◆水ノ上 委員 お疲れさまです。大阪維新の会堺市議会議員団の水ノ上です。 きょうは2点についてお伺いしたいというふうに思います。まず1点は、11月に産経新聞に載りました、ちょっと見えにくいんですけれども、浜寺小学校の校長室のロッカーから東郷平八郎の書が出てきたと。うそのようなほんまの話。100年前に書かれた書が校長室のロッカーから見つけられた。僕は見に行きましたけどね。本物には間違いがないらしいですね。これは大正6年か7年に、当時、東宮、後の昭和天皇が関西を行幸されて、それと一緒に東郷平八郎がついておられたと。そのときに浜寺小学校にお寄りになって、それを記念して、東郷平八郎がお書きになったという書だそうです。 せっかくこのようなビッグニュースが舞い込んできましたので、東郷平八郎といいますと、世界の人々から尊敬をされている日本人の一人だというふうに思いますので、少し議論したいなというふうに思っております。 子どもたちが誇りを持てる歴史教育の一環としてお答えいただきたいと思います。 まず、東郷平八郎の業績についてお答えください。 (西委員長、森田副委員長にかわり委員長席に着く) ◎後藤 学校指導課長 中学校社会科歴史的分野の教科書では、日本海海戦で東郷平八郎を司令長官とする日本海軍は、圧倒的な勝利をおさめたこと、日露戦争での勝利によって、日本は列強としての国際的な地位を固めたことが示されています。また、日露戦争では、日本の勝利は、インドやベトナムなど欧米列強の植民地であったアジアのさまざまな民族に刺激を与え、民族運動が活発化したことも記載されております。 これらのことから、東郷平八郎の業績としては、日露戦争の勝利に大きく貢献し、世界情勢に影響を及ぼしたことなどが上げられます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁にありましたとおり、当時、アジア、アフリカを中心に、世界の列強の植民地となっておった。そういう方々から見れば、黄色人種の日本人がロシアを破ったということは、すごく大きなニュースで熱狂したということですね。 あわせて、東郷平八郎における当時の世界の評価についてお答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 日露戦争での勝利は、アジア諸国に対して希望を与え、欧米諸国からも注目を集めたと言われており、勝利に貢献した東郷平八郎は、当時、同盟国であったイギリスから東洋のネルソンと呼ばれ、当時において高い評価を受けております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 東洋のネルソンと言われているんですけれども、ネルソンって誰ですか。 ◎松下 学校教育部長 調べましたところですが、イギリスの、当時、アメリカ独立戦争やナポレオン戦争で活躍した海軍提督と伺っております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 有名なのは、トラファルガーの戦いで、フランスのナポレオン軍を破った提督だったということで、東洋のネルソン、東郷平八郎がね。世界的な影響からしたら、東郷平八郎のほうが僕は上やと思うし、ネルソンのほうが、イギリスの東郷と言ってあげたいぐらいなんですけどね。 それはええとして、そういう状況の中で、学校教育において東郷平八郎というのは、どのように教えているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 学習指導要領において、小学校社会科では、東郷平八郎を学習すべき人物として示されており、解説編では、日露戦争において東郷平八郎が活躍したことや、後の講和条約締結により国の安全を確保することができたことなどが示されています。中学校社会科歴史的分野では、日清・日露戦争の学習で、戦争に至るまでの我が国の動き、戦争のあらましと国内外の反応について指導しております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 現在、堺市の中学校で使われている教科書は、東京書籍の歴史教科書でしてね。先ほどから御答弁いただいているのは、東郷平八郎というのは、今、赤線を引いておりますけれども、あそこに、本文ではなくて、欄外に1行書かれているだけなんですね、実は。 日本海海戦で、東郷平八郎を司令長官する日本海軍は圧倒的な勝利をおさめましたと。ここしか実は出てきません、東京書籍は。