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水ノ上成彰は堺市西区選出の堺市議会議員。

TEL. 072-263-0333

〒592-8348 堺市西区浜寺諏訪森町中3丁272-2

堺市議会報告 議会発言集CONCEPT

平成23年9月21日 22年度決算審査特別委員会

*地方自治制度について
*職員基本条例について

◆水ノ上 委員  おはようございます。大阪維新の会堺市議会議員団の水ノ上成彰です。
 本日は台風が接近をしているということで、非常に大きな被害も出ているようでございます。ことしは災害の多い年で、本当に被災された方に心からお見舞いを申し上げます。台風が接近しておりますが、実はこの台風の中心はここにあるかもわかりませんので、御答弁のほど、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私のほうからは通告どおり御質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 まず最初に、今定例会で議論されました地方自治制度について御質問をいたします。
 今議会においても、大綱質疑、各委員会また決算分科会などで、地方自治制度改革がいろんな切り口から議論をされました。大阪維新の会が進めております大阪都構想について、また大阪府、大阪市、堺市で上程または上程が予定されております職員基本条例案、教育基本条例案も議論がなされたと承知をしております。
 大阪都構想には大阪市民のみならず、大阪府民全体、またとりわけ堺市民も大阪維新の会堺市議会議員団が組織されています関係上、当然のごとく関心が非常に高いということでございます。
 大阪維新の会では、9月18日に堺市民会館におきまして熟議会を開催をいたしました。新聞紙上でも掲載されておりましたけれども、堺市民を中心に60名の方々にお集まりをいただきまして、大阪都構想の是非をさまざまな角度から議論いただきました。賛成の意見もあれば、反対の意見もありました。どちらにいたしましても傾聴に値するものであり、深く我々も参考にさせていただいたというものでございました。
 その中の意見といたしまして、大阪都構想は堺改革にもつながる。政令指定都市になっても市民生活は何も変わらなかった。区長公選も賛成だ。ぜひ堺市も大阪都に参加してくれというような意見や、また反対に、堺市は今のままでもいい。美原町と合併してやっと政令指定都市になったのだから、急いで堺市を大阪都に参加させる必要はないなどという反対の意見もございました。しかし、おおむね我々が主催したこともあるんでしょうけれども、堺市も大阪都に参画すべしという意見が多かったように思います。
 さて、堺市は、とりわけ竹山市長は、この我々大阪維新が提唱いたします大阪都構想にどのように接していくのか、これまでたびたび議論をしてまいりました。本日もそのことについてお聞きをしたいと思います。
 まず、9月8日の市民人権委員会でソレイユ堺の米谷議員の質問に対して市長が御答弁をされておりますので、まずそちらのほうから御質問させていただきたいと思います。


 ここにありますように、堺市における都市内分権について御質問をされました。大阪都構想は地方分権論の1つではあるが、内容は集権論ではないかと考えているが市長の考えを問うという質問でございました。それに対して市長はその中で、大阪都の問題についての肝は、大阪府と大阪市の二重行政をいかに解消するかというところから始めたと理解している。府民、市民の税金をいかに効率的に使うか、そういう意味で大阪都は考えられた。その延長でいくと、大阪市を分割する必要はないんです。よく話し合い、お互いに役割分担をきちんとやればいいというふうに御答弁をされておりました。
 竹山市長は今まで、大阪都構想については大阪府と大阪市の問題であり、大阪府と大阪市の協議の状況を見定めた上で堺市はどうするかということを判断するという態度を貫いてこられました。しかし、この答弁は従来より一歩踏み込んだ発言であって、市長が大阪市の解体論に関して公の場で初めて反対の意見を表明したことは大きな影響があると私は思っております。
 11月27日は大阪府知事選挙と大阪市長選挙が同日に行われる、いわゆるダブル選挙が行われるのはほぼ確実です。その前にこういう発言があったということは、かつて橋下知事が竹山市長に絶縁宣言をしたように、今度は竹山市長から橋下知事への絶縁宣言とも受けとめております。橋下知事は知事を辞職し、大阪市長選に出馬することがほぼ決定しており、平松市長と事実上の一騎打ちが予想されております。この大阪市長選挙の最大の争点は、まさしく大阪市を解体して大阪都にかじを切れるかどうかということであると思います。大阪市の解体は橋下知事は必要と考え、平松市長は解体は必要ないと真っ向対立をしております。
 そこで竹山市長にお伺いいたします。竹山市長は大阪都構想にまず賛成なのか反対なのか、また、大阪市を解体する必要はないという発言から平松市長への支援とも受け取れますが、以上2点、竹山市長の発言の真意をお聞かせいただきたいと思います。

◎竹山 市長  私が市民人権委員会でお答えしたのは、まさに二重行政の解消が今この国難とも言える日本の中において大阪に求められているのではないかというふうなことを申し上げたつもりでございます。現在東日本大震災を契機として、日本は大きな危機の局面を迎えております。この中において、関西、大阪から元気になる、そして日本を復興、再生していく。それは、やはり大阪府と大阪市がお互いにいがみ合っててはだめなんです。ある意味で役割分担をきちっとして、広域の仕事、基礎自治体の仕事をはっきりと明確にしながら話し合っていく、それが私は一番今日本全体にとっても求められている、そのように思います。だれにつくとかそういう問題ではなくて、我々大阪、関西から日本を復旧、復興していく、この視点がまさに今求められているというふうに私は思います。

◆水ノ上 委員  大阪府と大阪市がいがみ合うのはいかがなものかという話ですけれども、二重行政というのは、今まで大阪府と大阪市がいがみ合ってきたから二重行政になっているんです。今まで一本化してたらそんなことはない。ですから、いがみ合ってるから一つにしようというのが大阪都構想、私はそういうふうに理解をしております。
 そういう意味から、いろいろ市長さんが仲裁に入るとかいう話はありますけれども、そういうことではなくて、将来を考えた上で我々は大阪都構想を進めなければならないと、このように思っているわけであります。
 だれを応援するか云々という話はありましたけれども、あえてお伺いさせていただきますが、このダブル選挙におきまして、竹山市長は橋下知事を応援するのか、平松市長を応援するのか、明確にお答えいただきたいと思います。

