしたいと思いますが、男女共同参画市民啓発講座等企画運営業務仕
様書によりますと、コース別講座に受益者負担を導入することになっておりますが、仕様書には、受講に際して一部負担金を堺市が徴収し、堺市の歳入とすると
しか記載されておりません。
そこで、受益者負担の経費に対する割合、もしくは適正な金額はどの程度とお考えでしょうか、お答えいただけますでしょうか。
◎瀧口 女性センター館長 現在、受益者負担を反映させるに当たり、負担金額の設定、徴収方法などについて具体的に検討しているところです。
女性が置かれている状況については現在も課題が山積しており、啓発講座の果たす役割は重要であると考えております。受益者負
担の導入については、人権啓発の視点、女性の教養や社会生活の向上を図るという市民啓発の視点、市民交流の視点等の公共的な観点と事業の持つ収益的な観点
等を勘案し、かかった経費に対する受益者負担割合を算定し金額を設定いたします。その際、現状の受講者層の実態も考慮し、希望する方の受講が困難とならな
いよう受益者負担の金額を決定することが必要であると考えており、今後調整してまいります。以上でございます。
◆水ノ上 委員 この受益者負担の適正化というのは、行政サービスの適正化、受益者負担の適正化は多くの自治体で問題とされ、いろいろな取り組みがされております。
これは行政サービスの性質分類表、こういう分類表は、きのう私、インターネットでざっと調べておったんですけれども、これは近江八幡市の
受益者負担の基本的な考え方の中にあった表なんですけれども、この同じような表が各市ございました。見えにくいかと思いますけれども、上のほうが私益性、
右が選択性、下が公益性、左が必需性というふうになっておりまして、受益者負担は私益性ですね、受益者は特定の市民かどうかというふうになればなるほど、
負担割合が高くなる。また右、選択性、公共でやるか、それとも市場でもやっているようなことがあれば、そういう選択ができるということであれば、受益者負
担率は高くなるということなんですね。ですから、私益性が高くて選択性が高ければ高いほど、受益者負担率は100%になっていく。逆に、義務教育施設と
か、消防とか、市道、河川などは必需性が高くて、また受益者は不特定多数の市民ですから、そういうサービスについては受益者負担はゼロというふうになって
おります。これは大体、受益者負担を考える考え方と言えるみたいでございます。
仕様書を拝見いたしますと、このコース別講座は教養を高める、技能を高める、音楽を楽しむ、運動を楽しむ、料理を楽しむ等の講座を実施す
るということで、今までされている例えば講座は、パソコン教室とか英会話教室、簿記教室、書道教室、茶道教室、和裁・洋裁教室、またヨガ教室など、個人的
な技能を高める、また趣味的と言ってもよい講座がほとんどでして、この分類上でいけば、私益性、個人が直接受講するわけですから私益性が極めて高くて、選
択性、ほかの市場でもある。パソコン教室はどこでもありますし、英会話教室もどこにでもあると。市がやるものを選ぶのか、市場がやるものを選ぶのかは個人
の選択にかかわるということで、選択性も非常に高い、代替がきくということで、例えばコース別講座を考えれば、一般的な分類からすれば、受益者負担率は原
則100%になるのが当然だというふうに思います。
御答弁では、受益者負担割合はまだ検討中で、プロポーザルの応募者にもまだ明らかにされていないそうでございますが、しかし、受益者負担
割合が幾らになるのか、どのくらいになるのかは、プロポーザルをして運営をする以上、非常に重要な条件であります。といいますのは、受益者負担割合によっ
て講座受講者の対象、ターゲットが大きく変わってくるからです。
例えば新規参入者であれば、受益者負担割合は常識で考えて100%、かかった経費はすべて受講生に賄ってもらうと考えるかもわかりません
し、従来の事業者は今まで無料だったのだから、急に100%の負担はないだろうと考えるかもわかりません。受益者負担割合については教育委員会が決定する
ということでございますが、原則はこの分類表のとおり、経費の100%は負担とは思いますけれども、先ほどの御答弁の人権啓発の視点、また市民啓発の視
点、市民交流の視点から、その負担割合は70%になるのか、50%になるのか、この分類表から見たら、それ以上下は考えるのは難しいと思いますけれども、
さらに下げて30%になるのか、それは教育委員会が考えて明示をしていかなければなりません。
御答弁では、現状の受講者の状況も勘案しとありますけれども、今までずっと無料が当たり前の受講者をターゲットにするのか、それとも、お金を出してでも受講したいという人をターゲットにするのか、そういうことも考える必要があると思います。