この前後を見ますと、例えば、孫文が出てきたり、幸徳秋水という方が出てきたり、与謝野晶子も出てくるんですけれども、そういう方々は、写真入りで出てきていますけれども、東郷平八郎というのは、これだけしか出てこないですね。日本の誇りある歴史、世界中が評価する提督にしては、非常に教科書の評価は低い。これでは日本の子どもたちが東郷平八郎に誇りを持つかというと、なかなか難しい。 一方、これは東京書籍ですけれども、ほかには、例えば、大阪市で使われているのは、育鵬社の教科書というのがあるんですけれども、その育鵬社の教科書には、非常に事細かく、東郷平八郎の実績が書かれております。日本海海戦の模様とか、そういうことが非常に事細かく書いておられましてね。東京書籍というのは、どちらかというと、そういう日本の誇らしい歴史については、やや冷たい感じがするということを申し上げておきたいと思います。 今回、堺の小学校で東郷平八郎の書が見つかったということは、これをもとに日露戦争がどんな戦争だったのか。そして、日本の役割はどんなところにあったのか。世界中の人たちがどんなに熱狂したのか。そういうことをこのことから子どもたちに教えるのも1つの大きな成果になるのではないかなというふうに思いますので、そういうこともお考えいただきたいということを申し上げて、まず冒頭、東郷平八郎については、このあたりで終わりたいというふうに思います。 きょうのこの質問が、子どもたちが誇りを持てる歴史教育ということですが、少しデータは古いんですけれども、例えば、2009年のイギリスのエコノミストの調査によりますと、世界33カ国中、自国に対する誇りは持てるかという中で、日本の子どもたちというのは、最も低かったと言われております。 また、2013年、これもイギリスなんですが、BBCが調査している中で、自国に対する好感度調査というのをやっておりますけれども、日本は、その中では41%、大体ほかの国が70%、自分の国に好感度を持っているという中で、日本がやはり相当低かったというふうなデータがありました。 そういうところから、やはり日本に生まれた限りは日本のことは好きになる。歴史教科書というのは、歴史というのは、そういうことを考えていく必要があるだろうと。日本に生まれて日本が好きになるというのは、やっぱり教育の大きな目的だというふうに僕は思っております。 そういう意味で、続けてお伺いをいたしますけれども、国に対する愛情の育成について、どのように取り組んでいるのかお答えください。 ◎後藤 学校指導課長 学校教育法第21条3に、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う」ことが規定されており、学習指導要領の小学校、中学校社会科の目標においては、我が国の国土や歴史に対する愛情を深めることが示されております。 また、小学校道徳の伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度、中学校道徳の我が国の伝統と文化の尊重、国を愛する態度の内容項目で、国や郷土を愛する心を持つことについて学習指導を行っております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 今御答弁いただいたのは、これまでも何度も御答弁をいただいている内容でございます。国や郷土を愛する心を持つこと、これを醸成するのは非常に大事だと。いろいろな切り口といいますか、いろいろな項目があると思います。 その中で、私は、今回、先ほどお見せした東京書籍という堺市の子どもたちが使っている歴史教科書を見て、ちょっと疑問に思ったことがあります。それは、やはり日本人として最低限知っておかなきゃならないのに、何でそういうことが書いてないんだろうかということ。それは日本の建国のことについてなんですね。 そこでお伺いしたいと思います。日本の建国についてはどのように教えているでしょうか、お答えください。 ◎後藤 学校指導課長 学習指導要領の小学校社会科、中学校社会科歴史分野では、日本の建国について指導すべき内容とはなっておりません。建国にかかわる内容としては、小学校社会科の学習指導要領に、おのおのの国民の祝日に関心を持ち、その意義を考えるよう配慮することと示されており、建国記念の日についても指導しておるところでございます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 いろいろと答弁調整している中で、このような答弁をいただいた。それで、僕は本当にすごい驚いたんです、実は。社会科の授業、小学校のね、そして中学校の歴史分野で、学習指導要領では日本の建国について指導すべき内容となっていなかったというのを知らなかった、僕は。