◎竹山 市長  お尋ねの予想されるダブル選挙においてどなたを応援するのか、平松さんは日曜日、出馬宣言されましたね。橋下さんは、まだされておりません。そういうふうな状況の中で、私自身も今ここでなかなかはっきりとお答えすることはできないところでございます。
 ただ、私は橋下知事に行政改革、府政改革はいかにあるべきかというふうなことを教えていただきました。そしてあのすばらしい発信力、世界に大阪を売り込む、その発信力を教えていただきました。それは私は非常に感謝しております。そして平松市長とも、近隣の市長さんですので、いろいろなおつき合いをしております。そして平松市長との間にも、4政令市の市長としての連携も行っております。
 このような中で、私は以前、橋下知事と平松市長と私で何回か一緒にプライベートな懇談をしたことがあります。そういうふうな懇談の輪が今まさに必要ではないかというふうに思っています。忌憚なく将来の大阪、強い大阪、そして成長戦略も含めての大阪のありようについてお話ししていく。これが最終最後の1%まで求めていかなければならないと私は思っております。
 そういう意味で、どちらにつく云々の問題ではなくて、私は大阪を強くしたい、大阪を元気にしたいという思いから申し上げているところでございます。

◆水ノ上 委員  なかなか答えにくいとは思ってお聞きしておりますけれども、ただこのことについては大阪府、大阪市のありようを考える上で避けて通れない、いずれ必ず2カ月後に結果が出ることでありますから、堺市にも大きな影響を及ぼしますし、大阪府、大阪市のありようを変える大きな出来事であることに変わりはない。
 我々は大阪都をめざすためにしっかりと頑張っていきたいと、このように思うわけでございますが、竹山市長におかれましては、ちょうど2年前の選挙のときには橋下知事の全面的な応援のもとで市長に当選をされた。そういう意味から、竹山市長が当選されたのは、その当時は無名であった竹山市長が当選されたのは、竹山市長の政治手腕またマニフェストを市民が選択をして期待したのではなくて、橋下徹知事とともに大阪改革をしてほしいという思いから、堺市民は竹山市長に13万6,000票でしたか、という大きな票を入れたというふうに私は思っております。それは竹山市長もそう言っておることでございまして、当選確実の報を受けて市内の事務所では、橋下知事と一緒に大きな改革を堺から全国に発信していきたいというコメントもされておりますし、勝因を問われると、私個人の力では無理だった、橋下知事のアピール力はすごいというふうに素直にその勝因を認められておられます。
 そういうところから竹山市政が誕生したわけでございますが、その竹山市政を誕生させた橋下知事が大きなこれから勝負に出られる。それも大阪を根本から変える改革をしようとするというときに、竹山市長はこの橋下知事とともに大阪改革をするのか否かということを改めてお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎竹山 市長  私は大阪都構想の基本理念、強い広域自治体、優しい基礎自治体については賛同しているところでございます。そしてその理念のもとに、私自身も堺の市長として堺の今後の将来のあり方についてきちっと考えていきたいと思っております。私は堺原理主義者です。堺を中心にこの日本、大阪の政治を動かしていきたいというふうに思っています。堺市民があってこその堺市政だというふうに思っております。そういう意味からすると、堺を分割して本当に堺が、堺の市民が幸せになれるのか、そういうふうな見地からきちっと検証しなければならないというふうに思っております。
 私の選挙のときには大阪都構想は全くございませんでした。地域主権をいかに発展させるかということで、橋下知事と一緒になってやっていこうというふうな確認をしております。そういう意味で、私は堺の市長として堺市民の立場に立って、堺市政を発展するという立場に立って頑張ってまいりたいというふうに思っております。

◆水ノ上 委員  堺原理主義者ということでありますけれども、堺にとらわれておっては全体のことが見えないということも確実なことであります。この改革というのは、数十年に一度の改革だというふうに私は思っています。政権が自民党から民主党にかわって、それでも何ら大きな改革は進まない。逆に衰退の一途をたどっている。それは官僚支配が盤石であるからというふうに思っているわけであります。
 我々の最終の目標は、霞が関官僚体制の解体にあるというふうに思っています。それなくして日本の復活はない。幾ら政権がかわっても、この日本は大きな一歩を踏み出すことはできない、このように思っております。その中央ができないのであれば、地方からしなければならない。大阪市が解体されて大阪都になれば、地方から火の手が上がります。明治維新が薩摩や長州のような本当に地方から起こった。それは、その当時は薩摩や長州の田舎侍が何をやっているかわからなかった。しかし、その改革、エネルギーがどんどん大きくなって最終的には徳川幕府を倒した。その歴史的教訓から、この官僚体制を打破するのには、このワンチャンスしか私は、我々大阪維新の会はないというふうに思っております。
 今の霞が関体制というのは、かつての徳川幕府と同じ。大きな環境の変化についていくことができません。私は、堺市もこの大阪都構想にチャーターメンバーとして参加をする、そして大阪改革のための先駆けになるべきだというふうに思っています。言ってみれば、版籍奉還、この堺という版籍を、それを集権化する。大阪というものに集権化して強い大阪をつくっていく。そのためにはこれは避けては通れない、このように思います。
 私は、この11月27日にダブル選挙がございます。それに大阪府、大阪市だけではなく堺市がそれに参画するためには、態度ははっきりされておりませんけれども、一度堺市の市長が辞職をして、大阪都をめざすのか、大阪都にノーなのかというダブル選挙ではなくてトリプル選挙をすることによって、この大阪都構想は2年早く実現できると、このように思っております。この決断をできるのは竹山市長だけ。この決断を私は促したい。大阪維新の会としては強く思っているわけであります。


 何度も申し上げますけれども、堺市だけのことを、堺市はもちろん私は生まれ故郷でありますし、堺というのは大事だと思います。堺市のコミュニティを壊すことは決してありません。役所のあり方を変えるということでございます。
 従来より議論されております区長公選も1つであります。現在の7区の区長は市長の任命によって決まる。市民の声が届きにくい。いろいろ改革はしておりますけれども、10万から30万のそういう我々が公選をする区長を選んでこそ、身近な基礎自治が達成できるというふうに思っております。そういうところから、我々はダブル選挙といわずトリプル選挙、ぜひ決断をいただいて、大阪都構想実現をして大阪から変えていく、このように思っております。
 長州や薩摩が改革をしているとき、先ほども申し上げたとおり、中央では何も情報はありませんでした。今東京では大阪が何をしているか、わかりません。しかし、この改革のマグマというものは沸々と沸き上がっています。それは4月の統一地方選挙の結果をごらんになったとおり、我々は熟議会を通しても数々の市民の皆さんから大阪都構想の必要性を感じているからこそ、我々の独占ではなくて、市民の意見を取り上げて皆様方にこのような話をしているわけでございます。いたずらに政局を好むものではありませんが、10年に一度のこの大阪を変えるチャンス、これを逃しては、大阪の改革、しいては日本の改革はないと信じておりますので、どうか我々の意を酌んでいただき御決断をいただきたい、このように要望を申し上げて、この質問を終わりたいと思います。


