平成25年度予算案と大阪都構想について
中心市街地の活性化について
新しい中心市街地活性化基本計画の策定に取り組むその方向性について
市民会館建てかえについて
東西鉄軌道に対する今後の取り組みについて
文化観光拠点について
舌鳥古墳群の世界遺産登録とガイダンス施設について
◆水ノ上 委員 大阪維新の会堺市議会議員団の水ノ上です。会派を代表いたしまして平成25年度予算総括質疑を行います。本日は池田委員とともに2人でさせていただきますので、時間制約がございますので、もう早速ですけれども、本題のほうに入らせていただきたいと思います。
竹山市長は2月22日の本会議におきまして、再出馬を表明されました。大阪都構想について改めて、自由と自治の伝統がある堺になじまないと対決姿勢を鮮明にいたしました。秋の市長選挙の争点になるのは明らかですが、我々は竹山市長がそこまで言うのならば、大阪都に対抗できるだけの平成25年度予算編成になっているのかという点を点検する必要があると思っています。
竹山市長は今回の予算を生活支援・まちづくり予算と名づけました。生活支援という面では、日本中の自治体で抱えている課題は同じようなものであって、堺市だけが特別の課題を抱えて特別の取り組みをするというものではありません。首長のリーダーシップの差が顕著になるということは通常考えにくい。極端に言えば、市長がいなくても一定の生活支援施策は問題なく進められます。各自治体にそれほど大きな差はありません。
しかし、まちづくりは各自治体の抱えている課題はさまざまであり、めざす結果、解決の方法など千差万別であって、政治的な決断が大きく左右します。間違った決断をすれば夕張市のようになりますし、何も有効な手だてを打たなければ無秩序なまちづくりとなり、徐々にまちの活力は衰退していきます。まちづくりが多額の予算を要し、成功したとわかるのは、相当の時間が経過した後であって、相当忍耐が要るものです。都市間競争の時代のまちづくりに果敢に挑戦し、住民合意を形成できる手腕を発揮できる首長、そういう首長が望まれているというふうに私どもは考えています。政令指定都市の首長であるならば、なおさらのことです。
さて、そのような観点から今回提案されています予算案を見た場合、まちづくりに対して竹山市長はどのようにリーダーシップを発揮したのか、決断したのか、またしなかったのか、そのような観点から、私から主にまちづくりについて御質問したいと思います。
さて、まず最初に、25年度予算案のうち以下論じるに当たって、議論の軸をはっきりさせておく必要があるという観点から、今まで何度か議論をしてきました大阪都構想についてですが、きょうはまず堺市民の民意がどこにあるのかということから論じたいと思います。
まず最初に、平成25年度予算案と大阪都構想についてです。
過日の大綱質疑で西林議員が申し上げましたが、我々大阪維新の会は平成25年1月28日から31日の4日間で、堺市民を対象に第三者に委託してインターネットリサーチを行いました。堺市の7区において、20代から60代まで年代別の比率、また男女の比率に偏りのないように無作為で行い、735人の堺市民から有効な回答を得ました。堺市民の直近の民意の一端であるので、その結果を少し詳しく取り上げたいと思います。
まず最初に、問題は4つありまして、ちょっと見えにくいかもわかりませんけれども、問い1、あなたは堺市が大阪都構想に含まれていることを御存じですか。1、大阪都構想を知っており、堺市が含まれていることを知っていた、425人で57.8%。大阪都構想を知っているが、堺市は含まれていないと思っていた、102人で13.9%。大阪都構想を聞いたことはあるが、詳しくは知らない、182人で24.8%。大阪都構想を知らない、26人で3.5%でした。また問い2では、大阪府と大阪市は大阪にふさわしい大都市制度はどうあるべきかを昨年から議論していますが、堺市はこの議論に参加していません。堺市もこれに参加し、大阪府や大阪市と議論することについて、あなたのお気持ちに最も近いものを選んでくださいという問いに対して、1、賛成するが167名で22.7%。2、どちらかといえば賛成するが216名で29.4%。賛成するが合わせまして52.1%。どちらとも言えないが225人で30.6%。どちらかといえば反対するが61人で8.3%。反対するが66人で9.0%。反対の合計が17.3%でした。
次に問い3ですが、大阪市では、橋下市長は人口約30万人程度の7つの特別区に再編する案2つと、人口50万人程度の5つの特別区に再編する案2つの計4つの区割り案を提示し、市民にとってふさわしい自治体はいかにあるべきかの議論が始まっています。そこでお伺いいたします。堺市を特別区に分割・再編することについて、あなたのお気持ちに最も近いものを選んでくださいという問いに対して、1、賛成するが132人で18.0%。どちらかといえば賛成するが244人で33.2%。賛成するの合計が51.2%。どちらとも言えないが201人で27.3%。4、どちらかといえば反対するが82人で11.2%。反対するが76人で10.3%。堺市を特別区に分割・再編することに反対するのが21.5%でした。
次に問い4ですが、前問で賛成する、どちらかといえば賛成すると回答された方にお伺いします。堺市域に特別区を設置するとすれば、どのような区割りがよいと思いますか。あなたのお気持ちに最も近いものを選んでください。1、人口30万人程度の3つの特別区に再編するが179人で47.6%でした。2、人口40万人程度の2つの特別区に再編するが73人で19.4%でした。堺市全体で1つの特別区にするが120人で31.9%でした。そしてその他が4人、1.1%という結果が出ました。
さて、このアンケートから、堺市が大阪都構想に含まれていると自覚している人が6割弱、大都市制度について大阪府や大阪市と堺市もともに議論をすることを望んでいるという人が約52%、そのうち堺市を特別区に分割・再編することに賛成をする市民が約過半数の51.2%、反対が21.5%と倍以上の差がありました。
実は、我々自身がこのリサーチ結果に少々驚きました。堺市民は意外と大阪都構想のことを興味があり、よく知っており、またそこに堺市も入っていることも知っており、特別区に分割・再編して大阪都に参加することに賛成する市民が過半数を超え、反対する市民の数を倍以上引き離しています。7区全てで同じような傾向が認められました。これほど大きな差がついているとは、我々正直思っておりませんでした。
市長はあらゆるところで、堺市民には堺を分割するという民意はないと言っていますが、しかし、分割・再編して大阪都に入ることに賛成の民意は予想より多いというふうに我々は感じております。なぜこんな差がつくのか、大阪都構想について我々の市民に対する説明が徐々に浸透してきたという思いもあります。
そこで市長に質問いたしますが、市長はかねてより堺市の中には堺を分割する民意はない、また堺が大阪都に入る民意は示されていないと言ってきました。しかし、お示ししたとおり、堺市民が堺市も大阪都に参加すべきであるという民意の一端が示されていると思います。また、3つの分割案を支持する人も決して少なくありません。竹山市長はこのような結果を踏まえて、大阪都構想に対する堺市民の民意をどのように捉えているのか、お答えいただきたいと思います。
○西村 委員長 委員長として水ノ上委員にお聞きしたいんやけど、それとこの25年度の予算総括とどういう絡みがあるんですか。
◆水ノ上 委員 これも時間に入ってるんですか。
◆水ノ上 委員 これは先ほど申し上げたとおり、今から議論をしていく上で、非常に民意という意味で大事なことだというふうに私は思って先ほども申し上げたとおりなんですけれどもね。
○西村 委員長 一般質問と違うからね、きょう、あすは予算の総括やから、その辺の道を崩れんように質問をね。
◆水ノ上 委員 はい、それはもうよく存じております。
◎竹山 市長 調査の詳細がよくわかりませんので、コメントできませんが、市民の間でもいろいろ意見があるというのは確かだと思います。
ただ、私はこういうふうなホームページのブログがあるのをびっくりしました。大阪都構想が実現すると堺市はどうなるのかと、分割されるのかとよく聞かれます。私は堺市はなくならない、分割させてはならないと思ってます。日々の活動の中で、さまざまな皆さんのお話を伺っても、7対3ぐらいで堺市の独自性を保持しようという方々が多いように思います。大和川の北と南で文化が異なります。堺は独自の歴史と伝統を持ったまちだと思いますし、そういうまちの誇りを引き継いでいくべきだと思いますと。こういうホームページのブログ、維新の会の市議会議員さん、書いてはりますね。この中におられますので、よくわかってると思いますけど。