当然なっていると思ってたんですね、実は。 世界中の国々で、小学校、中学校、この子どもたちに自分とこの国の建国を教えない国なんて本当にあるんだろうかと。僕は絶対ないと思うんですね。日本だけがそういうことが規定をされていない。これに非常に大きな驚きを持ちました。 アメリカでしたら1776年7月4日、これ独立記念日ですよね。中国でしたら1949年10月1日、これは毛沢東が自立宣言をしたとき。フランスは1789年、これはフランス革命が始まったとき。ロシアは、これはソ連が崩壊してロシアが独立宣言したとき。イギリスは1066年にウィリアム1世が戴冠したときと、ほとんど、今申し上げた国以外も、自分とこの国の建国というのは必ず教えられるし、それを誇りに持っている。しかし、日本ではそういうふうな指導がすべき内容となっていない。僕は大きな問題だというふうに思っております。 そこで、まず教育委員会の認識をお聞きしたいんですけれど、日本の建国の意義について、どのようにお考えでしょうか。 ◎後藤 学校指導課長 昭和41年に建国記念の日となる日を定める政令が公布され、建国記念の日が2月11日とされました。この2月11日は、神武天皇が橿原宮で初代天皇として即位されたとの日本書紀の記載に基づくものと承知しております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 すなわち日本の建国は神武天皇が橿原宮で初代天皇として即位した。そのときをもって建国と言っているということなんですけどね。これは明治5年に紀元節ということで決められて、昭和23年まで、それが決められていたと。今答弁いただいた昭和41年に新たにこういうふうに決められたということなんですけれども。 建国の意義についてはそのとおりですし、私は建国の意義以外には、やっぱり建国の精神というのも大事だと思います。日本の建国の精神というのは何かというと、僕は和だというふうに思っていますし、例えば、アメリカの建国の精神は自由、フランスは平等、中国はマルクス・レーニン主義というふうになろうかと思うんですがね。 やっぱりそういうふうな日本の建国の意義、そして日本の建国の精神というのを子どもたちに教えるのは、非常に僕は大事だというふうに思いますが、そこで、日本の建国を歴史教育として、現実、指導要領にはないとは言いながら、教えているのか教えていないのか。教えているとすればどのように教えているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 おっしゃるとおり、学習指導要領では指導すべき内容として示されてはおりませんが、本市で使用しております中学校社会科歴史的分野の教科書におきましては、神話を紹介するページで、神武天皇が初代の天皇として即位したこと、天皇が太陽神天照の子孫であることなどが紹介されております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 東京書籍のその部分については、具体的にどのように書いておりますか、お答えください。 ◎後藤 学校指導課長 天照の孫の瓊瓊杵が日向の高千穂におり、その子孫が大和に入り、初代の天皇として即位したと伝えられています。このように記紀には太陽神天照の子孫であることや日本を治めるようになった経緯を示しており、古代には貴族たちが神話を学んでいましたと記載されております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 今御答弁をいただきましたが、実は、この教科書には直接的に、神武天皇が即位したというのは書いてないんですね。回りくどい言い方で、瓊瓊杵尊の子孫が大和に入り、初めて天皇として即位したと。天皇というのは絶対この教科書には余り書かない。 そして、今お答えいただいた、僕の中で一番不信に思ったのは、天照の孫瓊瓊杵というのは呼び捨てなんですね。皆さん、伊勢神宮に行くとき、天照と言います。天照大神と言うと思うんですね。瓊瓊杵は、瓊瓊杵尊というて尊称をつけて言うのが当たり前。しかし、この教科書は呼び捨てなんです。天照の孫の瓊瓊杵、言ってみれば、昭和天皇が裕仁でしたから、裕仁の孫の次、徳仁親王ですけれども、裕仁の孫の徳仁がと呼び捨てしているのと同じなんですね。こういう認識なんだなと、この教科書は僕思います。ほかの教科書を見たら、そんなことないです。ちゃんと天照大神、瓊瓊杵尊というふうに書いていますが、この教科書にはこういうふうに書いている。 そういうのが、非常にやっぱりこの教科書というのは、一種、天皇というのはすごい嫌悪感を持って書いているんだろうなというふうに思います。 