 続きまして、職員基本条例について御質問をさせていただきます。
 大阪維新の会は、大阪府、大阪市そして堺市で、公務員制度改革の目玉として職員基本条例案と教育基本条例案を提案する予定でございます。堺市では11月議会で提案を予定をしております。そのために鋭意作成をしております。
 日本の公務員は、労働基本権が制限されるかわりに身分が保障されております。そのため、犯罪を起こさない限り公務員は首にはならないと思われていますが、誤解であります。勤務実績の悪い職員などに対し免職などの分限処分を下すことができる、また、地方自治法は法律に定める根本基準に従い、条例で職員に関する事項について必要な規定を定めるとしていますが、実際に条例を定める自治体はございません。このため、分限処分の基準が明らかになっておらず、問題職員が放置される傾向にあります。
 逆に公僕として懸命に働く職員は報われない現実もあります。硬直した公務員制度が住民不在の行政と社会の停滞を生み出したのは明らかでございます。適正な評価基準を確立し、給与面に反映させるなど、厳正に運営することにより、硬直した公務員制度は機能し出すと考えております。もちろん懲戒や分限処分の基準を明らかにすることも不可欠だというふうにも思います。
 そこで職員基本条例についてですが、これにつきましては、さきの大綱質疑で米田議員、また総務財政委員会におきまして三宅議員が質問をした内容に続いてお伺いをしたいと思います。
 現在市が実施しております人事評価制度について管理職以上に適用しているとの答弁がございましたが、非管理職についてはどのようになっておりますか、お答えください。

◎比嘉 人事課長  本市の人事評価につきましては、平成20年度から全職員を対象に試行しておりまして、管理職につきましては、平成22年度から本格実施に移行したところでございます。課長補佐級以下の非管理職につきましては、現在も試行としております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  全職員を対象に試行した結果、現在、管理職は本格実施しておると、課長補佐級以下の非管理職については現在も試行しているということですけれども、それ以前は管理職におきましても評価結果の給与や勤勉手当への反映は実施しなかったということでしょうか。また、非管理職の人事評価が試行中ということですが、評価結果の給与などへの反映は未実施という認識でよろしいでしょうか。

◎比嘉 人事課長  管理職につきましては、平成22年度の後期の評価結果を本年6月の勤勉手当に反映をしたところでございまして、人事評価の試行中につきましては、給与や勤勉手当への反映は実施しておりませんでした。また、課長補佐級以下につきましては現在も試行中でございまして、給与等への反映はまだ行っておりません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  管理職についても平成22年まではいわゆる横並び、評価はあるけれども給与面の差はなかった。非管理職につきましては、現在も評価は試行中ですけれども、全く給与面には反映されていない、横並びということであります。
 それでは、管理職と非管理職の職員数、それぞれ何人ぐらいいらっしゃいますか。

◎比嘉 人事課長  平成23年4月1日現在の職員数で課長級以上の管理職が721人、課長補佐級以下の非管理職につきましては、5,311人となってございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  合計、単純計算しますと6,032名の職員さんがいらっしゃって、そのうち12%が課長級以上の管理職ということであります。88%が非管理職ですが、5,000人を超える職員の給与に評価基準が反映されていない。いわば、入った年から数えて勤続年数に応じて横並びというふうに思いますが、このことについてどのようにお考えでしょうか。

◎比嘉 人事課長  課長補佐級以下の人事評価については、現在試行中ということで、これから人事評価につきましても本格的な実施を検討を進めてまいりたいというふうに考えてございますけれども、横並びということにつきましては、以前答弁させていただきましたところでございますけれども、昇任時の年齢において一定の差等がございまして、横並びということでは決してないのかなというふうに考えてございます。
 また、若手職員の選抜ということで係長級試験等も実施してございますので、意欲と能力を備えた職員の登用に努めているところでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  それでも給料に今のところ差は生じてないということですよね。

◎比嘉 人事課長  人事評価の結果を給与等に反映しているということは、今のところはまだございません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  先ほど課長補佐級以下、非管理職についても早期に本格実施したいということでしたけれども、早期というと大体いつぐらいのことをお考えでしょうか。

◎比嘉 人事課長  課長補佐級以下の人事評価につきましても、既に試行を重ねてございまして、一定の蓄積というものはできてきているのかなというふうに考えてございます。その点を踏まえまして早期にということでありますので、具体的な時期としていつというのはちょっとまだはっきり申し上げられませんけれども、速やかに移行していきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  職員の中には、どこもそうなんですけれども、非常に頑張っている職員とそうでもない職員というのは必ずいるわけでございます。そういうところから、頑張って管理職になられる方と管理職まで昇級せずに退職する、退職時に管理職であった職員とそうでない職員の割合というのはどの程度ありますでしょうか。



◎比嘉 人事課長  定年退職者におけます管理職及び非管理職の割合につきましては、過去3年間の平均で管理職の割合が27%、非管理職の割合が73%となってございます。以上でございます

◆水ノ上 委員  100人新入で入って、そのうち73%の人が退職するときには非管理職のままで終わるということであります。その非管理職の方々については現在も評価の結果が給与等には反映されていないということでありますが、それでは生涯賃金と退職金についてお伺いさせていただきたいと思います。管理職と非管理職の格差がどのくらいあるのか。例えば課長級職員と、役職のついていないいわゆる平職員の例でお示しいただきたいと思います。また、生涯賃金と退職金の合計金額の差についてもお答えください。

◎東山 労務課長  御存じでしょうけれども、給料月額というのは学歴、前歴、その他昇任時期等でさまざまになりますので異なってきますけれども、あくまで理論上ということで計算いたしました。ちょっと前提条件を申しますと、現在の給与制度をもとに、大卒で60歳の定年まで38年間勤務したということで計算しました。管理職につきましては、この23年4月1日の昇任の平均年齢をもとに課長級を最終までとし、非管理職につきましては一般職で定年を迎えたという例で、それぞれ生涯賃金、退職手当を試算いたしました。管理職手当、地域手当、期末勤勉手当を含みました。それ以外の手当は含んでおりません。
 まず、生涯賃金につきましてですけれども、管理職ですけれども、約2億2,400万円、一般職ですけれども、1億9,700万円、その差は約2,700万円となっております。
 次に、退職手当でございますけれども、管理職は約2,700万円、一般職ですけれども、これは2,200万円で、その差は500万円となっております。
 もう一つ、生涯賃金と退職手当の合計額の差としましては、一応理論上の計算ですけれども、3,200万円となっております。以上です。