堺市を廃止して特別区を設置することに関しまして、私は今現在大阪市で行われてます協議会の状況をきちっと市民に知らせて、事実をきちっとお知らせする必要があると思います。それが極めて大切やというふうに思ってます。今後市民の意見を直接聞くために、しかるべき方策について検討したいというふうに思っております。
◆水ノ上 委員 もちろん民意というのは1つの物差しだけではかれませんけれども、これも1つの民意。堺市の民意は半年後に示されることになると思いますけれども、この大阪都構想に対する期待の高まりがあるという反面、私は竹山市政に対する大きな失望感があるというふうに、この結果から思っております。一言で言えば、決断できない政治、決断できない市長というイメージが広がりつつあるのではないかと思います。26年度予算案は堺市民に希望が持てるかどうか、以下、まず中心市街地の活性化についてお話を聞きたいと思います。
中心市街地の活性化ですが、中心市街地の活性化とは、具体的には堺東駅周辺に堺市中から、また堺市以外の地区からも、活気やにぎわいを求めて足を運ぶようなまちづくりであると思います。政令指定都市という大都市の中心地である以上、単に堺東周辺の住民たちでにぎわうまちづくりではないと思います。
そこで、まず堺東周辺の活性化についてお聞きしたいと思います。
最初に、中瓦町2丁を中心とする堺東駅西地域について、今まで何度も議論されてきましたが、中瓦町2丁地区の市街地再開発事業は平成2年11月に堺東中瓦2丁地区まちづくり協議会が発足し、それ以来、約20年間、多くの人がこの再開発のために努力をしてきました。平成19年12月には第一種市街地再開発事業の都市計画決定も告示されました。
しかし、竹山市長は就任以後、その計画を中止に追いやったことは皆さんよく御存じのとおり、中瓦町2丁の地権者の人々の竹山市長に対する恨みの声は、その後3年間、何ら具体的な代替案を示さなかったことも相まって、非常に根深いものがあります。
そこで担当課にお伺いしますが、当時、中心市街地活性化の先導的事業として位置づけていた中瓦町2丁地区市街地再開発事業がもし計画どおり進んでいたとすれば、現在どのような段階にあり、文化芸術ホールや商業施設は何年にオープン予定だったのか、またあわせて、事業の資金計画と本市の負担額についてもお答えください。
◎土岐 都心まちづくり推進室次長 事業認可申請時点における事業計画によりますと、平成23年から26年度が工事期間とされておりましたので、現時点では工事中と、26年度末には完成の予定と、こうされておりました。あわせまして資金計画でございますが、同じく事業認可時点の資金計画によりますと、概算事業費として約総事業費396億円、本市からの補助金といたしましては、約54億円、ペデストリアンデッキ等の公共施設管理者負担金といたしましては、約27億円が見込まれておりました。また、文化芸術ホールの整備費といたしましては、総額で約314億円を見込んでおったところでございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 今お答えいただきましたとおり、あと2年でオープンをする、計画どおり進んでいたらの話ですけれどもね。その後、20年来努力してきたわけですけど、その方々はですね、いまだはっきり具体的な提案がなされておりません。確かに総事業費396億円は多額でありますが、合併特例債等という部分も考慮されており、商業施設なども付随しておるところから、後で議論する市民会館の現地建てかえの総事業費と比較しても、堺東駅前のにぎわいの起爆剤ということを考えれば、無駄遣いという市長がおっしゃることは当たるだろうかという思いがいたします。むしろこの3年、全く手つかずである。もちろん予算の計上もない。こちらのほうが私には問題だというふうに思います。
続いて、ジョルノビルの再開発についてお聞きいたしますが、かつて堺東にはニチイとか長崎屋、イズミヤ、ユニーズなど数多くのスーパーがありました。再開発ビルのジョルノにはダイエーが入っていましたが、2001年に閉店。その後、大型書店や100円ショップが入りましたが、2011年に閉店をいたしました。
ジョルノの地域は堺東の一等地であって、この再開発が中瓦2丁の再開発を竹山市長が中止した以上、堺東の明暗を決めると言っても過言ではないと思います。ジョルノの地域は再び再開発の計画が進められています。
そこで担当課に質問いたします。ジョルノビル建てかえ・再開発構想についてお聞かせください。また、ペデストリアンデッキについて大幅な改修をされるとのことですが、どのような改修をされるのか、お聞かせください。
◎土岐 都心まちづくり推進室次長 ジョルノビルの建てかえ、すなわち堺東駅南地区第一種市街地再開発事業によりまして整備する建物のまず概要でございます。
延べ面積約4万6,000平方メートル、容積率は900%、地上24階、地下2階、高さは約85メートルでございまして、主要用途は低層部に商業施設約3,400平方メートル、住宅が330戸、それと駐車場となってございます。
またあわせまして、駅前のペデストリアンデッキでございますが、バリアフリーの改修を行いますとともに、市役所前の市民交流広場に延伸するとともに、駅前広場の歩道部分を拡幅いたすこのような事業概要でございます。以上です。
◆水ノ上 委員 駅前の一等地に330戸、約1,000人が住む商業施設つきの高層マンションが建てられる予定だということです。
そこで、堺市の主要駅の開発について少しおさらいしたいと思いますが、堺市には大阪市に直結する鉄道が4つあります。南海本線、南海高野線、JR、地下鉄御堂筋線。それぞれの線に堺市内に大きな駅があります。南海本線堺駅、高野線堺東駅、JR堺市駅、地下鉄御堂筋線の中百舌鳥駅。それぞれの駅前は今どうなっているのか。南海堺駅前は、駅の高架に伴い周辺の開発をめざしましたが、商業施設への誘致に失敗をして、北側に大型のマンションが建つなど、中途半端な開発に終わりました。イトーヨーカドーは撤退し、その後は高層マンションと一般的なスーパーが入る予定です。JR堺市駅は、ベルマージュが建設され、730世帯が住む高層マンションですが、商業スペースは若干の飲食店と100円ショップ、そしてスーパー。単なるベッドタウンであり、これといった目玉施設はありません。地下鉄中百舌鳥駅も、駅前の工場跡地に副都心として大規模開発をめざしていましたが、これも失敗して、民間が無秩序に現在もマンションを建てている状況であり、組織的、一体的な開発は今後不可能だと思われます。このように、堺市内の大型駅の駅前開発は失敗の連続でした。そこで最後の望みが堺東駅でした。
しかし、中瓦2丁の再開発を中止し、またLRT計画を凍結し、その後、具体的な構想が示されないため、にぎわいが喪失され、その結果、ジョルノビルの建てかえは330戸の高層マンション、商業施設も現在のジョルノビルの5分の1以下に縮小され、ベルマージュのようなマンション住民のための商業施設になるのは目に見えています。ジョルノビルの場所は堺東の一等地です。マンション業者にとっては堺東は魅力的、民間マンション業者の呼び水となるのではないかと思います。
ペデストリアンデッキも誰のためのペデストリアンデッキか。もともと堺東駅からジョルノ商店街まで行くためのペデストリアンデッキでした。それが高層マンション330戸、約1,000人のマンション居住者の利便のために整備されるのか、または市役所前市民交流広場までペデストリアンデッキを延伸するということですが、市役所職員のためのものなのか。そのために、聞くところによりますと10億円を超える改修が見込まれるというふうに聞いております。やがて堺東も、ほかの駅のように民間による無秩序なマンションが林立するのではないか。堺は単なる大阪のベッドタウンにすぎなくなるのではないかと危惧いたします。
これが竹山市長の言うにぎわいと風格のあるまちづくりなのでしょうか。進取の気性が堺にあると言いますが、この進取の気性は、そういったまちづくりに根づくんでしょうか。自由と自治を守ると言いながら、大阪のベッドタウンにするのか。もし堺が中瓦2丁の再開発を行い、LRTを走らせていれば、民間は魅力を感じて、ジョルノビルをマンションにするのではなくて、商業施設になっていたかもわかりません。ジョルノビルが高層マンションに変われば、堺東の活性化は私はないと思います。