また、仁徳天皇陵も写真で出てくるんですけれども、仁徳天皇陵古墳とは書いてないんですね、この教科書にはね。仁徳陵古墳と書いています。仁徳の陵、これもある意味、呼び捨て、仁徳天皇というのは使わない。呼び捨てなんですね。この教科書に最初出てくる天皇は推古天皇、これ33代なんですけどね。 というところから、この教科書は、ひどい教科書だなと本当に思いました。これでは、子どもたちが誇りを持つというか、愛着を持つようなことにならないだろうと。日本がどこから生まれて、どこに来た。そして、今の天皇にどうやってつないでいくのかというのが全くわからない教科書になっているのではないかなというふうに思っています。 そこで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、子どもたち、先ほど意義がありました。2月11日が神武天皇が橿原宮で初代天皇として即位した日が建国の日やと。堺の子どもたちは、どの程度このことを知っていると思いますか。 ◎後藤 学校指導課長 申しわけございません。調査しておりませんので、全ての子どもが学習した後は知っていると考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 ほとんどの子どもたちは知らないですよ。学校で教えてもらっていません。建国の日が神武天皇の即位の日だということをほとんど知りません。 これ、平成24年のちょっと古いデータですけれども、調査では高校生対象に行われました。我が国を建国したのは誰か、我が国が建国されたのはいつかという問いで、答えられたのは高校生はわずか2%。それも学校で教わったんではなくて、ほとんどが親から教えてもらったという回答だったそうです。堺の子どもたちが、教師も知らない人が多い中で、堺の子どもたちがそういうことを教わっていると私は思わない。 そういう中で、今後、日本の建国について教えることの意義についてお答えいただきたいと思います。 ◎後藤 学校指導課長 日本の建国について学ぶことは、歴史に対する児童・生徒の興味・関心を高めるとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する信条を育てることにつながるものと考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 そういうふうに思っているんでしたら、ぜひとも、この際、建国ということについて、真正面に向かって子どもたちに教えてほしいというふうに思います。 ちなみに、先ほどお見せしました育鵬社の教科書、これ大阪市が採用しているもんですけれどね。これについては、神話から基づいて、例えば、神倭伊波礼毘古命は畝傍山の麓の橿原で即位し、初代神武天皇となると書いています。なお、2月11日の建国記念の日は、神武天皇が即位したとされる日を記念したものですというふうに、しっかりと書いています。こういうふうに書いておれば教えることができる。書いてなければ教えることができない。それは非常に大きな差だというふうに思います。 次の教科書の採択はいつですか。 ◎後藤 学校指導課 小学校におきましては平成31年、中学校におきましては平成32年でございます。 ◆水ノ上 委員 今申し上げたことも十分勘案していただきまして、教育長、教育監、またその他の皆さん、子どもたちが本当に日本のことを好きになるような教科書はどういうところにある、どれかということをしっかり吟味をして、これからの採択に臨んでほしいというふうに思います。 今現在の東京書籍の教科書は、今の2点だけ、きょうは申し上げましたけれども、ほかにもたくさん問題があるというふうに思っております。いろんな教科書は、いろんな長所もあれば欠点もある。そういう中で、子どもたちにどういう教科書がふさわしいのか、これは非常に大事なことですんで、しっかりと吟味いただきたいということを申し上げて、この項の質問を終わりたいというふうに思います。 続きまして、ネット依存の話、子どもたちのインターネット依存及びゲーム依存への対策について、お伺いしたいというふうに思います。 これは11月4日に朝日新聞に掲載された記事です。ネット依存、悩む学校現場ということで、ネット依存の影響が学校現場に及んでいると。学校より家でゲームをしていたほうが楽しいとか、授業中に落ちつきがなく、居眠りをする。それは睡眠不足になってそういう状態がほとんどだと。また、オンラインゲームの話と言えば、オンラインゲームの話ばっかり。ゲームを取り上げると暴れる。夜中もやめられなくて寝不足になるというような記事がありました。