◆水ノ上 委員  退職金を含めた生涯所得を考えた場合、管理職は約2億5,000万円、非管理職は2億2,000万円ということで、約3,000万円超の差があるわけですが、それが多いか少ないかというのは難しいとは思いますが、それでも頑張って非管理職のまま終わる方とそうでない方もいらっしゃる。そういう方も含めて2億2,000万円というのも非常に高いのかなという気がいたします。
 その3,000万円というのは差があると言えないということも言えると思いますが、やる気のある職員をしっかり評価してモチベーションを高めることが大事であり、やる気のない職員に対しても処遇面での差がないのであれば、まさに横並びということではないでしょうか、いかがですか。

◎比嘉 人事課長  処遇面での差がないのであれば横並びではないかという御指摘でございますけれども、まず給与等の差について一定の差があるということについて、これが多いのか少ないのかということにつきましては一概に申し上げにくいところでございますけれども、処遇面での差がないから横並びかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、昇任時の年齢にも差があるということとか、いろいろな点を総合的に見まして、必ずしも横並びというものではないのかなというふうに考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  先ほどの試算ですが、非管理職の生涯所得は2億2,000万円ということですけれども、退職されるほとんどの方がこのくらいいただいているということですよね。

◎東山 労務課長  一応現在の制度でこれは理論計算しておりますので、理論的には今やめる方々はそれ以前の制度でそれぞれ適用しておりますので、ちょっとそこの点につきましては確実にこの金額ということはちょっと言えませんけれども、理論上は約2億2,000万円ということが言えると思います。以上です。

◆水ノ上 委員  73%の方が非管理職で終わるという御答弁でしたけれども、その73%の方々の生涯所得についてはそれほど大きな差はないと考えてよろしいんでしょうか。

◎東山 労務課長  2億2,000万円のどれぐらいが幅が大きな差かというのがちょっとそれぞれ主観があると思いますけれども、1つの目安だと考えております。以上です。

◆水ノ上 委員  現実問題として、能力がないとか、やる気がないとかいう職員がいるように感じておりますけれども、そのような職員には厳しい対応も必要かなというふうに思いますが、市はどのように現在のところ対処しておりますか。

◎比嘉 人事課長  やる気や能力がない職員など職責を十分に果たすことができない職員への対応といたしましては、平成22年2月に職員意識改革支援制度を設けているところでございます。この制度によりまして、対象となる職員に対しまして所属長による育成指導や意識改革研修の実施によって意識改革を促し、職務遂行能力の回復や向上となるよう職員への支援、指導を行っているところでございます。
 なお、職責を十分に果たすことができない理由が心身の不調に起因する場合につきましては、医療機関への受診勧奨を行い、医師から長期に休養が必要な診断がなされた場合には、堺市職員医療審査会の審査を経まして、必要な期間休職を発令することとなってございます。以上でございます

◆水ノ上 委員  やる気のない職員の指導も大切ですけれども、人事評価でもっときっちり差をつけるべきではないかというふうに思っております。また、それを給与のほうに正しく反映させることも必要かなというふうに思います。
 さきの大綱質疑において、堺市の人事評価は絶対評価に基づいて実施しているとの御答弁でございましたが、絶対評価ではなれ合いの評価となって、低い評価となる者はいなくなる傾向にあるのではないかと思います。緊張感のある職場にするためには、評価の分布割合を定めた相対評価を実施すべきであり、相対評価で実施した結果、連続して最低ランクの評価となる職員は、研修の後ですが分限免職も必要ではないかというふうに思いますが、いかがですか。

◎比嘉 人事課長  評価の実施に当たりましては、能力評価、それから業績評価ともに客観的な事実に基づいて、なれ合いにならないように適切に評価することが肝要であると考えてございます。

委員お示しの相対評価につきましては、めり張りのついた評価を行いやすいというメリットがある一方で、被評価者の能力や業績の絶対的な水準にかかわらず、低い評価がなされるおそれが生じるというデメリットもあるのかなというふうに考えてございます。
 今後とも絶対評価を基本としながら、めり張りのついたより精度の高い人事評価を実施してまいりたいと考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  絶対評価には甘い評価になりがちだというデメリットがあると思います。ただ、相対評価がすべていいかというと、相対評価も課によって非常に温度差がありますので、一律に適用をするのも私は難しいとは思っておりますけれども、ただ範囲を広げて、例えば我々がめざしておりますのは、5段階評価でD評価が5%であれば、それを課で課すのではなくて、例えば局また堺市全体、職員全体にかけて、そういう評価を2年連続で受けた人については研修の後、分限免職の可能性もあるというような評価のことも取り入れていきたいなと、このように思っております。
 市民の皆様から苦情もたくさん寄せられております。どういう苦情かといいますと、職員の方々の態度が気に入らんとか、ささいなことですけれども感情的になられる方もいらっしゃいます。市民の方に非があるときもあれば、職員の方に非があるときもありますけれども、私も往々に聞きますと、やはり職員の態度にも非常に問題があるというケースが多く見受けられます。どこまで評価をするかということはこれからの課題ですけれども、そういう職員さんが1人いらっしゃったら、やはり周りにも伝染をしていきます。そういう面で、そういう方を早期におやめいただくようなそういうシステムもこれからは必要になっていくかなと思います。
 我々大阪維新の会が言うてるのは、民間であれば当たり前のことなんですね。冒頭で申し上げたとおり、身分保障がされておりますので、よほどのことがない限り免職はされませんけれども、そうではなくて、やはり税金で、先ほども2億数千万円ということがありましたけれども、それはすべて税金です。それに値するような職務をしているのかどうか、それをきっちりと判断をしていただいて、市民の方々も自分が税金を払うてるのであるから、それなりの仕事をしてほしいというそういう思いから、いろいろ苦情をされるというふうに思っておりますので、その点御理解いただきたいというふうに思います。
 繰り返し育成指導したが改善が見られない、そういう方について分限免職するようなシステムは今でもあるんでしょうか、念のためにお伺いしたいと思います。