そこで、もう一つ担当課に質問いたしますが、平成25年度予算案の提案理由説明において、新しい中心市街地活性化基本計画の策定に取り組むということでしたが、その方向性についてお答えください。
◎土岐 都心まちづくり推進室次長 昨年7月にお示しいたしました堺都心のまちづくりプラン、これを踏まえまして、商業の活性化とともに市街地の整備を進め、より総合的に都市機能の増進を図るために、市民会館を含みます堺東駅周辺地域の約34ヘクタールを中心市街地と位置づけまして、行政主体の取り組みと地域主体の取り組みを一体的に推進し、公民協働により活性化を進めてまいるそのような考え方でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 答弁は本当にもっともらしい御答弁なんですけれども、言ってる内容は簡単に言えば、3年たった今もこれから考えていきますということにすぎないです。
大阪府内では、堺東より風格のある、またにぎわいもある中核都市の駅は幾つもあります。高槻市の両駅とか茨木市の両駅、また日本中に視察も行きますけれども、政令市、中核市の中心駅の中で堺東ほど進んでない発展のおくれている駅はないというふうに感じています。
そこで市長に質問いたします。竹山市長はマニフェスト60の中で、堺の玄関、堺東駅西地域のまちづくりをスピード感を持って進めますとしております。中瓦町を中心とする堺駅、堺東駅西地域の開発に対する具体的な構想はお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。
◎竹山 市長 私は、この中心市街地の活性化がやはり堺全体のまちづくりの起爆剤になっていくというふうに思います。そういう意味で、今御指摘の中瓦周辺を、この堺東銀座と言われるところをどう活性化していくかというものは大事なことやというふうに思います。
ただしかし、何度も申していますように、事業者の皆さんの努力が第一なんですよ。これを捨てて、行政が区画整理が再開発がと言うことがおかしいんです。行政はあくまでアシストする。それをきちっと務めることが私どもの務めであって、それと周辺の公共施設をどうするか。例えば市民交流広場、このあたりは、やっぱり公の責任なんですよ。そして先ほど公明党の裏山先生からも御質問ございましたように、市民会館に行くときに、わくわくどきどきするようなまちづくりをしていく、こういうことが大事であって、中心市街地のまちづくりは、まさに皆さん方が言われるように役所がやってできるものではないんです。そのあたりの認識を変えていかんと、高松の丸亀商店街どうなんですか、御視察行ったんでしょう。そのあたりは、やっぱり事業者が主体になってやったんですよ。これをきちっと頭に入れて、役所として公としてどうやるか、どう共助していくかというのを議論しましょう。
◆水ノ上 委員 全然発想が違います。地権者からいろんなハードの面の発意など、私はあるはずがないと思っています。なぜなら、20年間努力した結果を潰されたのです。もう一度地権者から進んでハードの提案をするはずがありません。市長みずからがリーダーシップをとって、こうするぞと言わな怖くて、地権者の方々は動きようがありません。私は市長みずからが怠慢を、地権者に責任転嫁しているだけというふうに思います。竹山市長が方向をまず示さなければ何も進まない、これが中瓦2丁だと私は思っています。そして堺東西地域だと思います。
中心市街地活性化基本計画を25年度に策定するだけで、これも人任せです。再開発計画を中止して3年たつが、マニフェスト60の堺の表玄関、堺東駅西地域のまちづくりをスピード感を持って進めますというこの竹山市長の言い分は、私は詐欺に等しいと思います。
次に、ジョルノのことをお伺いいたしますが、先ほどより申し上げていますが、堺東駅西地域のまちづくりを進めていれば、ジョルノの高層マンション化はなかったと思っています。結果としてジョルノビルが高層マンションに建てかえられることは、竹山市政最大の失政だと私は考えております。
ジョルノビルの高層マンション建てかえに対する市長の感想は、また危機感はあるのか、お答えいただきたいと思います。
◎竹山 市長 ジョルノの再開発につきましては、地権者の皆さん方がまちづくりへの貢献や事業の成立性を考えて今の計画がなっているものというふうに思っております。本事業においては、住宅の整備だけではなく、地域のにぎわいや利便性の向上に資する商業施設や、権利者からの権利証の一部を提供する申し出もございまして、それらも含めて中心市街地のまちづくりに寄与する公益施設の整備を検討しているところでございます。
◆水ノ上 委員 私は堺市にもっと魅力があれば、このジョルノビルはマンションにならなかったと、まだ決定されたわけではないですけれども、なることはないと思いますし、また堺市がもっと財力があれば、あのジョルノビルを買って市民スペースとして利用することもできたでしょう。駅前の一等地です。地権者の皆さんは堺市が何もしてくれないから追い込まれた、このように思います。
ジョルノビルの建てかえに関し、ジョルノの地権者をもちろん責めるつもりはありません。ジョルノの地権者も堺東の一等地をマンションにすることに抵抗があったというふうにも聞いております。都市計画審議会でジョルノビルの再開発がこれから審議されますが、私も審議会委員の1人ですが、じくじたる思いです。この高層マンションを認めてしまったら、今後の堺東の発展はないと思います。
しかし、地権者の思いを考えれば、おいそれと反対することもできない。みずから堺東西地域の再開発を中止しておきながら、その後何も決断せず、全て人任せにした竹山市長の責任であると申し上げておきます。決断しない政治だというふうに思います。先ほど申し上げたとおり、堺東もほかの駅のような活力がなくなっていくというふうに危惧いたします。
続きまして、市民会館建てかえについてお伺いをいたします。
市民会館につきましては、またこの議会でも何度も議論がございました。私のほうからも質問をさせていただきますが、まず最初に、この文化芸術ホール、こういうものは駅から近ければ近いほどいいと思いますが、まずはなぜ現地建てかえなのか、駅に直結、またはすぐ近くの場所に移転を考えてこなかったのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎河邉 文化課参事 建設場所につきましては、アンケートやワークショップの御意見も踏まえ、また現在の施設の機能や役割を維持・向上できる敷地面積、柔軟な施設設計が可能な敷地形状、来場者の交通アクセスを考慮しました。加えて、老朽化している現在の市民会館の状況から、迅速かつ円滑に事業を進めること、まちのにぎわい創出への寄与を考え、都心地域における最もふさわしい場所として現地での建てかえとしました。以上です。
◆水ノ上 委員 都心地域に最もふさわしい場所、本当にそういうふうに思っているんでしょうか。また、堺東のまちづくりがはっきりしていない中、なぜ現地建てかえが決定されたのか、甚だ疑問です。堺市民会館の欠点は、交通の利便性が悪いということです。すなわち堺市民のための市民ホールであって、堺市外の人が多くにぎわうような立地条件ではありません。まして大阪市内から現地に通うようなことはないと思います。
そこで質問いたしますが、現在の計画案では事業費の総額は幾らぐらいと予想されていますか。
◎河邉 文化課参事 概算事業費としては、約145億円と想定しております。その内訳として、類似施設の事例を参考に試算した建設事業費は約140億円、現施設の解体費として約5億円を見込んでおります。以上です。
◆水ノ上 委員 建設事業費として約140億円ということで、相当高額です。これは2,000席の観客席を持つ大ホールを設置するためというふうに思いますが、それではまた御質問いたしますが、2,000席の観客席のあるホールというのは大阪府内にどのくらいありますでしょうか。
◎河邉 文化課参事 グランキューブ大阪が2,754席、オリックス劇場2,400席、今春オープン予定のフェスティバルホールが2,700席、これらの3施設となっております。以上です。