そして、現場の先生方も、どのように対処していいかわからないというふうになって苦慮しておられます。 そして、ここに書いてあるんですが、中学校の3年生の4割以上が1日3時間以上、こういうネットゲームなどをしているということです。そういうことを鑑みて、非常に深刻になっているなというふうに思います。 また、ネットゲームについては、ゲームなんですが、以前はコンソール型の家庭用ゲーム、例えば、ファミコン、任天堂のファミコンがありました。しかし、その後、パソコン、インターネットのオンラインゲームになって、これが非常に常習性、依存性が高いというふうに言われておりました。 しかし、その後出てきたスマホ、スマートフォンによるソーシャルゲーム、そしてアプリゲーム、これは爆発的に、今はやっておりまして、今までと桁違いだというふうに言われております。市場規模も桁違い。そして、子どもたちの影響も桁違いというふうに言われておりまして、その影響は、いろいろと中国やアメリカで研究はされているんですが、ネットによるゲーム依存の子どもたちの脳は、麻薬中毒患者が脳に起きているのと同じことが起きているというふうに報告をされております。 長期にわたって覚醒剤や麻薬に依存するとどうなるか、御存じだと思いますけれども、無気力とか、無関心とか、そういう状況が子どもたちの間に見られる。そして、その子どもたちも、日本で、子どもたちだけではありませんが、大人も含めて500万人が何らかの依存性があるというふうに言われております。非常に危険な状態。 そういうところから、今の堺の現状、そして、これからの課題について、皆さんと議論をしていきたいなというふうに思っております。 まず最初に、本市における携帯電話やスマートフォン等の所持率について、お答えいただきたいと思います。 ◎中村 生徒指導課長 本市児童・生徒の携帯電話やスマートフォン等の所持率は、平成29年度堺市「子どもがのびる」学びの診断、学習生活習慣に関する調査によりますと、小学校4年生で61.5%を超え、小学校5年生で67.9%、小学校6年生で71.2%、中学1年生87.9%、中学2年生90.4%となっております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 お聞きになったとおり、スマートフォン等の所持率は非常に高い。中学校2年生でも90%を超えている。3年生となったらそれ以上だというふうに思います。 その中で、スマートフォンなどの使用状況についてはどうですか。 中村 生徒指導課長 本市における小・中学生の1日当たりのスマートフォン使用状況は、平成29年度全国学力・学習状況調査結果において、4時間以上使用している児童・生徒が、小学6年生で4%、中学3年生で13.8%となっております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 これ、お答えいただいたのは毎日4時間以上ですからね、すごい値です。これが毎日3時間以上となると、さらにふえまして、6年生で7.4%、中学生で23.5%、毎日スマートフォンで時間を潰しているのがそれだけいるということなんですね。 そこで、先ほど冒頭申し上げましたけれども、スマートフォン等を長時間使用した場合の危険性、依存性も含めて、危険性についてどのようにお考えでしょうか。 ◎中村 生徒指導課長 日本医師会等によりますと、学力や体力、視力の低下につながることや人と直接話す時間が減り、コミュニケーション能力にも影響があること、夜間に使用することで睡眠時間が不足し、体内時計が狂い、脳が昼と夜の区別ができなくなり、脳機能にも影響を及ぼす等の危険性があると言われております。 特に子どもの睡眠不足や体内時計の乱れは、認知脳機能を初め体温調節機能、自律神経機能、エネルギー代謝の低下を引き起こし、このような子どもたちの中には、腹痛や頭痛、低エネルギーによる無気力、いらいらする、不安が強くなるといった症状が出てくることも考えられます。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 このネット依存の兆候としまして、いろいろありますが、5点申し上げたいと思いますがね。没頭してとらわれる。それしか考えられない。ネットゲームのことしか考えられない。あと、離脱症状といって、それがなかったらいらいらいらいらする。今も御答弁にもありました。 あと、耐性といって、どんどんどんどん時間が増加していく。最初は少しだったのが、もうちょっともうちょっとといってとめられない。時間が増加をしていく。そして、コントロール困難、これも同じことなんですけど、自分ではとめられない。