◎比嘉 人事課長  所属長の育成指導や意識改革研修を繰り返し実施したにもかかわらず改善が見られないといったような場合、また、休職等による一定の療養期間を経ても病気の改善が見られないというような場合につきましては、地方公務員法に基づきます分限処分も当然あり得るものと考えてございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  最後に、市長にお伺いしたいと思います。
 職員基本条例については、その必要性は認められているということで大綱質疑にもそういう御答弁がございました。今後それをどういうふうに形づくっていくかということが必要だというふうに思います。
 きょう議論しておりました評価の基準ですが、まだ試行段階で全部の職員さんには完全実施していないと。今後そういう評価というのをどうしていくのか。また踏み込んで、今は絶対評価で甘い評価がされているところもあると思います。そういう面についても相対評価という考え方もあると思います。その点について最後に市長にお伺いしたいと思います。

◎竹山 市長  まず、先ほどお示ししました一般職の方の生涯賃金が2億2,000万円という額でございますけど、これはあくまでも現時点で入った方が現時点の給与制度を使って38年在職したとする全く理論値でございますので、みんなこんなもうてるというわけではございません。38年、今の段階で入った人がそのままというふうなところでございますので、そのあたり誤解のないように。えらい公務員ぎょうさんもうてるんやなというふうなことではないです。だから在職期間が15年の方もおるし、10年の方も、特に堺市は中途採用の優秀な方来ていただいてますので、そういうふうなことでございますので、誤解のないようにお願いしたいというふうに思います。
 人事評価制度の問題でございます。
 私は何のために人事評価をするかといったら、やはりお互いに自分の目標と組織目標をはっきりさせるために、組織のために、組織を活性化するために人事評価をする。それともう一つ大きなのは、人材育成という観点から人事評価をするという原点に立ち返らなければならないというふうに思っています。
 そういう意味で、人事評価をするときは必ず到達点を所属長と本人がきちっとお話しすると。ここはこうやったねと、これは君ようできたねと、この点は次期は頑張ってねというふうなフィードバックする、これが大事であるというふうに思っております


 御指摘のように、絶対評価のやり方が場合によったら組織のなれ合いを生じさせるという場合もあるかもわかりません。そして人によって寛大化傾向とか中心化傾向というふうな、評価の言うたら1つのデメリット面もあるかもわかりません。そういったものを廃しながらきちっとやっていくのは、やはり評価者研修というのをきちっとすべきだというふうに思っております。私もそういう意味で、大阪府では何度か評価者研修も受けましたし、講師もさせていただいています。さまざまな議論の中で、私たちは公務員が本来やはり市民のための全体の奉仕者としてきちっとした仕事をできているか、そして与えられた仕事をプラスアルファしているかというのをやっぱり市民の方にお示しすることが必要だと思います。そういう意味で、人事評価というのをきちっとしなければならないと思っています。
 お示しのように、絶対評価の中から、そして相対評価もかみ合わせてやるというのが私は現段階では適正だと思います。民間のあしき成果主義になったらあかんと思います。相対評価を余りにも厳しくすることによって組織全体がぎくしゃくするということは、やっぱり避けなければならないと思います。お互いに組織を活性化させるという目的で人事評価をうまく使っていきたいというふうに思っております。

◆水ノ上 委員  まず最初に、生涯賃金、生涯所得の話ですが、これ理論値ですけれども、今退職された方、一度どのくらい生涯賃金があるか、試しに教えていただきたいと思います。
 人事評価のことですけれども、人事評価というのは長年今まで公務員制度の中でやってきた制度というのがあって、なかなかそれを一遍に変えていくのは難しいのはわかっておりますけれども、その制度に乗っかって、仕事もそこそこしかしないのに、やはり役人天国と言われながらのうのうとしている方もいらっしゃいます。そういう方をどうやって退場させていくかということも大きな課題だというふうに思います。
 普通の民間企業であれば、おまえはもう首やとそれで済むわけですけれども、何かいろいろ言われますけれども、そやけどよっぽどできの悪い人は、やっぱりそういうことはあります。ですから、それはそれでそういう方がいらっしゃったら大きな影響がありますので、しっかりルールをつくって、ルールのもとでそういう評価をしていっていただきたいというふうに思います。以上でこの質問を終わります。
 思いのほか時間が経過をしておりますので、ちょっと早目に進めたいというふうに思いますが、続きまして、教職員の評価についてでございます。
 教職員の評価につきましても、基本的には今の公務員の市職員のことと同じことを質問したいと思いますが、ただ、教職員につきましては教職員の特別の事情もございますので、そういうところを加味してお願いしたいと思います。
 まず最初に、本市学校園での管理職の割合についてお答えください。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  平成23年5月1日現在の本市立学校園教職員総数4,452人のうち、管理職は299人でございまして、その割合は6.7%でございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  校長また教諭という立場で定年退職した場合、生涯所得及び定年退職前の年収はどのくらいの差があるんでしょうか。また、教諭は現在S、A、B、C、Dの5段階評価されておって、A、Bだけ見ますと95%を超えております。その中でA評価とB評価では定年退職前の年収にどのくらいの差があるのか、お答えください。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  現行の給与制度をもとに、大学を卒業され教諭としてすぐに採用されて定年まで38年間勤務をしまして校長として55歳に任用されたというふうな設定の上で、現在堺市立学校園教職員には特例減額としまして、校長として月額給料の11.5%、教諭としまして月額給料の3から9%の減額がされておりますが、その減額を反映せずに計算した数字でございます。