◆水ノ上 委員 3つ今お示しいただきましたけれども、3つのうちグランキューブ大阪、すなわち国際会議場は少し系統が違いますので、堺市がめざすという意味で比べるのは、オリックス劇場、旧厚生年金会館ですか、とかフェスティバルホールと思いますが、それに続く2,000席の観客席のホールが果たして堺に必要か、このように思います。大阪市内の大ホールに負けないくらいの公演が誘致できればいいですけれども、立地条件等考えて、公演を誘致できるかどうか、お答えいただきたいと思います。
◎河邉 文化課参事 多彩な舞台公演等の誘致競争力を確保するためには、公演の採算性や収益性を向上させることが必要不可欠と認識しております。2,000席程度の客席数に加え、プロデューサー等の誘致能力の活用や積極的な営業活動を行うことにより、大阪市内に大きな民間ホール等がある中でも公演の誘致は可能であると考えております。こういったことは、ホール関係者や公演の主催者等にも聞き取っております。
また、一定規模のホールとして整備をし、近隣のホールと巡回公演の誘致などで連携を図ることにより、館の魅力を高めることができるものと考えております。以上です。
◆水ノ上 委員 立地条件を考えた上で、本当に公演誘致の可能性を可能だというふうに考えているんでしょうか。大綱質疑の中での御答弁では、採算性と競争力を重視して2,000席が必要とありましたけれども、大阪市内の2,000席以上を有するオリックス劇場やフェスティバルホールなど、立地条件だけ考えても、とても競争になりません。毎日のように2,000人以上が入場していると聞いています。今、フェスティバルホールは建てかえ中ですけれど。立地条件の悪さを過小評価してるんじゃないでしょうか。
さらに質問をいたします。現在の市民会館は、計画では平成26年3月末に閉館し、平成31年4月にオープンと聞いております。丸5年かかると聞いておりますけれども、5年間大型の文化芸術ホールが堺になくなる影響はどのようにお考えでしょうか。
◎河邉 文化課参事 現在の市民会館は、ほとんどが市民を初め文化団体の文化芸術活動や講演会等に御利用いただいております。休館中の影響につきましては、利用者には大変御迷惑をおかけすることとなりますが、市内には各区の文化会館等を初め、さまざまな施設がございますので、催し物の規模等に応じて代替施設として御利用いただきたいと考えており、現在案内に努めているところでございます。
また、これまで市民会館で行われてきた文化振興の取り組みなどは、町なかなど市民の身近な場所で開催することで、文化芸術に触れる機会をふやすとともに、新しい市民会館への期待感の醸成につながるような活動を展開していきたいと考えております。以上です。
◆水ノ上 委員 休館期間は5年間と、いかにも長過ぎるというふうに思います。5年間も文化ホールがなければ、堺市内の文化の衰退は免れない、また観客も逃げるのではないでしょうか。
さて、現在の市民会館の観客席数は約1,400席、満席になるのは年間20回もないというふうに聞いています。月に1度か2度しか満席にならない。堺東の駅前のまちづくりがこれからという今のところ決まっていない中、現地建てかえが先行しているのは理解できません。大阪、他の地域のホールで競争力で優位に立つには、駅前でなければならないと考えます。堺に140億円もかけて2,000席のホールをまずありきで考える必要はありません。
先ほどジョルノビルの話をいたしましたけれども、何ならジョルノビルを買い、そこにホールをつくればというふうに思いますけれども、そうすれば屋根つきのペデストリアンデッキも役に立ちますし、平成18年度に約1億円かけて外装補修工事をして外見は問題はありません。耐震性も直ちに問題のあるものではないというふうに聞いています。文化の断絶もございません。駅直結なので、大型駐車場も必要なくなります。しかもLRTを堺駅・堺東駅間通したら、泉南地域の人々も来やすいというふうに思います。
そこで市長に質問いたします。現在の市民会館の地域を含んだ中心市街地活性化基本計画の策定を25年度に行うということでありましたが、すなわち今のところ、堺東駅周辺活性化の具体的な構想がない中、なぜ現地建てかえを進めるのか、その点をお聞きしたいと思います。
◎竹山 市長 委員の事務所の前に市民会館ございます。あの市民会館見たらわかると思います。やはり、本市の中枢文化施設として役割を担ってきましたが、老朽化が著しい。そして時代に即したホールということがやっぱり今望まれてるんです。そういう意味で、新しい市民会館は市民の皆さんがすぐれた舞台芸術の鑑賞ができるなど、すばらしい文化芸術を享受していただけるようにしたいと思ってます。また、堺を拠点とする文化芸術団体の活動の場とすることによりまして、ともに本市の文化振興に取り組んでまいりたいと思います。
それから2,000席の問題については、これは十分精査もすることもやぶさかではございません。
◆水ノ上 委員 5年間休みの後で、休館の後でできるという、現地の市民会館が立地条件という意味で、なかなか遠くの方にお越しいただけない、また駐車場も百二十数台と非常に狭い。ただ、駅からそこそこ距離がありますから、歩くには遠いですから、車という方もいらっしゃいますけれども、大型の公演等があれば、駐車場もすぐに満杯になってしまいます。そういうところから、駅前にもう一度私はできるかどうかも含めて考える必要があるというふうに思います。我々大阪維新の会は、現地建てかえについては、もう一度白紙に戻して、今、基本計画を策定する中で最もあるべき市民会館、市民ホールということを考えていくべきだというふうに思います。
次に、グランドデザイン・大阪と堺市についてお伺いしますが、時間が少々なくなってきましたので、飛ばしてまいります。
現在は少子高齢化・人口減少社会、都市間競争の時代です。堺駅・堺東駅周辺の開発には全く期待を持っておりません。竹山市政になって3年で開発意欲は急速に冷え込んでしまったと思っています。堺市のみで中心都市を開発していくのは、もはや不可能ではないかと思います。
グランドデザイン・大阪については、大綱質疑において井関議員より質問をさせていただきましたが、府市統合本部において17回の会議が行われ、昨年の6月、グランドデザイン・大阪が取りまとめられ、9月には府市と経済団体で推進会議が設立され、オール大阪体制で具体化に向けた取り組みが進められています。
グランドデザイン・大阪では、2050年に向けて大阪の今後の方向性を提示し、強い大都市、便利で快適な大都市、多様な人材が集積する大都市、都市魅力あふれる大都市、安全・安心な大都市を創造していくため、具体的に6つのエリアを特定し、集中的に開発投資していこうとしています。この6つのエリアとは、いずれも大阪市内ですが、新大阪・大阪エリア、難波・天王寺・阿倍野エリア、大阪城・周辺エリア、夢洲・咲洲エリア、御堂筋・周辺エリア、中之島・周辺エリアです。
この6つのエリアでは、あるべき都市像を想定し、それぞれの地区の独自性とポテンシャルを明らかにし、短期、中期、長期の取り組みを示しています。松井知事、橋下市長は、わずか1年余りで、まちづくりの大綱を提案いたしました。大胆で具体的な発想です。
竹山市長は大綱質疑の答弁で、これを都心中心主義と批判をしておりましたけれども、大阪市内では決断する政治が行われていると考えています。我々はこれからの都市間競争に打ち勝つためには、このようなグランドデザインを招いてエリアごとの特性を考え、選択と集中を行っていくことは非常に有効だと思っています。我々は堺市もこのグランドデザイン・大阪のプロジェクトに参加し、特に堺駅・堺東駅間を7つ目のエリアとして、大都市大阪の南の玄関口として発展をめざすべきだと考えています。
そこで市長に御質問いたします。グランドデザイン・大阪に入ることで堺の活性化を図ることは、現在の堺市の現状を考えてみれば、非常に我々大阪維新の会は有効だと思いますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◎平松 交通部副理事兼交通政策課長 平成20年12月に策定いたしました東西鉄軌道基本計画におきましては、南海本線堺駅前東口から南海高野線堺東駅前までの大小路線約1.7キロ間におきまして、6カ所の停留所を有するLRT整備を行い、平成22年度末に開業することを目標としておりました。この事業費につきましては、国からの補助金約28億円、市負担約57億円、計約85億円を見込んでございました。