30分、1時間と決めても、それは自分ではもうコントロールできない状況になる。そして、他の活動への関心が低下をする。ほかの社会のことについては全然関心がなくなるというような状況が報告されております。 それに伴って、不登校という問題もあります。きょうもいろいろ議論がありましたけれども、ゲーム依存が不登校をさらに深刻にしているという状況があるというのも言われております。 そこで、本市における不登校の現状について、数字を交えてお答えいただきたいと思います。 ◎中村 生徒指導課長 本市における不登校の現状でございます。不登校児童・生徒数につきましては、小学校では、平成27年度、148人、28年度、157人、29年度、179人、中学校では、平成27年度、592人、28年度、613人、29年度、596人となっており、近年、小学校は増加傾向であり、中学校は600人前後で推移しております。 不登校の主な原因として、小学校、中学校ともに、不安の傾向がある、無気力の傾向があるが多くなっております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 小学校で180名程度、そして、中学校では600人ぐらいが不登校になっている。その原因は、不安の傾向、無気力の傾向とあるけど、私も身近に不登校の子がいるんですけどね、不登校になったら、間違いなく、一日中、家でスマホやっています。もしくはインターネットゲームやっています。 そして、それが講じて、ますます無気力、無関心がふえて出ていかない。ずっと悪循環となって、もう全然出れないんですね。ですから、いろいろと皆さんと御議論しましたけれども、そういう不登校の人たちにいろいろ対処しておりますけれども、その後ろには、こういうふうなスマホによるゲーム依存、スマホ依存というのがあるのではないか。それを切り離すのには非常に難しいというふうに言われております。 先ほども申し上げたとおり、それを取り外したら暴力になるということ。こういう自分に対する報酬という、報酬系というのがあるんですけどね。これも何かすれば自分が人から喜ばれる。それに対して好意を持つ。例えば、仕事とか勉強、スポーツのこれをすごい頑張っていけば成果が出る。そして、人から褒められる。そして、また頑張る。しかし、こういう仕事とかスポーツとか学業も、やったことが必ず報われるとは限らない。しかし、依存症になる人は、覚醒剤もそうですし、アルコール、たばこもそうなのかもわかりません。あとはパチンコ、ゲーム、こういうのは大した努力もせずに、自分に対して非常に幸福感をもたらす。ですから、どんどん依存が。 最初は、勉強やスポーツで頑張ってきた子も、一旦こういうゲームのネットなどに依存してしまえば、そういうのはばからしくなって、そちらのほうに走ってしまう。そういう子が非常に多いというふうにも報告されております。 わざわざ苦労して、そういう幸福感を味わうよりは、もっと簡単に幸福感が得られるのではないかというふうに短絡的になってしまう。そこに大きな落とし穴があると言われています。そこにはまってしまったら、先ほどの不登校もなかなか抜けれない。 また、もう一つ大事なことは、最も小学校、中学校、高校生という大事な時期に、こういうことに依存することによって、膨大な時間がとられる。3時間、4時間、毎日3時間、4時間、スマホに時間とられる。その中に、勉強をしたり、スポーツをしたり、いろんなことができるのに、それを除いてスマホに入ってしまう。これは取り返しができない。依存症になるのもそうですけれども、取り返しができない、この時間の浪費ということになります。 そして、何よりも怖いのが、一度依存になったらなかなかそれから抜け出せない。覚醒剤もそうですし、アルコール依存症もそうです。一度そうなってしまったら我慢するしかない。このネット依存もそういうふうに言われております。 一度ネット依存、何十時間もやってしまう。それが常態化してしまったらやらずにはいられない。やらずには自分が抑制ができない、そういうふうになってしまったらなかなかもとに戻れない。そして、後遺症がずっと残り続ける。こういう危険性が非常に言われております。 そして、これ日本は非常に対策がおくれているんです。特に対策が進んでいるのは、中国、韓国。日本は500万人と言いましたけれども、韓国では200万人から300万人の依存症がいると言われておりますし、中国では、都市部だけで2,400万人の依存者がいると言われています。ですから非常に大きな問題になっていて、これに対して積極的に取り組んでいる。