プロポーザルは、あす実施されるということですので、受益者負担割合の明示は事業者が決定した後にするということですけれども、僕は順番
が逆ではないかなと思います。まずプロポーザルで決まってから、受益者負担の割合を教えるのではなくて、今回初めてプロポーザルをし、受益者負担の導入も
するんですから、まず受益者負担割合は、堺市はこれだけ考えている、例えば100%を考えている、50%を考えているということを明示した上でプロポーザ
ルをすべきだというふうに思います。そういうことをしなければ、適正なプロポーザルができないのではないかと思いますけれども、この点、地域教育支援部
長、御見解をいただきたいと思います。
◎
油野 地域教育支援部長 今、委員御指摘のことでございますけれども、今御指摘のように、仕様書において、受講に際して一部負担金を堺市が徴収し、堺市
の歳入とするというふうに記入をした上で公募を行っているものでございます。また、受講料の有無、このことについて、プロポーザルの提案について影響はな
いものと考えております。業者につきましては、仕様書に基づいて提案をしていただくことができるというふうに考えてございます。
また、金額の設定につきましては、先ほど館長が答弁をしたとおり、公共的な観点、それと収益的な観点も勘案した上で、受益者負担割合を算
定して金額を設定し、これは市の歳入としたいというふうに考えております。また、受益者負担の金額の設定に当たりましては、当然、利用者の理解が得られる
ような金額ということも考慮に入れなければならないというふうに考えております。以上でございます。
◆水ノ上
委員 まず、プロポーザルに影響を与えないと言い切れるのが、なぜそう言い切れるのかわかりません。受講者は今まで無料であった。新たな受講者に来てい
ただくというのであればいいんですけど、今まで無料の受講者が幾らだったら来ていただけるかということは、非常に重要な情報ですので、それが開示されずに
何も影響がないというのは、私は理解できないと思います。
それと、金額の設定ですけれども、あそこに小さい文字で書いておりますけれども、見えないかと思いますが、例えば100%の
ところにスポーツ・趣味的教室、また公民館でやる趣味的講座等は、受益者負担は100%になっているんです。それは、ほかと代替性があって個人に対する
サービスだから、それはかかった経費は100%負担すべきだというふうになっておりまして、これは私の知る限り、どこの市でもそういうふうになっていま
す。
先ほどおっしゃったように、公共性とかそういうのはいろいろ勘案しても、まずそういうことがベースになって考えていかなけれ
ばならない。新たに受益者負担という発想を入れた限りは、まず、だれが見ても納得できるような金額設定をお考えいただく必要があるのではないかというふう
に思います。先ほど館長の答弁はございましたけれども、それは勘案したとしても、普通ならば、スポーツ教室や公民館の講座は100%から始まるということ
をまず頭に入れていただきたいというふうに思います。
こういうところから私は、今回プロポーザルされるんですが、まずこういう受益者負担割合を明示されずにされるのは、非常に疑
問に思っております。決定的な情報が欠落しているとも私は考えております。こういう中でプロポーザルをされて、従来の事業者が決定され、しかも予算は先ほ
ど申し上げたとおり、5,900万円と予算を増額しております。しかも受益者負担がもしただみたいな金額に設定されるとすれば、まさに焼け太りじゃないで
すか。そう言われても、そう非難されてもおかしくないですよ。そういうことをお考えいただきたい。行政のコストを削減するためにはどうしたらいいかという
プロポーザルですから、まず適正な価格を受講者にお支払いいただいて、その上で効率的な運営をする。このことについてお考えいただきたいと思います。
市長には昨年の議論がございますので、本来なら質問をし、御答弁をいただきたいところでございましたけれども、あしたプロ
ポーザルが行われるということですので、市長の御発言は非常に重いので、あすの決定に影響を与えてはならないという配慮から、本日はこれで終わらせていた
だきます。
ただ、市長の昨年の御答弁により、本年プロポーザルが行われ、また受益者負担の考え方も導入されることになったわけでござい
ますから、きょうの議論をよく踏まえた上で、しっかりと目を光らせていただきたいと、このようにお願いを申し上げて、私のきょうの質問を終わりたいと思い
ます。ありがとうございました。
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