まず、校長の職にあった者の生涯所得でございますが、給与約2億6,000万円、退職手当約2,900万円の合計2億8,900万円でございます。次に教諭でございますが、生涯所得、給与が約2億5,000万円、退職手当約2,600万円の合計約2億7,600万円と見込まれます。その差は、給与約1,000万円、退職手当約300万円の合計1,300万円となる見込みでございます。また、定年退職前の年収といたしまして、校長で約1,040万円、教諭で約940万円となっておりますので、その差は約100万円でございます。
 最後に、定年退職前の教諭でA評価とB評価の教職員の年収の差でございますが、約7万円程度と見込まれます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  先ほどの職員と比べて給料は高いんですけれども、ただ管理職とそうでない者の差がほとんどないというのが教職員の特徴だというふうに思います。
 特別減額を入れてないということですが、特別減額を入れると退職前の年収はほとんど変わらない、校長先生も教諭の方々もですね。校長先生は非常に御苦労されているにもかかわらず、平の教諭とはほとんど年収は変わらないということで、そういう評価は、そういう差はどうかなというふうには思います。
 進めますが、平成22年度の評価結果、先ほど5段階と言いましたけれども、その分布をお示しください。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  平成22年度の堺市立学校園における教職員の評価・育成システムの評価結果でございますが、総合評価におきまして、S評価が全対象者の2.4%、A評価が49.7%、B評価が47.0%、C評価が0.9%、D評価がゼロ%となっております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  S、A、B、C、Dとあるんですが、CとDはほとんど対象者がいませんが、CやDの評価というのはどのような評価なんでしょうか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  本年度から評価のほうがSがSS、AがS、BがA、CがB、DがCと評価の表記が変わっておりますが、これまでの状況に関する質問でございますので、昨年度までの表記でございますS、A、B、C、Dで御説明をさせていただきます。
 総合評価につきましては、Sは非常に高い評価、Aは高い評価、Bは標準的な評価、Cは低い評価、Dは非常に低い評価となっております。総合評価としてのCでございますが、1年間の目標の達成状況でその目標に達しておらず、能力を十分に発揮していなかったということが考えられます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  CやDの評価は非常に少ないわけですね。実質5段階と言いながら実質3段階と言ってもいいような状況。これはなぜかといいますと、大阪府の府下全体の評価結果の分布を見てもそうなんですね。お示しいただいていますけれども、府下全体もほとんど変わらない結果。ということは、堺市だけがそうではなくて、府下全体が私から見たら非常に甘い評価をしているのではないかというふうに思います。Dだけが昇給なしということでありますのでね。
 続いて御質問いたしますけれども、各評価による給与への反映状況はどうなっていますでしょうか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  給与への反映状況でございますが、給与につきましては評価結果等が活用されます。勤務成績に応じて昇給幅が決まり、昇給号数が決定をされます。現行制度では、S及びA評価では5号の昇給、B評価で4号の昇給、C評価で3号の昇給、D評価につきましては昇給はございません。

また、勤勉手当につきましては、平成23年の6月の成績率を例にとってお答えを申し上げますが、各評価の間で0.5月から0.55月の差がついております。例えばA評価とB評価の間では金額で約2万円の差となっております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  勤勉手当についても評価によって大きな手当の差はないと。また、S評価、A評価、またA評価とB評価の金額的な差についてもお聞きしておりますところ、わずかの差しかないというふうに聞いております。

こういう状況から、平成24年度以降、給与反映方法が変更されると聞いておりますが、どのように変わりますか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  教職員の評価・育成システムの給与への反映につきましては平成19年度より実施されておりまして、5年が経過する中で、大阪府におきましてもこれまでの結果を総合的に検証し、平成24年度以降の給与反映方法を変更することになっております。
 主な変更内容でございますが、影響が単年度である勤勉手当でより反映させることが適当であるとの考えから、勤勉手当につきましては上位区分者への配分資金を倍増し、成績率に反映させる予定の変更内容となっております。
 一方、将来にわたって影響が及ぶ昇給時の反映幅を少なくするため、従来S・A評価であった者の昇給が5号給から4号給になるとともに、C評価の者の昇給も3号給から2号給へと変更される予定でございます。また、自己申告票未提出者につきましては昇給なしとなる予定でございます。以上です。

◆水ノ上 委員  教職員の評価・育成システムの給与への反映については大阪府の方法によっているということですけれども、堺市独自で評価システムを実施することはできるんでしょうか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  堺市立小・中学校の教職員は府費負担教職員でございます。府費負担教職員につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第46条の規定に、県費負担教職員の勤務成績の評定は地方公務員法第40条第1項の規定にかかわらず都道府県委員会の計画のもとに市町村委員会が行うものとするとございます。評価を実施するのは堺市でございますが、法に基づき定められた大阪府教育委員会規則を根拠とし、府の制度が適用されることになっているため、市独自では行うことができません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  市独自で評価システムを実施することはできないと、府費負担ですからね、府が3分の2、国が3分の1で市はゼロということですから、それはできないということです。

我々は先ほどの職員基本条例のことでもそうでしたけれども、今は絶対評価ですが、教職員についてもやはり相対評価を入れるべきではないかと思いますが、それについてどのようにお考えでしょうか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  学校の個々の教職員それぞれには多少の違いはあれども、それぞれ学校教育目標に向かって全教職員が協力して取り組む、それぞれの能力を十分に発揮できるよう協力しながら日常の教育活動を行い、その目標を達成するように努めておるところでございます。
 このことから、学校教育活動に対する勤務評価を相対評価として各段階の人数比率を決めてしまうことは、ふさわしいものとは考えてございません。以上でございます。

◆水ノ上 委員  相対評価につきましては、いろいろ検討することがあるとは思いますが、もし大阪府、今、大阪府で教育基本条例がこれから審議されようとしておりますけれども、これによって府の制度が変わった場合、堺市は適用を受けるんでしょうか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  先ほども御答弁いたしましたように、現行は府の制度に基づくものでございますので、府の制度が変わるということになりましたら、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第46条の規定に基づきまして、大阪府の規則に基づく勤務評価の適用を受けるということになります。以上でございます。

◆水ノ上 委員  ということは、府がもし絶対評価から相対評価に変わった場合、堺市の評価方法も絶対評価から相対評価に変わる可能性があるというふうに理解してよろしいか。

◎石田 教育委員会総務部副理事兼教職員課長  委員仰せのとおりでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この辺が教職員については職員と違うところで、府の条例または規則に従うところが多々あると。そっちを変えんことには、ここだけで変えることはできないということがはっきりいたしましたので、教職員につきましては府の条例案の審議の方向もゆっくり考えて、また今後の議会でも議論していきたいと、このように思います。以上でこの質問を終わります。
 時間が非常に押しておりまして、あと3つ教育委員会関係で、平和教育について、教育の政治的中立について、教科書採択についてと、この3つを質問する予定でしたけれども、平和教育については大幅に端折らせていただきます。
 ここで申し上げたいのは、実は1点でありまして、平和教育の目的、平和教育とは何ぞやといろいろ議会でも議論されるわけですけれども、その内容がはっきりしてなかったんですが、それについては議会の皆様も大体平和教育とは何ぞやというのはよく御理解いただいていると思います。
 私がいつも常々思いますのは、平和教育といったときには戦争反対、戦争は悪であるということに周知をして、戦争をいかになくすかということがその教育の中心になっているというふうに理解しています。そして私の理解では、平和というのは、それを最も脅かすのは組織的な人間の大量殺りくこそが平和を脅かす最大の脅威だというふうに思っております。これについては異論はないかと思います。