また、東西鉄軌道と一体経営を行うことを前提に、阪堺線の堺市内区間のLRT化も計画してございまして、この事業費につきましては、国からの補助金約20億円、市負担約40億円、計約60億円を見込んでおりましたので、全体で申し上げますと、国からの補助金約48億円、市負担約97億円、合計約145億円ということでございました。
なお、この事業につきましては、建設費の償還を含めますと、採算性について大変厳しい状況にありましたこと、また合意形成の上でも課題がございましたこと、そういったことなどから、事業の中止に至ったものでございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 計画どおりなら、もう既に開通し、阪堺線と相互乗り入れで東西南北に走っていたということです。今の御答弁で、中止の理由もお聞かせいただきましたけれども、採算性の中に建設費の償還を入れたら、まあ、どんな事業もなかなか黒字になりませんね、市民会館とか、お聞きする文化観光拠点も。ですから、そういう理由としてはそういう採算性のこともあったんでしょうけれども、もう一つが合意形成ですが、何か新しいことをしようと思えば、必ず賛成の人もおれば反対の人もいます。反対の人の合意を取りつけるというのが政治の役目だというふうに思いますから、それを理由に中止にしたというのは、いかがかなというふうに思います。竹山市長はそういう反対派にのって市長になったというところから、その、推し進めたわけですけれども、それはそれとして、何かするときには反対派の合意も得るという手続は必ず踏まなければなりません。
さて、続きまして、東西鉄軌道に対する今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
◎平松 交通部副理事兼交通政策課長 今年度より専門家で構成いたします都心交通検討会議を立ち上げておりまして、この中で、東西交通軸を含めた都心交通のあり方について検討を進めていただいておりまして、都心活性化に交通の果たす役割や主要道路の属性比較などについて御議論をいただいてございます。今後は東西交通軸につきまして、具体的な導入路線や交通手段を想定しながら、路面公共交通を導入した場合の交差点処理への影響分析や概算事業費の算出、また最新のパーソントリップ調査結果に基づく需要予測、収支想定など、事業性に係る検討なども行っていく予定でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 この都心交通検討会議ですか、今年度から立ち上げてやるということですけれども、これも他人に任せて、そういう検討をしていただくということです。たしか2月1日に議員研修がLRTですけれども、LRTについて2月1日に議員研修が行われました。また、翌2日には市民会館において、市民団体主体の研修会が行われました。私は両方参加をいたしました。維新の会の多くのメンバーも参加いたしました。フランスのストラスブールの話、また富山市の森市長の話を聞いて、目からうろこが落ちました。グランドデザイン・大阪におきましても、阿倍野・難波間にLRTを通すことを検討されていますし、2050年までに新大阪から御堂筋を通って梅田、難波へとLRTを通す計画が話が進められております。
そこで竹山市長にお伺いしたいと思います。東西交通に対する具体的な構想、どのような構想をお持ちでしょうか。もう一つが、LRTは市民に広まりつつあります。この状況に対する市長としての取り組みをお話ししていただきたいと思います。
◎竹山 市長 先ほど担当からも御答弁させていただきましたように、東西交通軸につきましては、専門家で構成する都心交通検討会議におきまして、鉄軌道も含めまして、交通手段を想定しながら事業性の検討などを現在進めているところでございます。この会議での御議論を十分踏まえて、議会とも御議論を行った上で、市民の皆さんの御意見も入れながら、本市にとって何が最もふさわしいのかということを決断していきたいというふうに思ってます。そして、今お示しの東西交通軸については、堺市の長年の懸案であることは確かでございます。幅広く住民合意を得ていく必要があると考えております。富山市長さんがこちらに来ていただきまして、いろいろお話しさせていただきました。本当に100回以上に及ぶような住民との議論をした、会議をしたというふうにおっしゃっていただきました。事業に先立って丹念に住民と議論を重ねたというふうなことを私もそれは感心したところでございます。つきましては、都心交通検討会議における検討内容など十分に市民の皆さんにお知らせして議論をしていきたいというふうに思っております。
◆水ノ上 委員 市長に御答弁いただきましたけれども、ここでも竹山市長みずから具体的な構想はお持ちではない、そういうことをおっしゃらなかった。都心交通検討会議の検討を待ってということでした。自分自身が前市長の計画を凍結したのだから、先ほど同じロジックですけれども、竹山市長みずからがまず方向性を示さなければ、何も前に進まないというふうに思います。何をするのか、決断してから、住民の合意形成をしていくのか、住民の合意形成を得てから決断をするのか、今の市長の御答弁でしたら、住民の合意形成を得てから、みずから決断する。しかし、今、市長の口からも出ましたけれども、富山の森市長は、そうじゃなくて、まず決断をしてから住民の合意形成を行った。ですから、100回、それ以上の市民との対話を続けていったというふうに聞いております。その結果、LRTも成功しているというふうに考えています。何か新しいことを進めようとしたら、必ず反対の人は出てきます。それを説得して合意を形成していくのが、市長の役目であり、また皆さんの役目と思います。
竹山市長は反対する者を説得するのが苦手なのか、私には回避することが多いように思います。その結果、何でも検討会議等にお任せして、みずから決断しない、だからスピードが遅い。先ほどの堺東西地域におきましても、このLRTにつきましても、市長になってから、もう1期目が終わろう、任期が終わろうとしているのに、今でもこの段階、いかにもスピードが遅いのは、みずから決断できなかったから、そして、これが堺市の中心市街地の衰退につながっていると、私どもは思っています。
我々大阪維新の会堺市会議員団では、堺みずからの活性化のためには、既存の鉄道・バスと結節するLRT交通網は非常に有効だと考えています。将来は中心市街地から車を締め出して、人に優しいまちにすべきとも考えております。大阪の動き、また堺市民の動きと連動して、堺にLRT交通網をつくっていくべきだというふうに考えております。
以上で、東西交通、LRTを終わります。
続きまして、文化観光拠点についてお伺いをいたします。
旧堺病院の文化観光拠点整備事業については、今まで、何度か議論をしてまいりました。いよいよ今回補正予算及び当初予算に上程されました。この予算が通れば実行に移されます。我々大阪維新の会は、この文化観光拠点について会派内でも何度も真摯に議論をいたしました。きょうが非常に重要な議論になるというふうに思っています。
そこで、まず基本的なこととして、文化観光拠点の事業概要と、今予算案で上程されている予算についてお聞かせください。
◎森 観光部次長 文化観光拠点は、堺市の都市魅力を発信し、観光集客を図るとともに、堺観光のネットワークを形成することにより、市内周遊を促進し、まちのにぎわい創出と都市活力の向上に寄与することを目的としております。事業の内容としましては、千利休、与謝野晶子をテーマとする文化施設を初め、観光案内施設や交通関連施設、民間事業者による飲食物販などの来訪者サービス施設などを整備するものでございます。今回の予算は、平成24年度補正予算として、5億4,150万円、平成25年度当初予算として6億5,424万1,000円、平成26年度にわたる債務負担行為として23億9,900万円を上程しております。これらを合わせますと約36億円ということになります。予算の内容としましては、文化観光施設の建設や展示物の製作に関する費用のほか、周辺道路の整備、埋蔵文化財の調査、施設の開館に向けた管理運営計画や集客プロモーション計画策定に係る経費などを含んだものでございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 まず、予算総額が36億円という非常に大きな予算であるということ、けちを自称する竹山市長としては大盤振る舞いやというふうに思います。建築関連だけで36億円、堺の観光の集客の目玉にしたいということでしょうけれども、そのコンセプトは与謝野晶子と千利休、我々の周辺からも36億円かけて与謝野晶子と千利休で、確かにこの方々は立派な方ですけれども、観光客を呼ぶという観点から、大丈夫かという声を聞きます。そこで御質問いたしますが、ちなみに年間入場者、どのくらい見込んでいるでしょうか。