中国なんかは、全てネットゲームするときは、本名で年齢も登録させて、ある時間が来たら国がそれをやめてしまうとか、そういうこともしている。そうやって対策しているというふうにも言われております。 そういう対策をしなければ、なかなか自分ではそういう状況から抜け出すことができない状況なんだそうですけれども。そこで、本市の取り組みについてお聞きしたいんですが、インターネット等の利用に関する取り組みについて、お答えいただきたいと思います。 ◎中村 生徒指導課長 全中学1年生、全小学4年生を対象に、ネットいじめ防止プログラムを実施し、その中でネット依存を含むインターネット利用時の注意点について指導しております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 今御答弁でネット依存を含むというふうに言われましたけれども、このネットいじめ防止プログラムというのはありますが、ほとんどネットを使ったいじめ防止対策に終始しているんや思います。これはこれで大事だというふうに思います。 しかし、それよりももっと大事なことは、ネット依存にならないようにするにはどないしたらいいか。それについては、ほとんど触れられていない。そういう問題意識もないというふうに思います。 そこでお伺いいたしますけれども、そういう状況の中で、子どもや保護者の啓発に向けた取り組みが必要だというふうに思いますが、それについてどのようにお考えでしょうか。 ◎中村 生徒指導課長 ネット問題に対しましては、子どもが主体的に捉え、みずから考えることが大切であると捉えております。生徒会で話し合ってつくり上げたネットに関するルールをもとに、リーフレット、スマホ・ネットルールまもるんやさかいを作成し、本市立学校園に通う全ての子どもたちに配布するなど、堺市PTA協議会とも連携し、ルールの定着に向け啓発を進めています。 ネットのルール定着を初め子どもたちの基本的生活習慣の確立に向けては、家庭、地域と協働した取り組みが重要であることから、区教育健全育成会議や関係機関等とも連携し、組織的で実効性のある啓発活動を推進してまいります。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 御答弁では、子どもが主体的に捉えというふうにおっしゃってましたけどね、これ非常に甘いと思います。主体的には無理です。依存なってしまったら自分ではとめられない。コントロール不能、どんどん深みにはまり込んでいく。これ一旦こうなってしまったら、それを戻すのはなかなか難しい。予防が大事なんです。まず予防。ですから、そういう危険性をどんどんどんどんと子どもたち、保護者に教えていく、そういう態度が必要だというふうに思います。 麻薬やギャンブル、これは社会悪、ギャンブルは全部とは言いませんけれども、やっぱり子どもたちに教えてはならないということで皆さんは教育される。ですから、そういうのにのめり込む人は少ない。ほか酒、たばこについてもそういう依存症があるということを教育されるというふうに思います。それと同じようなことが、このネット依存、そういうスマホには危険性があるんだということを、どうか皆さん、真剣に取りとめて発信をしていただきたい、このように思います。 これは先ほども申し上げたように、日本というのは非常に対策がおくれている。ですから、国会云々というよりも、それは各自治体の教育委員会の皆さんが、自主的にそういう危険性を察知をして前向きに取り組んでいかなければ子どもたちが危ないと、このように思います。 最後に、そういう意味で、そういう危険性を鑑みて、堺市ではどのような取り組みをするのか、最後にお答えいただきたいと思います。 ◎小宅 教育監 今、委員お示しのとおり、子どもたちを取り巻く状況というのは非常に危ない状況がございます。今のネット依存もそうでございます。子どもたちが健全に生きていくためにさまざまな取り組みをまた構築し、取り組んでまいります。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 きょう議論申し上げたのは、多くは、岡田尊司さんが書いているインターネット・ゲーム依存症という本を読んで、ほかにもいろいろと情報を仕入れた上で皆さんに議論をさせていただきました。ぜひこの本をお買い求めいただいて、真剣に議論していただきたいというふうに思います。これはすぐ、今もう既にある危険な状況ですから、一日も猶予がないというふうな問題意識を持って対処していただきたい、このことを申し上げて、私の委員会の質問を終わります。
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