 その代表的なものが戦争ですが、もう一方、20世紀は戦争と革命の時代と言われたとおり、共産主義革命が起こって、共産主義政権のもと、多くの方々が組織的に殺りくされました。これについてゆっくり話している時間はないんですが、ものの本によりますと、ソ連、中国、カンボジア、北朝鮮その他共産主義革命またそれ以降の革命家の国家において、共産党一党独裁国家によって1億8,000万人の人々の命が亡くなったとも言われております。これは20世紀の戦争を超える多くの方々が亡くなっている。
 そういうことから、戦争の危険性、脅威はわかりますが、そういう共産主義によって多くの方々が殺されていった。それはまさしく平和に対する脅威だと、このように思いますが、これについて学校現場でどのような教育をされているか、この1点お答えください。

◎山本 生徒指導課長  中学校の社会科歴史的分野の目標といたしまして、歴史的事象を多面的、多角的に考察し公正に判断する能力と態度を育成すると示されております。また公民的分野におきましては、法に基づく政治が民主政治の原理となっており、その運営によって恣意的支配を排除しようとしていること、独裁政治や専制政治とは異なるものであることを理解させることとなっております。
独裁政治等につきましては、生徒自身が公正に判断できるよう学習指導要領に沿って社会科等で指導しているところでございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  私は数年前、カンボジアに行ってまいりました。そのときにポルポト政権が行った数々の虐殺の博物館、トゥール・スレンとかそういうのを見てきて非常に恐怖を覚えた。何の罪もない方々が連行されて次々と虐殺されていく。このトゥール・スレンというのは、2万人の方々が収容されたけれども、生きて出たのは8人だけというふうに聞きました。その写真等もきょうお見せして議論をしたかったんですが、そういう時間もございませんので、そういう戦争だけが平和に対する脅威ではないと、ほかにも脅威というのはあるんだと、それを除くためにはしっかりとした教育をしなければならないということも念頭に入れていただきまして、この質問を終わります。
 続きまして、教育の政治的中立について御質問をいたします。これも途中端折るところがあるかもわかりませんので、よろしくお願いいたします。
 我々大阪維新の会が上程しようとしております教育基本条例。この中には、教育への適度な政治介入が必要という立場をとっております。それについて賛否両論があるのはよく存じております。そういう点から、教育の政治的中立とは一体何か、教育にはどこまで政治的な介入が許されるのかということを議論したいというふうに思っております。
 それでは、教育にとって政治的中立性がなぜ重要なのか、そのことをお答えいただきたいと思います。

◎中井 教育政策課長  委員仰せの教育にとってなぜ政治的中立性が重要なのかということでございますが、教育につきましては、人格の完成をめざして行われるものでございます。そのため、中立性の確保というのは極めて重要なものでございます。

また、教育は子どもの健全な成長発達のため、学習期間を通じまして一貫した方針のもと安定的かつ継続的に行われることが重要でございます。政治の影響によりまして教育方針や政策が変更され、教育の安定性、継続性が害されるおそれもございますので、教育における政治的中立性の確保というものは重要であると認識してございます。以上でございます。

◆水ノ上 委員  教育の政治的中立性ということから、よく引き合いに出されるのは、現在の民主党幹事長の輿石東氏の2009年1月のあいさつでございまして、ちょっとこれをごらんいただきたいと思います。
 これは2009年1月に日本教育会館で開催された日教組新春の集いでのあいさつの抜粋ですが、日教組は政権交代にも手をかす。教育の政治的中立などと言われても、そんなものはあり得ない。政治から教育を変えていく。私も日政連、日本民主教育政治連盟、日教組の政治連盟ですが、議員として日教組とともに戦っていくことをお誓いし、永遠に日教組の組合員であるという自負を持っておりますというあいさつをされて、物議を醸しております。これが現在の与党の幹事長。その幹事長のもとで、現在の野田総理のもとでは日教組出身の文部科学大臣政務官、神本美恵子参議院議員が文部科学大臣政務官。この方は元福岡県教職員組合女性部長、日教組文化部長でしたし、水岡俊一参議院議員は首相補佐官になって、元兵庫県教職員組合書記次長、このようになっております。
 そういうところから、教育の政治的中立性というのは本当に保たれるのかと。与党の幹事長がこういう発言をしたことは非常に問題だというふうに思っておるんですが、そこで御質問いたします。このような発言をごらんいただいて、御見解をお示しいただきたいと思います。

◎中井 教育政策課長  委員お示しの御質問のありました発言でございますが、個別の議員の発言でございます。どのような意図を持って発言されたのか、その真意のところははかりかねるものでございますが、そもそも教育は中立かつ公正に行われるべきでございます。特に学校現場におきましては、教育の政治的中立を確保することは重要でございます。また、このことにつきましては、教育基本法でありますとか義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法など法的にも規定のほうがされているものでございまして、常に尊重されなければならないものであると考えております。以上でございます。

◆水ノ上 委員  この件について市長に御質問をさせていただきたいんですが、果たして今まで教育現場において政治的中立性が保たれてきたのかどうか。教育の政治的中立の名のもとに、学校が教員たちの自治状態になって、さらに組織化されて、そこに特定の政治団体の影響を受け党派性を帯びている場合が多々見受けられました。民主的統制がとれていなかった場合もあったように思います。

教育委員会は教育の中立というものをどのようにお考えかわかりませんけれども、今まではそういう学校現場が政治性を帯びても放任しているように思っております。教育の政治的中立を守るべき教育委員会が機能していない場面もあるのではないかと。政治性を帯びている学校現場を政治的中立にバランスをとるために、市民の選挙で選ばれた首長が政治的介入をする場面もあるかなと思うんですが、この御見解について市長、お聞かせいただきたいと思います。

◎竹山 市長  教育現場も社会的存在であるからには、いろいろな意味で政治的なバイアスがかかっていくのはいたし方ないというふうに思います。ただ、教育委員会、学校現場、それらはやはり政治的中立性をきちっと担保していくそういうふうな取り組みをしていかなければならないと思います。

未来を担う堺っ子を育てていく。この堺の地域の中から堺の子どもが元気で育っていく。そのためには、やはり政治的な中立を保ちながら、そして知育、徳育、体育を、子どもを育てていく、それが大事だと思います。そういう意味で、バランスをとるために政治的介入をすると、その表現が私はわかりません。むしろ市長としては、できるだけいろいろな意味の圧力を廃しながら中立、公正に教育現場を援助していくべきだというふうに考えております。