◎森 観光部次長 年間の入館者数ということでございます。文化観光拠点のうち、市において整備します文化観光施設の入館者数につきましては、年間15万人から20万人を想定しております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 年間15万人から20万人、これは相当な観光客ですね。年間、堺市には600万人とも700万人とも言われる観光客がいらっしゃるということですけれども、それにも比して、この15万から20万というのは、初年度はどうかわかりませんけれども、それがずっと続くのかというのは大いに疑問に思います。施設のランニングコスト、どの程度かかるか、試算していればお聞かせいただきたいと思います。
◎森 観光部次長 文化観光拠点の公共施設の管理運営につきましては、現在、指定管理者制度の導入を想定をしておりまして、25年度、施設の設置条例についても、議会のほうに上程したいと考えております。運営計画あるいは事業計画について、現在検討を進めておる段階で、それらを反映をして施設の運営費を精査をしていくということになりますけども、既存の施設などを参考に試算した概算額ということで申しますと、年間一億数千万円程度の費用がかかるというふうに考えてございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 概算額としても年間一億数千万円、数千万円というのも1千万から9千万まであるわけですけれども、間をとって1億5,000万円としてもですね、相当大きな概算額となる。入場料はまだ決まっていないということですが、入場料500円としましても、10万人、20万人で入場料は1億円、10万人だったらざっと1億円程度の赤字、20万人でも黒字にはならない。ほかにも物品の販売等々があるんでしょうけれども、入場料だけ考えたらそういう計算になります。減価償却、償却などを考えれば、採算など全くとれるものではありません。
基本設計概要には、文化観光拠点は観光案内施設、千利休、茶の湯関連施設、与謝野晶子顕彰施設が一体となって堺の歴史文化の魅力を発信し、観光誘客を図る施設とあります。そこでまずお聞きをいたしますが、与謝野晶子顕彰とは何を顕彰するのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
◎梅木 文化課長 与謝野晶子は御承知のとおり、堺で生まれ育ち、日本の近代文学を切り開いた歌人として広く知られている堺が誇る先人の1人でございます。この施設では、幅広い分野で活躍しました晶子の業績、メッセージ、生き方、こういったものにつきまして、堺のまちとのつながりの中で、広く多くの方々に知っていただく、そして、その魅力、意義というものを次代に継承していくような施設にしてまいりたいと考えております。また、国内外の晶子顕彰の拠点としまして、全国にある晶子ゆかりの地とのネットワーク、こういったものを形成することで、多くの人、文化が交流をする場としての情報の発信、集積、こういったことを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 御答弁にありましたとおり、確かに幅広い範囲で活躍をされた、その幅広い範囲を具体的にお答えいただきたかったんですけれども、まず、与謝野晶子は、一般的に情熱の歌人と言われていることが多い。最近では少なくなりましたけれども、君死にたまふことなかれがあるように、反戦詩人、反戦歌人と言われることもあります。与謝野晶子が活躍した時代は日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、上海事変、支那事変、大東亜戦争と続くまさに戦争の時代でした。晶子は決して戦争を肯定したわけではありませんけれども、晶子の歌には祖国日本のために命をかける軍人をたたえる歌がたくさん残されています。
1つ例を挙げれば、第六潜水艇が沈没したとき、佐久間勉艇長を含む乗組員が示した英雄的な最期に対して、十数首の称賛の歌を残しています。また、与謝野晶子は皇室、天皇に対して深く尊敬、感謝の念を持っており、天皇や皇后に関する歌も多く残っています。これらのことから、与謝野晶子は尊王愛国の歌人とも言います。そういう一面も持っています。
しかし、この一面は今まで余り取り上げてこられませんでした。もちろん女性の自立を唱えた、女性自立論者でもありました。このように幅広い晶子の活躍した分野、それを残すことなく発信をしていく、こういう努力が必要かなというふうに思います。ただし、私も与謝野晶子は尊敬もいたしますし、大変好きな歌人ですが、また思想家でもあると思いますが、一般的には作品がドラマ化されているわけでもありませんし、晶子の人生が映画化されているわけでもないというところから、観光客の動員が期待できるかといえば、疑問だというふうに思います。
続いて、お茶のことについてお聞きしたいんですけれども、千利休や茶の湯文化で本当に集客ができるのか、また中央環状線に隣接する雑踏の中で、千利休、お茶が観光の起爆剤となると考えているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
◎森 観光部次長 千利休や茶の湯をテーマに集客ができるのかということでございます。まず、我々、この文化観光拠点を進めるに当たりまして、まず平成18年、文化観光再生戦略プランの策定時に、市外の方を対象に堺にゆかりのある歴史上の人物についての認知度を調査をいたしました。千利休は80.8%と堺の先人の中でもとりわけ高い結果となってございます。また、千利休が大成した茶の湯文化は、中世堺において開花した文化であり、我が国を代表する文化の1つとして発展、継承をされております。海外からの観光客などにも高い関心を持たれているというふうに認識をしてございます。
しかし、現状におきましては、この千利休や茶の湯文化が堺の都市の魅力として十分にPRできていないと、そういった状況にあるというふうに認識しております。文化観光拠点では、こうした課題を踏まえ、千利休が大成した茶の湯文化に中世の堺のまちが果たした役割を紹介するとともに、今の堺に残る利休ゆかりの地なども含めて広く情報発信し、観光集客につなげていきたいと考えております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 お聞かせいただきましたとおり、茶の湯は堺が発祥の地と言えますけれども、茶の湯の文化の中心は現在京都です。千利休亡き後、堺千家は一代で断絶しており、堺の茶の文化、その伝統は京都に移りました。京都では千利休後も三千家により茶の文化が継承され、今に至っています。
今の御答弁では、堺にゆかりのある歴史上の人物ということで、千利休が80%ということでしたけれども、ほかに有名な人がいないのかなという感はいたします。ただ、千利休はどこの人かと聞いたときに、堺の人という以外にも京都の人という答えも意外に多い。意外というか、茶の本場が京都ということで、そういう答える人が非常に多いというふうに聞きます。また、江戸時代には武士のたしなみとして、大名家により茶の湯が継承をされてきました。この文化観光拠点で茶の湯体験をできるとしていますが、中央環状に面した雑踏の中で、茶の湯を体験をしてもらって、わび、さびが本当に感じることができるんでしょうか。また、茶の産地でも堺はありません、こういうことから、観光客動員についても、この点についてもまた疑問に思います。
さて、今回36億円という巨額の予算をつぎ込んで、文化観光拠点を整備していくという計画ですけれども、ほかにも類似施設があると思いますが、その類似施設について年間の来館数などについて、簡単で結構です、御説明いただきたいと思います。
◎森 観光部次長 本市の文化観光拠点のコンセプトと類似をする施設といたしましては、1つは、鹿児島市の維新ふるさと館がございます。ここは鹿児島市の歴史観光の拠点であり、明治維新に関する展示や西郷隆盛など要人ゆかりの地を紹介する施設となっております。平成6年の開館以来、年間約15万人から19万人の来館者数となっております。