◆水ノ上 委員  教育現場は教育的に中立的であると私は思います。そうあってほしいと思います。そうでない場合は、やはりバランスをとるためにも必要かと、そういう意味で考えておるわけですけれども、これについては先ほどお見せいたしましたこういう幹事長がおるわけですから、これから政治的な圧力といいますか、そういうのはどういうふうな影響が出てくるかわからない。それを危惧しているわけであります。

ですから、そういうときのために、しっかり政治も監視をしていく必要があるだろうと、そういう意味で御質問したんですけれども、この件につきましてはこの程度で置くといたしまして、続けて教科書採択に移りますが、教科書採択の冒頭、またちょっとごらんいただきたいんですが、これは志賀義雄、1952年の共産党の衆議院議員、戦後すぐの衆議院議員で大阪選出だったそうです。この人の1952年、昭和27年の言葉ですが、何も武闘革命などする必要はない。共産党員がつくった教科書で社会主義革命を信奉する日教組の教師がみっちり半日教育を施せば、30年から40年後には、その青少年が日本の支配者となり指導者となる。教育で共産革命は達成できると、このように言うてるわけです。

このとおり、今先ほどお見せしたとおり、与党の幹事長が日教組の親分であって、また文部科学省の政務官に日教組出身の参議院議員がなり、首相補佐官に日教組出身の参議院議員がなったと、まさにこのとおりになったのではないかなというふうに思うわけであります。
 教科書採択ですけれども、教科書採択につきましては、私も8月に行われました採択の場面に行ってまいりました。そこで、この教科書採択につきましては6月議会で維新の会と自民党、また公明党、ソレイユ堺が決議を出しておりまして、教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議というものを出しました。そういうところから、これが取り入れられたというふうに思いますが、いかがでしょうか。

◎柳井 教務課長  決議のことでございますけれども、平成23年6月23日に堺市議会で決議されました委員仰せの教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議に示された内容につきましては、6月27日の教育委員会定例会におきまして教育長が報告をしており、また、7月に開催いたしました選定委員会でも伝えておるところでございます。また、調査・研究の過程におきましては、学習指導要領改訂の趣旨を踏まえまして、教育課程改善の視点に基づいて種目ごとに定めた観点により、おのおのの教科書の特徴等につきまして詳細な調査・研究を行っております。

教育委員会では十分な検討を行いまして、その責任において本市の子どもたちにとって最もふさわしい教科書を採択いたしております。以上でございます。


◆水ノ上 委員  これを検討いただいたということですが、6月あるいは8月の採択の場面に行きましても、特にこの決議は見ばえとかそういうのではなくて内容で、内容をしっかり検討してくれという決議だったんですけれども、終始したのは、例えば時代の流れがよくわかるとかというような見た目とかそういうことに終始したように思っておりまして、これが検討されたか、疑問であるわけであります。
 維新の会の小林議員がさきの文教委員会で議論をいたしましたので、繰り返しになりますから、この議論はいたしませんけれども、そこに立っておりまして、私どもは、最終的には東京書籍に決まったわけですけれども、初めから東京書籍ありきという採択ではなかったかという印象を強く持ちました。
 それで、この東京書籍という歴史教科書なんですけれども、附せんを非常にたくさん張っておりますが、どこに附せんが張ってあるかといいますと、また一度市長にもごらんいただきたいと思いますが、農民一揆とかアイヌの話とか琉球の話、また朝鮮侵略とかそういった話のところにいろいろ附せんを張ってあるんですけれども、そういうことが非常にクローズアップされている教科書なんですね。そういうことだけではない。誌面、日本史というのは非常に分厚い、大きいんですけれども、そういうところが非常にクローズアップしている。そういうところから、あのとおりの教科書かなというふうに思うわけですけれども、読んでいただいたらわかると思います。階級闘争史観といいますかね、そういう史観に基づいた私はこういう教科書になっているというふうに思いました。


 この教科書採択については最後に申し上げたいんですけれども、教育委員会で選定委員長が、選定委員会では東京書籍がふさわしいのではないかという発言をして、その後、教育委員さんが立て続けにおっしゃるとおりや、それがいいそれがいいというふうになって決まったんですけれども、例えば横浜市は今回育鵬社に歴史教科書が決まったわけですけれども、横浜市の採択の状況を見ますと、議論はもっと内容のある、ずっと見ましたけれども、国を愛する心がどうとかそういう内容が深く追求されているんですが、それは置いておいて、最後の採決の仕方、それは最後、記名投票で採決するんですね。堺市の教育委員会の採決の仕方を見たら、教育委員長さんが、だれだれがこれでいいと言いましたが皆さんどうですかと言って、はいこれで決まりというふうに決まっていました。どなたがどの教科書がいいということがはっきりしてなかったんです。


 横浜市の教育委員会は教育委員さん6名いらっしゃいましたかね、それぞれ、どの教育委員さんがどの教科書を採択したかというのが全部はっきりしている。それでだれが育鵬社にして、育鵬社は4人でしたけれども、それで決まったというふうにはっきりしているわけです。責任の所在がはっきりしているんです。でも、堺市の教育委員会の採択の仕方はそういうのが全然はっきりしてない。1人の教育委員長さんが、これでよろしいかと言ったらみんな黙ってて、ほんならこれに決まりましたと言うて中学校の教科書が決まる。僕は、あの決まり方に非常に問題があるのかなと思いました。
 教育委員さんは、中学生7,000人ですけれども、その7,000人が使う教科書、4年間ですから2万8,000人が使う教科書を選ぶんです。責任を持って自分はどの教科書を推薦したかというのをはっきりさせるべき。その結果、東京書籍に決まった、どこどこの書籍に決まったというなら私は納得をしますけれども、だれがどれにしたか、最終的なコメントというのが、この間、小林議員が教育委員長さんにお聞きいたしましたけれども、学習指導要領の改訂のポイントというのがあるんですが、それを超えたような発言はなかったように思いました。
 ですから、今回のもう採択は終わったんですけれども、今後の採択の仕方といたしまして、そういう教育委員さんが責任を持つ。自分がどの教科書を推薦したか、採択したかというのをはっきりするようなそういう採択の仕方に変えていただきたい、このように思います。
 まだまだ話したいことはたくさんあったんですけれども、あと1時間あっても足りません、このままでいきましたらね。私も話があっち飛びこっち飛びいたしましたが、続けて西林委員が発言をいたしますので、私の質問は以上で終わらせていただきまして、これで終了したいと思います。ありがとうございました

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