もう一つの事例としましては、平成23年度に開設した熊本市の桜の馬場城彩苑がございます。こちらは熊本城に隣接し、熊本城の歴史紹介や観光案内施設に加え、民間事業者による飲食物販施設を併設した施設となっております。このうち、有料の展示施設への入館者数は開館初年度におきまして約20万人となっております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 鹿児島の維新ふるさと館は私も二度行ったことがあります。実に見ごたえのある施設でした。島津藩の歴史と明治維新、また西郷隆盛や大久保利通、東郷平八郎など、明治時代を、また日本を国家をつくっていった、そういう方々の息吹が触れることができるような施設でした。非常に満足いたしました。また、熊本城にも昨年行きましたけれども、あいにく城彩苑については閉館でしたので、時間的にも見ることができませんでしたが、天下の三大名城の熊本城のすぐそばにある、立地条件も非常にすばらしいところにある。ここも加藤清正を初め歴史上の人物を多く輩出した場所でありました。観光客数がおのおのが15万から20万人というのもうなずけます。
堺の文化観光拠点、先ほど御答弁いただきましたけれども、15万から20万、恐らく、こういった施設のことを例に挙げて、15万から20万ぐらい入ればいいなと思っているのではないかなというふうに思いますけれども、過大に期待し過ぎではないでしょうか。堺市の年間観光客数は約700万、鹿児島が約1,000万、熊本が堺市と同程度というふうに聞きます。与謝野晶子、千利休は、もちろん郷土の偉人として誇りに思っていますけれども、熊本や鹿児島と比べて、その知名度について大きな隔たりがあります。
そこで、狭間副市長にお伺いしたいと思いますけれども、狭間副市長は、当初よりこの文化観光施設に携わってきた。ということで、堺のコンセプトは与謝野晶子と千利休、鹿児島や熊本に引けをとらないような集客が期待できるかどうか、そういう点、そして、当初、狭間副市長が思っていたとおりの施設になっているか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
◎狭間 副市長 今、担当課から御説明させていただきました鹿児島市の維新ふるさと館、それから熊本市の城彩苑、その入館者実績と私どもの文化観光拠点の入館者想定の数は、確かに同じ同程度を想定しております。両市とも非常に観光客の訪問者の多い市ではございますが、本市も近年のさまざまな観光施策によって、御承知のとおり、観光客数は年々増加しております。また、この文化観光拠点のオープンに伴いまして、さらに増大が期待できるところでございますので、年間15万人から20万人という目標は、十分に達成できる数字であるというふうに認識しております。
また、文化観光拠点のあり方でございますが、委員の御指摘は、私、副市長に就任させていただく以前から、堺市の文化観光拠点建設検討委員会等で一委員としていろいろ意見は述べさせていただいておりました。実際に計画当初から経済情勢の悪化等もありまして、当初の事業内容、あるいは事業スキームから変化しているというのも事実でございます。また、この変化は堺市の昨今の観光の状況、あるいは課題の解決のために、事業再構築しているという状況です。現在は、私自身も一委員というよりは、文化観光全体を所掌する立場から事業の判断をいたしまして、推進をしているという状況でございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 副市長より丁寧な御答弁をいただきました。ただ、15万から20万人の観光客が予想されるというのは、私はいかにも過大ではないかなというふうに思います。その理由はもう先ほど述べたとおりですから、もう同じことは申しませんけれども、我々はこの堺にも確かに歴史的な誇る文化があります。ただ、これを1点に集めるべきだと、集約するべきだというふうに思います。それは大仙公園及びその周辺にあろうかというふうに思います。後ほど、この後で議論いたしますけれども、仁徳天皇陵のそばにガイダンス施設をつくる予定もあります。大仙公園内には堺博物館もございます。堺博物館を増設するか、また横に新館をつくるか別として、与謝野晶子の文学館及び茶の湯施設をつくるべきだというふうに思っています。大仙公園の中には茶室もあります。仁徳天皇陵のそばでお茶を飲むこともできます。そのための施設をつくるのは理にかなっています。また、与謝野晶子の顕彰施設も、先ほど申し上げたとおり、尊王の気持ちの強い歌人であるからには、そういうところに文学館をつくることも理にかなっているというふうに思います。
このように、集約することによって、堺の文化の息吹、仁徳天皇陵から堺の博物館、そして、千利休、与謝野晶子、一堂に並べて、そこにお越しいただく、そして、堺の文化を味わっていただく、そういう仕組みも必要かなというふうに思います。
一方、旧堺病院跡地は、観光施設に特化をする。旧堺の町並みを復元したり、お土産や特産品を売るなど、食事のできる場所、観光案内所を拠点に旧市街に点在する歴史施設を周遊するような拠点とする。また、その中に文化施設への呼び水として、与謝野晶子の紹介とか、また千利休のお茶も説明とか、お茶もたしなむことができる施設もあってもいいかもわかりません。ただ、文化施設と観光施設をはっきり分けるというのが、我々大阪維新の考え方であるというふうに申し上げたいと思います。
そこで最後に市長に御質問申し上げます。今まで申し上げたとおり、我々大阪維新の会は、与謝野晶子や千利休の文化施設は大仙公園に集約すべき、旧堺病院跡地は観光施設に特化すべきと考えています。市長のこの文化観光施設に対する思い、長年温められたというふうにも聞いておりますけれども、その意見をお聞きしたいと思います。
◎竹山 市長 私は、十何年前から市民として、あの旧市民病院跡地があのまま跡地だけで残っていることに市民として非常に不満を持ってました。何でこんなところで、大事なところで野っぱらになって置いているんやろうと。特に堺の中心、まさにへそみたいなところで、ああいう形でもったいない使い方してることについては、市民として憤りを感じていました。そして、市長に就任して、文化観光拠点という、それを今まで社会経済情勢によって、やっぱりいろいろコンセプトが違う中で、一定やっぱりまとめた、これこそ先ほど水ノ上さんにできない言われましたけど、決断したというふうに思っております。その決断においては、有識者の皆さん、そして、市民の皆さん、いろいろ議論をしてから決断したんです。そして、3年半の中で、これを何とか25年度、施設の建設に向けてスタートすることができたと思います。
あの地は与謝野晶子さんと千利休のふるさとにふさわしい土地でございます。生家跡、そして家の跡もございます。その大事な歴史的な文化的な遺産をきちっと顕彰しながら、観光客の皆さんに来ていただく、これが大事であって、単なる観光地ではございません。堺の文化、歴史、そういったものを味わってもらうような土地やと思います。そういうふうに全国、世界から人が来ていただいて、あの地域、特に山之口商店街のにぎわい、何とか取り戻したいなというふうに私は思っております。
◆水ノ上 委員 長年の構想であるということはわかります。今ここに来て、それが実現すると、そういう思いもわかりますが、先ほど来申し上げているとおり、熊本の例、また鹿児島の例も出しました。あの熊本、鹿児島にしても、やはり15万から20万人の入場者、そして先ほども申し上げましたとおり、1人仮に500円とすれば、20万人来ても1億、ランニングコストが一億数千万かかるというのであれば、その採算性は非常に難しい。
ちょうどおとといですか、3月10日に大阪市のなにわの海の時空館が閉館をいたしました。約180億円かけて建設しましたが、予想入館者60万人を大幅に下回って、最高で20万人の入場者、最近では10万人を切る状況、うち入館料の要らない小・中学生の社会見学が半数を占めたと聞きます。毎年の赤字額は2億円から3億円であったと聞いております。それで閉館をいたしました。
先ほど来申し上げているように、10万人切れば、1億円にかかわる赤字が出る。それを埋めるには非常に厳しい、そういう採算性に非常に気にしておられた市長がこれにゴーサインを出す、どれだけここの15万人から20万に実効性があるのかということを疑問に思います。
私どもは、このままいけば、堺のこの文化観光施設も、やがてこの時空館のようなことになろうというふうに思います。社会見学の施設になるのではないか、広く市民の声を聞くことをお勧めし、私どもはこの文化観光拠点をいま一度考えるべきだというふうに思います。このことを申し上げて、この質問を終わります。
続きまして、百舌鳥古墳群の世界遺産登録とガイダンス施設についてお伺いをいたします。
百舌鳥古墳群の世界遺産登録、これも以前から議題にいろいろ上っておりますけれども、この百舌鳥古墳群の説明するとき、堺市では資産価値という言葉をよく使います。この資産価値という言葉、私はこういう言葉遣いは余りふさわしくないんではないかなというふうに思うんですが、ここで言う百舌鳥古墳群の資産価値というのは、どのような意味でお使いになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◎大村 世界文化遺産推進室次長 委員お尋ねの百舌鳥古墳群の資産価値という言葉の点でございますけれども、これにつきましては、世界遺産登録に当たりまして、その遺産の持っております価値であるというふうに考えております。その内容といたしましては、百舌鳥古墳群に関しましては、まず、世界最大の面積を誇ります仁徳天皇陵古墳などの巨大古墳を含んでおり、世界の他の巨大建造物、例えましたらエジプトのピラミッドでございますとか、中国の秦の始皇帝陵等にも匹敵する資産であるということだと考えております。また、巨大古墳を頂点といたしまして、古墳の形や大きさが、当時の政治的・社会的な階層性を反映しているという独特の文化的伝統を示しておりまして、日本を代表する古墳であるということも資産価値として重要であるというふうに考えてございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 この資産価値という、陵墓に対する資産価値という言葉、百舌鳥・古市古墳群には10の天皇陵が含まれています。前にお見せいたしましたけど、きょうはもう時間がありませんのでお見せいたしませんが、堺市には3つの天皇陵、古市古墳群には7つの天皇陵、合わせて10の天皇陵があります。天皇陵を指して資産価値云々という言葉を使うことは、不謹慎だというふうに思いますので、以後はお使いにならないほうがいいということを申し上げて、次に進みますが、例えばこの10の天皇陵があります。今のそのうちの仁徳天皇が中心ですが、この仁徳天皇は、今の今上陛下とどのようなつながりがあるのか、確認の意味でお答えいただきたいと思います。
◎大村 世界文化遺産推進室次長 委員お尋ねの仁徳天皇におかれましては、第16代の天皇ということで、皇室の祖先とされている方と承知しております。以上でございます。
◆水ノ上 委員 すなわち、百舌鳥・古市古墳群の10の天皇は全て今の今上陛下の祖先であるということです。先ほど来、ピラミッドと始皇帝陵の話が出ましたけれども、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵、そして仁徳天皇陵は、世界三大陵墓と言われておりますが、仁徳天皇陵とピラミッドや始皇帝陵と決定的な違いは、現在でもその子孫が帝位にあるということ、それゆえに日本は現存する世界の中で最も古い国家とも言われています。世界の人々が日本に敬意を払うゆえんでもあります。私は百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録の目的は、日本の国柄を世界に知らしめるものでなければならないと思っています。
そこで質問をいたしますが、ガイダンス施設の具体的な内容や規模についてどのように考えているのかお答えください。
◎大村 世界文化遺産推進室次長 委員お尋ねのガイダンス施設についてでございますけれども、その目的といたしましては、世界的に貴重な百舌鳥古墳群の価値及び重要性につきまして、来訪者の皆様を初めとする方々に十分御説明し、理解をいただき、遺産の保護や登録の機運醸成を図りまして、ひいては、歴史文化を活用した都市魅力の創造につなげるものというふうに考えてございます。
お尋ねの内容、規模の具体につきましては、今後検討を進めてまいりますけれども、百舌鳥古墳群の特徴でございます巨大古墳の雄大さを体感いただくために、最新の技術を駆使した映像の上映施設や、来訪者の方が興味と関心を持って古墳を周遊していただき、あるいは見学いただけるよう、百舌鳥古墳群の価値、魅力や世界遺産登録の意義についてわかりやすく御説明をする施設、こういった展示等が必要であるというふうに考えてございます。以上でございます。
◆水ノ上 委員 今まで何度か御答弁いただいたとおりの御答弁、仁徳天皇陵のガイダンス施設に来る人は、今おっしゃったようなそういう価値といいますか、物の大きさ、雄大さ、そういうものだけに関心があるのではなくて、なぜこれほど大きな陵墓になったのか、物語や、その物語や国民とのかかわり、そして現在の皇室との関係について期待しているというふうに思います。
さて、仁徳天皇についてですが、仁徳天皇は日本史上初めて大阪に遷都をした天皇です。大阪に都を移した天皇でした。浪速高津宮と言われ、上町台地、現在の高津高校あたりにあったと言われています。いわば大阪に初めて都ですから、大阪都の最初が仁徳天皇なんです。1600年前に仁徳天皇が大阪都をつくった。橋下徹代表をさかのぼること1600年前です。大阪都があったということです。
大阪の発展の基礎は仁徳天皇が築いたといっても過言ではありません。仁徳天皇はかんがい工事や大土木工事、港の整備など今でいうまちづくりに心血を注ぎました。それゆえに難波天皇とも呼ばれました。そして、堺に世界最大の陵墓があります。我々は1600年の時を超えて大阪都をつくろうとするとき、仁徳天皇の御陵のある堺が大阪都に参加することは歴史の必然だというふうに考えております。
ガイダンス施設についても、堺だけで構成しつくるのではなく、大阪府、大阪市、ともに協議し、建設することが望ましいと考えています。我々は仁徳天皇が大阪都のシンボルであるとともに、仁徳天皇陵に隣接して建設されるガイダンス施設は、大阪全体のシンボル、また日本のシンボルとなる施設であるというふうに考えています。大阪市への年間観光客数は約1億人と言われています。堺の観光客数は約700万人ですけれども、桁が違います。それだけの大きな観光客が来る大阪、その隣接する堺に、観光客を呼ぶには、先ほど来申し上げたとおり、1つに集約をし、大阪と一緒になって観光戦略、観光政策を考える、このことが堺の観光にもつながると、このように思っております。
そこで市長にお伺いいたします。今、ガイダンス施設はこれからどういう構想をするかということを設計するわけですけれども、今申し上げたとおり、堺市だけでやるのではなくて、大阪府、大阪市、全体の観光の戦略の1つとして、この施設をつくっていくべきだというふうに思いますが、このガイダンス施設のあり方について、市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。
◎竹山 市長 世界文化遺産の登録に当たりましては、大阪府と本市、羽曳野市、藤井寺市が既に一丸となって取り組んでいるところでございます。ガイダンス施設についてもそのあたりも十分議論しているところでございます。さらに登録実現に向けては、4自治体のみではなく、大阪の財界、関西の財界初めオール日本で取り組む必要があるというふうに私は思っております。堺が大阪都になれば、百舌鳥古墳群は異なる地方公共団体に分割されます。ほなユネスコに何て言うて申し開きしてええかわからへんようになりますね。2つや3つになったら、違う団体になりますわ、はっきり言うたら。これこそユネスコ怒ってしもて、世界文化遺産どころと違うというふうに私は思います。御陵さんは堺市民、堺市、そして国民のもんです。これを大事に守っていきたいと思います。
◆水ノ上 委員 今の言うてる意味がよくわからないんですけれどもね、仁徳天皇の価値は変わることはないし、市がどう分割・再編されたとしても、仁徳天皇陵の普遍的な価値は変わることがない。ユネスコはそんなことで怒らないというふうに思います。
さて、これをもちまして、この質問は終えさせたいと思います。なおですね、6問目に予定しておりました平成25年度以降の財政運営、堺市長選再出馬表明を受けてにつきましては、また、池田議員とかわりますので、この質問は討論等で申し上げることにして、私の質問はこれで終わらせていただきます。
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